逢魔「…来たか。」
漣「…霊夢、妖夢。お疲れ様。後は…俺たちに任せろ。」
霊夢たちを庇うように現れたのは、幻想神、氷川漣。そして、フランドール・スカーレットだった。
逢魔は首をボキッ…ボキッ…と鳴らし、漣を見やった。
逢魔「所詮、迦具土の居ない器。それで僕に勝とうなど浅はかですね。」
漣「迦具土は何故消えたのか。俺が消えたからだ。…俺は帰ってきたぞ。玄霧逢魔。天翔ける…火之神と一緒になッ!!」
逢魔「…ッ!?」
漣の纏う炎が…火の粉が、人の形を作り、渦巻く。…その姿こそ、迦具土の姿だった。逢魔は目を疑った。逢魔にとって3人の強者のうち、二人を消した…筈だった。だが、その二人は今、目の前に立っている。
迦具土「起こすのが、少し遅くはないか?…我も暴れたかったぞ。」
漣「へへっ。悪りぃな。こっちもこっちで手間取っててな。」
迦具土「…なるほど。迦具土之炎の体得…か。言っとくが、まだ完全に力を取り戻してない。我は暴れたりないが、暴れられないぞ?」
漣「…大丈夫さ。俺にはフランがいる。…二人でこのデッカいケジメを奴につけさせる。」
…静かに漣は前へ出る。逢魔も然りだ。二人とも静かに歩いていく。漣、逢魔の二人で部屋を二分する。片方は白き炎、もう片方は黒い稲妻。一つの室内でバチバチと燃え上がる。
二人は並び、睨み合う。
逢魔「…僕は君のことが大嫌いだ。腹の奥がひっくり返る…五臓六腑まで血が煮え立つ…。憎悪という炎でな。」
漣「奇遇だなぁ…。俺もだよ。フランにしたこと、アイツらにしたことも…全部含めて、ケジメを取らせる。骨まで…チリにする。」
逢魔「…あぁ。」
逢魔が目を閉じる。その後、カッと目を見開き、漣を殴ろうと拳を構え、振るう。漣はそれに合わせて、逢魔に拳をねじ込む。二人とも、顔面にそれを喰らい、後方に大きく飛ばされるが、地面に踏みとどまり、少し飛ばされた地点でまた睨み合った。
漣「来いよッ!!玄霧逢魔ァァァッ!!」
逢魔「ぶっ殺してやるよッ…!!氷川レェェェェンッ!!」
逢魔が吠え、刀片手に構え、漣へと走る。
漣は宵乃明星で大振りの横薙ぎの剣を弾く。
逢魔「ぐっ…!!」
逢魔はナイフのように太刀を振り回し、乱雑に刃を振るう。
その型にハマらない斬撃を漣は弾く。
一挙一動、全てが激しく、誰も入る隙を与えなかった。
逢魔「…おいおい…。守ってばっかかァ?」
漣「当然…。俺たちは二人で一人だッ!!」
逢魔「ッ!?」
後ろからフランドールが逢魔を蹴って、横へと飛ばす。
逢魔は受け身を取れず、そのまま転がっていき、壁へ激突。黒煙を散らした。
漣「サンキュー。フラン!!」
フラン「うんっ!!」
逢魔「…正義の味方が…卑怯な真似を…。」
ゆらゆらと起き上がる逢魔。髪を掻き上げ、2人を睨む。
漣「…卑怯な…だと?テメェは卑怯なことばっかりやってきてんじゃねえか…。んなお前に言われたくねぇよ。」
逢魔「…チッ…。やっぱり…嫌いだねッ!!」
弾幕を周りにばら撒きながら、走ってくる逢魔。
弾幕を的確にフランのレーヴァが処理し、逢魔に向かって漣は走る。
逢魔の拳を漣が掴み、後ろに投げ飛ばす。
逢魔は受け身を取り、漣に足払いをかけ、その後殴りかかる。
漣も咄嗟に受け身を取り、逢魔の拳にカウンターをする。
逢魔「ウォォォォッ!!」
漣「ハァァァァッ!!」
一挙一動の攻防戦。逢魔の拳を漣が拳で相殺。漣の拳を逢魔が蹴りで相殺。二人とも刀も弾幕も使わず、全力の肉弾戦をしていた。
漣「ダァァッ!!」
逢魔「ナッ!?」
激しい攻防戦の末、漣の拳が逢魔の頬に直撃した。
くらぁ…っと立ち上がる逢魔にすかさず、左拳を腹にぶち込む漣。
そのまま空中に上がる逢魔を回し蹴りで蹴り飛ばした。
逢魔「ぐっ…。」
漣「…まだやるか?」
逢魔「…すまない。夜叉。僕はまた君の力を預からないといけない。僕は…二度と負けられない…!!組の…全員を守るためだッ!!…『雷雲激翔』ッ!!」
空から紫色の雷が落ちる。漣は雷が落ちる前にフランを守った。藍色の羽織が雷に焼かれ、少し焦げてしまった。
漣「フランっ。大丈夫かッ!!」
フラン「うんっ…!!漣兄様は?」
漣「傷一つついちゃないさ。…あっちも本気っぽいな…。」
轟音と閃光が部屋内をぶち壊しながら、落ちてきた。逢魔の髪は黒く染まり、逢魔の体は帯電していた。
逢魔「レジネスの雷…。ありゃ、本当は僕のものだ。僕は繋がりを操る程度の能力ともう一つ…。『雷を操る』程度の能力を持っている。レジネスは僕の雷を利用して作られたエネルギー物質体。…あのグラートに利用されたに過ぎなかった。」
漣「…なるほど。それがテメェの…。」
逢魔「…第二ラウンド…開始だッ!!」
逢魔は狂気的な笑みを浮かべ、地面を蹴り、とんでもない勢いで漣に攻撃を仕掛ける。
逢魔の蹴りを漣は手をクロスして受け止めるが、後ろに飛ばされてしまう。
漣「ぐっ…。」
逢魔「…雷砲『零之波動』」
逢魔が漣の前で左掌を突き出し、黒色のレーザー砲を打ち出す。
漣は横に回転して避け、逢魔を後ろから蹴る。
逢魔はレーザー砲をやめ、漣の足を持ち、投げ飛ばした。
逢魔の右の壁から煙が舞い上がる。
漣「ぐっ…。」
フラン「漣兄様ッ!!」
フランが漣の元へと飛ぶ。漣は着いたフランの頭を撫で、ゆっくりと立ち上がった。
漣「…そろそろ手加減はやめておいた方が良さそうだな。」
逢魔「ふんっ…。そんなことしていると、死ぬぞ。お前。」
漣「殺そうとしている奴が…何言ってんだよ…。逆だ。簡単に死んでもらっちゃ困るから、手加減してやってんだよ。」
逢魔「いちいち…鼻につくやつだ。…僕は本気だ…。お前と殴り合い、殺し合うためにな。」
漣「…神火『迦具土』」
漣の周りに火柱が出る。火柱は赤から段々と白く…どちらかと言うと銀色に輝き始めた。その炎はその場を焦がしつつ、フランをも飲み込んでしまう。…そして、炎は周りに広がりながら、徐々に消えていった。
逢魔「…白…か。」
漣「…さて、ここからは本気で行くぞ…。逢魔ッ!!」
逢魔「…来いよ。幻想神ッ!!」
黄昏異変は次回ラストですね。
終わったら日常編…何しよっかなぁ。