なんか、回りくどそうですが、ご了承下さいw
漣「やってるかい?」
?「毎度っ!!お兄さんの刀、良い感じに出来てますよ。」
復興途中の人里。全てが焼け焦げ、倒壊したようにも思えたが、鍛冶屋や寺子屋など被害を避けた場所もあった。人里の鍛冶屋では、傘の付喪神、『多々良小傘』が経営していて、多くは農業に使う鎌や鍬、そして、俺たちの刀などを作ったり、調整しているらしい。
漣「サンキュー。これ、お金。」
小傘「はいっ。ちょうどですね。これ、出来上がったものです。少し刃こぼれが酷かったので、刃は刀に合う感じに打ち直してもらいました。」
…『もらいました』?
漣「誰か、他にいるのか?」
小傘「はい。迦具土さん…と言う方が…。」
…あぁ。そういや、朝方はやけに早く出かけていくと思ったら…そういうことか。迦具土は、鍛治の神とも言われているからな。なら、心配ないだろう。
迦具土「取りにきておったか。」
奥の戸を開け、奥の畳の部屋から迦具土が出てきた。
漣「良い仕上がりだ。すごく軽い。」
迦具土「…月が作り出した兄弟刀。宵ノ明星と明ノ明星。刃の鋼は特質なものだった。流石は妖刀、光の力を制御する刀だ。禍々しい力を感じた。」
漣「禍々しさ…ね。」
…宵ノ明星の特徴として、『持つものの心の光を喰らう』というものがある。一見、デメリットのように聞こえるが、それほど影響の大きいものではなく、少し心労を蓄えやすくなると月夜見に言われた。が、そんなことは無く、単純にこいつと俺の相性が良いのだと思う。
デメリットがあればメリットもあり、宵ノ明星最大の利点は『能力無視』と『闇の力を半減させる』というもの。わかりやすく言えば、どれだけ最強と言われる能力があっても、宵ノ明星の攻撃を躱すことは出来ず、弾幕に悪き心が付与されるならば、宵ノ明星で威力を半減されるというもの。但し、例外もある。
例えば、霊夢の場合。彼女は『空を飛ぶ』程度の能力だが、これはあらゆる事象から浮き、その事象の影響を受けない。言わば、特異な存在と化す能力。極めて程度が無くなれば、彼女を止められる者はいなくなる。だが、宵ノ明星はその特異点を無視する。しかし、霊夢はその条件から浮く。この繰り返しで打ち消しあってしまう。互いに強力な能力故に打ち消し合い、限りがないので簡単に言えばどちらも無駄と化してしまう。決着がつかなくなるということだ。
その二。これは妹紅や永琳、輝夜の場合である。不死者は能力ではなく、特徴であるため、この能力無視の効力を受けない。特徴には効果がないらしい。
特徴は能力と共に人を表すものであり、例えば、火を操る程度の能力を持つ。これをその名の通り能力と言い、その者は男である。これを特徴という。戦闘スタイルもこれにつながる。勿論、不死者であるということもだ。簡単に変えられることでは無いため、例外を除き、宵ノ明星が効かない。
とのことだが、俺もよくわかっていない。これが迦具土の言う禍々しさに繋がっているのか、はたまた、別の何かなのか…。
漣「…。」
小傘「お、お兄さん?」
漣「…悪い。考え事をしていた。」
考えすぎだな…。宵ノ明星を使う上で特徴だの能力だのうだうだ言っている場合では無い。こいつはまだ俺に心を許していない。確信ではなく本能でそう感じている。それがコイツの禍々しさの正体かもしれない。まだコイツにとって俺は主ではなく、使用者の段階なのだ。その気になればいつでも斬り伏せられる使用者。…妖刀、か。
迦具土「…ま、今はそんなことを考える意味もなし。今は新たに生まれ変わったその刀を振るって、次の戦いに備えることだ。」
漣「…はいよ。師匠。」
…とりあえず、宵ノ明星を帯刀し、その場を後にした。小傘にはこれからも世話になるし、迦具土にも世話になる。迦具土とともに家に帰ることにしたのだが…。
迦具土「…現在は正午だ。すこし休息をとらないか?我も力を使いすぎて、些か腹が減った。」
…迦具土の人間らしいそんな提案に俺たちは一先ず昼飯を取ることにした。因みに迦具土は見た目こそ着物を着た女児なのだが、身体活動にそこはなく、食べる時は食べる。それでも身体に影響は…。
迦具土「…側からみれば、我と主は親子。そんな目をしていると悪い噂が立つぞ。」
漣「…すみません。」
…ジト目で見られた。
単純な興味でも流石に女の子のことをそう言う目で見るのは失礼だ。迦具土とて今は女児。軽率だったな…。すこし反省。
迦具土「全く…。貴様はそういう癖がある故、すこし節度を弁えた方が良いぞ。今度こそ、色欲の毒に毒されて、見たものを全てを襲う畜生に成り下がることとなる。まず、その極端な探究心を他のものに向けることだ。」
漣「…そうだな。」
畜生に成り下がるのは嫌だな。望まれてまぐわるのは良いが、襲うのはダメだ。恥ずかしながら、そんな度胸、俺には無い。ましてや凌辱など無理だ。のぞむ時に望むことを出来る限りしてあげる。それが俺のモットーだ。まぁ、気に入らない奴がいるから殺せ、とかは決めかねるが、彼女らがそんなことを言うわけがない。信頼している。
迦具土「…馬鹿な奴め。優しさで子を孕む女人の気持ちになってみろ。幾ら身篭りたいと思っていても、お前が待つだけではダメであろうが。人は待っているだけでは何も出来ない、動かなければならないと、教えてくれたのは貴様だ。…だから、我も人臭くなってしまった。」
漣「…残念ながら俺はそんな出来た人間じゃないよ。俺は待てと言われて待つことはできないからね。」
迦具土「…それが優しさだと。」
漣「争いは何も産まない。戦いは好きだけど、争いは嫌いだ。それだけ。襲って喧嘩になるくらいなら、死んだ方がマシ。待って朽ち果てるくらいなら、行動に移した方がマシ。少なくとも今の俺はそう思う。」
…守るべきものが増えた。
だからこそ、俺も成長しなければいけない。少しは父らしくならなくてはな。
迦具土「…はぁ…。」
俺の言葉に迦具土は呆れたようなため息を吐いた。
迦具土「主は矛盾だらけだ。人は矛盾だらけだな。」
漣「…完全には人じゃないけどね。」
迦具土「…だから、人は面白い。」
…白い歯を見せて迦具土がニィッと笑った。あまり笑うことのない迦具土だが、笑った時は体の年相応だ。大人が子どもに思う可愛いってやつ。勿論、変な意味ではない。
迦具土「だからそれをやめろと…。」
漣「さあ、食うぞ。」
迦具土「…この男は…全く。」
やってきた料理に舌鼓を打ちつつ、迦具土と他愛のない会話をしていた。思ったよりも安くてびっくりしたが、それでもこの時間は有意義な時間だった。次は雷夢でも連れてくるか。そう思いながら家の帰路に立ったのだった。
急ピッチで書いた話なんで適当ですねw
迦具土の話でした。迦具土は一応、人に関心を示してます。漣の味方をしているのは人を知るためでしたが、今は心より漣に憑いている状態です。まぁ、どうでも良い話ですが…。
では次回。ではでは〜。