夢幻姉妹…。
人の命などどうとも思っていない悪魔の姉妹。
夢幻館の主人であり、死の天使、サリエルに仕える。
サリエル「…ボロボロではないか。」
夢月「す、すみません。ヘマしてしまいました。」
幻月「む、夢月は悪くありません!!わ、私の責任で…!!」
ある日、魔界に巫女を率いた村の男どもが攻めてきた。
男どもは弱かったが、巫女が強く、幻月は翼を少し赤く染め、夢月に関しては服の所々が焼け切れている。
サリエル「…して、巫女達は倒したのか。」
夢月「はい。噂に聞く博麗の巫女とは別の巫女でした。本人は巫女ではなく、ただの古びた寺の僧侶と言っておりました。」
サリエル「…ふむ。」
?「サリエル様ぁ?お客様ですよぉ?」
サリエル「…エリス。」
エリス「如何なさいますかぁ?」
金髪で悪魔の羽が生えた少女、エリス。
星のステッキを持っており、サリエルの右腕と言っても過言では無いほどの実力者である。
サリエル「今は取り込み中だ。お客人にはお引き取り…。」
?「それが引き取るわけにもいかねぇんだわ。なぁ?サリエル。」
サリエル「!?」
そして、エリスの後を追い、館内に入ってきた背の高い男。
影のように黒い見た目から『シャド』と呼ばれ、生まれ持っての才と実力を持つ。魔界では、彼の右に出るものは月に住む彼の友人、氷川漣のみとされる。
サリエル「しゃ、シャド様!?」
シャド「よう。元気にしてたか?」
サリエル「は、はい♡私めは元気でございます♡」
サリエルの変わりようで察せるかと思うが、シャドはかなりの美男子で、当時の悪魔には珍しい寛大な性格である。
そのため、彼に恋する女性も多く、サリエルやエリスも例外ではない。
シャド「それで?そこの二人はどうしたんだ?サリエル、まさかとは思うが…。」
サリエル「め、滅相もございません!!彼女らは、魔界を攻めてきた不埒な軍勢を鎮めただけのこと!!そのため、このような姿をしておりまして…。」
シャド「ほう。」
そう、返事を返し、シャドは上着に手をかける。
そして、その上着を夢月にかけ、幻月にはライダースジャケットの下に着ていたTシャツを着るように支持する。
何もわからないまま、二人はシャドの服を着て、シャド自身は半裸になる。
サリエル「しゃ、シャド様!?そ、そのようなお姿では、お風邪を引いてしまいます!!幻月、夢月!!す、すぐに返しなさい!!」
シャド「返さなくていい。」
サリエル「で、ですが!!」
シャド「…あのなぁ。サリエル。いくら、戦った後とはいえ、女の子があんな格好していちゃまずいだろ。それにさっき俺に言ったように、こいつらも風邪をひくやもしれない。そんな時にこのままで居ろというのはあまりにも酷だ。俺も大事な部下に風邪を引かれたら後味悪いしな。」
ポンポンと幻月と夢月の頭を優しく叩く。
サリエル「…もしかして、シャド様は夢幻姉妹のことを…?」
シャド「あぁ。実に気に入った。この二人は俺の…。」
サリエル「…俺の?」
シャド「…
一同「…はぁ!?」
シャド「…ん?」
…懐かしい、夢を見た。アイツらと初めて出会ったときの記憶。
あの後、本当に義妹にしちまったんだっけ…。
夢月「…お兄ちゃん…。」
シャド「…ごめんな。」
俺の寝ているベッドの上に上半身を乗せて、眠ってしまっている夢月。
漣「…目が、覚めたか。」
シャド「…。」
目頭が熱くなる。
布団をギュッと手形がつくまで、握る。
シャド「…俺は、何も守れなかった。自分の意志を…、義妹達を守るということが…できなかった…!!」
漣「…聞け。たしかにお前はこいつらのことになると前が見えない。悪魔王としての威厳とか、そんなものもあるかもしれない。」
シャド「威厳なんて関係あるかッ!!」
俺は漣の胸ぐらを掴む。
シャド「俺はたしかに王だ!!だが、それ以上に俺は仮にもこいつらの兄貴なんだよ「…!!こいつらの悲しむ姿は見たくないんだよッ!!」
漣「…家族のいなかったお前が初めて掴み取った守りたいもの。お前がどれだけそいつらを愛しているかは、わかっているつもりだ。だからこそ、俺の言葉に耳を傾けろ。」
シャド「…。」
漣「…夢幻姉妹は、人を殺さないという約束のもと、幻想郷への介入を許可した。」
…一瞬、耳を疑った。
何故、この男はそこまでするのか。
一度、二度ならず、三度も拳を交わし、敵対した相手に対して、何故そこまで…。
シャド「…お前は…。」
漣「ん?」
シャド「なんで、そこまでするんだよ。」
漣「…ふふ。」
シャド「なっ!?笑い事じゃねぇぞッ!!」
漣「笑い事だよ。そんなちっぽけなこと。理由なんてわかりきってるだろ?」
シャド「…。」
漣「お前と俺が友達だからだよ。」
…この男は…。
また、俺の目頭が熱くなる。
漣「おいおい。起きるだろ?泣いているとこなんて見られたらみっともないぞ?」
シャド「…あり…がとう…!!」
太陽と月。
この男はいつも何かを照らし、暖かく見送る。
…この男には勝てないと痛感した瞬間だった。
この後、幻月、夢月が俺に泣きながら抱きついてきて、漣の彼女、妻らと飯を食うという平和な1日を過ごし、彼女らもここに住むこととなった。
どんどん居候が増えていく…。
しかも、次はオリ異変だし。
これが終わったらしばらくはほのぼのを出したい。
では次回。
ではでは〜。