美鈴メインです!!
フラン「ヤッホー!!漣兄様!!遊びに来たよ〜。」
美鈴「お久しぶりです。漣さん。」
仕事を終え、午後の予定もなく、家でゆっくりしようかと思っていた。だが、突然の来客により、そのダラダラした生活は潰れた。いや、良いんだけど…。
漣「そろそろ昼飯だぞ?食って来てないのか?」
フラン「えへへ。そうだと思った。漣兄様、いつも1秒もずらさないから、この時間に来れば、一緒にお昼食べられると思って、作ってもらってきたよ♪」
と、笑顔でバスケットを見せるフラン。中には、サンドウィッチがひょっこりと顔を見せている。ふむ…。まぁ、やることもないし、良いか…。
漣「おっ。それは助かる。じゃあ、一緒に食うか。」
フラン「うん!!」
美鈴「お邪魔しまーす♪」
玄関から廊下を進み、リビングに入る。冬のフローリングは冷たいのでフランにピンクのスリッパを履かせ、自分は紺色の、美鈴は緑のスリッパを履き、奥へ進む。ドアも冬の寒さで金属部分はとても冷たい。ドアを握り、捻ってリビングへと入る。
フラン「なにあれ?」
フランは部屋にあるとあるものに指を指した。冬の代名詞、炬燵だ。少し冷え始めたため、出したのだが、こりゃダメだな…。人をダメにするもんだ。きもち良すぎる。紫苑なんて、炬燵に入りながら、見たら眠ってるからな…。
漣「炬燵だ。博麗神社にあるだろ?」
フラン「あっ。あれかぁ…。」
他愛無い話をしていると「くぅ…。」という音が横から聞こえた。横から聞こえたということはもちろん、俺では無い。フランかとも思ったが、フランを見ると首を横に振った。ならば…。
美鈴「えへへ…。お腹…空いちゃいました…。早く、食べましょう…。」
フラン「もう!!美鈴ったら、節操ないんだから…!!」
漣「あはは…。飯にするか。飲みもん、くんでくるわ。」
そんなこんなで、各自炬燵に入り、飯を食うこととなった。咲夜の作ったサンドウィッチは案の定、絶品だった。マスタードやらピクルスやらがバランスよく入っていて、味に飽きない。
美鈴「んん〜♪美味しいです♪流石、咲夜さん。」
漣「そうだな。」
美鈴「あれ?」
何かに気づいたのか、俺の顔をじっと見る美鈴。すると…。
美鈴「漣さん、マスタード、ついてますよ。」
と、指で絡め取り、ペロリと舐めとった。
フラン「美鈴!!ずーるーいー!!」
と横からフランが言う。対する美鈴は、困ったように笑い、俺は苦笑いをしていた。そんなこんなで食べ終わり、空いた時間で、なにをしようかと考えていると、フランがトランプを持ち出し、みんなで遊ぶこととした。
漣「ババ抜きか…。」
懐かしいな。陽奈がまだちっちゃい頃にいっぱいやったっけ。大体、ルナサか、陽奈が負けるんだよな。因みに一番負けてるのは蛮奇です。大体、悔しがってじたばたします。可愛いから良いけど…。
うん。ババはないな。さて…持ってそうなのは…。
美鈴「…あはは…。」
…アイツだな…。
もうかれこれ、10回ぐらいババ抜きをした。炬燵の暖かさと満腹のおかげで何回も眠たくなったが、フランと美鈴の元気な声に眠気も吹っ飛び、何回もトランプ勝負にはげ組んだ。
美鈴「…あれ?」
フラン「あはは〜!!美鈴、よわーい!!」
大体が美鈴が負けて終わっている。フランが単純にトランプが強いのもあるのだが、美鈴の表情というのがまぁ、わかりやすい。俺がアガるか、フランがアガって、一対一になると苦笑いし出す。動揺しているのが丸見えなのだ。
美鈴「あはは…。また、負けちゃいました。」
漣「お前、弱すぎるだろ。」
美鈴「苦手なんですよねぇ…。咲夜さんが小さい時から、こういうのやってきたんですけど、咲夜さん、負けちゃうと泣いちゃうのでわざと負けてたら、苦手になっちゃいました。」
と、困ったように笑う美鈴。しかし、意外だ。あのクールな咲夜がババ抜きで負けたことで泣くなんて…。
