漣「ふわぁ…。また、パーティーか。」
シャド「あぁ。もう年も明ける。一年ってのは、早えもんだな?」
確かにそうだ。俺たちはもう指で数える範疇を超えているくらい生きている。そのうちの一年なんてあっという間だ。もうそれは人の一生の中の1時間にも満たないほどに。
漣「…シャド。お前、これからどうするつもりだ。」
シャド「ア?変わんねえだろ。これからもその先も。友達を守る為に戦うさ。まぁ、どうでも良いさ。」
シャドは後ろで腕を組み、口笛を吹いている。さて…。シャドと一杯やっても良いが、この後、どれほどの飯が用意されているかはわからない。博麗神社での宴会だ。とはいえ、夜までどう過ごそうか…。
漣「じゃあ、また後で。」
シャド「おう。」
漣「結局こうなるんだよな。」
ルナサ「別に良いじゃない♪久しぶりに漣さんと二人でいれて私も嬉しいよ。」
久しぶりにルナサと二人っきり。やることがなくて、デートをしに、人里へ出かけた。紫苑や蛮奇でも良かったが、台所にいたルナサにデートに行きたいと言われ、やることがなく、あまり構ってやれていなかった為、来たと言うわけだ。
漣「でも…これはなぁ…。」
ルナサ「ふふ。珍しい。漣さんがこんなことで恥ずかしがるなんて♪」
そりゃあ、恥ずかしくもなる。ルナサは俺の腕を抱いて歩いている。つまりは俺の腕にルナサの二つの膨らみが当たり、女の子の体とは柔らかいもので…。気になる。
ルナサ「むぅ。体ばっかり見てないで、顔見てよ〜。」
漣「…ふふ。ごめんごめん。」
そんな会話もしつつ、とりあえず妖怪の山まで来てはみたが、紅葉の季節はとっくに過ぎ、一部ではあるが雪で身を包んでいるくらいしか特別、来る意味も無い。いや、言い過ぎたかもしれない。守矢神社やらなんやらがある。
漣「雪景色。幻想郷ではそこまで見ないな。」
ルナサ「アレのせいじゃない?ほら。」
ルナサの指を指した先…ん?あぁ…。誰だっけ?
?「はぁ…。今年の冬はそこまで寒くないわね…。ちょっと辛いわ…。」
漣「大丈夫か?」
俺はその少女に話しかける。何回も妖怪の山には来ているが、このような少女は見かけたことが無い。
?「あら。おあついわねぇ。熱烈な恋情…。万年雪も溶けてしまいそう…。ふふ。ごめんなさい。私はレティ。レティ・ホワイトロック。冬の妖怪。それと…この雪は私のせいじゃなくて、気候のせいよ。」
漣「俺は…。」
レティ「氷川漣。知ってるわ〜。有名人だもの。寒い冬に似つかわしくないほど熱い炎。貴方の能力ゆえか、それとも…奥様との恋情ゆえか。」
掴みどころのない人だ。何かフワフワと…幽々子よりはフワフワしていないが、その風貌からか優しげな、柔らかい笑顔で此方に接している。
レティ「良いわねえ♪永遠に愛してくれる人が居て。冬が終わって春が来て、暑くなって物悲しくなっても覚えてくれている人…。貴方もさぞかし幸せでしょう?」
ルナサ「え、えぇと…まぁ…。」
レティ「あら、可愛い子。貴方も彼も本当に幸せそう。それに比べて、私は…。この寒さが終われば、力が落ちてしまう悲しい妖怪。」
レティは雪の上で踊りつつ、少し悲しげに言った。
漣「お前は、長い年月生きてるんだろう?愛されたことは…無い…のか?」
レティ「えぇ…。愛と言えるものは無いわね〜。彼女のような幸せそうな顔は一度もね。貴方達についていけば、冬以外も元気になれるかしら。寒空の下、こうやっていつまでも踊り続けるわけには…いかないものね〜。」
…幸い、部屋も残っているから、別に住む人が増えても困りはしない。だが…。
ルナサ「…。」
ルナサが俺の手をキュッと握った。こういう時は今は私だけを見て欲しいというサイン。ルナサは長女だが、人一倍、独占欲が強く、壊れてしまいそうな華奢な手だが、俺にはそれがなによりも強い力に見えた。
漣「すまない。今は…。」
レティ「あらあら。愛されているのね。じゃあ、また今度でいいわ。もうすぐ一年が終わるし、彼女とのせっかくのデートだしね♪」
漣「あ、あぁ。ありがとう。」
俺はルナサの手を握り、山を登ろうとレティに背を向ける。レティは後ろで笑顔で手を振って見送ってくれた。
ルナサ「うぅ…。寒くなってきたね…。」
漣「だからコートを着てこいと言ったのに…。」
玄武の沢。守矢神社に一度参りに行き、降りてきたが、多少冷えてきた。俺は能力的にも寒さには耐性があるが、ルナサはそうではない。黒パーカーに赤いミニスカート、靴下はちゃんと長いの履いているが、どう見ても薄着だ。
漣「ったく…。」
俺は来ていたいつもの黒いロングコートをルナサにかぶせてやる。いつも下には白いシャツを着ていたので、半裸の変態ではない。うん。違うよな?
ルナサ「えっ!?わ、悪いよ…。それに!!そのシャツも厚くないじゃん!!」
漣「良いさ。俺は能力で温かくできるから。それに…今はルナサに風邪、引かれた方が気分悪いし。」
良いよ良いよと渋るルナサ。俺は押し切ってルナサに着せようとする。多分、譲り合いになるから、埒が開かなくなるので、無理にでも着せる。まぁ、当然ちゃ当然だが、ブカブカだ。
ルナサ「…あったかい…♡」
漣「そりゃ、良かった。」
日が傾き始める。この季節になると時間が早くなる。今年の終わりまでのカウントダウンが始まる。
ルナサ「…。」チュッ
漣「…。」
ルナサの唐突なキスにも慣れたものだ。俺はそれより何処かの捏造天狗が盗撮しないかが心配である。したとしても焼き鳥にするだけだが…。
漣「…そろそろいこうか。」
ルナサ「うんっ!!」
ルナサの手を握り、俺は博麗神社へと行く。
今年が終わるまであと数刻…。
ありがとう、令和元年。
今年の投稿は終了です!!というか、こういうのは二十何日とかにいうべきやったね。最後の最後まで読んでくださった皆様ありがとうございます!!
来年はもっと書きたいと思ってます。皆さま、良い年越しを。