シャド「ハァァッ!!」
レイピア『マルキ・ド・コサード』による3連突きを絆と名乗る男に飛びながら、当てる。だが、絆は涼しげな顔でそれを全て受け切った。
シャド「堅ッ!!なに、こいつ!!」
絆「俺は、右近と左近が一つになった姿…。硬化も軟化も出来るに決まってんだろ?…落ちろ。ちょこまか小うるさい蝿め!!」
空を飛びながら攻撃する私を絆はジャンプし、空中で蹴落とした。
シャド「ぐっ…!!」
絆「ハッ…!!」
ニヤリと笑いながら、私も距離を詰めつつ、インファイトを仕掛けてくる絆。私はレイピアで軽くいなしているが…硬化された拳がレイピアと干渉し、火花を起こした。…このままでは体力の差で此方が負ける。
ラスト「…!!」
絆「危ねぇッ!!」
シャド「アンタ…。」
絆の拳に合わせる形で割り込んできたラストが拳を突き出した。絆はいきなり入ってきたラストに焦っているような表情となったが、ラストの方は表情筋が死んでいるのではないかと思うくらい無表情だった。
絆「…あぁ…そうかい。アンタら、幹部はどこまでプレジデントを怒らせるんだァ?全く…アンタらみたいな偽善者には反吐が出るね。それで今までの罪が消えるとでも?…全く、腹が立つ!!」
ラスト「…君はお喋りだね。…知ってる?弱い馬鹿ほど…よく喋るんだよ。」
絆「…殺すッ!!」
ラストの煽りに絆は青筋を立て、先ほどとは比べものにならないほどの超連打を打ち出した。それは風圧でラスト以外のものを寄せ付けないほどだった。
シャド「チッ…!!」
?「おい。シャド!!」
シャド「魔理沙!!」
…そういや、アイツらとの戦いで魔理沙もここに来てたんだった。そんなに重傷じゃないし、本人は戦う気満々らしい。だけど、この連打…。うかつに手は出せない。
ラスト「…知ってる?僕と…君は水と油…。」
絆「…反射。知ってるさ。お前がコントロール出来てないこともなッ!!」
ラスト「…。」
絆はカッと目を見開いたかと思えば、ラストの足を持って、回し飛ばした。ラストはまた無表情で飛ばされるが、空中で動きが静止した。絆は歯を剥き出しにして、狂気の笑いを示している。
シャド「行くよッ!!」
魔理沙「言われなくってもッ!!」
魔理沙と私は飛ぶ速度を上げ、絆の顎に蹴りをかます。
絆はそれに微動だにせず、私の右頬に裏拳を当て、私を吹き飛ばす。
直後、絆は目が痛くなるほどの極光に包まれた。
魔理沙のマスタースパークだ。私は受け身を取って、建物に触れるギリギリで止まり、空中に氷柱を生成し、それを飛ばした。
絆「しゃらくせぇなァァァッ!!」
絆は極光を掻き分け、私の氷柱に対応する形で殴打しながら、極光から飛び出た。
魔理沙は直後、空中に飛び、色彩豊かな弾幕を距離を取って飛ばす。
それに対し、絆はまたもや跳躍の体勢を取る。が、足元が凍りつき、それに対応しきれず、ほぼ全ての弾幕に直撃した。
…勿論、私だ。地面に冷気を這わせ、足元を凍りつかせた。砂煙が発生したことを確認した魔理沙はゆっくりと空から降りてきた。
魔理沙「…なんちゅう奴だよ。私のマスパを直撃したらあんな俊敏な動きできるやつなんて居ないぞ…。」
シャド「…多分、あの体躯なら避けるより受け止める方が早いと思ったんだと思う。それに、アンタ、全力じゃなかったでしょ。」
魔理沙「…まだ本調子じゃねえな。お前も本気じゃないだろうが。」
シャド「…ふふっ。こっから全力で潰しに行く…ッ!!」
魔理沙はニヤリと笑い、再び砂埃の中に見える巨大な体躯の影を見定めた。多分、私もおんなじ顔してる…。
絆「…悪足掻きだなァッ!!これが攻撃なら、お里が知れるぜぇ!!俺は本気を求めてんだよッ!!」
