シャド「おい!!漣!!ガキ!!外、やべえぞ!!」
…何が起こっている?
俺達は急いで外に出る。するとそこには、白い着物をきた赤毛の少年とすらりと立つ何処か咲夜を彷彿とさせる黒いハットをかぶった白髪の女性が空を飛んでいた。
?「くくく。楽しいのう?お前ら、強いんじゃろ?楽しみじゃのう…。」
?「朱雀。遊びに来たわけじゃないよ。オレ達は、魔神を殺しに来たんだから。」
朱雀「そうじゃのう。白雪。さぁ、遊ぼうぞ!!風切『風来刃』!!」
そう朱雀と呼ばれた少年が言うと、片手に持っていた扇で空を仰いだ。すると鋭利な弾幕が俺たちに向かってくる。
シャド「いいねぇ!!なら、俺たちも遊ばせてもらおうじゃねぇかッ!!」
レミリア(神)「わ、私たちも!!」
神「あぁ!!背中は任せた!!」
…仲がいいなぁ。よし。
白雪「…良いなぁ…。ううん!!いくぞ。死斬『霊光覇斬』!!」
ボソリと何か呟くと白雪という少女は首を横に振り、刀を抜刀。地面から空に向かって斬る動作をする。すると斬撃が俺たちに向かって飛んでくる。シャドは走り、その斬撃を斬る。そして、白雪の前に行き、鴉を振るう。白雪はその鴉の刃を持っていた剣で簡単に払う。
シャド「やんじゃねえか!!女ッ!!」
白雪「うっ…。強い…。女じゃない!!オレは白雪だッ!!」
シャド「そうかッ!!なら、俺はシャドだ!!」
なんの会話なんだろう…。
朱雀「よそ見は厳禁!!兄さんも地獄行きじゃ!!風切『神旋風』!!」
俺たちを包むように竜巻が四方八方に現れた。凄い突風だ。立っているだけでやっとな程の突風。現に地面を浸食するほどの風圧があるのが目に見えてわかる。これは苦労しそうだぞ…。
神「くっ…!!獄雷『ヘルサンダー』!!」
漣「幻想『テンペストスクープ』!!」
朱雀「おっと!!」
俺たちの攻撃を朱雀は飛んでよけまくる。時にはアクロバットに時には相殺して…。やはり…中々やるな。
漣「ルナサッ!!」
ルナサ「うんッ!!えぇい!!」
先程の弾幕通しの衝突によって出来た砂埃を目眩しに使い、俺はルナサと弾幕を張る。朱雀はまた先程の機動力で避けるがそれで良い。
漣「フランッ!!神君ッ!!」
神「わかったッ!!」
フラン「うんッ!!」
弾幕の張る量を多くし、フランに能力を使うことを指示。フランは破壊の能力を地面に使い、地面の一部を抉り取る。これは俺が教えた応用法だ。その地面を踏み台にし、アサルトモードを使った神君が朱雀の元へ飛び、朱雀の腹部に蹴りをクリーンヒットさせる。受け身を取り損なった朱雀は、そのまま地面に激突する。
朱雀「がはッ…!!や、やるのう…!!」
白雪「朱雀ッ!!」
シャド「どこ見てんだァッ!!」
よそ見をしていた白雪の背後にシャドの拳が当たり、白雪も地面に落ちてしまう。
白雪「うッ…!!」
朱雀「白雪ッ!!」
まだかろうじて動けたのか、朱雀は隠していた黒色の片翼を広げ、白雪に向かって飛んでいく。対して白雪は目に涙を浮かべ、飛んできた朱雀に抱きしめられる。…なるほどな。
月夜見「なんだ?この惨劇は…。」
シャド「テメェ!!今まで何処にいってやがった!!」
家から出てきた月夜見にシャドが半ギレで問いただす。月夜見は冷静に厠に行ってきたと伝え、腕を組みながら二人を見ている。
朱雀「馬鹿かッ!!あれほど俺に構うなと言っておろうが…!!あぁ…もう…こんなに服を汚しよって…。」
白雪「うぅ…痛い…。」
朱雀「大丈夫か?待ってろ。天寿『天の恵み』」
そう言うと朱雀は白雪を持っていた扇で仰いだ。するとみるみるうちに怪我が無くなり、見る限りの外傷は一切として無くなった。
朱雀「ふぅ…。」
