体調管理は気をつけてください。
?「はぁ…。なんでこんなに姉妹で違うのかしら。」
漣「知るか。」
?「秋も終わって、気分も浮かないし…。ちょっとは慰めてよ…。後輩君。」
職権乱用だろ。これ。
今日は仕事で妖怪の山まで来た。依頼主は秋の紅葉の方の神様、秋静葉。なんでも相談事に乗って欲しいとか。カウンセラーじゃないんだけど…。
静葉「貴方は良いわねえ。居るだけで女の子が寄ってきて…。ね?こいしちゃん。」
こいし「えと…う、うん…。」
先日、さとりの家に行った帰り道。かっこよく去ろうと思ったら背後からこいしがテクテクとついてきた。なんでも、さとりがついて行けと言ったのだとか。
静葉「それに…こんなお姉さんの前でお手手繋ぐとか…。見せつけないでくれるッ!?」
漣「急にキレるなっ!!…別に見せつけてなんかねえよ。こうしねえと誰もこいつのこと、見てあげれねえんだから…。」
俺の一部分に触れることで能力を抑制化している。フランの時と同じように能力のオンとオフを切り替えられるようにする為だ。自転車の補助輪みたいなもの…かな?
静葉「それにしても穣子のやつ、遅いわね…。御茶菓子一つ、探すのにどれだけ手間取ってるのかしら…。」
?「ちょっと!!お姉ちゃん!?」
和風の室内に次女、秋穣子の声が響き渡った。台所に行った穣子が叫んでいるのだろう。やましいことがあるのか、静葉は目を閉じ、耳を塞いだ。
穣子「私のプリン、食べたでしょ!!」
静葉「うるさいなぁ…。プリンぐらいでヤァヤァ言わないの。あのまま、おいといても腐っちゃうだけじゃん…。」
穣子「むぅ…!!楽しみにしてたのにっ!!」
このままじゃ姉妹喧嘩が始まりそうだ…。そこまで危険ではないが、八百万の二柱。ここが人里ではなかったのがせめてもの救い………ん?
こいし「…喧嘩…ダメ…。」
俺の横にいたこいしが小さな声で秋姉妹を止めた。本当はこいしも出て行きたかったんだろうが、予め説明してあるので声をあげただけだ。静葉と穣子は興が覚めたのか、お互い見つめ直し、苦笑いしてこいしの頭を撫でた。
穣子「ごめんね〜。本当はお姉ちゃん達、仲良いのよ?でも、今は冬だから…。」
静葉「こ〜んな良い子、後輩君には勿体ないわね…。よし!!お姉ちゃん家の子にならない?」
こいし「え…?えっと…。」
迷った挙句、こいしは俺に抱きついてきた。その姿に穣子は苦笑いし、静葉は舌打ちを打つ。…本当に季節によってこいつらはどうしてこうも違うのだろうか…。因みに『後輩君』というのは静葉しか呼んでいない。なんでも神として後輩だから…とか、なんとか…。
漣「おい。無駄話してるんなら、帰るぞ?」
静葉「えぇ…。待ってよぅ…。もっと話聞いていってよぅ…。」
ぐすんぐすんとわかりやすく、泣き真似をする静葉。ふつうにわかりやすいが、純粋なこいしは居てあげよう?と俺に提案してくる。ここはこいしに免じて、もう少し付き合ってやるか…。
漣「で?確か…付き合いたいんだっけ?でも、なんでそんな急いでんだよ。神様ってぐらいなんだから、生きてりゃ、良い人に出会えるだろう?」
静葉「…いつもはこんなこと思わないわ。でも、ある日、あの雪女に自慢されたのよ…。何が『良い人を見つけた』よッ!!私に自慢する必要あるッ!?」
雪女…。あぁ。レティか。今の季節の静葉に自慢は火に油を注ぐようなもんだろ…。そりゃ、キレるわな…。
静葉「私のなにがいけないの?やっぱり胸なの?ないのはダメなの!?」
漣「落ち着け…。論点がずれてる。」
紅葉の神、ヒステリックになる。…いやいや、なんも面白くないな。
静葉「ヒュー…ヒュー…。わかってたわよ…。男ってのはみんな野獣だって…。」
穣子「お茶沸いたよ〜?ほら、お茶菓子も。」
ヒステリック静葉を落ち着かせていると冷静ほんわかお姉さん穣子がお茶と菓子を運んできた。姉妹でこんなに違うと思うと…はぁ…。
穣子「…なに息切らしてんの?」
漣「…少々ヒステリック気味にな。」
静葉の言う胸についてだが、無いわけではない。むしろ、フランやリリカよりあるし、紫苑みたいに着痩せするタイプなのかもしれないし…。
静葉「穣子は良いわね…。いくつ、ラブレター貰ってるんだっけ?」
穣子「ふぇっ!?な、なんでそんな話に!?」
…これ、2人ともウブだな?
