※この作品はR-18です。

半人半妖の恋愛奇譚   作:紳爾零士

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第陸話『ナイフと姉妹と人の力と』

ヨウムさんの後ろから無数のナイフが飛んでいく。また弾くか…と、狙いを定める。だが、それは早計だった。私は自分の位置する空間を変え、ヨウムさんに近い位置にワープする。

咲夜さんも時を静止させ、ナイフを飛ばし、私の逆サイド…ヨウムさんを挟み込むように移動する。私たちは勿論、攻撃力の高い技もないわけではない。だが、私たちの本質は奇術的な技で相手を翻弄して、煩わしく思わせること。ヨウムさんのような猛者なら、そんなことは思わないかも…。でも、それだったら、少し楽しめそうだ。

ナイフと光弾は絶え間なく、ヨウムさんを追い詰めていくようにとてつもない質量で放っていく。ヨウムさんが集中を切らしたら、その瞬間に眉間を撃ち抜くこともやむ終えないと、私も集中する。私の銃弾の形をした光弾も咲夜さんのナイフも致命傷となりうる程の質量。流石のヨウムさんも捌き切れず、そのナイフと光弾が彼女の服を裂き、白い体を覗かせる。

 

その次の挙動はわかる。お父さんのように視てはいない。ヨウムさんが咲夜さんの方へと走る。私はその隙を狙って、背後から1発打ち込んだ。…手応えはあった。だが…。

 

咲夜「…え?」

 

呆気に取られた声を出す咲夜さん。まぁ、仕方ないよね。予め、忍ばせていたんだ…。咲夜さんのナイフで私の光弾をヨウムさんはガードした。私も正直、びっくりした。でも、それ以上に楽しめそうでめちゃめちゃワクワクしてるんだ…。

 

ヨウム「…くっ…!!」

 

ヨウムさんの剣を私の銃が受け止める。良い一撃だ。確かに鍛えられているだけはある。銃身がプルプル震えている。でも、こっちももう手加減はしてられない。私だって、髪を束ねて本気になったんだ。私は笑顔で、かつ相手を見定めて言った。

 

陽奈「甘いよッ!!」

 

それからは一瞬だった。重い刀身を銃身で跳ね上げ、ヨウムさんのお腹に光の弾丸を発射する。ヨウムさんはそれを避けたが、避けきれなかったのか、お腹に火傷が出来ていた。今までのように動くことは出来ないだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雷夢「…ッ!!」

 

炎の剣?が天高く貫く。正直、フランちゃんと戦いたくない。勝てるとも思わない。だって、私はお姉ちゃんとは違う。でも、やらなきゃいけないんだ。ふらんちゃんを全て落とすように私は弾幕をはった。

 

ふらん「むぅ…。」

 

ふらんちゃんは密度の濃い弾幕に対し、4人に増えることで応戦。…無理だ。跡形もなく、消し去られて終わる…。

 

4人のふらんちゃんのうち、2人のふらんちゃんが私に剣で切りかかった。だけど、それは虚空で爆散し、私の放った弾幕が分裂して、2人を跡形もなく消し去った。

 

…何が起こったの?

私だってわからない。だけど、これなら勝てる気がしてきた。

 

感傷に浸っている暇はなかった。私の顔一ミリ近くを刃がサッと切り裂こうとする。だが、それは敵わなかった。攻撃しようとしたふらんちゃんにれみりあちゃんがぶつかり、ふらんちゃんの攻撃を阻害してしまった。

 

ふらん「お姉様?」

 

れみりあ「すまん!!油断したわ!!」

 

お姉ちゃん、れみりあちゃんと互角にやり合ってるんだ…。やっぱりすごい。お母さんが言っていた。私とお姉ちゃんからは迦具土?の炎が感じられるって…。恐らく、お母さんより強くなるって…。

 

れみりあ「さてと…。ここからは私が相手をする。」

 

ふらんちゃんとれみりあちゃんが交代した?ってことは、お姉ちゃんは今、ふらんちゃんと戦っているのか…。この戦いに何の意味があるのかはわからない。でも、やるしかないんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ユウカは完全に殺る気だ。ならば、私も…。漣さんにもらった神の力は鍛え上げた。ただの巫女じゃない。今の私は、博麗霊夢というただ1人の…何かだ…。

 

お札や陰陽玉なんかじゃ、牽制なんて到底無理な話だ。考える余裕もくれない。ほぼノーモーションでレーザーが飛んでくるからだ。どうすれば良い…。夢想天生を使うべきだろうか…。いや、ここは…!!

 

ユウカの蹴りが私に入る。太陽の畑の妖怪…その凶暴性は各地に知られるほどの強さ、凶暴さ。普通なら骨が砕け散るところだった。だけど、ユウカの力は最初より劣っていた。

 

ユウカ「最初のアレね。」

 

霊夢「…そうよ。」

 

あの時、放った印は相手の力と体力を時間をかけて削ぐもの。効力は相手の命が尽きるギリギリまで。ユウカなら機能停止まで追い込める。だが、砕けていないとはいえ、骨がいくつか折れた…。腹部に激痛が走る。でも、立たなきゃいけないんだ…!!あの子たちの未来のために…!!

 

霊夢「人間…ッ!!舐めんじゃないわよッ!!」

 

まだこっちは切り札…残してんだからッ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

歪「…あれ?皆んな、どこ?」

 

…この感じ…。別空間にでも飛ばされたか…。

恐らく、俺がこの世界に来たのは偶然なんかじゃねえ…。仕組まれた。何者かが動いてる。闇とも光とも言えない何か…。まるで、開演が決まっていた人形劇のようだ。

 

凰牙「…飛ばされたか。」

 

歪「どこに?」

 

凰牙「…知るか。だが、周りの空気に変化はねえ。つまり、力を持たない凡庸な人間どもはこの件になんら関わりを見せてねえってこった。俺たちを狙った仕組まれた犯行…。」

 

…いや、それならば俺も飛ばされているか…。

歪はボーッと何処か一点を見つめている。この行為に何か理由でもあるのかと聞くと小首を傾げられた。…ほんと、歪んでいる。

 

俺が飛ばされていないとなると…俺の存在は奴らに知られていないのだろう。俺の力なら、異空間に飛ぶことは可能だが、火力はその空間の強度による…それがわからん以上最大火力でぶっ放さなきゃいけねえが、そんなことをしたら、博麗大結界まで壊しちまう。まあ、そこは調節したらいいか。

 

凰牙「店主ー!!勘定だ。」

 

店主「ヘイヘイ…。えっ!?お客さん!!こりゃ、金塊ですぜ!?」

 

金塊10本の山。売れば恐らく家一軒は立つ。俺は金は持たん主義だ。

 

凰牙「釣りはいらん。取っておけ。」

 

さて…。俺は歪に俺の傘に乗るように耳打ちした。そして、胴に腕を回すように指示し、しっかり捕まっているように言う。…さて、そろそろ探すとしますか。…小僧どもの喧嘩のケリは、大人がつけてやるもんだからな。




凰牙先生、出陣。
では次回。ではでは〜!!
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