そろそろ、春雪異変も終わらせたい。
では、どうぞ!!
———〇〇。
遠い記憶。
誰かの声が聞こえる。
————〇〇!!逃げなさい!!
誰なの?
女の人。
記憶なんてとっくになくなってしまったはずなのに…。
幽々子「あはは!!どうしたの?」
魔理沙「くそっ!!くらえ!!恋符『マスタースパーク』!!」
フラン「禁弾『スターボウブレイク』!!」
幽々子「スペルね?いいわよ〜。私も使うことにするから!!華霊『ゴーストバタフライ』!!」
漣「あれか!!」
光の蝶がある一定を飛んでいる。
漣「ここにあるんだな。西行妖。」
あの飛んでるのが、妖夢の主人か?
幽々子「あら?あなたは?」
フラン「漣兄様!!」
ルナサ「漣さん!!」
ルーミア「漣!!」
漣「お前ら、よくやったな。約束通り、帰って来たぜ?」
幽々子「あらあら。仲睦まじいことね。それで。あなたは?」
漣「これは失礼。俺は氷川漣。紅蓮を纏いし探偵さ。」
幽々子「ふふ。覚えておくわ。漣くん。」
…なるほど。
たしかに、この冥界をたばねるほどの実力はありそうだ。
そして、後ろの西行妖。
蕾はまだついていないが、早めに決着を…。
漣「…?何か、おかしい。」
魔理沙「…おい!!あれ!!」
何故だ!?
蕾もまだついていなかったのに…。
漣「…灼熱『古代紅炎〜鳥の舞』!!」
西行妖「ギシャァァァ!!」
漣「ちっ!!幽々子!!」
自我を持ち始めた西行妖は、即座に幽々子を取り込む。
たしかに、桜の開花はまだだった。
蕾もまばらで、咲くことなど考えられなかった。
西行妖「ギシャァァァ!!」
漣「…魔理沙!!」
魔理沙「…!?」
飛び込んだ。
西行妖に襲われそうな魔理沙の前に。
その枝は、俺の腹部を貫通する。
漣「グハッ!!」
…情けねぇ。
口から吐き出した血液が自らの未熟さを物語る。
死なないとはいえ、これは応えるな。
漣「ちっ!!まだ…だ!!灼熱『古代紅炎〜風の舞』!!」
倒れてたまるか!!
こんなところで倒れたら、目の前のルナサたちすら守れない!!
漣「…!?きいてねぇのかよ!!」
西行妖「ギシャァァァ!!」
ルナサ「漣さん!!」
ルナサの悲痛な叫びがこだまする。
桜の枝は、俺に攻撃を集中させ、俺を貫こうとする。
…俺の力はこんなもんなのか?
…大事なものすら守れないのか?
漣「…ふざけんな!!」
?『諦めるのか?』
…あ?
誰だ?
漣「…。」
?『かの桜は、今も貴様の命を蝕もうとする。いくら不死といえど絶対の力には抗えない。』
漣「お前は?」
?『我は貴様に巣食うもの。貴様の力、そのものだ。』
力…。
?『人は我を鬼神、鬼の神と呼ぶ。数多の邪悪なるものを力でねじ伏せ、完膚なきままに叩き潰す。我はそのような絶対的な力、そのもの。』
漣「鬼神…だと…?」
鬼神『…貴様の妖の力。それもまた我。貴様は自らの存在がわからぬようだが、貴様の父は鬼ながら、我の力に飲まれ、死んだ。貴様はどうだ。自らの正義を持ち、我の力を使いこなすことができるか?』
…何?
俺が鬼の血を引いている?
鬼神『左様。貴様は鬼の血を引く人間だ。それ故に我が力を継承することができる。我が力はありとあらゆる貴様の能力を底上げする。腕力も、能力も、脚力も。』
漣「…。」
鬼神『我が力は強大。人間の体では、耐えきれない。それ故に純正の人間には力を継承する資格すらない。貴様のロウソクのようなくすぶった炎も我が力なら煉獄と化すほど。……貴様に問う。貴様は我が力を求めるか?』
漣「…あぁ。」
鬼神『では、理由を問おう。我が力は半端な覚悟では使いこなせない。使うのならば覚悟せよ。時として自らの強大な力は自らを滅ぼす。いつの時代も人は皆、力を持つと争いを起こす。少しの強大な力でも器は狂ってしまう。それ故に戦火が絶えないことがある。何故、貴様は我が力を求める。戦う理由はなんだ。』
漣「…俺には守らなければいけないものがある。それはかけがえのないものだ。代用品のないたったひとつのもの。俺はそれを守りたい。探偵として依頼を遂行したい。愛するものを守りたい。もしも、守れないのなら、俺は死を選ぶ!!」
鬼神『…。』
ルーミア、リリカ、メルラン、フラン……そして、ルナサ。
恋人と嫁。俺にとっての全て。
…守らなければいけない。
どれほど俺が弱くても、せめて俺が…。
鬼神『盾となる、か。そのもの達がお前にとってどれほど大切なものか、よくわかった。かの桜は、郷に死をもたらそうとしている。人妖の魂を全て取り込もうとしている。無論、貴様の大切なものをもな。』
漣「ちっ!!おい!!俺は戦わなければいけない!!あの桜を封印して…。俺はあいつと…最愛の妻と約束したんだ!!必ず、帰るってな!!」
鬼神『…くくく。その域やよし!!我が力、貴様に全て明け渡す!!受け取れ!!』
…戻ってきたか。
霊夢「霊符『夢想封印』!!」
霊夢?
妖夢「大丈夫、ですか?」
漣「…あぁ。」
ルナサ「ぐすん…。」
漣「何、泣いたんだよ。俺は死なないつっただろ?」
みんな、目真っ赤にして…。
漣「妖夢まで泣いてくれてるとはな。」
妖夢「…当然、ですよ…。漣さん…。」
漣「行ってくる。」
ルナサ「だめっ!!」
…ルナサ…。
ルナサ「だめだよ…。あっちへ行ったら、漣さんが戻ってこない気がしちゃう…。漣さんがいなくなるなんて…私!!」
漣「…馬鹿…。」
こんな危機的状況でも、好きって気持ちは変わんないんだな…。
それ以上、言わせない。
俺の唇はルナサの口に蓋をした。
ルナサ「…漣さん…。」
漣「約束しただろ?必ず、帰ってくる。少なくともお前ら、五人がいるのに、死んでたまるかよ。」
ルナサ「…でも。」
漣「お前の気持ちは嬉しいよ。でも、今だけ…。今だけは俺を信じて欲しい。な?」
ルナサ「…。」
彼女は、飛びつく…ではなく、抱きついてくる。
そして、消え入りそうなか細い声で…。
ルナサ「約束…だよ…?」
次は彼女から、俺にキスをしてきた。
ただ、少しの間でも、寂しかったのだろう。
長い間はできなかったが、少しの間、俺は彼女を抱きしめ、彼女は俺に唇を重ねていた。
漣「…あぁ。」
必ず、成功させる。
俺の最愛の妻、ルナサ・プリズムリバーからの依頼を。
次回、春雪異変終章。
では、次回。
次回もよろしくお願いします!!