※この作品はR-18です。

半人半妖の恋愛奇譚   作:紳爾零士

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長めですよ!!


第88話『バケモノと魔術師と限界突破と』

八咫烏「グルァァァッ!!」

 

耳をつん裂くような咆哮が地底内に響き渡る。シャド、月夜見、俺を含め全員が既に臨戦態勢である。朧げに見えていたシルエットはまさに翼を天へと大きく広げた烏。その背には光輪が見え、神であることを主張していた。すると、先ほどまで暴れていた八咫烏が暴れるのをやめ、黒光りする眼で此方を見つめる。

 

迦具土「…何故にお前はここで暴れている。神の使いたるお前が私利私欲の為に暴れるなど無いはずだ。それなのに何故…。」

 

八咫烏は迦具土の声を聞いているのか、聞いていないのかはわからないが、首を傾け、迦具土を見つめている。

 

迦具土「…話す気はない…か。」

 

八咫烏「グルァァァッ!!」

 

迦具土の言葉に答えるように地が揺れるほどの咆哮を上げ、俺たちに向かって火球を放ってくる八咫烏。なんとか弾幕で相殺するが、それでも1発が重いのか、既に周りの地面は穴ぼこだらけである。

 

漣「幻想『ファントムチェリー』!!」

 

ルナサ「弦奏『グァルネリ・デリ・ジェス』!!」

 

桜型の弾幕と音符型の弾幕が八咫烏を攻撃する。が、八咫烏は羽ばたきだけで弾幕を消し去り、また、咆哮を上げ、砲撃してきた。

 

月夜見「神滅『炎龍十字斬』!!」

 

十字の斬波によって弾幕は散り散りとなる。更に十字の斬波はゆるゆると八咫烏に向かっていくが、先ほどと同じように八咫烏の羽ばたきにより、かき消されてしまった。

 

シャド「チッ!!なんちゅうパワーだッ!!」

 

魔理沙「だったら!!こっちもパワーでやるしかないぜ!!」

 

そう言うと、魔理沙はミニ八卦炉を、シャドは左掌を前に突き出した。

 

シャド「純黒『暗黒滅裂波』!!」

 

魔理沙「恋符『マスタースパーク』!!」

 

二つのレーザーが合体し、八咫烏を突き抜けようとする。八咫烏も弾幕で相殺しようと放つが、レーザーの威力はとてつもなく、八咫烏の弾幕を消し去り、地面をえぐり取り、直進していく。数秒後、俺たちの目の前にはとてつもない閃光と共に黒煙が立ち上り始めた。

 

霊夢「やったの?」

 

?「くくっ。い〜や?」

 

黒煙の先から男性のような声が聞こえる。徐々に晴れた黒煙の中に居たのは八咫烏を守るように右手を突き出している燕尾服の男性だ。髪は長く、片目を隠すようにおろしていた。姿勢を低くして、青目の男だった。

 

ルナサ「貴方…。誰?」

 

ノブナガ「…もう追ってきたのか。」

 

?「久しぶりだねぇ。ノブナガ。カミュ様。」

 

…知り合いか。

 

?「残念ながら、君たちと話している暇は無いのだよ。八咫烏は俺たちの獲物だからねぇ。」

 

?「お喋りがすぎるぞ。イーグル。」

 

上空から女性のクールな声が聞こえてきた。黒いドレスに身を包んだ赤毛の彼女は俺たちを無表情で見つつ、地面に降りてくる。その顔はカミュに非常に似ていた。

 

イーグル「くくっ。それもそうですねぇ。カヤお嬢様。」

 

カミュ「お姉ちゃん。」

 

カヤ「…出来損ないの妹めが。だが、幻想神。ならびに博麗の巫女を私の所に連れてきたのは褒めてやろう。」

 

痺れを切らしたのか、八咫烏が咆哮を上げる。だが、カヤと呼ばれた女性は八咫烏に左手を向けると光の鎖で八咫烏を束縛した。

 

カヤ「…お前を相手している場合ではない。もう少し、我慢しろ。馬鹿者。」

 

