少々長めです。では、どうぞ!!
漣「さぁ。来いよ。」
メシア「ふんっ!!」
俺はメシアに対し、来い来いと手で挑発をする。その直後、迫りくるメシアの剛腕。だが…俺は一瞬で受け止め、奴の腹を蹴り飛ばす。
メシア「ッ!?」
漣「来い…。獄槍『黄泉戸喫』!!」
俺というより、シャドの意思なのだが…。
俺の呼び声に呼応するように、空から真っ黒な槍が降ってくる。グングニルより長く、スマートなその槍を横に振るうと風切音だけで木でも薙ぎ倒してしまう程。凄い馬力だ。
メシア「そんな槍でなにができるッ!!」
メシアの拳が俺は向かって迫ってくる。俺は槍をグルンと一回転させ、槍と拳がぶつかり合う。衝撃で俺たちの下の地面が円形にえぐれている。
漣「さぁなッ!!だが、ある程度のことはできんじゃねぇかッ?黄泉『一乃型〜一刀両断〜』」
上から下へ。まるで長い刀で相手を斬るかのように縦に振るう。メシアからは首元からザックリと傷が開いていた。鮮血が間欠泉のように勢いよく吹き出している。
メシア「ぐっ…!!」
漣「おいおい。どうしたんだ?顔が辛そうだぞ?」
俺は相手をほくそ笑むような目でメシアを見る。メシアの首元は徐々に傷口が塞がっていった。…何度も言うがタフな奴だ。
メシア「貴様のような…下賤の攻撃が!!天使である俺に通じるかッ!!」
またもや拳が俺に向かって降りてくる。その拳に合わせるように炎の拳でガードをする。
神「焼却『ブレイブバースト』!!」
メシアの背後から神君がマスパのような強いレーザービームを命中させる。メシアは俺から拳を離し、レーザービームを力技で跳ね除けると、神君に殴りかかった。タイムリミットはもう既に過ぎている…。あのモードはアサルトモードとか言う奴だが…魔神王並みの力を出してはいないだろうか。
メシア「…小僧!!強くなったなッ!!」
神「当たり前だッ!!護りたいものが沢山ある…。それだけで!!力が湧いてくるんだよッ!!」
メシアと神君の激しい拳のぶつかり合い。
メシアが右拳を振るえば、神君が左拳を振るう。足でも同じだ。メシアが足払いをすれば、神君はバック転で躱し、弾幕を打ち込む。
メシア「その顔だよ!!何かを護りたい…!!その顔が鬱陶しいんだよッ!!お前たち、神が…恩着せがましく!!自身よりも低級な種族を弱者と宣い、守ると言うッ!!そのやってやったぞと言う顔が鬱陶しいんだよッ!!」
…暴論だ。
奴は自身の器でしか相手を推し量っていない。
神君の体が徐々に押され始める。メシアはアサルトモードの神君とまたも拳のぶつかり合いになるが、神君の拳からミキミキと音が聞こえ始める。
神「…ぐっ…!!俺たちは…そんなふうに…こいつらを見たことはないッ!!それはテメェの判断だろうがッ!!クソ野郎ッ!!」
漣「…その通りだ。黄泉『八乃型〜生生破天突』!!」
神君が拳を交えている間、卑怯でもなんでもいい!!奴の背中に数発、突きを放つ。血が舞う。だが、その一瞬を狙って神君が奴の頭の上から手を組み、どかっと一撃入れる。
メシア「がはっ…!!ぐっ!!」
メシアは神君を此方に投げ飛ばし、拳圧で俺たち二人に攻撃する。が、俺は咄嗟の判断で神君を投げとばし、神君のみ拳圧を回避。そして、神君に持たせた黄泉戸喫で攻撃。メシアから血が飛び散り、メシアが嗚咽の声を漏らした。
メシア「ぐっ…!!」
戦いは過激さを増すが、俺たちの攻撃がメシアにあたり、メシアの攻撃は俺たちにあまりダメージを与えていない…。俺たちが優勢である状態が一向に続いていた。俺たち二人の拳がメシアの体に当たり、先ほどまでのポーカーフェイスはなんのその。メシアの顔は怒りと苦しみに歪んでいた。
メシア「…何故だッ!!何故、恋などしている貴様ら下等な神にッ!!何故、この俺が負けねばならぬのだッ!!俺は…ッ!!間違ってなどいないッ!!ヌォォォォッ!!」
メシアの拳は鋭さを増し、俺たちに降りかかってくる。神君は黄泉戸喫を巧みに動かし、メシアの拳をガードしつつ、カウンターとばかりにメシアの体に切り傷を入れる。無数の切り傷がメシアの筋肉質な剛腕に刻まれ、真っ白な腕は血に染まっていた。
メシア「グルァァァッ!!…俺は…ッ!!間違ってなどいないィィィィッ!!いないんだァァッ!!」
神君の頭にメシアのかかとがヒットする。神君が少しフラッとするが、持ち前の精神力で持ち堪える。神君が黄泉戸喫を横に振るおうとするが、メシアはそれを受け止め、神君を投げ飛ばした。俺は神君をバレーのレシーブっぽいポーズで投げ飛ばすと神君は黄泉戸喫でメシアに突きの攻撃を出し、メシアの胸に突き刺した。だが、黄泉戸喫を強引に引き抜いたメシアにより、また逆方向に投げ飛ばされた。
漣「ぐっ…!!ここからが勝負だッ!!」
俺はメシアにラッシュを仕掛けようと右手を突き出すが…。
漣「あれ?」
シャド「ありゃ?」
月夜見「なっ!?」
時すでに遅し。
俺たち3人に横から拳が降りかかった。
俺はなんとか持ち堪えたが、左腕を怪我している月夜見とシャドは地面に叩きつけられてしまった。
神「なにが起こったッ!!」
神君が叫ぶ。
漣「タイムリミットが…きたようだ。」
シャド「くそッ!!…眼中にも入ってなかったぜ…!!」
誰もタイムリミットについては考えていなかった。メシアの高笑いが響き渡った。
メシア「クックックッ!!はっはっはっ!!結局、天は俺に味方した…!!お前たちを殲滅し、魔神族を全て滅してやる…!!俺にたてつくもの全てをなぁッ!!」
油断していた俺と神君に拳圧が振り返る。ぐっ…!!応えるなぁ…!!神君に伝わるかどうかは賭けだが…!!最後に用意していた切り札を出すしかないようだ…。いくらこのタフ野郎でも…俺たち二人の力ならッ!!
