妖夢「ごめんね。付き合ってもらっちゃって。」
漣「仕方ねえだろ?幽々子が呼んでんだから。」
とある日の朝、俺は迎えにきた妖夢と共に白玉楼へ行くことになった。なにやら、幽々子が俺を呼んでいるらしい。
妖夢「幽々子様〜。漣さん、連れてきましたよ〜。」
幽々子「はぁい。」
のほほんとした声が白玉楼の奥から聞こえてきた。妖夢に連れられ、リビングに行くと幽々子と紫が畳の上に座っていた。幽々子だけ…と聞いていたが…。
妖夢「あれ?紫様までいらっしゃったんですか?」
紫「ええ。妖夢、ありがとう。早速で悪いけど席を外してる?」
妖夢「え…?あっ。はい!!」
妖夢は静かにその場を後にし、台所へと歩いていった。恐らく、茶でも用意するのだろう。
紫「…さて、今回、漣さんをお呼びした理由ですが…。そろそろ、スペルカードルールを理解して頂きたいと思いまして…。」
…なるほどな。スペルカードルール、所謂、弾幕ごっことは弾幕の美しさを争いつつ、戦闘を楽しむというものだ。逃げつつも相手の意表を突き、相手を倒す。最初の頃は戸惑いつつもルールに則っていたが最近では倒す…より、殺す、完全に消滅させるということをしていた気がする。しかし、新たなものを考えるとなると…神の力より鬼の力を使った方がいいか。
漣「…そういや、師匠と修行してた時もこんなことあったな。」
幽々子「あらあら〜。顎さんとも仲良くやってるのね〜。すごく怖そうな人だったけど。」
…怖そうな人…か。幽々子は知らないんだよな。あの日、西行妖が目覚めたあの日。師匠、紅顎は初めて…人を守れなかった。血を吸った桜は妖怪へ。そして…死を招く災厄へ。
漣「…。」
幽々子「あらあら。漣さん、どしたの?怖い顔して。」
紫「…。」
幽々子「あらあら。紫まで…。」
…師匠は最期まで嘆いていた。俺がもっと強ければ、あの桜を切り倒すこともできただろうと。そうすれば…彼女は死ぬこともなかった…と。その日から、修行は厳しくなった。師の思いは弟子である俺に受け継げると。
幽々子「…漣さん?」
紫「試させてあげましょう。それほどまでに力を昂らせる何かを…思い出したのであれば。」
…気づかなかった。だが、戦いとなると俺の鬼の血が騒ぐ。俺は紫の用意したスキマへと入っていった。
…結界で満たされている。鬼神の業火までしか使えないか。しかし、此処は…まるで湖の上に立っているような場所だ。空が下に映し出されている。鏡写しの空間。歩くだけで水面に波紋が立つ。
漣「…ん?」
目の前から一人、男が歩いてくる。真っ黒なぐんぶに身を包み、片目を眼帯で隠した男…。あれは…。
漣「…月の兵時代の…俺。」
黒外套の下に軍服が見える。月は非常に文明が進んでいる。兎や俺のような戦闘力の高いものは、月を守る防衛軍に起用される。兎は主に依姫が訓練するのだが、俺は師匠、顎に修行の手ほどきをしてもらった。黒外套や軍服は、師匠からの贈り物で眼帯には周りに妖力が漏れないように師匠が術を仕込んであったらしい。
漣「…お前は、俺なのか?」
レン「…。」
奴は無言で俺に銃口を向ける。二人しかいない空間に合図はない。間髪入れず、1発2発と、弾丸が前から飛んでくる。俺はその弾丸を手で受け止める。手を離すとカラカラと薬莢が下に落ちた。奴は俺を殺す気らしいな。なるほど…。紫は俺にコイツを正式な弾幕ごっこの形で倒させようとしてるらしい。
レン「…『喉を掻きむしる街灯の苦言』」
…っ!?なんだこれはッ!!
奴の周りに円形に棒状と雫上の弾幕が現れ、しかも、厄介なことに雫上の弾幕は俺を追跡してくる。俺はとりあえず、周りにシールドとして弾幕を出し、相殺する。あんな攻撃…。俺は知らねえぞ!!
