※この作品はR-18です。

半人半妖の恋愛奇譚   作:紳爾零士

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第130話『能力と暑さと仮面のその先と』

シャド「オラァァッ!!」

 

レイピア『マルキ・ド・コサード』による斬撃。レイピアなのに突きでは無く、切り掛かってくることは予想できなかったのか、ライトシープはその身にまともに受けてしまう。そして、更にレミリアと幽香のラッシュ。ライトシープのものであるだろう、血液が空に舞った。

 

幽香「ふんっ。虚仮威しね。こんなに弱いのが幹部で貴方達、大丈夫?」

 

シャド「さぁさぁさぁ!!テメェの本気、見せてみやがれッ!!」

 

幽香、シャド、レミリアによる猛攻。ライトシープは笑っていた。その笑みにレミリアは嫌な予感がした。…そして、それは当たった。

 

ライトシープ「爆天『電撃爆破玉』」

 

レミリア「ッ!?避けろッ!!」

 

ライトシープ「もう…遅いッ!!」

 

ライトシープのエネルギーボールが3人の中心で爆発するッ!!

その爆風にシャドや幽香、レミリア諸共、周りの味方も敵も吹き飛ばされた。エネルギーの流れに押し流されたと言っても良い。ライトシープを中心に起こった爆破は、地形の破壊こそしなかったが、周りに甚大な被害を出した。

 

シャド「…チッ!!味方ごと破壊かよ…ッ!!」

 

ライトシープ「如何です?これが我が魔力。神より頂きし魔法の力。この高濃度の大爆発。貴方達もただでは…。」

 

…その時だった。

自慢げに演説するライトシープの腹を衝撃が走る。男の腕でも…ましてや女性の腕でもなかった。それよりも華奢であった。女児の腕だ。それでも威力はあった。…レミリア・スカーレットは後ろにあった岩を蹴り、その反動でライトシープの腹に拳を入れた。

 

ライトシープ「ガァァ…ぁ…。」

 

レミリア「…ふんっ。何が神だ。お前達は本来、そのように神を信じるのが仕事だろうが…。私は吸血鬼。悪魔だぞ?神なんぞに頼って何になる。私が頼る神は一人だけ。それは妖怪にも人にもなる。」

 

ライトシープ「…あんなものを神と曰うか。紛い物に用はない。…私の信ずる神は正真正銘の神…。偽物に興味は…ない!!」

 

レミリア「…何ッ!?」

 

レミリアは後ろに引く。シャドも幽香もライトシープの魔力の変化に気づいていた。魔力…というよりは妖力に近い。

 

ライトシープ「…我が能力、お見せしましょう…。変身『タイプ古代翼竜(ケツァルコアトルス)』」

 

ライトシープの身体が徐々に変化する。人であった体が周りの岩を砕きながら、翼が生え、くちばしのようなものが生え、体が大きくなる。…ケツァルコアトルス…。そう、まさに文献に伝わるその姿であった。

 

ライトシープ「…私の能力は『細胞を変化させる』程度の能力。ですが、自信しか変化できない上に一部の変化などは不可能。体の変化によって能力は人以上にも人以下にもなりますが、これもスカーレット家を潰す為…。このくちばしで脳髄から屠ってあげましょう。」

 

地面を震わす化け物の咆哮。空を飛ぶ巨大な翼竜に周りの有象無象の輩はもはや指揮を失っていた。

 

ライトシープ「借りた軍がこれでは…。では、皆さま。来世で会いましょう。砕け散れ!!『ガイアブレス』!!」

 

巨大な翼竜は口を開く。シャド、レミリア、幽香は何が起こっているのかわからなかった。が、直感で奴の攻撃がヤバいことを感じた。逃げる暇もなく、翼竜の口から極光が放たれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

仮面の男「…弾幕が…消滅した。」

 

男が弾幕を放った場所。放ったはずの…当たったはずの奴が消えていた。消えていたというよりは炎が守るように展開。まさに燃える盾。漣は大規模な炎で弾幕を消し去り、手で払い、道を開ける。と、同時に仮面の男にラッシュをかける。

 

漣(コイツの能力はわからない。だが、全てを視る力のある俺にとってこの状況で弾幕勝負を選ぶより殴りかかった方が有利だ。だが、なんだこの挙動は…。)

 

漣の拳を仮面の男はまるで熟知しているかのように受け止める。右の手を払えば、右手で止められるし、左足で蹴ろうとすれば、左足で止められる。

 

漣「チッ!!」

 

漣はこれではダメだと一度、後ろに引いた。

 

漣「紅蓮『陽だまりの小狼』!!」

 

漣の周りに2匹の炎の小さな狼が現れ、仮面の男を一人と二匹で取り囲む。漣が指を鳴らすと仮面の男を噛みつきに走る。

 

漣(このスペルは一定時間、無敵の炎の小狼に注意を向かせる。その間、俺は攻撃も力を溜めることも可能。)

 

仮面の男「…チッ!!この駄犬どもがッ!!」

 

狼達は仮面の男の腕、足に噛みつき、離さない。噛みつかれている痛みはない。あるのは焼かれている痛みだけ。漣も周囲に弾幕を張り、攻撃をする。だが、仮面の男は狼達を振り払い、弾幕も的確に打ち落としている。…目をつぶすか…あるいは…。

