※この作品はR-18です。

半人半妖の恋愛奇譚   作:紳爾零士

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第170話『幻惑と暴食と誘惑と』

無数の道を先に進む。

何度も何度も行った箇所を回っていると気が狂いそうになる。だが、まるで迷宮のようなこの廊下を回るしか、今の俺たちに残された方法はない。

 

魔理沙「目が回りそうだぜ…。」

 

ルナサ「でも、進むしかないわッ!!」

 

ふすまを蹴破り、そのまま進んでいく。危ないからと少数精鋭で来たが…ルーミア達も必要だった。数が多すぎる。輝針城に行くために合流した妖夢も入れて12人ほど。リリカ、メルランの方はルーミアや子供たちに任させている。咲夜と陽奈も合流した。彼方に妙な余裕がある以上、此方も手は緩ませない。ルーミアや紫苑達も連れて来れば良かったが、真に強いアイツらには拠点を守ってもらうことにした。

 

進めば進むほど敵が斬り伏せ、弾丸が行き交う戦地となる。月夜見、妖夢の何故か連携の取れた剣撃と咲夜、陽奈のナイフや弾丸が相まって比較的相殺できている。弾丸はラストがいくつか跳ね返し、俺たちはとにかく進むことを優先した。

 

シリウス兵「いたぞッ!!」

 

シリウス兵「殺せェェッ!!」

 

…チッ!!次から次へと…。虫みたいに湧いてきやがる…ッ!!

 

月夜見「斬鬼『幽鬼夢越・奉天』!!」

 

月夜見の斬波が飛び、数十の兵隊をくものこのように散らした。だが、場所が悪かった。十字路の中心、大部屋に差し掛かった今、無数の兵隊に囲まれていると感じる。…囲まれているのだ。

 

漣「チッ!!」

 

声を荒げ、柵もない虚無の上に立つ橋を雪崩のように走り、俺たちの元へとやってこようとする。それも前、右、左の三方向からだ。

 

月夜見「斬鬼『幽鬼夢越・貫天』!!」

 

月夜見が前方に向け、空を突く。突きによって光のレーザーのようなものが走り、前方の兵隊を散り散りにした。

 

漣「…月夜見。」

 

月夜見「…行け。グラートを倒せ。」

 

漣「あ…あぁ!!」

 

月夜見を置いて、俺たちは先を急ぐ。

 

シリウス兵「ふん。テメェ、一人でこの数を相手するわけか?」

 

?「一人じゃありません。」

 

月夜見「魂魄妖夢。」

 

月夜見に背中合わせになる形で、妖夢も剣を構える。周りはシリウス兵によって包囲されており、俺たちを寄せ付けない。…恐らくあの二人なら大丈夫だろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

二人を置いて、俺たちは再び長い廊下を走っていく。斬り込み隊長の月夜見がいない今、奇襲に次ぐ奇襲にペースをかき乱されていくが、決して足は止めない。

 

だが、スペルを使うわけにはいかない。俺もシャドも広範囲のものが多いので、そこまで万能ではないのだ。斬っていくしかない。

 

駆け巡る銃弾は全て咲夜と陽奈に任せ、向かってくる無謀な奴らは俺たちが斬り伏せる。長い長い廊下を走り、天守閣めがけ、一目散に階段を降りていく。

 

シリウス兵「ウォォォッ!!」

 

シャド「チッ!!めんどくさいわねッ!!」

 

漣「…ッ。」

 

…コイツら、さっきから斬り伏せているのに一向に減る気配がない。本当面倒だ…。

 

漣「とにかく走るぞッ!!」

 

足を止めては奴の思い通りになってしまう。とにかく攻撃の手と足を止めない。迫りくる敵をちぎっては投げ、ちぎっては投げ…。

全くキリがない。

 

魔理沙「マスタースパークッ!!」

 

シャド「暗黒滅裂波ッ!!」

 

二つのレーザーがなだれ込んでくるシリウス兵を一網打尽にする。これで前方は切り開けた…!!これで…。

 

?「あら?もう倒されちゃったの。使えない人たち…。」

 

漣「誰だッ!!」

 

レーザーによって舞い散った煙で見えないが、声の高さ的に女であることは間違いないようだ。…煙が散った時、その予想が当たっていることに気づいた。女だ。薄紫色の長い髪の女。スタイルはいいが、吸血鬼とは違う羽が生えている。

 

?「あら、私のことを知らないの?私はシリウス…いや、全世界一のアイドル…エレーナよ。こんな埃の中来なきゃいけないなんて…服が汚れちゃったじゃない。」

 

