…時は夕刻。針は進みて正午を超えた。それはこの日を追いかける地にも言える。故に僕はこの名を付けられた。闇を抱え、闇だけを知り、黒い霧の中で生きていく。それが僕。—————『玄霧逢魔』
逢魔「はぁ…。」
この世はなんて生きづらいのか。昔、蛇から闇で生きる道を教えられ、ここまで生きてきた。光は生きづらい。
…ここに記すのは過去の記憶。日記など何の意味もなさないが、親代わりのあの人に現象を教えるため、仕方なくつけている。蛇にしごかれた人の字で。
そうだ。僕には親と呼べる人がいない。だからといって悲しくはない。物心ついた頃から、僕には何もなかった。親、兄弟、友達…。そんなもの何もなかった。
…アンタは知らないだろうが、僕はアンタに会う前はただの意思を持った人形だったのさ。アンタに歯向かうように白く染めたこの髪も少しずつ…毛先の青色が出てきた。…最悪だ。
月の都でアンタが僕を匿って、それでアンタは牢獄に捕まった。馬鹿なのかい?
アンタは大月神と玄霧と名を分け、僕ともう一人に渡した。アンタは泣いているかい?アンタは僕たちに慈愛を持って生きてきた。アンタはベルにも似て非なる美人だ。だが、アンタは月人から嫌われていた。…アンタは恋する人を間違えたのさ。
逢魔「…チッ…。」
話を変えよう。
月の都で起こった最悪の戦争。アレの首謀者は僕じゃない。アンタは知らないが、アレはアンタの大好きなあの人の右腕が僕たちを仕向けたんだ。罠に嵌めた。彼は氷川戀真と士道凰牙が邪魔なだけだったわけだ。
…嗚呼…なんて低脳だったのだろうか。騙されていたことに気づかないとは。しかも、蛇も…。
アンタの知ってる通り、僕の能力は異質だ。周りを思う通りに変えられる。それは焼けもせず、融けもせず、切れもしない。アンタの見込み通りだ。闇以外の生き方を知らない僕にはアンタを愛せやしない。母とは呼べない。だからこそ、ここにアンタの真名を記す。始まりは太陽、終わりは月。由月の刀が煌めく時、皆がアンタを呼ぶこととなる。
——————『月華白星』
闇雲リンネの名の影に隠れた。アンタの本当の名。
逢魔「…もうこんな時間か。」
人を辞めた僕に睡眠はあまりいらないが、拾ってしまったあの子達に悪い印象は与えられない。仕方なく、寝てやるか。
?「若〜。一緒に寝ましょー?」
逢魔「…はぁ…。」
ベルに任せていたのだが…。
子どもの相手は苦手だ。歳は…18と言ったか。
逢魔「…レモン。お姉ちゃんはどうした?」
レモン「だって、お姉ちゃんは一緒に寝てくれないんだもんっ。もう子どもじゃないんだからって!!」
逢魔「…はぁ…。」
全く面倒な子達だ。4つしか変わらないというのに。流石は人の子と言ったところか。ここまで真っ黄色の人間は見たことなかったが、なかなかにモテたとか。…知らないよ。そんなこと。僕にはそんな人並みの恋情などないんだから。
レモン「ねぇ?ダメ?わ・か・さ・ま?」
逢魔「…誘惑が下手です。リリアに憧れたのなら、もう少し磨きなさい。」
レモン「ぶーぶー!!」
逢魔「…はぁ…。」
…全く、人間とはなんとめんどくさい生き物だ。この子を拾ったベルに文句でも言ってやろうか。
逢魔「…おい、レモン。お前たちは一体なんなんだ?ベルが連れてきただけだったが…。」
レモン「ほへ?私は私だよ?お姉ちゃんもお姉ちゃんだし。」
逢魔「…そういう意味じゃない。」
…レモンとメロン。
真っ黄色の女と真緑の女…いや、緑というよりは青いか。似ているようで違う姉妹だ。確か…ベルの従者だったか…。
逢魔「…僕たちの組織は黒だ。誰がなんと言おうと。君たちにはその覚悟があるんですか?」
レモン「うーんと。難しいのはわからないや。でも、王女様が若様はお優しいと言っていたから、私たちはついていくよ。」
逢魔「…。」
闇というよりは光のようなキラキラとした…。この子たちをここに連れてくるとはアレも鬼畜だ。しかも、能力としても相当、強い部類。だが、二人とも使い方がなってない。…諸刃の剣か。
逢魔「…良いだろう。寝てやる。だが、今回限りだからな。」
レモン「ほんと!?わーい!!」
両手を上げて、喜ぶレモン。…ほんと、子どもか。ほんっと、終わったらベルに文句を言ってやる。…今は来たる決戦の為、眠ろうか。
少ないし、東方要素ないです。
本当はレモンとメロンは出すつもりは無かったんですが、基本的に僕の小説は書きたいものを書くんでね。では次回。ではでは〜。