漣が考えている間にも狼と仮面の男の戦いは続いていた。一匹の狼が仮面の男の喉元に噛みつこうと歯を剥き出しにする。また、一匹の狼は男の衣類を裂こうと爪を立てる。だが、男は狼達を振り落とし、狼達の腹を蹴り、狼達を蹴り飛ばした。

 

仮面の男「…悪あがきはやめろ…。それほど熱を持っても無意味だ。貴様は熱暴走する。」

 

漣「…熱暴走…だと?」

 

仮面の男「そうだ…。貴様の炎は硬く弱い。優しく気高く…そして、貧弱だ。集まっても弱く、燃えるだけ燃え、暑くなるだけ…。」

 

漣「貴様が何故そんなことが言える?」

 

仮面の男「…俺が…そうだったからだ。」

 

仮面の男が仮面を取り、握り潰した。その仮面の裏側に俺は絶句した。

 

漣「…俺…だと?」

 

漣にそっくりな顔。鼻立ち、瞳の色までそっくりだった。

 

漣「何者だッ!!」

 

レン「…俺は氷川レン。俺は…お前だ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

魔理沙「恋符『マスタースパーク』!!」

 

一方、魔理沙や慧音、妹紅や妖夢達もまた総攻撃を開始していた。妖夢の剣は周りの敵を目にも止まらぬ速さで切り、魔理沙のマスパは地面を砕き、敵の波を押し流した。妹紅の炎もまた敵の侵攻を遮り、慧音のスペルで打ち倒していった。

 

妖夢「ハァァァッ!!」

 

向かってくる敵を切って切って切りまくる。敵の妖怪達の腹も、腕も、胸も切り裂き、息の根を止めた。周りには血と肉の残骸が散らばっているだけだった。

 

妖夢「…これで終わりですね。」

 

?「…一差し…。」

 

妖夢「ッ!?」

 

妖夢に不気味な声が聞こえた。普段なら怖がって聞くこともできないが、この時の妖夢は違う。愛する郷の愛する人のため、剣を抜き、その声の聞こえたらしき方向を見る。揺らめき立つ短い草の上を何者かが歩いてくる。緑に良く映える紫の着物。日の光によく光る銀色の髪。そして、妖夢が見たのはその腰に携えている二振りの刀だった。

 

妖夢「…誰ですか?」

 

?「…貴君の刃は鈍ではないと見た。我が刃で相手にするに値する。貴君の名、名乗れ。」

 

妖夢「…魂魄妖夢。」

 

?「…妖夢。貴君の刃は時を切るか、空間を裂くか…?」

 

妖夢「いいえ。」

 

お互い、相手を睨んで離さない。だが、妖夢の前にいる男はとてつもない殺気と感情のわからなさ。それに加え、隙のない身のこなし…。ただの剣士ではないと妖夢の直感が反応した。

 

?「我が剣は時を切り、空間を裂き、骨の髄まで粉砕する。貴君の剣は肉を裂くまな板包丁ではないだろう?…このミツヒデ、貴君の刃のお相手を致す。」

 

妖夢「…まな板包丁…ですか。ならば、受けてみてください!!これが私の覚悟ですッ!!」

 

ミツヒデ「…覚悟、か。大口を叩くなら剣を抜けッ!!その剣に聞こうッ!!貴君の力は私を楽しませるに値するかッ!!」

 

光の如く、刀同士がぶつかり合う。刀のぶつかり合う衝撃波が小さな岩山を破壊し、地面の草を舞わせる。妖夢の蹴りがミツヒデの腹に当たり、ミツヒデを吹き飛ばす。

 

ミツヒデは体勢を整えると斬波を出し、地面を切りながら妖夢めがけて走る。

 

妖夢は斬波を刃で受け流し、ステップでミツヒデの間合いに入る。

 

更に、妖夢は斬りかかり、ミツヒデは体を捻って反動をつけ、刀を払う。

 

妖夢「…我流ですか…。」

 

ミツヒデ「無論。教えを乞うに値する剣士はいないのでな。」

 

間合いも呼吸も妖夢から見たらミツヒデのものは立派であった。剣同士が悲鳴を上げるほど、力を込める。ふと、妖夢はミツヒデの顔が笑っているのに気付いた。

 

妖夢「何をッ!!笑っているのですか…ッ!!」

 

ミツヒデ「…嬉しいのだ…。私をここまで満たしてくれる剣士は…この世にはいない…と思っていた…ッ!!だがッ!!貴君の腕は確かだ。それが嬉しいのだ…ッ!!」

 

妖夢「…半人前の剣でもですか?」

 

ミツヒデ「ふんっ…!!馬鹿め…!!半人前ということはこれから成長するということ…ッ!!それを入れずに貴君の腕を物申すのは愚の骨頂であるぞッ!!」

 

妖夢「…貴方に褒められても嬉しくないですねッ!!」

 

妖夢の剣がミツヒデを押し切った。ミツヒデは笑いながら、剣を構え、妖夢を睨んだ。濃紺の瞳と刀の刃が妖夢の顔を写した。

 

ミツヒデ「行くぞッ!!」

 

ミツヒデが地面を蹴り、刀を振るう。妖夢の剣がミツヒデの剣を受け止めた。二人の顔は笑っていた。まるで遊びのように、長年居た友のように…。




最初のやつはあの有名な海賊漫画からのインスパイアです。パクリじゃないです。…多分。
では次回!!ではでは〜。
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