魔理沙side
魔理沙「はぁ…はぁ…。」
全身から汗が噴き出てくる。私らしくはないと思うが、あのとき、奴の言う通りになっていた。今度こそ…霊夢もアイツも…私もやられる…。
霊夢「ねぇ。魔理沙…。大丈夫…?」
霊夢の声が…心配そうな声が聞こえてきた…。情けないことに私は膝を抱いて、震えていた…。初めて…私は足手まといだと…感じた…。
魔理沙「…もう…良いんだ…。霊夢…。」
霊夢「良いって…?」
魔理沙「私は…戦わない…。アイツには私の攻撃が通用しない…!!私がどれだけ足掻いたって無駄なんだよ!!」
私の口からは掠れた声しか出なかった。体が震えて震えて仕方がなかった。
魔理沙「今までは私は行けるってそう思ってたさ!!でも…アイツだけは無理だッ!!私は…無駄に足掻いて…死ぬのは嫌なんだよッ!!」
私だって結局は人間だ。引き際はわかってたはずだった。だが、私は困惑した。頰が熱く、そして、痛かった。私が文句の一つでも言ってやろうと霊夢を見ると…彼女は泣いていた。
何故だ?泣きたいのは私の方なのに…。頭の中がぐちゃぐちゃとかき回されていると彼女は私をそっと抱きしめた。近くから聞こえる爆音が遠くなっていった。
霊夢「私だって嫌よッ!!でも…!!やらないといけないの…!!魔理沙が居ないと…勝てないのッ!!」
…あぁ…。クッソ…。逃げたいのに…逃げられない…。暖かく柔らかい彼女の体が私を離さない。逃げようと思えば逃げられるだろう…。だが、私は出来なかった。
霊夢「えっと…何言おうとしたんだっけ…。」
困ったように涙を拭いてはにかむ霊夢。それを見れば、私の心にあった逃げ出したいという気持ちは薄れ、次第に目の前の彼女を守りたい、この幻想郷を守りたい…という気持ちが生まれてきた。私だけ逃げるなんて自分勝手だった。人間らしいと言えばそこまでだが、今、私が逃げればあの化け物に…漣も…霊夢も…そして、あのバカヤローも殺される。友達が居なくなるくらいなら…!!
魔理沙「もう…どうにでもなれ…。」
霊夢「魔理沙?」
小首を傾げて私の名を小さく呼ぶ霊夢をゆっくりと私から剥がしていく。そして、私は彼女の手をしっかりと握り、いつもの笑顔で言った。
魔理沙「行くぞッ!!霊夢ッ!!この地獄を終わらせてやろうぜッ!!」
霊夢「うんっ!!」
彼女も笑顔でそう答えた。
side out
漣side
時間すらももうわからない。それほどまでに続く攻防戦。月夜見、勇儀も入れて3人でラッシュをかけていくが、イーグルはそれも無意味と言ったように嘲笑い、3人の攻撃を受け止めていく。
イーグル「やめとけ!!やめとけ!!もう無駄なんだよ。テメェらがどんだけ群がっても俺を倒すことは不可能なんだよッ!!」
翼を広げ、俺たちを跳ね除けるイーグル。更に、一番重症の月夜見の腹に蹴りを入れ、月夜見を後方の、更に言えば地面に吹き飛ばした。更に空中戦は地上戦となるが、イーグルの力は徐々に強くなっている気がした。
勇儀「へっ。諦めは悪いんでねッ!!ここで諦めたら、鬼じゃないよッ!!」
イーグル「…良い回答をありがとよ。なら、最後まで誇り高い鬼で殺してやるッ!!」
勇儀「簡単に死んでたまるか!!私は私の仁義を通すッ!!此処に住まわせてもらっている以上ッ!!そう簡単に見捨ててたまるかってんだッ!!」
勇儀の決意の一撃がイーグルの拳を一瞬、上回り、イーグルの腹に拳が入った。更に、それを好機とした勇儀。そこからラッシュをかけ、イーグルを追い詰める。流石だ。
イーグル「ぐっ…!!」
勇儀「なんの決意もない拳なんかその程度さ!!どれだけ脆い壁もそんなんじゃ貫くことすらできない!!アンタみたいな人の力を利用して、人の力だけでのし上がったものを本当の強さとは言わない!!そんな拳じゃあ、私たちに勝つことなんて不可能さッ!!」
イーグル「がはッ…!!」
鬼の拳はとても重い。イーグルは勇儀の決意の右拳を腹にまともに受け、後方へと吹き飛ぶ。その後ろの瓦礫の山に埋もれ、砂煙が宙に舞う。
勇儀「…。」
月夜見「…まだか…。」
勇儀「手応えはあったんだけどねぇ…。こりゃ、アイツ、だいぶタフだよ。」
…確かに今のでやられる奴ではないだろう…。砂煙が舞うのをやめて、辺りを見る。そこには瓦礫の山を払い除け、しっかりと両足で立つイーグルが見えた。だが、奴もタダではすまなかったようだ。奴の額からはダラリと血が流れていた。
イーグル「ぐっ…。やるじゃねえか…!!流石は元山の四天王、星熊勇儀…!!だが、今度こそ終いだ…ッ!!」
月夜見「何ッ!?」
イーグルの頭上には強大なパワーボールが金色に輝いていた。その大きさたるや、もはやこの地底など簡単に吹き飛ばしてしまうほどだった。
イーグル「感謝しよう…。貴様らごみどもが俺をここまで追い詰めてくれなければ、これほどまでのパワーは出せなかったところだ…。貴様らとこの世のゴミどもへの怒りが俺をまた進化させる…ッ!!この一撃で貴様らも見納めになるだろう…ッ!!この地底とともに散れッ!!」
ゆっくりとパワーボールが落ちてくる。あれが起こす突風が地底の砂を巻き上げ、地底内に上昇気流が巻き起こる。
迦具土『何を分析しているッ!!あんなの直撃すれば、地底は愚か!!この幻想郷ごと全員、お陀仏だぞッ!!』
脳内で叫ぶなッ!!わかってるよ…!!何もしないで見てるなんてするわけ…!!
漣「幻想『穿つ努力の極光』!!」
月夜見「神滅『真・神殺し』!!」
この場で一番パワーボールに近いのは俺たち3人だ。いくら、勇儀とはいえ、アレをまともに受けられはしない…!!かと言ってルナサ達のいる場所へはここからはかなり遠い。気づいてはいると思うが、ここまで来るのに俺たちが持つか…!!どんどん俺たちの体が踏み切れずに押されていく。奴の高笑いが地底内に響く中、巨大な光弾はただただ歩み続けるのだった。
クリスマスまでには終わらせたいんですよねぇ…。
こっちの話ですが…。