※この作品はR-18です。

半人半妖の恋愛奇譚   作:紳爾零士

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第207話『天上門』

厳秋「…っ!!」

 

凰牙「チッ!!」

 

また消えやがった。俺は霊夢の方を凝視する。奴は霊夢の背後に立ち、剣を振るう。

 

霊夢はそれに反応し、お祓い棒ではね上げる。

 

そのまま、霊夢は印を結ぶが、それすらも切り裂き、厳秋はまた消える。

 

次は俺の目の前に現れ、がむしゃらに剣を振るう。

 

俺は全ての斬撃を受け止めるが、その勢いに足がズルズルと後退してしまう。一撃一撃がとてつもなく重い…。

 

厳秋「当たり前だ。お前の知っての通り、俺の能力でお前たちの攻撃をこの一太刀、一太刀に返還しているからな。お前たちの攻撃が俺を強くしているのだ。」

 

凰牙「…返還…ねぇ…。」

 

コイツの能力は意味がわからない。…だが、クソほど強い。コイツ一人に5000人…いや、それ以上の軍隊を割いたが、壊滅にされた。此方の攻撃は効かず、気を抜けば何千倍となって返ってくる…。厄介な話だ…。

 

厳秋「…俺相手にまだ力を抑えているつもりか…?」

 

凰牙「ま、そりゃそうか…。俺も火力を上げてかないとなぁ。」

 

厳秋「ふふっ。力の本質が変わったぞ…。貴様の実力をビンビン感じる。さぁ!!…見せてくれよ。」

 

…言われなくっても。

俺は奴から一時離れ、いつものように肩にかけた羽織を脱ぐ。

 

凰牙「霊夢は離れてな。」

 

霊夢「え、えぇ…。」

 

深呼吸をして,心を落ち着かせる。心の中に…一つの門があるイメージで。そして、それを解錠させ、中に入る…イメージ。

 

凰牙「…天上門・解錠。」

 

これぞ人の境地。

炎に選ばれた者の極限。

…謂わば、天上の炎って奴だ。それを心の底の天上門の先から一時的に体に宿すため、借りる。なんてイメージを持つ。天上の炎『日炎』を借り、奴を超える力を手に入れる。

 

凰牙「斜陽『上炎(かみほむら)』」

 

…舞い上がる炎は天井知らず。

今の俺は体力も…火力も…そして、速力すらも天井知らずの存在となった。今の俺に限(・)界(・)は(・)無(・)い(・)という事だ。

 

その様子に奴は笑っていた。

片方に剣を持ち、構え、大声をあげて笑っていた。

 

厳秋「これが幻想最強!!恐ろしい…!!非常に恐ろしいぞ…!!小童ッ!!そしてお前の攻撃は必中なのだろう?俺のような不気味な能力じゃなければッ!!」

 

凰牙「テメェの能力すら超えてら…。」

 

地面を蹴り、奴に走る。

 

剣を奴に振るう。

 

厳秋「愚策だなッ!!」

 

厳秋は刀を使い、横薙ぎの一閃をガードする。…だが、いつまでも斬撃は来なかった。

 

厳秋「何…!!何処だッ!!」

 

凰牙「朱点一刀ッ!!」

 

厳秋の後ろを取る。

先程まで奴の冷静な顔が驚愕へと一変する。俺は奴の後ろから思いっきり剣を縦に振るう。

 

凰牙「『桜桃時雨』ッ!!」

 

厳秋「ぐっ!!」

 

そこに合わせ、刀で受け止めようとするが、たった1秒の差で俺の紅が奴の認識速度を上回り、奴の体に縦の傷をつけた。

 

厳秋「…!!」

 

凰牙「チッ…!!」

 

だが、それは奴の能力で完全に治癒される。

 

そして、奴は俺から距離を取るために弾幕を打ちながら俺と逆方向に飛ぶ。

 

凰牙「無駄だッ!!炎操術『命射抜(たまいぬき)』!!」

 

自分の周りにいくつもの小弾幕をがむしゃらに配置し、とてつもない速度で飛ばす。…天狗ともタメを張るぐらい速度だ。

 

厳秋はそれを刀で斬ろうとするが、流石に捌ききれず、いくつかの弾幕が被弾する。

 

それを煙幕として使い、俺は奴の懐まで入るが…。

 

凰牙「チッ…!!」

 

厳秋「『神罰』」

 

それを見切られていたのか、厳秋の白い斬撃が俺の目前から飛んでくる。

 

その距離は目と鼻の先。

 

俺はそれを切り裂き、猪突猛進で突き進んでいく。

 

