エレーナ「私を前に男どもを連れてこなかったのは正解だったわね。」
天井を跳び回り、爆弾のように弾幕を出してくる落としてくる女…え、エレーナ?だっけ?
てか、めんどくさい。弾幕も大きくて高密度で避けづらい為、相殺している。
魔理沙「チッ!!弾幕が多すぎて近づけねえッ!!」
シャド「めんどくさッ!!何こいつッ!!」
エレーナ「ふっふっふっ…。私を誰だと思っているの?サキュバスの中のサキュバスであるこの私の攻撃よ?貴女達は数分後にチリと化すわ。」
頭上から大きな滴のような弾幕が降り注ぐ。
シャド「黒魔法『ブラックダウン』ッ!!」
その弾幕に対応するように小さな闇の渦をいくつか出現させ、飲み込む。
弾幕は弾けも爆散もしない。あるのは虚無だけだ。
エレーナ「…へぇ。やるじゃない。」
シャド「…自信過剰も大概にしなさいよ…!!醜女め…!!」
エレーナ「あら、お口の悪いこと。惨めだわ。この美しさを理解出来ない凡人は…。」
どちらが惨めだろうか。
エレーナは自身の美しさとやらにうっとりとしており、もう一人の存在に気付かない。この戦いは最初から…。
シャド「凡人は…どっちかな?」
エレーナ「…もう一人は何処へ?」
魔理沙「マスタースパークッ!!」
エレーナの背後より極光が包み込む。超至近距離のマスタースパークが火を吹き、自信過剰女を完全に消し去った。
シャド「…てか、アンタ、私も狙ったでしょ。」
一歩間違えれば、あのクソ女と一緒に私まで包み込まれるところだった。…最早、悪意を感じる…。
魔理沙「…そんなことないぜ?少ししか…。」
シャド「あるんじゃん!!」
…私がジトーと魔理沙を見ると魔理沙は頭の後ろをかきながらバツの悪そうに笑った。
エレーナ「ゲフッ…。」
シャド・魔理沙「ッ!?」
先程、マスパが当たった壁。極光と黒煙が晴れ、確実に消し炭になっていると思っていたエレーナが仰向けで倒れていた。
エレーナ「はぁ…。酷いじゃない。至近距離であんなのぶちかますなんて…。」
エレーナはわかりやすく疲れたような声を上げた。戦う意思がないのか、仰向けの状態から一歩も動こうとしない。
魔理沙「コイツ…。今すぐ、とどめをッ!!」
シャド「待って!!」
エレーナにとどめを刺そうとしている魔理沙を私は止めた。本人は何故止めると声を荒げる。…恐らく彼女にもう戦う意思はない。私たちは隙を見せているのに対し、彼女は何の攻撃もしてこないのだ。先程までの彼女なら弾幕の一発くらい…。
シャド「…アンタ達の目的を教えてもらいましょうか。」
エレーナ「あら。情けかと思ったけれど…。そういうこと…。ほんと…。酷い女ね。」
寝転がっている状態からエレーナは起き上がり、地面に座った。所々、彼女の服が焼け焦げているのだが、当の本人は全く心配していなかった。
エレーナ「良いわ。もう戦う力も残ってないし…。教えてあげる。それに汗かきたくないし…。」
エレーナはニヤリと笑う。
…恐らく、汗をかきたくないってのが本心だろう。
得体の知れない敵と戦うのだ。せめて情報は欲しい。
エレーナ「…私たち、シリウスは救われない能力者の集い。プレジデントを筆頭に私たちは集まったの。プレジデントの国は隣国から植民地のような扱いを受けていて、プレジデントみたいな能力者は使える道具のような扱いだったわ。能力っていうのは所謂、突然変異みたいなもの。隣国はその情報を自国の物として隠蔽し、生物兵器として能力者を使い出した。」
魔理沙「と、とつぜんへんい?…せいぶつへいき?」
シャド「それで?外の国は何をしたの?」
…私がいた頃と全然違う。
いつから能力者という区別で人権を迫害されてきたのか…。そして、いつからあの化け物が生まれたのか…。その起源に何かアイツを倒す手がかりがあったら良いんだけど…。
