妖怪の山の近く。地底の入り口は地下へと続く大穴だった。見る限りは、そこは暗くて見えず、何やら立札があったらしいが、棒の部分が焼き切れ、立札は読めない状態となっていた。
霊夢「この先ね。」
魔理沙「楽しみだぜ。どれだけ強い奴なのか…。」
霊夢と魔理沙もやる気十分と言ったところだ。俺たちは意を決して、大穴の中に飛び込む。まさに巨大な巣穴のように掘り進められた穴。道中、何もない、俺たちの飛ぶ風切音が響くのみだった。すると…。
シャド「イッテェ!!」
メディスン「…なんだろう。これ。」
出口の光が見えるすんでのところでシャドの頭上に何かが落ちてきた。これは…タライか?
?「あっ。ご、ごめんなさい!!」
…タライが喋った?いや、これは鶴瓶落としか。
俺の疑問に答えるようにタライの上から少女がひょこっと顔を出した。フランくらいの身長か…。そのぐらいの少女だった。
シャド「いいから!!これ、おろせっ!!」
魔理沙「くくっ…!!傑作だぜ!!」
頭にタライを乗せながら、不機嫌そうに喋るシャドとその様子を指差し、大爆笑している魔理沙。流石にシャドがかわいそうなので、鶴瓶落としを下ろしてあげる。シャドは魔理沙をキッと睨みつけた後、少女は口を開いた。
?「あ、あなた方は…?」
シャド「ア?」
?「ひっ…。ご、ごめんなさい!!」
少女の声にシャドが反応し、次はタライの上の少女をキッと睨みつけた。シャドの出したどす黒い声に少女は怯え、タライの中に隠れるような仕草をするが、勿論、タライの方が小さいので、隠れられていないようだ。シャドの行動にメディスンは頰をプクーッと膨らませ、シャドを説教し始める。それは置いといて、俺は少女に話しかける。とりあえず、地底で起こっていることを頭の中に入れておかなければな…。
漣「俺たちは今、地底で起こっていることを解決しにきた。決して悪い者じゃない。…わかって…もらえるかな?」
?「…わかった。でも、ヤマメがなんていうか…。」
?「キスメ〜。」
漣「…誰だ?」
その人物は俺たちにニコッと笑い、口を開いた。
?「私は黒谷ヤマメ。土蜘蛛さ。旧地獄から抜け出そうとする亡者たちを始末する役目をしている。よろしくね。」
漣「あぁ。」
少女…ヤマメは俺に向かってウインクをした。…なんというか、あのつるべ落としとは正反対な感じだな。つるべ落とし…キスメとか言ってたかな?
ヤマメ「…さて、アンタたちのことは勇儀から聞いてるよ。…アレを止めにきたんだってね。」
漣「アレ?」
その時だった。耳を塞ぎたくなるような絶叫が辺り一面に響き渡った。地面はグラグラと地鳴りを始め、あたりの家々が倒壊するのが見える。…これは、とんでもないやつを相手にしているのかもしれない。
迦具土「この熱気…。間違いない。」
月夜見「…太陽の化身…。八咫烏…。」
?「ご名答〜。」
何処かから聞こえるその声に皆が振り向いた。そこには灰色の服、あれはパーカーとか言う奴か…。そのパーカーを着た人物が倒壊した建物の柱の上に座って、呑気に団子を食べていた。声からして、女性っぽいな。
霊夢「敵?味方?ことと場合によっては…!!」
?「おぉ〜。怖い怖い。どちらかというと味方かな?」
?「…カミュお嬢様。やはり…カヤ様はまだ…。」
…誰だ?
少女の横にいる黒一色に染まった男。気配を感じ取るだけで中々の手練れであることがわかる。…あの少女はカミュというのか…。
魔理沙「だ〜か〜ら〜!!お前達はなんなんだ!!」
シャド「敵ならぶっ殺す!!それだけの話だッ!!」
メディスン「シャド、そんな言葉使っちゃダメ。」
シャドと魔理沙はもう我慢が出来ないようだ。
カミュ「野蛮だねえ。さっきも言ったけどボク達は味方だ。OK?…さてと、お喋りしている暇は…ないようだね。」
全員「ッ!?」
その時だった。俺たち、全員を襲う大熱風が地底内を吹き荒れる。風だけでも倒壊した柱に炎が立ち上り、俺以外の全員が冬になりかけているというのに汗ばんでいた。これは…早くしないと…ヤバイッ!?
迦具土「…しかし、これほどまで妖力が大きいのに、奴の姿は見つからんぞ。どうするつもりだ。」
カミュ「だから、手伝うって言っているじゃない。なんてったって、それの居場所をボクは知ってるんだ。完全に復活する前に、倒さないと…。この郷の未来は…ないよ?」
…だから、自分と組めということか。
しかし、このカミュという少女。心を取り繕っているような…。自身で自身を騙しているような…。そんな感じで心が読めない。見ようとするとノイズが走り、朧げにしか見えない…。なんだ?これは…。
とりあえず、俺たちはカミュについていくことにした。カミュの横にいる青年はノブナガという剣士兼執事らしい。妖夢と同じ境遇ということか。だが、ノブナガは妖夢と違い、剣を持っていない。俺の紫電一閃のように常時帯刀はしていないのか?
勇儀「おっ。来たね。」
…なんだ…?これは…。
先程の入り口付近から見えたものは、ほんの一部で、実際に進み、鬼達のところ、居住区や店があるところに行くと被害は甚大だった。殆どの家が崩れ、焼け焦げていた。倒壊した柱や屋根瓦は、鬼達が総出で担いだり、直したりしている。行動力はさすがと言ったところだ。
漣「…酷いな。これは。」
勇儀「まだ治った方だよ。ほんと、おっかしいねぇ…。酷い地響きに焦げるくらい燃えるくらいに酷い熱波。こんな能力、お空ぐらいしか思いつかないんだけど…。あの子がこんなことするかねぇ…。」
魔理沙「お空?」
勇儀「そ。さとりのペットの霊烏路空。ちょっと馬鹿っぽいんだけど、しっかり者の頼りになる子さ。…だから、こんなことをするとは…。」
?「勇儀!!」
勇儀と話をしていると、勇儀の後方から勇儀を呼ぶ声が聞こえてきた。そちらに目を向けると金髪のエルフ耳の少女が走ってきた。
勇儀「パルスィ!!」
漣「ん?」
それだけではない。朧げだが、その向こうに鳥型の何かが彼女に攻撃を加えているのか、火球を発射しているのが見えた。
月夜見「…来たか。」
霊夢「あれが…!!」
ルナサ「ヤタ…ガラス…。」
その鳥型の何か…八咫烏が近いづいてくるにつれ、とてつもない突風が俺たちを襲う。と、同時に悲鳴が聞こえた。そっちを見ると先ほどまで運んでいた木の柱から炎が上がっている。…となると、先程の突風は熱波か。
魔理沙「あっちぃ!!」
シャド「早めにケリつけねえと、こいつら、干上がっちまうぞ!!」
漣「わかっている!!」
そして、八咫烏との戦いが始まるのであった。
終わり方は勘弁してケロ…。