※この作品はR-18です。

半人半妖の恋愛奇譚   作:紳爾零士

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第五話です。
最近は時間とれてるんでそろそろ本編の方も進めるかと。
一応、神君と漣君があっている時間帯は迦具土と会う前、霊夢が神になった後でございます。あの1話間でこんなことがあったんや〜とでも思っておいてね。


第伍話『愛と抜刀と来る災厄と』

そして、神君の修行が始まった。彼はすごい。俺はこの刀を使うのに一週間かかったのだが、彼は2日で明ノ明星を抜刀した。だが、地獄はこれからだ。俺もそうだったのだが、神君も強大な力を隠していたようで…。

 

神「グルァァァッ!!」

 

月夜見「チッ!!」

 

月夜見との修行中、神君は明ノ明星の抜刀に成功した。だが、俺の宵ノ明星のように、あの刀は抜いた瞬間、使用者の力を最大限まで出し切る勢いで使わせるため、自分の意思に反して体が動いてしまう。体に意識はあるのだが、わかりにくいと思うが、今、彼の中には自我を失った彼と自我を保っている彼が戦っているのだ。

 

シャド「チッ…!!月夜見!!早くそのガキ止めやがれ!!」

 

月夜見「やっている!!先ほどから何度も剣を打ち付けているが、まるで効いていない!!」

 

シャド「ガキィ…。そんな力、隠していたのかよ…。」

 

月夜見は、両手の剣で神君に斬りかかる。だが、神君の服は切れど、神君には傷一つ付いていない。逆に神君は先ほどから雄叫びを上げ、剣を縦横無尽に振るっている。勿論、両者、型など存在しない。

 

月夜見「…流石は神。魔神とはいえ、神の一派か…!!」

 

シャド「だらしねぇなぁ!!」

 

バサリと音がしたかと思うと、シャドが神君の真ん前まで行き、鴉で攻撃を受け止める。月夜見は重力操作を行おうと右手の平を神君にかざすが…。

 

月夜見「ッ!?能力が効かない…ッ!!」

 

シャド「それどころか…ッ!!このガキ…ッ!!だんだん強くなってねぇか…ッ!?」

 

神「グルゥゥッ…!!」

 

…彼の心が読めない?

能力アンチ的な技を本能的に使っているのか…。タイムリミットまで、後2分。この空間、月夜見の月食『アトミックワールド』は、別空間な為、神君のフルパワーにも耐えている。だが、これが現世で使われたらどうなるか…。

 

シャド「チッ!!月夜見ッ!!」

 

月夜見「耐えろ…!!永魔神!!それに耐え切れば…お前は!!現世でこれほどの力を何のリスクもなく、使えるようになる!!来る災厄に勝つ術ができる!!耐えろ…ッ!!永魔神ッ!!」

 

シャド「だぁぁ!!神が神頼みしてる場合かぁッ!!」

 

剣同士のぶつかる音が反響する。シャド、そして、月夜見は耐久戦に持ち込み、神君の攻撃にただ耐えるばかり。最早、この妖力を留めている明ノ明星がすごい…。

 

シャド「おい!!漣!!なんとかなんねぇのか!!」

 

漣「後、1分だ。頑張れ。」

 

月夜見「貴様!!後で覚えておれ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

神「はぁ…はぁ…。」

 

全力を出したのが久しぶりなのか、修行を終えた神君は肩で息をしていた。そりゃあ、そうだ。ようやく彼は剣を抜けたのに、次は体が思うように動かないのだから…。

 

月夜見「…正直、驚いた。まさか、あれほどまでにお前の潜在能力が高いとは…。」

 

漣「…君は攻撃を受ける時、生き生きとしていた…。つまり、攻撃を受ければ受けるほど、回復していたんじゃないかい?」

 

神「あぁ…。反転…って奴さ…。漣の全てを視る程度の能力…だっけ?見えなくなってただろ?そういう風に取り込んだからさ…。」

 

…なるほど。なんとも不思議な子だ。しかし、反転か…。どう対処するか…。

 

和泉「月夜見様。お怪我、なされてませんか?」

 

俺たちが窓際で休んでいると、和泉がタオルを持って俺たちの元に来た。

 

月夜見「…大丈夫だ。心配するな。」

 

和泉「ふふ。そうですか。」

 

月夜見の素っ気無い態度に和泉は、上品に笑って帰って行った。尚も月夜見は無表情だが、少し…ほんの少しだけ、顔が紅くなったように見えた。

 

神「…月夜見は、和泉のことが好きなのか?」

 

月夜見「…先ほども言ったが、俺は好きという感情を理解していない。…俺は元々、神ではなかった。ただの一月人だった。剣を振るい、勉学に励み、そして、せっせと働いた。それも恋などする暇がないほどにな。ある日、親が死んだ。殺された。俺は泣いた。泣き叫んだ。意識が吹っ飛ぶほどに泣き叫んだ。自分が嫌になった。死のうと思い、地上に来た。」

 

…月夜見は少し顔を俯け、そう言った。よく通る、低い声だった。

 

月夜見「…だが、死ぬ一歩直前で止められた。他でもない和泉にな。奴は俺に問うた。何故、死のうとするのか…と。俺は言った。もう、生きていても仕方がないからだと。しかし、奴は俺を引っ叩き、馬鹿と叫んだ。奴は言った。生きていて仕方のないことはない。生きていれば必ず良いことがある…と。その時。宵闇の空に一筋の光がさした。その光に照らされた彼女の顔はキラキラと光り輝いていた。」

 

月夜見は湯呑みのお茶を飲み、ほっと一息ついた。その顔は晴れやかで少し微笑んで見えた。

 

月夜見「…アイツはな。今でこそ出来た女だが、最初はそうではなかった。よく皿を割り、よく転び、天魔というには少し難しいような娘だった。だが、奴は信念を曲げなかった。…永魔神も知っているだろう?天狗は他の種族との恋が禁制であることを。」

 

神「あ、あぁ…。」

 

俺でも知っている。確か、妖怪の山に他の種族を入れることを嫌った上層部の天狗が他の種族との交際を禁じるようおふれを出したんだったか。全く、面倒な話だ。

 

月夜見「…アイツはある日、傷だらけで帰ってきた。天魔が他の種族を山に入れたと知った上層部の天狗がアイツを攻撃したのだ。確かに天魔は強い。だが、大天狗クラスの天狗が束になってかかれば流石に苦労する。だが、アイツはこともあろうかと俺に逃げろと言ってきた。傷だらけなのに…。俺は断った。そして、こう言った。反対する奴らを皆殺しにして、俺は必ずお前を我がものとする…と。」

 

…皆殺しはやりすぎじゃあないか?その時の月夜見は丸かったんだなぁ…。

 

月夜見「…傷だらけのアイツが見過ごせなかった。だから、反対する奴を全て殺した。新たな天狗の世を作るとアイツは約束した。そして俺はアイツと契りを交わした。…奴隷ではない。アイツが教えてくれると言った。愛というものを。」

 

そして月夜見は奥へと帰っていった。もしかしたら彼はもう既に答えを見つけているのかもしれない。俺はそう思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

?「おやぁ?あれは俺様と同じ天狗の女…。」

 

?「…あれを狩れば良いんだな。」

 

まさかこの後、俺たちの身にあんなことが起こるなんて思いもよらなかった。空にあるのは二つの不敵な笑み。これが事件の序章となったのだった。




前よりはだいぶ文もマシになったんじゃないか?
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