エレーナ「…負けたわ。戦争に。」
シャド「…へぇ。それで思い立ったと。」
エレーナ「きっかけは些細なことだった。ダークホースが現れたの。雷を操る力を持つ兵士、レジネスが仲間も敵も皆殺しにしていったわ。隣国に生物兵器として使われていたラストとフューリーはレジネスに勇猛果敢に向かっていたけど、結局負けちゃって…。当時のプレジデントはその様子を機動隊兵として見ていたの。そこで初めて凡人が能力者を恐れていることを知った。」
…当然というか…報いというか…。
戦争の道具にその力の差を教えられた…ってとこか。
エレーナ「…そこに穴を見出したプレジデントは、程度の能力を極限まで極めることに成功した。ただあの人は最後の最後で怠けた。何故か…。程度の能力でないと面白くないから。程度の能力でも凡人は恐怖を抱くから…とね。」
シャド「どこまでふざけてるのかしら…。」
エレーナ「…それ以上は私たちにはわからない。ただあの人が戦争を一人で終結させ、革命を起こしたのは確か。…これ以上はラストに聞きなさい?アイツなら何か、持ってるわ。」
…これ以上は絞れない。か…。
シャド「魔理沙、行くよ。」
魔理沙「お、おう。」
…仕方がないので、私たちは先を急ぐこととした。…これ以上ここにいても意味ないし…。
グラート「斬撃を受け止めるか…!!」
漣「…舐められたもんだね…!!」
グラートの斬撃に次ぐ斬撃。
俺は全て斬撃を宵ノ明星を弾きつつ、グラートと間合いを詰めていく。
…とてつもない斬撃だ。木の床を削り、三重となった斬撃が瞬く間に飛んでくる。一発一発が油断できない威力で飛んでくるため、他のみんなが太刀打ち出来ていない。
グラートの真正面まで来た時、グラートの右拳が顔面に飛んでくる。
俺はそれを避け、奴の体に一閃入れる。
グラートはその刃に腕の刃でガード。刃同士が擦れ、火花が散った。
グラート「…貴様は何故、力を求める?そのような凡庸な能力を手にして、何故、最強を求める?」
漣「…最強ッ…?…俺が力を持つのは…家族のためだ…!!」
奴の背後に周り、剣を縦に振るう。
グラートはその刃を剛腕をクロスして受け止めた。…その腕は強固でいくら力を入れても切れない。
グラート「家族か。…そんな甘ったるい覚悟では世の中は生きられない。我輩以外の者は道具である。…使う覚悟が無ければ無意味だ。そこにいる者は傀儡で、生きる意味がない。」
漣「…何が道具だッ!!お前の力は…傲慢だ…!!身勝手だッ!!何のために力を持ったわけでもなく…!!ただただ強者として讃えられたいだけの勝手な力だッ!!」
グラート「…君の世界で物事を語るな。騒々しい…。大体、貴様は我輩の何を知っているというのか…。消え去れ。」
グラートは剣を上へと跳ね除け、俺の腹に一撃入れる。
漣「ガッ…!!」
グラート「…ふん。」
…痛い…。
先ほどの一撃で大きく突き放されてしまった。身体強化を使ってるのにもう体に力が入らない…。立つのが…やっとか…。
グラート「そのまま壁に背をかけておれ。」
漣「…まだ…だ。」
…立ち向かうしかない…。幸い、痛みには慣れている。先生にボロボロになるまでやられてたからなぁ…!!
迦具土「…漣。我も共に…。」
漣「…斬撃を食い止めてくれるか…。そうすれば全員で戦える…。」
迦具土「ふっ…。我が後処理か。斬撃ぐらいなら触れずとも止められる。」
グラート「クックックッ!!満身創痍でも無様に立ち上がるその性格…嫌いではないぞッ!!力の差をその身に教えてやろうッ!!さぁ、かかってこいッ!!」
あと少しで終わります。
では次回。ではでは〜。