※この作品はR-18です。

半人半妖の恋愛奇譚   作:紳爾零士

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シャドのお話もどっかでやらんと…。


第参話『悪魔と月夜見と別世界と』

…なにやら、レンレン達が騒がしい。あそこにいるのは何者だ?玄霧逢魔の姿も見えるしな。

 

シャド「…つまり、私の相手はアイツってことか。」

 

坊主頭のいかにも脳筋って感じの筋肉男が目の前に立っている。その眼光は鋭く、私じゃなけりゃ、怯んでいることだろう。と、件の男が攻撃の挙動に入った。殴りかかる拳は風を切り、レイピアでいなさなければ、アレをもろにくらっていたと思うと、この華奢な体には相当の負担になると思う。…なるほど。女でも手加減なしか。

 

私と彼はお互い離れるように跳んだ。このまどろっこしい感じは嫌いだ。だが、男の力量はわからない。それは相手も同じだろう。いきなり殴りかかってくるほどに凶暴な男だ。しかし妙だ。どこか、相手はイライラしている気がする。

 

シャド「とりゃっ!!」

 

私は空気中の水分を凍らせ、空飛ぶ氷柱を生成し、男に飛ばす。その強度たるや、鋼鉄の如し…ってね。だが、男はそれを涼しげな顔で殴り、粉砕していく。

 

…この瞬間、彼は私の狙いには気づかなかった。そのことを私は彼にわからないように彼をほくそ笑むようにニヤリと笑った。彼にとって今の行為は愚行以外のなにものでもない。氷は空中で舞い、冷気は霧を発生させ、相手の視界を遮った。

 

私は男の上に飛んで移動し、暗黒滅裂波を上から撃ち込んだ。これで死なれたらとんだ拍子抜けだ。幽香の方がまだ相手になる。先程まで氷と草の大地だったものが焼け野原と化した。男の姿は黒煙により遮られた。…やっぱりとんだ拍子抜けだ。男はそこに立っていた。立っていたのだが、周りの魔法陣に気づかなかった。…あんまり、魔法陣を使うのは久しぶりなので手加減はできないが…死なないだろう。

 

シャド「じゃあね。」

 

私は涼しげな顔で魔法陣から高質量の弾幕を繰り出した。目が眩むほどの極光にたじろぎながらも、私は男の行く末を見届けた。

…呆気ない。私はそう思ったが、男はその答えを意外な形で返してきた。お腹が熱い。私は急なことに戸惑いつつ、レイピアを闇雲に振り回した。すると、なにやら硬いものに当たる。こんなところに大岩なんて…。いや、なかった。

 

?「舐めるな…ッ!!」

 

男の顔は憤怒の表情を浮かべていた。まどろっこしくなったのだろう。私は魔法で体を強化して、男を見やった。…嗚呼、やられているというのになんとも言えない清々しさだ。この男相手なら、私の元来の氷の使い方が出来るだろう。私の顔は狂気の笑みに歪んでいることだろう。まだ残る焦げた匂いには目もくれず、男を瞳の中に写し込んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

月夜見「来い。狼よ。」

 

?「言われなくともッ!!」

 

…この世界が俺たちの世界ではないと仮説を立てるならば、彼らは敵か?それとも、味方か?

それを知るには戦い、相手の力量を知るしかない。そのことを知っているか、知らないか、白狼天狗は向かってくる。

 

走ることでそのスピードはグンと加速していき、視界から消えたその刹那、俺の体へと剣を振るう。

 

俺は酔狂満月でそれを受け止める。…しかし、妙だ。なんなんだ?この攻撃の軽さは…。こんなもので月夜見神を倒せるとでも思ったのだろうか。

 

次の瞬間、俺は俺の考えが浅はかだったことを知る。白狼天狗は二手目、三手目を恐ろしいスピード…それでこそ、俺でも捉えられるか、怪しいスピードで打ってくる。

 

月夜見「ぬぅ…。」

 

…煩わしい。その一言だった。

俺は帰らなければならない。彼と同じ、天狗が俺を待っている。付け焼き刃だが仕方ない。俺は弾幕を撃ち込んだ。だが、そこには先ほどの駄犬の姿は見当たらない。どこだ、どこだと気配に集中するが、捉える前に頭に衝撃が走った。

 

勝ち誇ったような彼の顔。だが、それゆえに非常に惜しい。能力を使うことになろうとは。

 

?「うおッ!?」

 

白狼天狗の体は地へと吸い寄せられた。地面に伏している状態だ。俺は左手をかざし、能力を使用している。俺の能力は抽象的ゆえ、これ以外の使い方をあまりしてこなかった。だが、煩わしく飛ぶ虫を捕らえるには、これしかなかった。

 

月夜見「…すこし舐めていた。謝ろう。」

 

よもや、氷川漣のような言葉を俺が言うとは…。過信もほどほどにしなければならないな。犬は地面に伏したまま、見下す俺を睨んでいた。俺は無表情だろう。なにせ、表情に出すのは得意ではないからな。

 

月夜見「…月夜見だ。貴様、名は何という?」

 

?「白連山、天だ。」

 

…随分と白狼天狗らしい名だな。

それに…。

 

月夜見「天…か。思い上がった名だな。」

 

天にあるのは太陽か…それとも、月か。天より上には何もない。この犬が名乗るには些か、大きすぎる名だ。

 

天「…俺の知ったことかよっ!!」

 

…俺の重力に争い、勝ったのか。確かに天という名は相応しいかもしれない。だが、俺は負けない。その意味を込め、俺は剣を握り、足を踏み込む。彼の剣先が俺に刻一刻と近づこうとする中、俺は覚えのない優越感に浸っていた。




では次回。ではでは〜。
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