リリカ「うぅ〜…!!寒ぃぃ…!!」
今日はリリカとデートだ。本人が人里を御所望だった為、人里を巡ることにしたが、茶色のトレンチコートに赤いマフラー、白のキャスケットに黒縁の眼鏡というしっかり防寒もしていると思うが、それでも寒いとぼやいている。
漣「…そんなに寒いのか?」
リリカ「あっ、お兄さんにはわからないんだよね。小さな気温差は。結構、今日、冷えるよ。ほら。」
と言って、彼女はコートのポケットから手を出して、俺に見せた。真っ白で細いしなやかな指が少し赤く染まっていた。触れてみると氷…とまではいかないが、冷たい。
リリカ「あっ。冷たいよ?」
漣「手を握った方があったかいだろ?」
俺のごつい手を彼女はギュッと握る。俺から握り始めたが。少しでも、あったまってもらいたいな。彼女は少し顔を赤く染め、恥ずかしそうにはにかんだ。
漣「で?何したいんだ?なんでも付き合うぞ。」
リリカ「そうだねぇ…。」
あまり考えていなかったようだ。そりゃ、そうか。お洒落する服も彼女らは全てウチの姪……アリス・マーガトロイドに頼んでいる。なんでも、洋装があまり人里には売ってないとか。時々、香霖堂に売っているのを見掛ければ、必ず3着買っていってあげてはいるが、それもパジャマだしなぁ…。
リリカ「ん〜と。えぇ〜と…。」
くぅぅ〜…と可愛らしい声が横から聞こえた。横を見るとさっきよりも顔を真っ赤にしたリリカが恥ずかしそうにお腹を押さえていた。
リリカ「えと…ご、ご飯に…しよっか…///」
漣「あぁ。」
時間的にも申し分ない。というか、俺も腹が減った。てわけで、俺とリリカは行きつけの定食屋へと足を運んだ。
店主「へい、らっしゃい。あー、どもども。氷川様。今日は何にしやす?」
席を案内され、座る。こじんまりとした室内からは歴史を感じるような店内だが、店主はわりかし若い。それに若い女性も食べ易いようなメニューも多い。つまり、今の俺たちにはうってつけの場所だ。
漣「どうする?リリカ。」
リリカ「え〜…!!どれも美味しそう…。どうしよ。じゃあ!!これっ!!」
漣「俺はいつもので。」
店主「はいよっ!!」
…このまま少し待つ。リリカも俺もガッツリと揚げ物を。と言っても、リリカは天ぷら丼で、俺は味噌カツの定食。天ぷら丼もボリューミーだが、あまり胃にもたれない。…どうやってしたらこんな旨い揚げ物が出来るのだろうか。
店主「お待たせしやした。天丼と味噌カツ定食でございやす。」
リリカ「わぁぁ…!!」
桐で作られた机に漆塗りの盆が置かれ、頼んだ料理が並んでいる。リリカが目をキラキラさせてそれを見ている。納得だ。初めて来る客は皆、先ずは見た目から虜になる。
リリカ・漣「頂きます。」
胡麻を擦り、味噌に加え、それにカツを一切れつけ、口に運ぶ。うんっ。やはり、そこまでしつこくない。肉も柔らかく、それでいてサクッといい音がする。味噌も甘い。米によく合う。
リリカ「んっ!!おいひい!!なにこれ!!卵?」
漣「鶏卵か。」
リリカが齧ったであろう断面からとろぉ〜…と半熟卵の黄身が垂れている。他にも八目鰻や大葉、かしわ天など飽きないように盛り付けられているのがミソだ。
リリカ「あれ、お兄さん。お味噌ついてるよ?」
漣「…あぁ、すまない。」
ニコッと笑い、リリカは俺の口元についているであろう味噌を指で拭い、それをぺろっと舐めた。
リリカ「あっ。美味しい。」
漣「だろ?」
リリカ「でも、こっちも美味しいよ?はいっ。あーん。」
…美味い。いや、美味いのは知っているが、リリカからもらったからなのか、めちゃくちゃ美味い。リリカ絶賛の鶏卵も去ることながら、タレがよく白飯に絡んでいる。
漣「美味い。」
リリカ「でしょでしょ!!」
パァッと子どものように満面の笑みで肯定するリリカに此方も嬉しくなってくる。…まぁ、後はゆっくりといただくとしますか。
リリカ「あぁ。美味しかったっ!!お兄さんの次に美味しかった!!」
漣「ありがとう。」
お金を払って外へ出る。日の光が出ていても、リリカの口からは白い吐息が出ていた。だが、さっきとは打って変わって、リリカは寒そうな表情よりも出された料理に対して満足している感じがして、連れてきてよかったと思った。
リリカ「次どこ行く?」
漣「お前が行きたいとこでいいよ。」
俺が選ぶとワンパターンになってしまうからな。流石に嫌だろう、それは。
リリカ「んと…そうだねぇ…。」
…まぁ、何処へ行っても彼女と一緒なら楽しいから…いいか。
次回はエロをやるか、日常をやるか。
書いてるうちに決めてます。いつも。
では次回、ではでは〜。