…記念ってみんな何するんでしょうね…。
咲夜「では、よろしくお願いします。一応、陽奈も同行させますので。」
漣「大丈夫。お前の体に何かあっちゃ、悪いしな。」
咲夜「すみません。」
…特別な日だ。咲夜にとっても、俺にとっても、陽奈にとっても。
咲夜「…まさか…。」
フラン「おめでとう!!咲夜!!」
本当に喜ばしいことだ。しかも、初めての男の子。八意に見せたところ、産まれるにはまだだが、形としてはなっている…とか。つまり、もう一つの命を彼女は守らなければならない。幸い、メイド仕事は陽奈が代理のメイド長を担っている。無論、今回のも付き添いだ。
元々はフランが買い物に行くというので、陽奈がついて行きたいと進言したらしく、それにちょうど訪れた俺もついて行くと言った形だ。
咲夜「…漣様。私、感激です。だって…。」
漣「咲夜。それは帰ってから…な?」
咲夜「はい。いってらっしゃいませ。」
恍惚とした表情の咲夜。出発の時も満面の笑みで見送ってくれた。そりゃ、嬉しいよな。俺だって嬉しい。大好きな人が…あんなに嬉しそうに…。感慨深いよな。
陽奈「弟か…。どんな子かなぁ?銀髪?黒髪?お父さんみたいに美青年になるかなぁ?」
漣「…どんな奴であれ、俺たちの家族だ。弱いうちは守ってやってくれ。咲夜と共に。」
…さて、人里までやってきた。買い物を済ませるとするか。
フラン「えっと…お肉お肉…。」
…ここは良い。吸血鬼であるフランを毛嫌いせず、俺や陽奈のような悪く言えば混ざり物を嫌わない。…月の都とは違う。それも八雲紫の技量の賜物だろう。そして、産まれてくる…息子も。
肉屋「兄ちゃんっ。聞いたよ。またおめでただって?モテるねぇ。色男!!いやぁ、おじさん、サービスしちゃったよ。」
フラン「わぁい!!いつもより多くもらったぁ!!」
漣「悪いね。ご主人。」
肉屋「良いさ良いさ!!奥さん大変な時に兄ちゃんに倒れられちゃ、困るだろっ!!それ食って、体力つけろっ!!ま、兄ちゃんは鬼だから、大丈夫だろうけどな!!ガハハハッ!!」
…満面の笑みのフラン。いつの時代もおまけは嬉しいものだ。それに、優しさ…。咲夜に対して、何もできない自分が不甲斐ない。
フラン「良かったね!!」
陽奈「おおー。おじさん、ありがと!!」
肉屋「ヘイ毎度!!嬢ちゃんもあのメイドの嬢ちゃんのこと、助けてやんな!!」
陽奈「はぁい!!」
買い物の道中で人里の人々にこんな感じで優しくしてもらった。『風邪ひくな』とか、『大事にしな』とか…。人の優しさに触れると言うのは、本当に大切なことだ。今日は一日、紅魔館にいることにしよう。
咲夜「…まだ、大きくはないんですが…。」
漣「念には念を入れて…だ。」
昼前には俺たちは紅魔館に帰ってきた。とりあえず、味は咲夜に負けるかもしれないが、咲夜をあまり動かさせたくはない。
漣「ほら、あーん。」
咲夜「い、いえっ!!た、食べられますからぁ…!!」
あーんで赤面するのは今更感あると思うが…。
漣「目を離すと無理するからな。今日一日、俺が見といてやる。」
咲夜「う…うぅ〜…!!落ち着かない…。」
なんか、まぁ…そんな感じするわ。
咲夜は仕事人間だしな…。でも、大きくないとはいえ、普段よりも少し膨らんでいる。きっと、美女と見間違うほどの端正な顔立ちの美青年が産まれることだろう。
咲夜「…楽しみですか?」
漣「…そりゃあね。」
フラン「フランも楽しみー!!」
陽奈「私もー!!」
…無邪気だ。ここで育つ子は無邪気で気高く、そして、礼儀をわきまえている。
漣「…本当にここは良いところだ。」
レミリア「珍しいな?お前が素直に私たちを褒めるとは。」
エントランスで話をしていると神出鬼没と言わんばかりに紅魔館主人、レミリア・スカーレットが姿を現した。レミリアはニヤリと笑い、咲夜に駆け寄った。彼女としても長年連れ添った咲夜が身篭ったことについて思うことがあるのだろう。
レミリア「…ふふっ。大きくなったな。咲夜。」
咲夜「…これもお嬢様のおかげです。」
レミリア「…会った時の貴女はボロボロで…汚くて…。それはそれは、可哀想な…。本当に立派になったね。咲夜…。」
そう言いながら、レミリアは咲夜に抱きついた。咲夜もレミリアもその目には涙を浮かべていた。…なんか、良いよな。血は繋がっていないが、家族は家族だ。
レミリア「…漣。咲夜をよろしくね。」
漣「…あぁ。」
…姿形は幼女だが、それでも姉であり、主人である。まるで母のような…優しげな笑みを浮かべ、そう言った。
レミリア「…ところで。咲夜の子の名前は決めているのか?」
漣「…そうだなぁ…。」
…まだ考えてはいない。ただ、夜は使いたいな。今日はとても綺麗な夜だ。だから、使いたい。
漣「…斬夜。」
レミリア「…なんだその、物騒な名は。」
漣「いや…物騒…だな。やめとくか。」
…確かにレミリアやフランには物騒に聞こえるな。夜を斬る…わけだから、夜の帝王としては物騒だろう。夜を斬り裂き、朝を迎える。母と二人でそう言う意味合いでつけたのだが…。そもそも、咲夜の咲は違う時だしな…。
咲夜「…いえ、それで。」
漣「…え?」
咲夜「…斬夜…。カッコいい良い名前じゃないですか。それに漣様がつけてくださった名前です。この子も…父親のつけてくださった名前の方が良いでしょうし。」
レミリア「…ま、まぁ…貴女が良いなら…。」
…十六夜斬夜…か。
咲夜が選んだのなら、彼もそれで良いだろう。
咲夜「………斬夜。」
ボソリと呟き、恍惚とした表情で腹部を優しく撫でる咲夜。数週間後、産まれてくるのが楽しみだ。そう思い、俺は彼女と手を取った。
咲夜「漣様…これからもよろしくお願いします…。」
漣「…勿論っ。」
200話ねぇ…。
まだ先の話…つっても、十話くらいですけども。なにしましょうか。そのまま異変入ってもねぇ…。って感じです。
と言ってもまだ回収してない話もあるんですよ。今回の十六夜斬夜君ですが、5人目ということで間違いなく話のキーパーソンにはなると思うんですが、それは先の話ということで。
まず、逢魔ですよね。彼はこの物語で言うところのどこに出すか、まだ決めかねているんですよ。儚月抄…?鬼形獣…?みたいな感じで。
次にレティ・ホワイトロック。彼女でもう一話描きたいですね。近々。
次に神綺、アリスのあの辺りですね。夢子とか…かな?あそこら辺も出したいしねぇ…。
後は後は〜…。考えれば考えるほど出てきますね。
では次回。ではでは〜。