厳秋「ぐっ…!!本当に限界がないとでも…!!」

 

凰牙「俺は常にアンタの上にいるからなぁ…!!アンタの認識より上にいるってわけだッ!!」

 

厳秋「くっ…。ふふふっ…!!ハッハッハッ!!本当に強くなったなぁ!!これぞ、幻想最強ッ!!」

 

カキンッ…カキンッ…と金属音だけが周囲に響き渡る。

 

俺の斬撃が奴の刀に弾かれ、俺の刀が奴の斬撃を受け止める。

 

その繰り返しだ。

 

弾くか、受け止めるか…或いは、飛んで避けるか…。埒があかない。

 

俺は追い詰めていたとはいえ、一度跳んで距離を取る。

 

凰牙「炎操術『月忌霊虎』ッ!!」

 

二頭の炎の虎が瞬足で厳秋の首をかっ喰らいにいく。

 

が、近づいた途端、刀を振るう風だけで虎の体が消え去った。

 

厳秋「次で終わりだッ!!」

 

凰牙「なに急いでやがるよ…!!」

 

厳秋「…人斬り千年。喰らいし血肉、数知れず…。極上『死屍累々』ッ!!」

 

凰牙「チッ…!!朱点抜刀ッ!!『桜花道』ッ!!」

 

火炎が舞い上がる紅を両手で握り、奴の放ついくつもの斬波を斬りながら、走る。

 

奴は空を斬り、奴を守るように斬波が四方八方を埋め尽くし、俺を襲ってくる。

 

俺は囲まれた瞬間、地面を蹴り、それを跳び越える。

 

後ろで爆発したのを聞きつつも、止まらない。

 

斬波の渦巻く中、台風の目、中心で力を貯める紅い刃を目掛け、突き進む。

 

厳秋「一矢報えよ、修羅の道。掛ける想いは忘れじの為。失いし、理想のためッ!!挑めよ『先陣夜叉』ッ!!」

 

凰牙「ッ!?」

 

二つの刃がかち割る。

 

その衝撃が場に走り、輪状に衝撃波を生み出す。

 

突如として生み出した突風に、二人の前髪が乱れ、地面の砂利が巻き上げられる。

 

凰牙「ぐっ…!!」

 

厳秋「ッ…!!」

 

視界を遮る極光。

…結局はこれだ。二人は刀をしまい、少し歩いた後、お互い向き、頭を下げる。

 

霊夢「…終わっ…た?」

 

霊夢がそう言うのが聞こえた。

…終わったんじゃない。始まったんだ。

 

厳秋「…幻想の者達よ。再び、相見える刻。俺は全力を出し、お前たちの障害となる。もう決戦は差し迫っている。3日後、畜生界の女が貴様らに依頼しに来るだろう。…玄霧逢魔は待っている。復讐の刻を。」

 

…それだけ言うと光になって消える厳秋。

全てお見通しというわけか…。

 

妖夢「…つまり、3日間、みっちり鍛えられるという事ですね…。」

 

フラン「よぉし!!フランも頑張るっ!!」

 

…あの戦いに感化される妖夢達。

だが、俺は少しムカっ腹が立っていた。あの野郎…手を抜きやがった。漢の勝負に…。それにあの刀…。まさか…。

 

凰牙「…考えても仕方ないか。」

 

俺は考えることをやめ、また縁側にどかっと座った。一仕事終わった後の団子は…美味かった。




士道凰牙が最強と言われる所以。

①限界がない。戦いの中でずっと進化し続ける為、バテないし、逆にギアが上がって力が上がっていく。

②漣のように見えていないのに相手の攻撃がわかるように動ける。『当てる』程度の能力により、勘が異常なまでに冴えている……わけではない。勘は常人並みである。

特に後者が強い。
当てるという言葉に隠れて本質は実は違う。当てるのではなく、当たるように世界が回っていると言って過言ではない。

…つまり、凰牙先生の思った未来が必ず起こるのだ。
『当てる』程度の能力ではなく、『未来を決める』程度の能力と言え、レミリアとほぼ同じであるが、この点においては本気のレミリア・スカーレットの方が上である。

レミリア→未来を思った通りに書き換えられる。自分に不利な未来を。(現在は見えるだけ)

凰牙→未来が思った通りになる。ただ、どうなろうと凰牙先生にはどうしようも無い。

本作ではレミリアはこういう感じです。
鍛えればチートキャラになり得るキャラが多いんで、必要に応じてどうするかは考えていきます。他の方の作品も参考にしながら…。

では次回。ではでは。
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