※この作品はR-18です。

半人半妖の恋愛奇譚   作:紳爾零士

163 / 262
こっからは戦闘メインになります。
いろんなキャラの魅力を出せたら…良いなぁ…。


第129話『戦争とスタートと過去最強の敵と』

漣「…。」

 

奴から知らせが来た。全ての味方を集め、人里近くのひらけた平原に来いとのことだった。…人員は集めた。正邪達の連れてきた九十九神達や命蓮寺の奴らも頼りになる。…これはただの戦いではない。まさに生き残りをかけた…戦争だ。

 

漣「…みんな、大丈夫か。」

 

ルナサ「うん。」

 

陽奈「ぜ〜んぶ倒すだけでしょ?簡単簡単♪」

 

漣「こらこら。見ただけで実力を判断するなよ?まったく…。」

 

陽奈は右腕にちからこぶを作り、ポンポンと叩く仕草を見せる。自信満々と言ったところだ。月夜見も新たな刀を新調し、シャドは使える武器のレパートリーを増やすため、魔法でレイピアも作ったらしい。

 

シャド「…奴さん、きやがったぜ?」

 

漣「…そうだな。」

 

…平原を囲むように配置された大岩の上。奴はそこで仁王立ちしていた。いつ見ても異様な男だ。不死のおぞましさを体現したかのようなその見た目。人間というには白すぎる肌。そして、恐ろしく透き通っている宝石のような緑眼…。奴は…なんなんだ?

 

逢魔「…ごきげんよう。幻想郷の皆さん…。しかし、とんでもない量ですねぇ…。これが、幻想郷の本気…。クククッ…!!ただ、群れていても無意味ですよ?」

 

紫「…無意味かどうか、試してみては?それに…いつまでもそんな小細工は聞きませんよ?」

 

逢魔「…流石は妖怪の賢者。囚われていたとはいえ、冴えているようですね…。」

 

逢魔が指を鳴らすとその後ろから…まるで被せていた布を剥ぎ取ったかのように風景が剥がれ、玄霧逢魔の横に鏡一郎や紫色の着物の男、フリフリの洋風の服の少女や顔のよく似た男が二人、神父にドレスをきた女…。そして、赤いロングコートの仮面の特に怪しい男…。この8人とその後ろ…有象無象の軍勢が何万…何十万はいる。

 

逢魔「…どうでしょうか?君たちを倒すために、これほどまでの民が我々の意思に賛同してくれました。」

 

漣「賛同?…ふんっ。笑わせるな。お前は恐怖で従わせているだけだろ?良い趣味してるぜ…。まったく…。」

 

…俺の皮肉の言葉に逢魔はニヤリと笑った。

 

逢魔「…恐怖?…絶望?そんなものに心を支配されているようでは…まだまだ…人として、生物としてまだまだです…。そう、本当に恐れるのは驕れる人の業ではなく、夢に溺れる妖の姿でもなく、無知なる生物の欲。…まさにこの幻想郷は無知で溢れています。その軍勢なら勝てると慢心している人妖、神の愚かなる姿。それこそが無知。それこそが敗因。その無知故にこの箱庭はーッ!!終幕を迎えるッ!!」

 

逢魔の声に逢魔陣営からは歓声が沸き立つ。幻想郷陣営は逢魔達を睨みつける。ある者は無粋な男だと言い、またある者は陣営そのものを貶した。…アイツらは悪だ。俺は刀を抜く。それを見た逢魔はまたあの狂ったような笑みを見せた。

 

逢魔「…それが答えですかッ!!ならば、此方も…考えがあります…ッ!!」

 

逢魔は手で合図を送る。…戦争の開始の合図だ。奴の合図と共に、何十万の軍勢が雪崩れ込んでくる。幹部達は玄霧を除いて小隊を率いてくる。だが、初めから期待はされていないのだろう。玄霧らしくない馬鹿で体力だけの脳筋ばかりだ。それがギャーギャー喚きながら此方に迫って来た。

 

シャド「おいおい!!来やがったぜ?」

 

和泉「…全員、戦闘の準備をしろッ!!この幻想郷を脅かす者は我らッ!!天狗が相手をするッ!!」

 

和泉…いや、天魔の声に天狗達は沸き立ち、飛ぶ。烏天狗が空を飛び、白狼天狗は地を走る。月夜見もやれやれと言った様子で小隊を組み、雪崩とぶつかる。

 

勇儀「おいおい!!アンタら、死ぬんじゃないよッ!!鬼の意地ってやつを見せてやろうじゃないかッ!!」

 

勇儀の一声に鬼達もぶつかる。それに続き、妹紅達やレミリア達、妖夢達も向かう。俺もその後に続いた。

 

妖怪1「大将を討ち取れば、こっちのもんだぁぁぁ!!」

 

漣「…紅蓮『獄炎の花びら』!!」

 

薔薇の如く、花びらの如く展開した炎が前から走ってくるだけの奴らを蹴散らす。…なんだ。拍子抜けじゃないか。

 

迦具土「漣…。よそ見はするなよ。」

 

漣「わかってるさ。宵ノ明星っ!!」

 

妖怪2「ひっ!?」

 

俺は片っ端から妖怪を切り裂いていく。勿論、相手方のだ。しかし、妙だな。これを避けられないほどの奴らを軍勢として選ぶとは…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