白雪「ありがと…。」
朱雀はこちらを見ずに口を開いた。
朱雀「…俺たちを殺すか?神にたてつき、攻めた挙句、このように地に足をつけ、哀れに敗北した俺たちを…殺すか?」
その声は寂しげで見た目相応の少年の高い声だった。白雪を抱きしめた後、彼は白雪の頭を膝において撫でている。普通の人間なら母と少年の親子のように見えるが、その姿はまるで子どもを寝かしつけているようだった。
シャド「…殺さねえよ。」
朱雀「何故じゃ?俺たちは今、空きだらけじゃろ?」
シャド「知るかッ!!空きだらけの奴を攻撃するのは俺の趣味じゃねえし、アマちゃんのレンレンは絶対にそんなことしねぇ。それにテメェらからはもう殺意を感じねえし…。」
月夜見「お前も…甘いじゃないか。」
シャド「んだとッ!!」
後ろで見ていただけの月夜見が声をかける。
月夜見「…貴様らはなんだ?親子か?兄妹か?それとも…恋人か?」
白雪「こ、こい!?」
月夜見の恋人という言葉に先ほどまで真っ白だった白雪の顔が真っ赤になった。
朱雀「…はっはっはっ!!そう見えたら嬉しいのう!!」
白雪「ちょっと!!朱雀!?」
朱雀「残念ながら!!こんな愛らしい娘が近くにおるだけでそこまで進展した仲じゃあない!!俺は別にいいけどのう!!あっはっはっ!!」
大口を開け、大きな声で笑う朱雀。対して、白雪は口をパクパクと動かしながら、顔を先ほどよりも真っ赤に染めていた。
朱雀「あぁ…。笑った笑った。」
…相思相愛だろ。これ。
漣「それで?お前らはなんなんだ?」
朱雀「…そうじゃのう。俺たちは
和泉「…あなた方は本当にあなた方の意思でその組織に入っているのですか?朱雀といえば私の先先代の天魔のはず…。」
…確かにそうだ。この二人からはその組織に入るような魔神族への絶対的な殺意を感じない。何故、対魔神族と自ら名乗るのか。恐らくそれは魔神族への絶対的な殺意が関係する筈だ。何故、こいつらが入る必要がある…。
朱雀「…天狗はな。他種族との恋を認めてはいない。それは我が父、3代目天魔が決めたこと。父は天狗という種族に絶対的な信頼をおいていた。父は自種族である天狗しか信頼していなかった。だが、その父が死に、一人息子だった俺に天魔の座が回ってきた。そんなある日、この娘が俺の御殿の近くに倒れていた。」
朱雀の声はとてもとても優しかった。
朱雀「今のように冷たい地べたの上で寝ていたのだろう。この娘の服はひどく汚れていた。俺は父の意思に反して、他種族であるこの娘を御殿に入れた。そのことにより、この娘はおろか俺までも古参の天狗に殺されかけた。山から降ろされ、行き場のなくした俺たちに奴は…メシアは、声をかけた。『俺と共に来ないか?』と。住む場所も食べるものも確保してくれるという悪魔の囁きに俺たちは耳を傾けてしまった。そして、俺たちは…。」
朱雀はこちらを向き、こう言った。
朱雀「おこがましいのは重々承知じゃ。だが、メシアは強く残虐的な天使とは名ばかりの悪魔。俺たち共に奴を討ってくれ。頼む…。」
本心からなのだろう。朱雀の声はなにかを決意したかのように小さく、自身に刻みつけるかのように鋭かった。
月夜見「…その者がどれほどの力を持っているかは計り知れぬ。仲間が増えるのは心強い。」
シャド「…それについては賛成だ。漣がいる以上、隠し事は出来ないからな。」
朱雀「本当か?」
白雪「…あり…がとう…。」
月夜見が朱雀のもとにゆっくりと行き、一言言った。その声は俺たちにも聞こえた。アイツの成長をうかがえる声だった。
月夜見「その娘、愛すると言うのなら死ぬ気で守れ。」
朱雀「…そのつもりじゃ。」
私、意外とこの二人好き。