二ヶ月ほど前。鬱蒼と茂るハクタイの森をナタネは歩いていた。すぐ近くにあるハクタイシティにおいて、草タイプのポケモンの使い手としてジムリーダーを務めている彼女。こうしてハクタイの森を定期的に巡回しては、もりのようかんに度胸試し感覚で勝手に忍び込んだり、木々に囲まれて出られなくなってしまった人を助けたりしている。
本人はジムリーダーとしての責任感からと言い張っているが、その実怖がりな性格を克服したくて、もりのようかんの近くまで足を運んで、やっぱり怖くなって引き返すという日々を送っていた。
「よし、今日も異常なしっと。あとは……」
森を一通り歩いてトラブルがないことを確認したナタネ。残すところは森の一番深くにある件の洋館である。
森の奥に向かって一陣の風が吹き抜けた。少し生暖かく不快感のある風に、ナタネは一瞬不吉な予感が胸を過ぎる。
「ううん!あたしはジムリーダーなんだから!パパっと行って変わったことがないか見たら、すぐ帰ってくればいいのよ!」
自らを奮い立たせるように、わざと回りに聞こえるような声量で独り言を漏らし、森の奥へと走り出すナタネ。
「はぁ……はぁ……走ってきちゃった……」
もりのようかんにつく頃には、ナタネの息も上がり近くの木に手をかけて荒い息をついていた。流石に屋敷を前にひとりぼっちは怖いので、ロズレイドの入ったモンスターボールを取り出して、真ん中のボタンを押す。光とともに近くに現れたロズレイドの頭を撫でながら、屋敷をぐるっと一周見て回る。
「うん、何もなさそうね……よかった……」
ホッと一息ついて、引き返そうと踵を返しかけたナタネの視界の隅に何かが過ぎった。
「っ!?」
慌てて振り向くが、そこにあるのは不気味に佇むのはもりのようかんのみ。ナタネの目が正しければ、今洋館の二階の窓に何かが映ったような……。ゾゾゾと背筋に鳥肌が経つのを感じ、ロズレイドの近くに寄るナタネ。
ロズレイドも何かを感じたらしく花弁の形をした両手を屋敷に向け、警戒心を剥き出しにしていた。
「い、行ってみるべき!?」
ナタネは思わずロズレイドに尋ねるが、答えが返ってくるはずもなく。そうしている間にも、今度は確実に一人と一体の目が屋敷の中で動く影を捉えた。
不思議なもので、居たか居なかったか分からないモノは怖く感じるが、確実にいると分かるとその恐怖心も薄らぐ。さっきまで感じていた怖さの分、余計に黙って洋館に侵入した悪戯者への怒りがナタネを奮い立たせた。
「行くよ!ズバリ!ビシッと言わないとね!」
彼女はロズレイドを引き連れて、洋館へと入っていった。
「誰かいるんでしょ!ここは勝手に入ったら行けない建物なのよ!」
薄暗い洋館に入るや否や、屋敷中に聞こえるような声量で注意するナタネ。しかし、見えない侵入者からの返事があるわけもなく、ナタネは二階へと足を進める。途中、不気味に玄関の方を向くポケモンの石像が怖かったので、目をつぶって通り過ぎた。
階段を昇り、二階についた矢先、どこかから女性の叫び声のような音が聞こえた。
「いま、聞こえた?」
思わずロズレイドを見ると、彼女もまたナタネを見上げている。どうやら聞こえたようだ。もしかしたら不法侵入なんて生易しいものではなく、とんでもない犯罪が行われているのかもしれない。
ナタネ達は、足音を立てないよう慎重に、音のする方へ近づいていく。
「……ん、あっ……あんっ!んぅっ!!」
近づけば近づくほどその声は大きく鮮明に聞こえるようになってきた。二階に七部屋あるうちの一つから、ドアの隙間から明かりが漏れているのを見つけ、近づく。声は悲鳴と言うよりは、女性が夜に上げる嬌声にしか聞こえなくなり、男性経験のないナタネは顔を真っ赤にさせて俯く。
