※この作品はR-18です。

半人半妖の恋愛奇譚   作:紳爾零士

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いつものように戦闘は三人称で。
今回は混戦なんでわかりにくいかもですが、頑張ります。


第212話『表』

…此処が…尭黒院…。

玄霧逢魔の根城…。

 

まるで紅魔館のようだ。霧に隠れた大豪邸。その規模は永遠亭…いや、もっと広いかもしれない。

 

シャド「…さ、さっさと行くわよ。」

 

ルナサ「…うん。」

 

…全員で足を踏み入れる。何故か、私の足が少し震えている気がした。恐れているのか…漣さんが…殺されたって言うのに。

 

扉を開け、大きな玄関フロアへと上がる。前には大きな屏風があり、奥が見えないくらい、大きな廊下が広がっている。此処の玄関フロアだけでもだいぶと広い。人、100人は余裕で入れそうだ。

 

ルナサ「…ッ!!」

 

逢魔「ようこそ。我が屋敷、尭黒院へ。」

 

…偉く堂々としているものだ。玄関フロアのど真ん中で突っ立っているだなんて…。外観とは不釣り合いなほど西洋じみた室内。そして、窓からの木漏れ日が全員を淡く照らす。

 

逢魔「つい先ほど、氷川漣達も到着しましてね。ご招待したところですよ。」

 

ルナサ「…漣さんが…生きてる?」

 

逢魔「…えぇ。だから、今度こそこの手で殺します。」

 

ドッとありえない量の凶々しい妖力が室内に満ちる。普通ならばいくら私や霊夢でも卒倒してしまうほどの狂気…。まるで深淵に触れたような感覚。脳が怒りよりも先に危険信号を出している。…今、目の前にいるこのガスマスク男は…普通じゃない。

 

ほのかに笑いながら、手を大袈裟に広げる逢魔。

 

霊夢「何処にいる…!!漣さんは…!!」

 

逢魔「…紅月の間。その他は僕の義娘が相手をしてます。氷川漣達には厳秋をぶつけました。永夜の間にて、交戦中です。」

 

シャド「…くだらないことをしてくれるわね。アンタ、分散が目的なわけ?」

 

逢魔「…如何にも凡人。天下の魔法使いとはいえ、考えることが陳腐すぎる。これから君たちもそこへ行く。それぞれ、我々、玄霧がお相手いたそう。」

 

…まずい。

頭から足の先まで…痺れるような威圧感…!!

少なくとも前までの奴ではない…。それを肯定するかのように逢魔の目が見開かれる。あれほど純粋で綺麗な翡翠色をしているのに…邪悪さだけが漂っていた。

 

逢魔「では、ご機嫌よう。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

神虎「水操術『撃たせ水・せせらぎ』」

 

銀乃「…。」

 

…堯黒院、紅月の間。

先陣を切る青髪の青年、水神神虎。刀が纏った水が、揺れる黒髪の少女に向かい、追尾する。

 

少女、銀乃は部屋の形を熟知し、舞うが如く跳ぶ。柱、壁、床…。あらゆるものを使い、速度を上げ、神虎を撹乱する。

 

神虎「チッ…。避けるしか能がねえのか?手前はッ!!水操術『撃たせ水・貫』ッ!!」

 

対する神虎も銀乃の跳ぶ先を予測し、架空に刀を突く。

 

虚空は波紋が広がり、見えない水の斬撃が銀乃に向かって飛ぶ。

 

銀乃「…『火葬刃』」

 

銀乃は刀に熱気を纏わせ、その水に対し、焔の斬撃を飛ばす。

 

水と焔…。相殺して、周りを白く染め上げる。

 

驚くべきは少女が足を踏み込まず、神虎と同じほどの斬波を飛ばしたと言うこと。神虎もそれをあまり好ましくは思っていない。

 

神虎「…相当な手練れだな。手前…。」

 

銀乃「…。」

 

神虎「…おしゃべりは嫌いかい…?」

 

銀乃の凍てつくような視線が神虎へ。神虎の威圧するような不敵な笑みが銀乃へ向かう。

 

?「…ここ、何処…?」

 

…そこへとある少女が飛ばされる。

ルナサ・プリズムリバーである。銀乃は目標を捕捉し、刀を構えながら走る。

 

それを神虎が止め、刀を弾いた。

 

神虎「アンタ、漣の兄さんの嫁さんだろッ!!」

 

ルナサ「漣さんを知ってるのッ!?」

 

ルナサも状況を判断し、寂煌月を懐より抜く。美しい黒の刀身が部屋の明かりに照らされる。

 

神虎「俺たちの今の総大将だッ!!兄さんは今ッ!!玄霧逢魔を目指して突き進んでるッ!!」

 

ルナサ「…なら、急がなくっちゃッ!!」

 

神虎「話が早くて助かるッ!!水操術『撃たせ水・華厳』ッ!!」

 

銀乃「…『大雪断』」

 

冷気と水の刃が室内を駆ける。

 

またもや霧を発生させるが、ルナサが能力を使い、霧を真ん中で割った。

 

神虎はそこを走り、縦横無尽に駆け巡る銀乃に距離を詰める。

 

カチンッと金属音が部屋を響き渡る。リヴァイアと銀乃の刀がぶつかり合い、火花が散る。

 

銀乃「…。」

 

神虎「手前はよくやってる。この室内、物が少なくて動きやすいが、かと言って戦いに適した場所ではない。それでも手前は俺についてくる。その歳で…よく頑張ってる。玄霧に何を言われたかは知らねえが、手前も姉さんに降れ。そうすれば死は免れるッ!!」

 

銀乃「…父上を裏切るなど…。死よりも業深き罪。私に選ぶ権利は無い故、ただあの人に報いる。この『憑き華』に誓いて。『熱閃』」

 

ルナサ「神弦『ストラディヴァリウス』ッ!!」

 

銀乃の熱閃で距離を離される神虎。

 

神虎が離れた隙に音符型の弾幕を銀乃に放つ。

 

銀乃「…『電光雪火』」

 

その弾幕を銀乃は素早い斬撃で斬り伏せ、ルナサに向かって距離を詰める。

 

その速度は目で追えないほどの…まさに光の速さである。

 

銀乃はルナサに向かって剣を振るう。

 

ルナサはそれを短刀で弾き、距離を離すため、部屋の天井スレスレまで飛ぶ。

 

それを見た銀乃は壁を走り、ルナサのいる天井付近まで行き、ルナサを蹴り飛ばす。

 

ルナサ「うっ…!!」

 

壁にぶつかる前に空中で静止。その後、弾幕を放つ動作へと転じるルナサ。

 

銀乃「…『火葬刃』」

 

それを焔の刃が軒並み切り裂く。

 

神虎「水操術『白長栖久次良』ッ!!』

 

神虎は鯨の潮吹きのような勢いの突きを繰り出し、銀乃の隙を狩る。

 

だが、銀乃は懐から4本の針を取り出し、それを相殺する。

 

神虎「…まるでくノ一だな。手前…。壁も空中も…手前にとっちゃ床にいるも同義か。」

 

銀乃「…くだらない…。何もかもが…。貴君の話も風の音のよう。私には届かない。」

 

神虎「…そうかよ。」

 

ルナサ「…来ますよ。」

 

銀乃が走る。

 

刀を振り上げ、神虎へ横一閃。神虎はそれを受け止め、弾き飛ばした。




では次回。ではでは。
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