砂煙を掻き分けた豪腕はその直後、私に向かって伸びてきた。
飛びかかってきた男を分かれた魔理沙が横から弾幕を当てる。
だが、それを微動だにしない絆の拳を私は手でガードして、受け止めた。受け止めた手に折れそうなくらい痛みが走るが、魔力で強化している為、折れては居ないだろう。
シャド「…ッ!!」
私は冷気を纏わせた手で絆に冷気を浴びせる。一瞬にして、氷塊とかした絆だったが、氷は2秒と持たず、ひび割れ、砕け散った。
絆「まさか、凍りつかせてくるとはな。煩わしい技を使ってくるぜ。」
涼しげな顔で立っているその顔を見ると異様に腹が立つ。…帰ってメディに癒されよう…。今は、こいつを倒す。
シャド「消えろッ!!純黒『暗黒滅裂波』!!」
向かってくる絆。その拳が私の眉間に近づいてくる瞬間、ほぼゼロ距離で黒いレーザー砲を直撃させる。
絆「この程度…ねッ!!」
シャド「…この程度だと思う?」
一度はレーザー砲の流れに流されたが、再度、流れに逆らって此方へと歩いてくる絆。歯を剥き出しにしてニィッと笑う狂気の笑みを示しながら、ゆっくりと、着実に此方へと歩み寄ってくる。
…だが、コイツは忘れている。
シャド「…魔理沙ァァァッ!!」
魔理沙「魔砲『ファイナルマスタースパーク』ッ!!」
絆「…まさかッ!!上から…だとッ!!」
単純に質量が2倍になったレーザー砲。火力を増し、絆相手にその猛威を振るう。絆は硬質化した豪腕をクロスして、そのレーザー砲を受け止めている。…が、地面すらもえぐり、ただ一直線に進んでいくレーザー砲を受け止め切れるはずがない。
絆「…グオォォォ…!!まだだッ…!!まだ俺はやれるぅぅぅッ!!」
シャド「へっ。諦めが悪いね。…嫌いだわ。」
魔理沙「いっけぇぇぇぇ!!弾幕は…パワーだぜッ!!」
そのままレーザー砲は進む。…そう、障害物を貫いて…。
絆「ガハッ…!!」
腹に大穴を開けた絆が地面に大量の血を吐き、片膝をつく絆。もはや、満身創痍だ。…これはどれだけ体が強固でも…手遅れだ。例え、妖怪であっても…。
シャド「終わり…ね。」
絆「ハァ…ハァ……ッ。ま、まだだ…!!まだ俺は…!!」
今度こそ終わりだ。
私は右手を絆に合わせて、レーザー砲を射出する。光が消えたときにはもう絆は消し炭になっていた。
フューリー「…終わ…った…か…。」
ラスト「…兄さんッ!!」
…そうだ。フューリーがボロボロだった!!
早く手当てしてあげないとッ!!
シャド「早くフューリーを運んでッ!!」
ラスト「…う、うん…。」
逢魔「…絆がやられた、か。」
漣「…この人里の惨状、お前のせいか…。玄霧逢魔ッ!!」
人里の中心地。俺は先生と別れ、辺りの避難と惨状の確認をしていた。見覚えのある黒い外套を見かけ、追いかけて来た。…それが玄霧逢魔だったと言うわけだ。
逢魔「…忌々しい娘どもは居ないようですね。クロ達も姿をくらましました。君たちはほんっと…かき乱すのがお好きのようだ。」
外套に手を突っ込み、此方に振り返る玄霧逢魔。その顔はいつもの貼り付けた笑顔ではなく、無の表情であった。
逢魔「…何度かかって来ても無駄です。…君には僕は殺せない。」
漣「どうかな。…前とは変わってる。ちょっと違うかもしれねえぜ?」
逢魔「…あり得ないな。僕に勝てるなど万に一つもあり得ない。」
風が吹き荒れる。差し詰め、嵐の前の静けさと言ったところだ。奴の奇妙なくらいに綺麗な緑眼に日の光が反射する。目は笑っていないが、奴は口角を上げ、此方を睨んだ。
逢魔「…死に晒せ。幻想神。」
漣「…殺してやるよ。下衆野郎…。」
では次回。
ではでは〜。