美鈴は、「小さい時ですよ?今は、やる暇がないので…。」と苦笑いで暗に咲夜には言うなと言っていた。
美鈴「んー…。昔話します?私は別に良いですけど…。」
美鈴は横目でフランの方を見る。フランの方を見ると、ババ抜きに飽きたのか、眠そうにこっくりこっくりとしていた。
漣「フラン。眠いのか?」
フラン「ん…。ら…らいじょうぶ…。」
眠いだろ…。これ…。フランを目をこすり、呂律が回っていない。俺はフランの頭を撫でて、寝かしつけた。クッションを枕にして…。
美鈴「…寝ました?」
漣「あぁ。すっかり眠ってやがる。」
美鈴「わかりますー。今日は結構暖かいですし…。」
…だからと言って、仕事中に居眠りするのはどうかと思うが…。門番という仕事は意外にやることが少ないから、眠りやすいのかもしれない。それで頭にナイフが刺さってたら、びっくりどころじゃ済まないが…。
美鈴「な、なんですか〜!!その目はぁ…!!そ、そりゃあ…眠ったり眠ったり?眠ったりしたりしますけど…。」
漣「…眠ってばっかじゃねえか…。」
美鈴「…う、うぅ〜…。」
あと、声がでかいよ…。穏やかな寝息をしているフランが起きちゃうじゃないか…。とは、言わない。分かってると…思うからだ。
漣「ふわぁ…。」
美鈴「おや?漣さんも眠いんですか?」
漣「ちょっとな。」
最近、働き詰めだったし、雪のせいで肉体労働も増えたからな…。修行の一環と思えば、苦ではなかったが、体には応えたようだ。少しずつ、まぶたが重くなっていくのを感じる。
美鈴「…んー…。膝枕…しましょうか?」
漣「んあ?い、良いのか?」
美鈴「良いですよ?昔、眠くなっちゃった咲夜さんとかにもやってましたし…。」
助かるが、美鈴は炬燵から出る形になってしまう。寒くないのか?
美鈴「あっ。だ、大丈夫ですよ?寒さとかは門番で慣れてるんで!!」
えっへんっと胸を張る美鈴。なら…大丈夫か…。
漣「じゃあ…お言葉に甘えて…。」
こういうことを恥ずかしげなく言うのも美鈴という少女の良いところだが…。俺は頭を美鈴の太ももへと落とす。感触は硬すぎず、柔らかすぎずといった感じだ。宴会の時にしているのを見たり、自分からしたりしたが、される側は初めてだ。なんというか…恥ずかしい…。
美鈴「しかし…ここも良いですね〜。日の光が当たって…とっても気持ちいいです。」
漣「お前…。門でもそうやって寝てるんじゃ…。」
美鈴「あ、あはは…。気持ち良すぎてですね…。仕方ないです…。」
仕方なくないと言いたい。先程までの眠気は羞恥心で少し緩和された。まぁ、完全に覚醒したというわけではないが…。
美鈴「…もう寝てもいいんですよ?私、しっかりと見てますんで。」
漣「そ、そうか…。頼んだぞ?」
その言葉を最後に俺は意識を手放した。目が覚めたときには、外は夕暮れ時で、俺の予想が的中し、美鈴がソファに上半身を預けて眠っていた。幸せそうな寝顔で起こすのも忍びなかったが、咲夜が迎えに来たのでフランと美鈴を起こして、渡した。
咲夜「遅いわよ。美鈴。漣さんもすみません…。」
漣「良いんだよ。楽しかったし…。なっ?フラン。」
フラン「うん!!」
フランの元気いっぱいな笑顔に俺を含め、全員が笑みを浮かべた。
美鈴「すみません…。つい、気持ち良くて…。」
咲夜「はぁ…。」
美鈴は困ったように笑い、咲夜はため息をついた。これがいつもの風景なのか…。
フラン「みんなで帰ろ?ほら!!」
そういうとフランは咲夜と美鈴の手を握った。咲夜も美鈴も最初は驚いていたが、その後はにっこりと笑い、此方に一礼し、帰っていった。途中まで、咲夜と美鈴の笑い声とフランの元気いっぱいな声が聞こえていた。俺は彼女らの姿が見えなくなると家へと帰っていった。
漣「あれ?バスケット、忘れてる…。」
追いかけるのも忍びないので、明日、届けよう。寒空の下、暖かい家族のような3人に少し暖められた気がした。そんな1日だった。
ほのぼのしてたら良いなぁ…なんて。