メシア「…?な、なんだ?」
神君から魔神王の時のような力を感じた。
神「これならいけるッ!!」
神君は自身の力を好機と思ったのか、黄泉戸喫を構え、メシアに単身で挑んだ。
シャド「…吹っ切れやがった…。あんのガキィィィィ…!!黄泉戸喫はナァ…!!闇の力が大きければ大きいほど…軽くなんだよ…!!あんな軽々しく使いやがってェェェ…!!全く…面白い奴だぜ…。イチチ…。」
月夜見「それだけではない…。度重なる戦いにより…疲労しきっているはずの体が…あんなにも軽やかに…動くとは…!!やはり…魔神と言っても神は神…。恐ろしいな、あれは…。」
メシア「ぐっ…!!」
決定打にはなっていないが神君の攻撃は激しさを増し、なぎ払いや突きなどの攻撃でメシアの体から血がまた飛び散っていた。息も絶え絶えである。だが、神君の腹を殴る余裕はあるようで、殴られた神君は俺の方向、即ち、後方に飛び、俺は彼をなんとか受け止めた。耳打ちで彼に作戦を伝えると、神君は首を縦に振り、あのブレイブバーストの挙動に入った。俺は右手を前に突き出し、レーザー砲のエネルギーを集める。
メシア「大人しく待つわけがなかろうがッ!!…なにッ!?」
俺たちに攻撃を仕掛けようと向かってきたメシアだが、その瞬間、月夜見とシャドに腕をロックされ、動きを止められた。
シャド「へへ…。大人しく…受けてもらうぜ…ッ!!」
月夜見「やれッ!!氷川漣ッ!!永魔神ッ!!」
漣/神「神魔『獄滅火炎砲』!!」
俺たちの赤いレーザー砲はメシアの腹部を貫き、幻想郷の虚空へと消えていった…。
メシア「がはっ…!!」
月夜見とシャドがメシアを放す。
するとメシアは地面に落ち、吐血し、腹に大穴を開けてもなお、立ち上がろうとする。
メシア「…答えろ…。魔神族…。何故…そこまでして…恋情を…大事にするのだ…。」
もうアイツは息も絶え絶えで、死の淵を彷徨っている状態だ。その消え入るような声は神君に問うていた。
神「…恋は…悪いことじゃない…。俺はレミリア達に会って知った!!愛することも愛されることも悪いことじゃない!!神でも恋はしたいんだ!!誰かにするなと決められることじゃない…!!もし、神が恋をしてはいけないのなら…俺は神をやめるね!!」
メシア「…はは…。小僧よ…。お前は…面白い奴だな…。」
…メシアはドサリと地面に倒れた。俺は近寄った。神君は俺の意図に気づいたのか、何も言わずにただ見ているだけだった。
メシア「…俺とアイツの…違うところは…なんだったんだろうか…。もしかしたら…俺は…アイツのような…生き方も…出来たのだろうか…。」
漣「…お前は聖の力を得て、道を逸れてしまった。でも彼は違う。闇の力を得て、道を逸れても正しい道へ連れて行ってくれる仲間がいる。恋人がいる。…お前はその恋を否定した。そんなお前が彼のような人生を送れるわけがないだろう。」
メシア「…はは。辛辣だな…。…いい友を持ったな…。魔神王…。」
神「なっ…!?それって…!!」
メシアは神君の方を見て、その時初めて…天使のような笑みを浮かべた。
メシア「俺…も…そんな…友が…欲しかっ…た…。」
…そこでメシアは息を引き取った。俺は彼を看取り、そして、彼の体は灰になって夕暮れの空へ風に乗って巻き上げられた。…最後の声は…とても…悲しそうだった。俺は神君の肩を叩くと飛びついてきた陽奈とルナサを抱き上げ、家の中へと帰ったのだった…。
こういう終わり方好きよね。
俺。では、次回!!
ではでは〜。