イーグル「おお。怖い怖い。さて、カミュ様。我々があなた方を狙う理由…。わかっている筈。」

 

カミュは首にかけていたネックレスをギュッと握る。カミュの手からは緑色の勾玉のような宝石が見えていた。

 

カヤ「カミュ、お前は出来損ないだが、馬鹿ではない。その魔法石を私に渡せ。それさえあれば、私は…母と同じように…なれる…。お前には、宝の持ち腐れというものだ。さぁ…。渡せ…。」

 

カミュ「ダメッ!!これは…お母さんの…!!」

 

カヤ「知るか。家族など…ただの足枷に過ぎん。そんなものは不必要だ。」

 

…家族が不必要か。カヤも心が読みにくい。その言葉が本心かどうかは俺でも読み解けない。…修行不足か。

 

漣「…その石を手に入れて、お前はどうする気だ。」

 

イーグル「この幻想郷を破壊するんだよ。ここの奴らは俺たちの邪魔になるからな。」

 

カヤ「…喋りすぎだ。まぁ、そういうことだ。手始めにこの魔法石、更には八咫烏の力も手に入れようと思ってな。この八咫烏を器から解き放つのには苦労した…。だが、それだけの価値はある。実験的にこの地底で解き放ってみたが…結果は上々だ。私の魔術の糧となるにふさわしい。」

 

カヤは表情を変えずに冷ややかな目で俺たちを見る。イーグルはニヤニヤとして、周りを見渡す。…この惨劇が実験だと?

 

漣「巫山戯るのもいい加減にしろッ!!」

 

霊夢「この郷は壊させない!!私たちが貴方達を止めるッ!!」

 

カヤ「…出来もしないことを。神術『キルファイア』」

 

まるで先ほどの八咫烏の火球を大きくしたかのような弾幕を俺たちに撃つカヤ。俺は宵ノ明星で真っ二つに切り、カヤに向かっていくが、刃をイーグルに受け止められ、刀ごと投げ飛ばされる。

 

漣「ぐっ!!」

 

イーグル「良いねぇッ!!最強と名高い幻想神!!俺に相手をさせてくれよッ!!」

 

カヤ「…この程度が最強か。笑わせる。」

 

空中でぐるりと回転し、衝撃を和らげる。そのまま、弾幕でイーグルに攻撃をするが、全て躱すか、受け流される。

 

イーグル「くくっ。他の奴らも来いよッ!!何体でも相手してやる!!」

 

カヤ「目的を見誤るな。我々の目的はあくまで魔法石だ。そんな奴ら、後でなんとでもなる。」

 

イーグル「了解。」

 

その会話の数秒後、イーグルは俺の腹に蹴りを入れ、奥にいたカミュに向かって飛んでいく。

 

迦具土「下がっておれ。」

 

イーグル「次はお前が相手か。お嬢さん?」

 

迦具土「体こそこのような幼子だが、我も神。本物の力、見せてくれよう。」

 

イーグルの拳が迦具土に向かっていく。だが、迦具土はそれを受け流し、イーグルの腹に蹴りを一撃入れる。

 

イーグル「ぐはっ!!」

 

迦具土「神炎『八岐大蛇』」

 

迦具土の背後に炎の蛇の首が8個現れ、イーグルに一斉に食らいつく。噛み付いたところでイーグルは妖力を上げ、気合でその蛇達を相殺するが、その後、迦具土によるラッシュ攻撃が襲う。

 

イーグル「くくっ。そうでなくては面白くない!!」

 

カヤ「…私の相手はお前か。」

 

シャド「魔術なら、俺も覚えたんだよ。氷の力ッ!!とくと味わいやがれッ!!氷点『グレードオブアイス』!!」

 

カヤ「笑わせる。神術『キルシャーベット』」

 

シャドはカヤの頭上から氷塊を落とし、カヤは氷柱を地面から出した。すかさず、シャドはカヤの背後に回り、蹴りを加えようとするが、カヤは涼しげな顔で避けていく。更に一撃一撃、蹴りの追撃を入れていくが、全て軽やかに避けられている。

 

