顎『おいッ!!番犬ッ!!ここは俺が引き受ける。お前も奴らの元へ行け!!』
シャド『チッ…!!けどよぅ…!!おっちゃん!!いくらアンタ一人でも…!!』
顎『…漣を頼んだぞ!!』
…ラミア。ラミア・スカーレット。恐らく、彼女はメシアに一番近い…妖怪だ。彼女はまるで…全てを必要としていないような目をしている。なんなんだ?アイツは…!!
ラミア「さぁ!!コッチから行くわよッ!!」
…先程の朱雀への攻撃。その一瞬で奴の剣は輝きを増した…。悪魔が持つにふさわしい剣だな。血塗られた剣だ。そんな考え事をしていると奴の剣先が俺に向かってくる。俺の血も…吸うつもりなのか?ならば…。
漣「幻想『水操奇術』『酒呑砕月〜伊吹乃萃まり』」
次の瞬間、グサリと俺の肩あたりに激しい痛みが襲った。ちなみに血やらなんやらは後でなんとでもできる。フルンティングはゴクゴクと俺の血を吸っているようだ。
メシア「ふふ。なにが断罪よッ!!こけ脅しも甚だしいわ!!やっぱりぃ〜…か・み・さ・まってそんなもんなのかしらねぇ〜!!きゃはは!!」
…この女のナメ腐った態度に虫唾が走る。口角はニヤリと広げ、目はカッと見開くラミア。
シャド「…ガキ。テメェにはアイツの意図が読めるか?」
神「…ま、まぁ、ある程度は…。」
…流石は神君だ。長年、一緒に居たシャドと張るくらいの洞察力…。まぁ、シャドの場合、匂いで相手の考えていることも当てちまうから、規格外なんだけどな…。
ラミア「なっ!?…え?」
俺が余裕綽綽なのが気に入らないような表情をした後、フルンティングを再度、俺の心臓付近に突き刺そうと目一杯押し込むメシア。だが、刃は前にも後ろにも動かない。それどころか血を吸うのをやめ、俺の血が逆流していくのだ。
ラミア「血、血が逆流して…!?フルンティングが…元に戻っちゃうッ!!」
漣「説明ご苦労なことだな。簡単な話、俺は最初からこうするのが目的だったんだ。」
ラミア「な、なに!?」
月夜見「ま、まさか…逆流…とは。」
俺の背後では先ほどまで戦っていた月夜見が和泉の肩を借り、神君達と合流しているところだった。叢雲…続くラミア戦で着物はボロボロだった。
シャド「そ。あの機械弄りの好きなカッパちゃんの能力を万能化させたスペルを使って血を操ってンだが、どうもその力には操れる範囲の限界があるみたいなんだわ。ンで、人一人の血液の量はその限界を突破している。それを酒呑童子の能力を模したスペルで密度を多くして、一度に沢山の量を操ったってワケ。あんな荒技、絶滅の灯火を使ってなきゃ、出来ねえだろうな。」
ラミア「そんなの…ありなの!?」
フルンティングの輝きが元に戻る。それと同時に俺はフルンティングの刃を右手で掴み、赤黒く輝きがほぼ失われたその刃を力いっぱいに折る。刃にはヒビが現れ、その直後、刃は真っ二つに折れた。…タイムリミットまで後20分。
ラミア「な、なんなの!!貴方!!フルンティングを…折るなんて…!!許さない!!紅魔『元祖・スカーレットシュート』!!」
…レミリアのスカーレットシュートより大きな弾幕が飛んでくる。俺はその弾幕を宵ノ明星の抜刀で真っ二つに斬り、そのまま、ラミアに刃を入れる。ラミアの肩からは血が流れ出ていた。
ラミア「ぐっ…!!」
漣「…終わりだ。」
俺は右手をラミアの前に翳す。
ラミア「ま、まだよ…!!血装『ブラッディ・タイム』!!」
…なんだ?
