※この作品はR-18です。

半人半妖の恋愛奇譚   作:紳爾零士

117 / 262
お気に入り登録、100人いきました!!
すっごく嬉しいですっ!!
今回は前半メディスン視点、後半シャド視点でお送りします!!
では、どうぞ!!


第83話『毒とシャドと友達と』

メディスン「どこ…?シャド…。」

 

私は暗闇の中、友達を探す。幻想郷(ここ)に来て、初めてできたお友達。寝る時も、ご飯を食べる時も、お出かけする時も…。いつも一緒だった。全てはあのお花畑から始まったんだよね?お胸の奥がチクチクと痛む…。

 

メディスン「どこなの…?シャド…。」

 

自然と私の声が掠れてしまう。寒い…。寒いよ…。私の服はとても薄い生地のもので…風が吹いたら凍えてしまう。

 

メディスン「…ぐすん…。」

 

疲れてしまった。裸足で来たから、足は泥だらけだし…。森の中もかき分けてきたから、傷だらけだ。私は汚いけれど地べたに体育座りで座り込んでしまった。地面も…幽香の家の床に比べたらとても冷たい。目から涙が出てしまっている。

時間が経てば、周りはさらに暗くなる。暗くなればそれだけ寒くなる。迎えに来て…欲しいな…。シャド…。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シャド「何処だッ!!」

 

夜の闇もこれ以上深くなるのかと思うほど、濃くなった。翼が凍っちまうほど寒い。だが、俺は飛ぶ。友達…を探して飛ぶ。

 

シャド「くそッ!!木が邪魔で上手くコントロールが出来ねえッ!!」

 

毒の匂いはこの先だ。俺は森の中をかき分けて、飛ぶ。間違えるはずがねえ…。気色悪いかもしれねぇが、四六時中、アイツと居たんだ。アイツの匂いは忘れられねえ…。

 

シャド「ッ!?」

 

飛ぶほどに濃くなる毒の香り。メディの匂いとその香りが強くなり、近づくにつれ、血の匂いも混じるようになった。…怪我でもしやがったか…?

 

シャド「…居た。」

 

背丈の高い草に隠れるように地べたに体育座りで座っているメディ。やっぱ、怪我してんじゃねえか。こんな遠目でもわかっちまうぞ。…あと、

泣いてんのもな。

 

メディ「ぐすん…。」

 

シャド「…なぁに、泣いてんやがんだ?」

 

メディ「っ!?シャド!!」

 

俺は急降下で音もなく降り立ち、メディに一声かけると彼女は待ち焦がれていたかのように俺に抱きつき、糸が切れたかのようにわんわんと泣き出した。俺はそっと彼女の頭に手を置き、彼女の頭をゆっくりゆっくりと撫でた。

 

シャド「…ごめんな。寂しくさせて…。」

 

メディ「ううん…。私の方こそ…ごめんなさい…。ひっぐ…。私…シャドが居なくなっちゃうと思って…怖くて…。」

 

シャド「…お前が謝る理由はねえ。それに…俺は簡単には居なくなんねえよ。」

 

俺の胸の中で小動物のように震えているメディ…。寒さからくる震えじゃない。まるで怯えているような…そんな匂いがする。居なくなる?…んなわけねえだろ…!!俺は強く強く彼女の華奢な体を抱きしめる。壊れてしまうのではないかというほど強く、離さないと言わんばかりに強く抱きしめる。

 

メディ「痛いよ〜。」

 

メディは少し笑いながらそう言った。

 

シャド「…もう絶対…離せねぇ…。」

 

俺は決心したかのように彼女の耳元で囁いた。彼女は答えるかのように優しげな笑みを浮かべ、俺の体を包み込むかのように抱きしめた。月明かりが俺たちを照らし、冬先の夜の気温を忘れるかのように体は高揚していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

幽香「それで?」

 

シャド「…申し訳ございませんでした…。」

 

あの後、家に帰ると幽香が何故か、涙目で俺たちを抱きしめてきた。その日はその後、布団に入り、寝た。何故か、俺を真ん中として…。狭かったが、贅沢は言わなかった。そんで、朝、叩き起こされて説教だ。はぁ…。昨日の和やかムードは何処行っちまったんだよ。

 

メディスン「で、でもね?シャドは悪くないんだよ!?わ、私が…!!」

 

必死に俺を庇ってくれるメディ。だが、メディを微笑んで見た後、幽香は俺をカッと睨んだ。こんな子に庇ってもらって恥ずかしくないのかとでも言いたげな目だ。なんだこの気分。嬉しいが泣きたくなるような…。

 

幽香「まぁ、良いわ。今度!!こんなことが起こったら、二人とも!!叩き出すからねッ!!」

 

シャド・メディスン「はい…。」

 

そして、いつもの朝が始まった。メディと幽香と共に朝飯を食べ、そのあとはメディと一緒に散歩をした。手を互いに握り、笑顔で花畑を回った。

 

メディスン「はい!!」

 

シャド「おいおい。幽香がキレるぞ?」

 

メディが俺に贈ってくれたのは、シロツメグサの花冠だった。そこらへんに生えている草だが、幽香が見たら激昂するんじゃねえか?

 

メディスン「大丈夫だよ〜。バレなきゃ、ね?」

 

シャド「それもそうか。」

 

俺はメディの目線までしゃがみ、メディは背伸びをして俺の頭に乗っける。そのあと、ニコッと笑った。俺もつられて笑顔になった。そして、乱暴に俺は彼女の頭を撫でた。彼女は目を瞑り、満足そうな声を上げた。

 

幽香「バレなきゃ…なんだって?」

 

…数秒後、俺たちは背筋が凍った。…ゆっくりと後ろを振り向く。そこにはとんでもない笑顔の幽香が居た。

 

メディスン・シャド「ご…。」

 

幽香「ご?」

 

メディスン・シャド「ごめんなさーい!!」

 

俺たちは無我夢中で走った。その後ろを「こーらー!!」と怒った幽香が追いかける。怒られていると言うのに、俺も彼女の顔も笑顔だった。…誰がなんと言おうと俺たちはお互いをこう言う。

…最高の『友達』だと。




シャドが主人公だって言っちゃダメだよー?
ということで、仲直り回でした。
次回は月夜見?それとも、漣くん?
では、次回!!
ではでは〜!!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。