シャド「チッ!!」

 

カヤ「神術『滅びの始まり』」

 

シャド「何!?」

 

カヤのスペルにより、八咫烏を縛っていた鎖が解けた。

 

月夜見「見ているだけでは…すまなそうだな。」

 

霊夢「本気で行かないと…やられる!!」

 

漣「ぐっ…!!」

 

…想定外のダメージに頭が追いついていない。投げ飛ばされ地面に落ちた衝撃。骨がいくつか折れていても構いはしないが、口から大量に吐き出た出血が怪我の大きさを物語っている。

 

ルナサ「漣さんッ!!」

 

カミュ「なにしてるのよ!!」

 

八咫烏の咆哮に頭がクラクラとする。理由は単純だ。…血を失いすぎた。普通の人間なら死んでいてもおかしくない量。吐血だけではなく、背中や胸、腕や額からも出血し、地面は赤黒く染まっている。

 

漣「幻…想…ッ!?」

 

イーグル「くくっ。厄介な幻想神が早くに退場してくれれば、願ったり叶ったりだからねぇ?させないよ?」

 

漣「ぐぁぁーッ!!」

 

イーグルは俺の腹に足を乗せ、傷口をえぐり取るかのようにグリグリと動かしている。

 

ルナサ「漣さんに何するのよッ!!」

 

ルナサがイーグルに弾幕を放つが、イーグルも弾幕を放ち、相殺。尚も俺の腹に足を乗せたままである。

…情けない。嫁に…あろうことか、守ってもらうなんて…。

 

カヤ「…これで我らの天下は確実…だ。」

 

イーグル「くくっ!!死に晒せっ!!幻想神ッ!!」

 

迦具土「…ほう。」

 

…その時だった。一瞬だけだが、体全体の痛みが消え、炎が俺を包み込んだ。その炎はイーグルの足に噛みつき、イーグルの足を退けた。炎は俺の体の傷を癒し、俺はなんだか力が漲ってくるような気がした。

 

漣「この…炎は…。」

 

俺の視界は白銀の世界へと変わった。周りは銀の炎。そして、俺の目の前にはあの蛇が舌を出して、俺を見ていた。

 

迦具土「傷は癒えたか?幻想神。」

 

漣「…。」

 

迦具土「輪廻転生乃炎がお前を守っている。あのイーグルという男には気をつけろ。奴からはかなり厄介な力を感じるからな。」

 

カヤではなく、イーグルが?

 

迦具土「頭に血が上って物事を冷静に見れなくなるのが、今のお前の弱点だ。あそこで我がお前に技を使わなければ、八咫烏に喰われていたぞ。」

 

…蛇の目は俺を睨みつけていた。外では何が起こっている?この銀世界は一体…。

 

迦具土「輪廻転生乃炎が火球となり、お前を包んでいる。外では八咫烏が暴れているといったところだ。我のことは心配するな。我も火球の中に飛び込んだ。今は月夜見達に任せている。」

 

…そうか。

迦具土の目がギョロリと俺を見る。舌をチロチロと出しているので、怒るというよりは心配していると言ったところだろうか。

 

迦具土「…奴らに勝つにはやはり我が力を完全に使うことが必要不可欠か。」

 

漣「…わかった。行こう。八咫烏を止めに…!!」

 

迦具土「…火を払え。さすれば、また戦いにいけるだろう。」

 

俺は言われるがままに左手で火を払った。

 

イーグル「戻ってきたか。」

 

俺は既に輪廻転生乃炎を使っている状態だった。

…イーグルには能力が通用するか。俺はイーグルの攻撃を躱し、腹に一撃入れ、地面に叩きつける。そして、今も吠える烏を睨みつけた。

 

漣「…来い。さっきの二の舞にはならないぞ。」

 

先ほどとは打って変わって、心の炎は静かに揺れる。そんな俺と八咫烏の戦いが始まるのだった。




友達にドラゴンボールの小説のネタをくれと言ったら、悟飯とビーデルのやつを書いたらと言われました。
短編でよかったら書くかも。
文才はお察しですが…。
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