ラミアの肩の傷口から血がドロドロとラミアを包むように流れ出る。それはまるで神君のアサルトモードのようだった。
ラミア「ここからが本当の勝負よ?ふふふ…。」
神「解放『魔神王之力』!!」
…スピードが上がったラミアの攻撃。恐らくそれはひどく重いものだろう。だが、赤い悪魔を止めにきた黒い魔神がカウンターかと言わんばかり、その悪魔の腹を蹴り、ラミアを後方へと飛ばした。
神「大丈夫か!!漣!!」
漣「一応ね。」
油断は禁物だな。
ラミア「ぐぐぐ…。女の子を吹き飛ばすなんて…!!行けない子ね!!」
神「ここで!!そんな甘ったれた事言えるかッ!!」
俺と神君は交互にラミアに攻撃を加えていく。俺は神君と戦ったような一手先を読み、なにもさせないように攻撃し、神君は先陣を切ってラミアに攻撃を仕掛けていく。
ラミア「くっ…!!」
神「焼却『ブレイブバースト』!!」
漣「消えろ…。幻想『核熱核融大爆発』」
俺は神君のレーザーに合わせ、左手に小さな太陽に近い力の球体を出す。
ラミア「ぐっ…!!や、やめて…!!い、いくら…デイウォーカーである…私でもッ…!?」
漣「…お前は…そう言った者たちの…命乞いを聞いたことがあるのかい?」
ラミア「なっ!?」
神君のレーザーを両腕をクロスしてガードするラミアの背後から左手に持っているエネルギーの球を打ち込む。するとラミアは苦しげな声を上げ…爆発していった。
漣「…ふう。」
なんとかタイムリミットまでに決着をつけることができた。…もし、最後の奥義を使うことになれば…次のメシア戦には勝てないだろう。
メシア「…ラミアめ。簡単にやられおって…。」
その冷ややかでトゲのある声にそこに居たみんなが目を向ける。そこには今もなお、師匠と戦っている堕天使が居た。
メシア「…下賤なる名ばかりの神々よ。恋などと言う下らないままごとに現を抜かす愚か者どもよ。」
顎「なに?」
するとメシアは修羅天竺の刃を握り、師匠ごと空中で一回転。師匠を地面に打ち付けた。
顎「くっ…。」
メシア「…貴様には用は無い。さて…。」
地面に落ちた師匠を冷ややかに蔑むように見、口元を不気味に歪め、笑う。なんだ?アイツから満ちているこの気配…。神君に似ている?
メシア「…俺は…天使だ。だが…父は魔神だ。この意味が…わかるな?」
神「なっ!?天使と魔神族の…ハーフなんて…!!」
メシア「…何故、母は父を殺さなかったのか…。魔神族は悪だッ!!」
…メシアの顔は悲痛に歪み、怒っていた。
しかし、見る者全てが彼の姿を見て、奴が今まで手を抜いていたことを知った。フードを外した顔には黒い涙痕のような痣が眼の下から浮かび出ており、青白い顔は死者のようだった。彼の背後には天使のような翼と禍々しく光る光輪。その姿はまさに天使とも魔神とも言える、しかし、どれにも酷似していない…何かであった。
メシア「…幻想の者どもよ!!これより我、メシアによる救済を行うこととするッ!!気に食わぬ魔神族の小僧とそれに恋をする哀れな蝙蝠どもの殺害…及び、我が野望の障害となる全ての罪人の断罪をするッ!!死にたくなければ消えろッ!!死にたい奴のみ、我に牙を向けッ!!…へし折ってやる。力の差というものをその身に味わせてやろう!!くくく…ははは!!」
…その嘲笑は幻想郷中に轟くほど煩わしいものだった。だが、奴がやるというのならやるしか無い…。
漣「…いくぞッ!!」
神「あぁ…。」
シャド「おうッ!!」
月夜見「…御意。」
神対神の頂上決戦。
その開始のゴングを鳴らすかのようにメシアはニヤリと笑った。
虚無『絶滅の灯火』:黒いオーラを纏う。相手の能力やスペルの効果を最小限まで抑えることができ、怒れば怒るほど強くなる。また、攻撃力が過去最高レベルまで達するので30分間しか使用できない。
血液の逆流は危ないですが、漣君なんで…まぁ、ご容赦ください。では次回!!ではでは〜。