突いて、引いて。それを繰り返す単純な作業。けれどイリヤスフィールはたったそれだけで絶頂を迎えるほどに薬の影響が出ていた。純潔を失うという本来ならば痛みを伴うはずの行為であるにもかかわらず快楽以外の色がない声をあげるほどに。イリヤスフィールの幼い体躯に見合った狭さの膣に、さらに絶頂という状況も加わっての締め付けに、堪えきれずに射精する。
それと同時に、胤の中に混じった「この世全ての悪」が彼女を子宮から作り変えていく。
アイリスフィール、セイバー、キャスターの三名に対して行ったのと同じような彼女の肉体を作り変える行為そのものが彼女に快楽を与えながら、抗う余地など与えずに彼女の全てを俺だけのものへと変化させる。
快楽によって抵抗するだけの余力を全て奪われた彼女がこちらに対して向ける感情は、惚れ薬によって強制的に抱かされ、もう抵抗の余地も抵抗しようと思う心すらも奪われた状態での恋愛感情。俺の”お願い”を聞いて体位を変えてくれる程度には、俺が射精すると快楽に流されながらも嬉しそうになる程度には強制的に形作られたその感情は強かった。
「あら、順調のようね」
「アイリか。……ああ、見ての通りな」
彼女の目の前には死んだはずの母親が来たにもかかわらず俺のことしか見えていない、俺にすり寄ってくるイリヤスフィールの姿が。秘部を見れば未だに俺とつながっていて、ゆるゆると動きながら気持ちよくなろうと、快楽に溺れた彼女の娘の姿がある。
アイリスフィールもアイリスフィールで、本来ならば第三魔法を成就させるときにのみ着用するはずの天のドレスを泥で模してセックスの時に着ているのだからまあエロいことに変わりないのだが、イリヤスフィールのこのエロさはまた別のものがある。
「イリヤにも早めに堕ちてもらいましょう」
そのためにちょっとだけ貸して欲しいの、とセックスの最中にもかかわらず俺が誰か他の人間と会話をしていることに対してご立腹らしいイリヤスフィールのことを眺めるアイリスフィールからの言葉。
イリヤスフィールはすでに惚れ薬の影響で俺のこと以外考えられなくなってしまっている状況を視認しての言葉。もうアイリスフィールが裏切ることはないとわかっているけれど、それでもこの状況下で何をするつもりなのか、少しだけ訝しむ。
「ああ、わかった」
なので、今この場で、俺もいる状況で行ってもらうことにして、イリヤスフィールの子宮を逸物で突いて強引に快楽を与えて気絶させる。
はてさて、一体何をするつもりなのやら。
気がついた時に、これは夢だと断言できた。
「起きたかしら、イリヤ?」
「お母様……」
だって死んだはずのアイリスフィール・フォン・アインツベルン……お母様がいたのだから。
この部屋には見覚えがないけれど、夢なのだからきっと私が望んだ空間なのだろう。私もお母様も裸で、きっとこれは胸の内をさらけ出したいと思う私の深層意識か何か、といったところだろうか。
「ねえ、イリヤ」
ポスン、と抱きしめられ、たわわに実った胸に顔を埋める。抱きしめられた時にお母様の指が背中に触れて、それだけで身体中に快楽の電流が走り声を上げてしまう。恥ずかしさで顔を赤くしてしまうが、お母様はそんな私にも頓着することはなく。
「イリヤは、どうしたいの?」
「どうしたいって……」
言葉にされて考える。そもそも私を犯したあの男……おそらくは臓硯の縁者か何かに復讐がしたいのか、と言われると殺したくはないと心が全力で叫んでいる。
きっとあの薬にそんな類の呪いがかけられていたか何かだとは思うが、それでも抵抗できなかったのは事実で、そして抵抗したくないと心が感じてしまっている時点でおしまいだ。
心と体を切り離して、なんてことは私にはできないし薬のせいとはいえ今の私は少なくともあの男を好いてしまっているという事実だけがここにはある。この感情を消そうとすることができない限り、私にはどうしようもない。
「あの人の女になりたいの?」
「それは……はい……」
これが薬のせいだとはいえそういう感情が生まれていることには変わりない。自分の夢の中で嘘をついてもしょうがないことなのだろう、と諦めて頷く。彼に犯されたい、彼の手で気持ちよくなりたい、彼を気持ちよくさせてあげたい、彼専用の体にしてほしい、そういった感情が渦巻いていて、なるほど。これは好きと言わざるを得ないだろうと納得してしまう。それを一言でまとめるとつまりはお母様が言葉にした通りで。
「ふふっ。別に怒るつもりはないわ。あなたがそれで幸せになれるなら、それでいいじゃない」
「え……?」
ただそれはアインツベルンの女としては……聖杯を追い求めるアインツベルンのマスターとしては失格の行為である。すでに敗北したのだからそういう意味では別に問題のないことなのだが、それでも少しばかり引っかかってしまう。だからその言葉には驚いた。
「あら、そんなにおかしなことかしら? 私がイリヤに幸せになってほしいって思うよりもアインツベルンとしての務めを果たしなさいなんて言うと思ってたの……?」
「……そんなことないわ」
ただ、よくよく考えればこれは私の夢だ。つまり、私はこの感情に従っていい理由を欲していて。だからお母様はこうして良しとしているのだろう。だったら、それに従ってしまった方が楽だ。
「なら、何をすればいいのかはわかるわね?」
「はい」
彼に犯されることを想像しただけで心が跳ねてしまっている。それもこれも全部薬のせいだから、ともう開けっぴろげにしてしまっても問題はない。だったら心の赴くままに全部言葉にして彼に対して迫ってみよう。もしかしたら驚いて、戸惑ってくれるかもしれない。そうなれば少し爽快だ。
「そこまで決まってしまえばあとは現実に戻るだけよ。……眠ってしまえば現実の方に戻れるわ」
「はい!」
そうして目を閉じればお母様の子守唄が聞こえてくる。夢の中で眠ると言うのはなかなか不思議な体験だが、それはそれでいいだろう。
目を覚ました後に訪れるであろう自分の行動で驚くであろう彼が見られる未来を思えば、少しばかり溜飲が下がったので、今の私はそれで良しとしておこう。
イリヤちゃんにはひどい目にあって欲しくないですからね。