穣子は顔を赤らめ、手をぶんぶんと振っている。静葉は落ち着いては入れど、顔がほんのり赤く色づいている。こいしに至ってはもしかするとわかっていないのか、出された緑茶を炬燵に入りながら、飲んでいる。フーフーと冷ましながら…。猫舌だな。
穣子「そ、そりゃ、し、信者の方々に、そ、そう言うお手紙を貰うことは、あ、あるわよ?でも、そんなに多くないもんっ!!お姉ちゃんだって貰ってるでしょ!?」
静葉「アンタよりは少ないわ。…後輩君。この子を狙うんならやめといた方がいいわよ?どれだけの信者を敵に回すことか…。」
穣子「ひゃっ!!お、お姉ちゃん!?」
静葉「こんな脂肪の塊のどこが良いのかしら…。」
俺はこいしの目を手で遮り、静葉の頭に拳骨を落とした。
静葉「イッタァ〜!!なにするのよ!!後輩君!!」
漣「子どもがいるのになにしてやがるんだ!!」
穣子「うわぁぁぁん!!お兄さぁん!!」
スキンシップにも程がある。いきなり、妹の胸を揉み出す奴がいるか?ふつう。関係を持っていない男と子どもがいるのに…。穣子の方も怖かったのか、俺の後ろに隠れてしまった。
漣「よしよし。怖かったな…。」
穣子「あっ。お兄さん…あったかい…。」
俺の胸に穣子は頭をすりすりと擦ってくる。その頭を撫でるが、確かに彼女の体は結構、暴力的だ。柔らかいといえば…柔らかいが、これで甘えられると理性が持つか…どうか…。
静葉「むぅ〜…。やっぱ、みんな、穣子の方が可愛いんだ〜!!えぇい!!こうなったら、私も撫でろー!!」
漣「ばっか!!飛びつく…ぐはっ!!」
イッテェ…。咄嗟に静葉を受け止める体制に入ったから穣子やこいしには当たらなかったが、静葉の頭が俺の鳩尾に入った。
静葉「あっ…。ちょっとわかるかも…。良い匂いであったかくて…眠くなる〜…。」
穣子「私も!!」
静葉は俺の膝の上をキープし、穣子は俺の左腕を両腕で抱きしめている。穣子の谷間に俺の左腕がすっぽり入り、こっちが恥ずかしくなるほど暖かく、柔らかかった。
漣「…。」
俺は右手で物欲しそうに俺を見つめているこいしの頭を撫でる。先程まで炬燵に入っているところ以外は寒かったが、静かに寝息を立てるお姉さんと俺の腕を抱きしめる妹のおかげであったかい気分になった。
結局、帰れたのは日の傾いた夕方だったが、まだ眠たげに目を擦る静葉と笑顔で手を振る穣子を見てるとまぁ、こんな仕事も悪くないなと思った。そんな一日だった…。
では、次回!!
ではでは〜。