余程、容姿に自信があるのか、服と呼ばれるものは布の面積がほぼなく、体のラインがはっきりと出ているものだった。

 

エレーナ「野蛮な方々?貴方達…こんなところまで何の用?」

 

漣「…決まってるだろう。グラートを倒しにきた。」

 

エレーナ「馬鹿じゃないの。貴方如きにプレジデントがやられるわけないじゃない。それに…。」

 

エレーナはフューリー、ラストをチラッと見て、舌打ちを打つ。先程まで絶えず笑顔でいたエレーナは憎悪と嫌悪感剥き出しで此方を睨み付けていた。

 

エレーナ「…プレジデントのご恩を忘れ、剰え牙を剥きに敵地まで来るとは…。」

 

フューリー「…馬鹿じゃねえの。プレジデント、プレジデントって…。俺たちをこんな体にしたのはアイツだろうが…。」

 

エレーナ「…それ以上言うと消すわよ。お子ちゃまが…。プレジデントは貴方達、親を失った薄汚い孤児を才能だけでプレジデントが引き抜いた。…やっぱりやめておくべきだったのよ。力の制御もできないお子ちゃま、二年で軍隊長に引き入れるなんて…。貴方達は我が軍の汚点よ。ここで私が消してあげる。美しい私に消されることを感謝しなさい?」

 

フューリー「へっ!!誰がするかよ…!!」

 

エレーナ「ほんっと、可愛くない子…。」

 

バチバチに睨み合う二人。先程、月夜見と妖夢と別れた大広間と大体同じくらいのところ…。違うのは通路が一本道しかない。しかも、そこはエレーナが封鎖している。そして、グラートの妖力を色濃く感じる。…つまりはこの先がグラートのいるところなのだろう。

 

シャド「…ここは私が行く。」

 

漣「シャド。」

 

魔理沙「シャドだけじゃ心配だからな。私も行くぜッ!!」

 

漣「…わかった。頼んだぞ。」

 

俺たちはシャドと魔理沙だけを置いて、エレーナを横切って後ろの廊下へと走っていく。

 

エレーナ「そう簡単に行かせるとでも!!」

 

エレーナが俺たちに向け、弾幕を放とうとする。

 

弾幕は黒煙と化し、俺たちに飛んでくることはなかった。

 

シャド「いいや、行かせてもらうね。」

 

魔理沙「お前の相手は私たちだッ!!」

 

エレーナ「キィー!!無粋な小娘達!!良いわッ!!地獄送りにしてあげるッ!!」

 

 

 

 

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階段を登った。心音、禍々しさ、共に境地に達している。長い長い階段を登るとそこには…。

 

グラート「ようこそ。我が城へ。」

 

足を組み、此方を勝ち誇ったような顔で見るグラートが座っていた。

 

漣「グラートッ!!ユウちゃん達は何処だッ!!」

 

グラート「…まあ、そう焦るな。しかし、派手にやってくれた。城に穴を開けるとは…。」

 

漣「…仲間は…。」

 

グラート「ああ。あれは金でいくらでも手に入る。クックックッ…。さてと、客人にお茶すらも出せないが…気を悪くしないでおくれ?」

 

…やっぱりコイツは舐めている。

大袈裟なジェスチャーしつつ、ずっと笑っている。まるで友達に話しかけるかのようだ。ふざけている。

 

霊夢「ふざけないでッ!!貴方は一体、何が目的なのッ!!こんなことをして、ただで済むと…!!」

 

グラート「思うさ!!この世では我輩を裁くことは不可能…。君たちに我輩を倒すことなど100%ッ!!あり得ないッ!!クックックッ…ハーハッハッハッ!!」

 

手を広げ、胸を張り、高笑いをするグラート。自分に酔いしれているかのようで、その勝ち誇った笑みがとても不気味だ。

 

漣「…倒せるさ。俺たちなら。」

 

グラート「偉く自信家だな…。良い…いいぞ…。君のような…熱い人間は。燃えている。でもねぇ…。目の前の相手とのパワーの差…推し量った方が良いぞ。」

 

漣「…それはこっちのセリフだ。」

 

俺が剣を抜き、構える。グラートは玉座から立ち上がり、指を鳴らして此方を不敵な笑みで見つめている。…どこか、不気味だ。

 

グラート「さぁ!!ショータイムだ!!」

 

グラートのその掛け声と共に俺たちは攻撃を開始した。




では次回。ではでは〜。
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