※この作品はR-18です。

半人半妖の恋愛奇譚   作:紳爾零士

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バキバキ…。
フィルムであることを祈ってます。
頼むから…本体じゃないよう祈ってますッ!!
なんのことやさっぱりですけども…。
では、どうぞ!!


第79話『鬼と半妖と凍香と』

鬼の里に暮らしてから、3日ほどが経った。

はたてのことは、そこで知り合った勇儀や茨木華扇に任せていた。というか、鬼と同じくらい呑むことにはたては妙に驚いていたな。当然といえば当然か。鬼ぐらい大酒飲みの妖怪など一部に限られる。ましてや半妖など、その一部の一部だ。探すのだって難しいだろう。さて、鬼の里での暮らしだが、彼女らの集落は思ったより暮らしやすい。都よりも随分とな。風通しの良い屋根、畳にちゃぶ台、布団に気さくな住人となかなかに好待遇だった。だが、それゆえに彼女らはいささか謎の多い部分があった。

 

漣「…良いのか?こんなに。」

 

凍香「姉さんに聞いてよ。私は持っていけって言われただけだから。」

 

毎日毎日、豪華絢爛な食事。集落の見た目こそ質素に見えるが、男鬼は働いており、収入もなかなかに良く、毎日毎日宴会レベルの食事が食べられるとか。それに俺の住んでいる萃香の屋敷も広く、四人住むには少し広いくらいだ。凍香によれば、この里を治める長、鬼子母神の屋敷はもっと広く、もっと沢山の使用人が住んでいるとのこと。

 

凍香「…あの子、相当衰弱しきってた…。なにがあったの?」

 

…これは、話して良いものなのか…。俺は考えた末、話すことにした。鬼に嘘は通じない。即ち、全て、嘘偽りのない真実を伝えた。…凍香の周りの畳に霜が落ちる…と同時に周りが冷えてきた。まだ、山が青々とするほど暖かい気温なのに、ここだけ、真冬のように寒かった。

 

凍香「…天狗の傲慢さには鬼子母神様も大変嘆いていらっしゃった。私たち、鬼もこの山にいる以上、共存を願っている…。だけど、アイツらはまるで私たちを奴隷のように扱うわ。ほんと…嫌になっちゃう…。」

 

凍香は眠っているはたての頭を一撫でし、奥の部屋へと入っていった。…共存か。もし、月の都の住人もここの鬼たちのように慈愛に満ちていたのなら、俺はここに来ることも…なかったかもな。まだ、湯気湧き立つ白米をゆっくりと咀嚼し、柄にもなく、そんなことを考えてしまう。…何故、はたてを助けたのだろう。俺は一体、なんなのだろう。そんなことを考えるのに、十分な時間だった。心配するといけないので八意には、使いのカラスを出し、現状を文にして送った。返事には、いつでも待ってますや、輝夜の我儘に耐えきれませんなど、思わず、クスッと笑ってしまうようなそんな内容が書いてあった。…毎日、こうして笑えたら良かったのにな…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ある日、俺は鬼子母神の元へ呼ばれた。聞いた話通り、鬼子母神の屋敷はとても広かった。宴会場のような場所に少女が一人…。額に二角の角、髪は白く長い。身長は低く、あどけない少女のような顔だったが、それに似つかぬ豊乳に誰もが目を奪われてしまうだろう。

 

?「…前へ。」

 

彼女は目を閉じ、口を開いた。口からは八重歯が覗き、高いながらに威厳のある声だった。俺は彼女の前に正座をし、彼女は静かに頷くと、目を開けた。瞳は透き通るような白色をしていた。

 

?「…ふぅ…。あまり、堅苦しいのは好きじゃないの。ふつうに話させてもらうわね?」

 

漣「…はい?」

 

俺の反応に少女はニッコリと微笑み返した。白い丈のあっていない大きな服、その服の袖で俺を指した。恐らく、指を指しているのだろう。

 

?「…うーん…。かか様の服はやっぱり大きいわね…。まぁ良いわ。私は千里。この鬼の里を治める鬼子母神よ。よろしくね。貴方は?」

 

漣「…月の都から参りました。氷川漣と申します。以後、お見知り置きを…。」

 

…俺が一礼し、顔を上げると千里と名乗った少女は頰をプクーと膨らませ、俺をジト目で見ていた…。…なんか間違えた?

 

千里「…私、言ったわよね?堅苦しいのは好きじゃない…って。」

 

漣「…はい?」

 

千里「ふつうにお友達と話す感じで察してくれて良いわ。後、私のことは千里って呼ぶこと!!私も漣って呼ぶから!!」

 

漣「わか…わかった。」

 

…なんというか、勢い良く押し切られてしまった。俺が話し方を変えると千里はまたニッコリと笑い、こほんっとわかりやすく、咳払いをした。

 

千里「本題に入るわ。なにやら天狗と一悶着あったみたいね。天魔とも話をしたけど、あれはあの小隊の自己判断で天魔自体はなんの関係もないみたい。はたてちゃん?のご両親を殺したのもあの小隊の隊長だったみたいね。あの隊長天狗とは良く鬼たちも対立していたから、貴方のやったことにはお咎め無しよ。」

 

漣「そうか。殺してはいけないものかと冷や冷やしていた。」

 

千里「ふふ。あら、涼しげな顔してそんなこと言われても説得力ないわよ?さて、お酒でも呑みましょうか。鬼のお酒は断っちゃダメよ?」

 

漣「…心得ている。」

 

…それから、鬼たちと宴会をした。凍香や萃香、勇儀や華扇、千里を含めた鬼たちは俺の呑みっぷりに驚いていた。あの後、酔い潰れた鬼を解放するのは疲れたなぁ…。凍香と千里もあんだけ言ってたのに酔い潰れやがって…。はたて様々だぜ…。全く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

幾日か経ったある日。

 

凍香「…帰るんだ。」

 

漣「あぁ。かぐや姫をそのままにしておくわけにもいかないしな。世話になった。」

 

…帰ることとなった。毎日毎日どんちゃん騒ぎの鬼たちとの暮らしはなかなかに良いもので、名残惜しいのだが、輝夜からの催促の手紙が送られてきたので、流石に帰ることとなった。

 

凍香「…。」

 

漣「じゃあ、またな。」

 

千里「またいつでも来てね?はたてちゃんも待ってるから。」

 

はたて「うん!!お兄ちゃん!!またね!!」

 

漣「おう。」

 

両親を失い、仲間の天狗からあのような仕打ちを受けたはたて。流石に帰るにも、少女には少しあの一件で帰りづらい部分もあるそうで。千里や凍香、萃香達が守ってくれることとなった。ありがたいな。本当に。

 

凍香「…また、会えるよね。」

 

漣「…また、会いに来るよ。」

 

凍香「約束!!だからね。」

 

俺は凍香の頭に手を置き、撫でる。能力のせいなのか、ひんやりと感じた。凍香も顔を赤らめながらも目を細め、気持ち良さげにしている。

 

漣「…あぁ。約束だ。」

 

その後、俺は彼女らに手を振り、輝夜の元に帰った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

漣「あの後、小言でも言われたっけ。」

 

…凍香や萃香は元気だろうか。勇儀にでも聞いてみるか。俺はお猪口の酒を飲み干すと、ルナサ達のいるベッドへと向かい、目を閉じ、今日一日を終えることとした。

 




とりあえず過去編は終了です。
次からは月夜見かシャドのメイン回かも。
では、次回!!
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