漣「紅蓮『百鬼炎』!!」
俺は先程のようにシールドのように張り巡らせた弾幕を横一線に配置し、奴に放つ。だが、弾幕ごっこのルール上、避けられない弾幕はダメだ。それを証拠に相手は弾幕と水面の境目、人間一人が走り込めそうな場所をスライディングで通り、至近距離でキックを俺にしてくる。俺はなんとか手でガードをするが、もうこれは弾幕ごっこではないのではないか…?
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紫「…。」
この二人の戦いを紫と幽々子は白玉楼で見ていた。紫の行動に幽々子は少し疑問を持っていた。
幽々子「…なんで、漣さんを?」
紫「…あの人のスペルはそこまで強くない。貴方も気づいたんじゃない?幽々子。」
…そういえばそうだと、幽々子は思った。幽々子や西行妖と戦ったときはもっと強かったはず。しかし、度重なる変化により、身体能力やその他の力が強くなっただけで弾幕単体の威力や機動力は他のシャドや月夜見、霊夢や魔理沙にも劣る。皮肉だが、なにも使っていないノーマル、又は鬼神の業火を使っていた頃の方が、弾幕ごっことしては強かった。
幽々子「…彼が弾幕を知れば、もっと強くなる?」
紫「えぇ。スペルカードが彼に由来する何かを元に作られれば…。私も彼が何者かはよくわかっていないの…。色んな資料を探って、覚妖怪に昔の彼を模倣してもらったまでは良かった。…でも、ただの模倣があそこまでの力をを持ってるなんて…。」
幽々子「…彼が昔の彼を超えることがスペルカードを考える絶好のチャンス…ってことか。でも、記憶を取り戻しちゃって…本当に良いのかしら。ルナサちゃん達に悪影響でも出なければ…。」
紫「…。」
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レン「…『消えゆく魂の引き金』」
漣「ちっ!!紅蓮『古代紅炎〜月の舞』!!」
輪廻転生乃炎すら使えないのであれば、このままなんとかするしかない。しかし、黒外套の俺の攻撃は正確かつ密度も高く、かなり避けるのに手間取ってしまう。先程、撃たれた技も俺の炎を避け、背後から俺をホーミングしてくる厄介なものだ。なんとか引き付けて、避けたがまさかこれほどまでとは。
レン「…ターゲット、ロックオン。散れ、『プロミネンスガントレット』」
しかし、奴の技、どっかで見た気がする。今の技だってそうだ。アイツの持っている銃が火の球を放ち、その火の球が俺の四方を囲み、細いレーザー砲を照射する。菱形を形作るように放っている時もあれば、十字に形作る時もある。少しでも油断すれば、死ぬぞ…。しかし、幸いなのはその照射の遅さだ。しかし、変わるのも遅く、持続も長い。少しでもタイミングを間違えれば、お陀仏だ。俺は菱形から十字に変わるタイミングで避け、奴の間合いに入る。
レン「…これが。」
漣「…チェックメイトだ。俺。」
レン「…鬼の力を信じろ。災厄と渡り合いたくば、全てを尽くせ。全てを変える力。師より受け継ぎし、全てがお前の技となる。」
漣「…言われなくても。」
その後、俺は眩いばかりの光に包まれ、気がつくと紫と幽々子と話していた白玉楼の一室に座っていた。何枚か、スペルカードは作ったが殆どはアイツと思い出した師匠からの知恵のインスパイアだ。幻想の力と鬼の力、二つの力がある程度まで使えるようになった。心なしか、紫が浮かない顔をしていたが…気にしないことにし、俺は白玉楼を後にした。
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?「新しいスペルカードをあんなにたくさん…。まぁ、僕には関係ないから良いか。そろそろ準備を始めようと思うんだが…。良いかな?僕の子供達…。まーまー。そんなに慌てないで…。新しい我が子の誕生だ。…まぁ、この子は元々…だからね。ふふ。」
最初の事件まであと少し。
そろそろ異変編にしても良いかも。
戦闘となると長くしがちなんですが、とにかく長いんでどのくらいになるかは…ね?
後、紅霧異変と春雪異変はもっかいやるかもです。
では次回。
ではでは〜。