東方要素皆無です。ご注意ください。
凰牙「…この俺に模擬戦をやれってのか?」
漣「…はい。」
時間は昼前。俺たちは用はなかったが、何故か紅魔館に集まっていた。ここまではよくある話だ。だが、何故かそこにあの人が居た。赤色の髪に赤色の目。洋菓子が嫌いなはずの彼がそこに居た。
シャド、月夜見、そして俺。どこまで先生に敵うかはわからないが、俺は成長した姿を見て欲しかった…故に前文に戻る。
凰牙「…んなこと、しなくてもわかんだろ…。師より偉大な弟子なんて存在しねえ。少なくとも、テメェら3人でも俺には勝てない。」
シャド「アンタねぇ…!!やってみなくちゃわからないでしょ!!」
凰牙先生の気怠げな声と表情に、シャドが思わず、声を上げる。月夜見は声には出してないが、少し苛立っているようだ。…二人は師匠の強さを知らない。ただ、彼は玄霧逢魔よりも強い男で通っているのだ。ただそれだけで、彼の本気や実力はまだわかっていない。
凰牙「…火事と喧嘩は幻想郷の花…ってか。やるんなら、俺は出し惜しみしねえぞ…。後で後悔しても知らねえからな。」
漣「…望むところです。」
いつもの部屋。パチュリーの結界で防御力はピカイチとなっている。中々の広さ、戦うには申し分ない。だが、先生は本気を出す気は無いようだ。…両方の肩に着物が通っている。先生が本気を出すときは片方の肩から着物の袖を外す。それが彼なりの決意の証…。だからと言って、簡単に勝てる人では無い。何より、彼は負けず嫌いなのだから。
凰牙「さぁ。どっからでもかかってこい。」
月夜見「しかし、いいのか?3対1で。」
シャド「いくらなんでも舐めすぎ。」
凰牙「…おいおい…。お喋りをしに来たのか?口より手ェ動かせ。」
低い声が室内の静寂を遮断した。外野の声も聞こえないくらい、その声は制圧力に長けていた。師匠が言っていた。『士道凰牙の中には夜叉が潜んでいる』…と。
シャド「だったら!!お言葉に甘えてッ!!」
シャドが冷気を使い、室内を一気に凍らせた。見る限り、氷の世界。だが、先生の周りのみ、凍り付いてはいなかった。
凰牙「…絶対零度の冷気…ね。氷が炎に勝てるかよッ!!」
先生は右手全体で虚空に円を描いた。すると先生の周りに赤い炎が展開され、壁、床、天井までを覆い尽くした氷を溶かすというよりは根本的に破壊しきった。一変して、氷の世界は炎の海となった。
その隙を狙って、俺と月夜見は先生の両サイドから蹴りをかます。
凰牙「…攻め方もなってない。奇襲なら俺の周りの熱風の動きに気づくべきだったな。」
月夜見「ッ!!」
…熱か。自分の熱気で今回は空間を捻じ曲げるのではなく、空気を温めて、その熱気の動き、人が通った時の揺らめきで即座に反応したと言うのか…?
凰牙「…そして、俺に体を触らせるべきではなかった。」
月夜見・漣「ッ!?」
…俺たちの足を掴んだ手から出たのは、黒煙。そして、次に認識したときには、背中に鋭い衝撃が走り、師匠から大きく離れていた。
月夜見「ガッ…!!」
漣「何が…起こったッ…!!」
凰牙「おいおいッ!!この程度でへばんなよッ!!」
月夜見が先生に向かって右手をかざす。しかし、その右手は先生により蹴り払われ、月夜見が俺の方向に投げ飛ばされた。
シャド「私がいることもッ!!」
凰牙「忘れてねえッ!!」
先生の右手に直径25センチほどの火球が生成された。そして…。
凰牙「火球『昴』ッ!!」
それの火球はシャドに向かってとんでもない速度で飛んで行き、シャドの目前で大爆発をした。先生は容赦しない。女であろうが男であろうが、目の前に…敵となれば人を殺すだけの力を持つ戦士であると見ている。…だから、容赦はしない。
シャド「…ケホッ…。」
火球の火力により、シャドの黒い着物がほとんど破れ、あられもない姿になっていた。
大技を撃った今がチャンスだと月夜見は先生相手に格闘に持ち込んだ。
月夜見の豪腕が先生の顔面を殴ろうとする。
先生は、その拳を軽々受け止め、月夜見の腹に右手を当てた。
月夜見「…ッ!!」
凰牙「攻めはなってるが、防御がなってねえ。一の波紋『慟哭』」
月夜見の腹に当てられた右掌から爆音と大爆発が放たれた。その衝撃に月夜見は後方に大きく飛ばされてしまった。
シャド「きゃっ!!」
月夜見「チッ…!!」
月夜見が飛ばされた先にはシャドが次の技を構えていたが、月夜見にあたり、集中を切らしてしまった。
凰牙「次は誰だァ?こんなんじゃ、腹ごなしにもなんねえぞ。」
漣「…紅蓮『輪廻転生之炎』!!」
白い炎を展開し、それを払う。そして、地面を蹴り、勢いよく先生に殴りかかった。
その軽率な行いは先生の左掌に遮られ、先生に払われてしまった。
凰牙「…中途半端だな。」
俺は腹を先生にシャド、月夜見と同じ方向に蹴り飛ばされてしまった。
凰牙「個々の力が弱いわけじゃない。だが、群れてしまえばそれまでの存在となっている…。チームワークってやつを微塵も感じねえ。…そんなんで俺を相手になんざ、ちゃんちゃらおかしいね。」
…視ているわけでもないのに、攻撃への反応速度は人の領域を超えている。まさか、こんなに高いとは思っていなかった…。最強への壁が…。
先生はそれを嘲笑うかのように右掌をこちらにかざし、こちらを見ながら、狂気的な笑みを示した。
凰牙「大団炎『諸星』ッ!!」
何かしようと思ったときには遅かった。圧倒的な熱気と衝撃が俺たちを包み込んだ。薄れゆく意識の中、俺を呼ぶ陽奈と咲夜、フランの声が聞こえた。そして、俺たちは意識を失った。
では次回!!
ではでは〜!!