仮面の男「…。」

 

仮面の男が少し動く。その足元の小石が下に落ち、少し音を出した。その方向を逢魔は見ていない。その顔はいつものにやけ顔だった。

 

逢魔「…気づきましたか?」

 

仮面の男「…あれが?」

 

逢魔「…言って良いですよ?なにせ、彼を殺せば君の想い人は手に入る…。後は煮るなり焼くなり好きにしなさい?」

 

仮面の男「…ふんっ。俺はただ、元に戻りたい…だけだ。」

 

仮面の男が山を降りる。赤いロングコートを翻し、そいつは漣の目の前に立った。

 

漣「…何者だ。」

 

漣は妙に感じていた。…何故、この男は自分と同じ妖力を発しているのかと…。男は無言で構える。その構えも漣にそっくりだった。漣はその男を睨む。男は漣を挑発した。

 

漣「行くぞっ!!」

 

漣は地面を蹴り、男を殴ろうとした。

 

男は漣の攻撃と全く同じ動きで漣にカウンターを入れた。その一撃は漣の腹に入った。

 

漣「ぐはッ…!!」

 

漣も黙ってはいられない。漣は距離を離し、足払いを掛けようとした。

 

…足は砂を巻き上げた。

 

漣「何ッ!!」

 

…この平原でこんな至近距離で見逃すはずがない。漣はそう思った。周りの弾幕の音や拳、剣や槍の音が聞こえる。

 

漣「ッ!?」

 

男は漣の後ろに立ち、漣の背中を蹴り飛ばした。

 

漣は受け身を取り、地面を蹴って、殴りに行く。

 

漣の右拳。

 

男の頰、スレスレでかする。

 

漣「グハッ…!!」

 

漣の腹には仮面の男の拳が入っていた。

 

仮面の男「…この程度か。幻想の神、氷川漣。確かに動きは素晴らしいが、威力がのってないな。さぁ…。すぐに楽にしてやるさ。」

 

漣(…人が…立てないのを…いいことに…ボロクソにッ…言ってくれるじゃないか…。確かに腹に一撃もらった感じ…火力は…あちらの方が…上手…。だが、それは、通常状態でのこと…ッ!!)

 

漣は仮面の男を睨んだ。仮面の男はゆっくりと漣に向かって歩いていく。…漣も黙って、やられるわけではない。ゆっくりと立ち上がる漣。

 

仮面の男「…立ち上がるか。氷川漣。その執念、流石だ。」

 

漣「…へへッ…!!い…今までの…奴らよりは…ッ!!骨がある…みたいだな…ッ!!」

 

仮面の男「…痩せ我慢か。お前の攻撃は俺に当たらん…。貴様はここで死ぬッ!!そして、俺の野望は達成するッ!!死ねッ!!氷川漣ッ!!」

 

漣の目の前で漣の周りに弾幕を張り、逃げられないように漣を囲む仮面の男。…一撃で決着をつけるつもりだ。

 

仮面の男「…終わりだ。お前と会えたこと、誇らしく思おう。死ね…。」

 

漣「…死ぬかよ。こんな簡単に…ッ。」

 

漣に弾幕が迫る。まるで漣の自信をへし折るかのようにゆっくり…ゆっくりとにじり寄る。呼んでも助けは来ない。いや、来るのだろう。だが、周りも周りで戦いは激化している。そして、仮面の男は、知らないだろう。この異様な暑さに…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シャド「さぁさぁッ!!テメェらの力、見せてみろよッ!!」

 

一方で、シャドは雑魚どもを蹴散らしていた。シャドは闇波紋を生むことで、広範囲に攻撃をすることができる。その為、そこいらの妖怪達では、シャドに近寄ることすらできないのだ。

 

レミリア「…シャド…。コイツらのこと、妙だとは思わないか?」

 

シャド「…そうだな。やけに弱すぎる。何故だ…ッ!!」

 

レミリア、シャド、幽香を包囲するかのように妖怪どもが走り込んでくる。だが、どれも弾幕一発で跡形も無く消えてしまうほどの貧弱。幽香も薄々感づいていた。…実に妙だと…。

 

?「…それで、良いのですよ。」

 

3人「ッ!?」

 

一人の男の声に有象無象の輩の猛攻がピタッと途絶えた。その群れの中から神父や宣教師のような服装をした男が歩いて来た。

 

シャド「…テメェは一体。」

 

シャドはそいつのことを知らない。だが、レミリアは嫌な予感がしていた。その男の片眼鏡の奥、白い目の眼力をレミリアは少し見覚えがあった。

 

?「…そこの吸血鬼は覚えているでしょう。私は神に使えし神官、ライトシープ。どうぞ。ライ…とでもお呼びください。」

 

レミリア「…ッ!?」

 

幽香「…知ってるの?アイツのこと。」

 

レミリア「…生きていたのか。お前はッ!!お父様が粉々にッ!!」

 

ライトシープ「…さぁ!!始めましょう…!!…談笑は地獄でも出来る…。」

 

シャド「ふんっ!!地獄に行くのは…テメェだッ!!」

 

シャドのその声を皮切りに3人はライトシープに向かって動いた。3人がライトシープに向かう中、その純白の瞳は静かに揺らめいていた…。

 

 




基本は三人称かな。
では次回。ではでは〜。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。