第72話『刃と子と三年と』
…あの月夜見の騒動から三年の月日が経った。師匠から頂いた紫電一閃は使えなくなり、途方に暮れていると輝夜が刀を一振り、俺に渡してきた。なんでも、月夜見が俺にくれたそうだ。その刀を見た妖夢はそれを『この世の邪なるものの権化』と形容していた。俺は、その刀を受け取り、この三年間、修行を続けていた。時には妖夢と、また時にはシャドと刃を交え、少しずつだが、刀からも信頼されてきているようだ。
勿論、ルナサや妖夢との夜の運動もやっている。そして、この前、吉報と言うべきことが起こった。
…俺の子が生まれたのだ。
今でも覚えている。修行を終え、疲れて家に帰ると来客があった。それは永遠亭の女医、八意永琳だった。なんでも、うちの嫁、ルナサ・プリズムリバーの容態が急変したそうだ。
ここしばらくの間、ルナサとは行為をしなかったが、つわりや陣痛に苦しんだりと妊婦さん特有の症状が出ていた。それは見た目にも出ていてルナサのお腹が少しずつだが、膨れていた。俺はとても嬉しく思ったが、本人にとっては辛い三年だった。
そして今、彼女の体に宿った生命と対面することになる。彼女に声をかけることしかできない自分を疎ましく思った。彼女の声がどんどん苦痛のものに変わる。そして、彼女の体から現れたそれは姿を現した。外に出た瞬間、元気に産声を上げた女の子だった。
俺はその時、その子を見るルナサを見て、その子の名を決めた。
…世界を照らす太陽のように天真爛漫に育って貰いたい。
漣「…
ルナサ「え?」
漣「この子の名前さ。太陽のように天真爛漫に育ちますように…てね♪」
ルナサ「…陽奈ちゃんか〜。でも、月の名前を持つ私から、天真爛漫な子が生まれるかなぁ…。」
漣「…大丈夫だよ。ルナサには俺がいる。俺と一緒に育てていけば、この子も時期に良い子に育つよ。それに月から太陽が生まれるなんて、良い笑い話じゃないか。月が太陽に照らされるんじゃない。君がこの子の道を照らすんだ。」
ルナサ「漣さん…♡」
俺たちの声に反応するかのようにきゃっきゃっと笑い出す陽奈。その笑顔に俺たちも自然と笑顔になっていった。
あの出来事から2年と半年。
妖怪の子だからか、陽奈も大きくなり、とても明るい子に育った。俺の真似をして、木刀を振り回してもいる。…危ない危ない。
にしても、陽奈におじちゃんって呼ばれたシャドの顔は滑稽だったなぁ。え?俺?みたいな顔してるんだもん。
陽奈は、小さなルナサみたいに育った。ルナサのような綺麗な金髪。綺麗な黄色の目は、汚れを知らないほど透き通っている。背はまだ子供なので小さいが、俺っぽさはあまり感じない。
陽奈「お父さん!!」
漣「おっ!!ふふ。相変わらずだな、陽奈は…。」
陽奈「うん!!お父さん、だぁいすき!!」
…この子も時期にお父さんと服を洗うのは嫌!!とか言い出すんだろうなぁ…。悲しい。今、撫で回しとこ!!
陽奈「きゃっ!!くすぐったいよぉ〜。」
ルナサ「こーら。お父さん、困らせちゃダメでしょ!!」
陽奈「えぇ〜。だって、お父さん、困ってないもーん!!」
あー。両手に花、いや、前後に花だな。うん。後ろにはルナサの双丘が当たっていて、ルナサがギュッとしがみついている。…陽奈もこの歳にしては発育が良くないか?もう、フランとリリカは超えている気が…。ウチの一番はメルランなので、アイツくらいになったら、ちょっとだけ将来が楽しみだ。
陽奈「てか!!お母さんもギュってしてるじゃん!!じゃあ、陽奈もする!!」
ルナサ「お母さんはいいの!!お母さんはお父さん、だーいすきなんだから♪ねぇー。」
陽奈「むぅ〜!!陽奈の方がお父さん好きだもん!!」
うぅ…。
嬉しいけど、挟んで喧嘩して欲しくはないなぁ…。
輝夜「あはは。もう、退院しても良いかもね。」
陽奈「あっ!!輝夜ちゃん!!」
陽奈はタッタッタッと走っていき、輝夜に抱きつく。なんでも、輝夜は俺と同じ匂いがするから、好きなんだそうだ。
輝夜「あはは。パパよりボクの方が好き?」
陽奈「ううん!!輝夜ちゃんはお父さんとお母さんの次に好き!!」
輝夜「そうか!!」
…今、思うと輝夜は、子どもの扱いが上手い気がする。後は、男の誘惑の仕方…。何故?
と、こんな感じで、平和な毎日を過ごしていた。
決して、ロリコンじゃないよ?我が子が可愛いのは、どこの親でも一緒の希ガス…。あ、陽奈の奴、魔理沙の方に行きやがった。
輝夜「…陽奈ちゃん、可愛いね。ルナサちゃんにますます似てきたんじゃない?」
漣「俺には似てねえって言いたいのか?」
輝夜「怖い顔しないの。…もし、ボクと君の子ができたら、黒髪で君そっくりな子になるかも?」
漣「俺のはちょっとだけ赤みがかってんだよ。単純な黒髪なら、お前の方が綺麗だよ。」
…皮肉を込めて言った筈なのに、輝夜は「え?ボク、綺麗!?」とニヤニヤ顔でトリップしてやがる…。はぁ、能天気なのも考えものだなぁ…。
シャド「レンレーン!!」
漣「ん?どうした?」
シャド「ひっさしぶりにサシでやろうぜ!!」
漣「あぁ。」
俺たちは共に修行していくうちに強くなった。幻想最強の幻想神の名に恥じぬほどにはなった気がする。
シャド「いくぜ!!」
漣「来い!!」
鴉と宵ノ明星の刃の音がまた、幻想郷中にこだますることとなった…。
あー!!
終わり方はどうすりゃええねん!!