しばらくその場で深呼吸して心を落ち着かせると、今度はこの洋館で不埒な行為を行っているカップルに対してふつふつと怒りが湧き上がってきた。
自分はこんなに怖い思いをして、見回りをしてるのにどうして昼間からこんな所で盛っているんだと、お説教をしてやろうとナタネは勢いよくドアを開けた。
「こら!君たち!こんな所で何してるの!?」
部屋に飛び込んだ彼女が目にした光景は、彼女の想像の範疇を軽く飛び越えていた。
ベッドの上に寝転ぶ男。自分より歳下に見える彼の上で、まだ幼さの残る少女が裸で腰を振っていた。
「あぁん、許してっ!お願い、膣内……壊れ、ちゃうっ……!」
「ダメですよ、ほら『しめつける』」
「んひぅぅっ♡おちんちんが壁擦って……ダメっ、んぁ、あぁぁぁぅっっ♡」
確かあの子は見覚えがある。比較的最近ジムでポケモンバトルの相手をした子だ。まだ荒削りながら、正々堂々としたバトルにナタネは好感を覚え、ヒカリという名前を彼女から聞いていた。
「な、何してるの!ズバリ!今すぐやめなさい!」
そんな歳下の彼女の痴態に顔を赤くしながら、社会に生きる先輩として二人を叱りつける。
しかし。二人は全くやめる様子がない所か、ナタネなど見えていないかのように性行為を続けている。
「ヒカリさん、イクからちゃんと子宮で受け止めてね……」
「あんっ、あっ、い、今はダメっ、私、ほんとに戻れなく……あっ、あっ、あぁぁぁっ♡」
青年に覆いかぶさったヒカリの身体がビクビクと震え、一際大きな震えとともに大きく身体を仰け反らせた。繋がった部分がカクカクと痙攣し、誰から見ても今濃厚な射精を受けていることが分かった。ヒカリの黒い長髪が汗で額に張り付き、彼女の顔は絶頂の繰り返しによる酸欠で、真っ赤になっている。
それでも、膣内射精に女としての本能が疼くのか、繋がった部分は今もなおキュッキュと締まり、精液を搾り取ろうとしていた。ヒカリのひと月前まで男を知らなかった雌穴は、今では青年の太いチンポを受け入れるためにぽっかりと広がり、ドロドロの本気汁と溢れ出た精液が混じり合って強烈な性臭を室内に放っていた。
「やっぱ『メロメロ』の効果は凄いなぁ。会って十分もしないうちにいきなり中出し要求してくるんですもんね」
「やぁ……言わないで……私だって、なんでこんな風になってるか分からないの……ただ、貴方のが、どうしても欲しくなっちゃって……」
「いいですよ、ただ折角美味しくもらった精液なんですから零さないでくださいね。ほら、『たくわえる』」
途端にヒカリの子宮口がキュンキュンと収縮し、バルーン現象によって膣内に残る青年の精液を上へ上へと吸い込んでいく。既にヒカリの未成熟な子宮は、タプタプと黄ばんだザーメンで満たされ、彼女の卵子めがけて幾億もの精子が泳いでいるのだが、これで完全に子宮口から零れないように栓がされた形になった。
その証拠に、青年がずるるると、愛液にまみれたチンポを引き抜いても精液は一滴たりとも零れなかった。
青年のカリ太のペニスがヒカリのサーモンピンクな小陰茎をめりめりとめくれ上がらせながら、ちゅぽんっと引き抜かれるとヒカリは糸の切れた操り人形のようにベッドに倒れ込んだ。気を失ったのか、突っ伏したままピクリとも動こうとしない。
ベッドの周りには、ヒカリと同じようになった裸の女性が数人寝かされていた。誰も彼も膣の周りは、愛液によってヌラヌラと光っていたり、陰毛がカピカピになってへばりついていたのだが、誰一人として精液が漏れ出ているものはいない。
ナタネはここで部屋に他に男が見当たらないことに気づいた。それはつまりみんな目の前の青年がやったということで。
「な、何をやっているんだ君は!!」
「え、何ってセックスですけど?」
「そ、そういうことじゃなくて!えっと、ズバリ!君がしていることは犯罪なんだよ!?」
「えー、同意の上ですよ?」
「例え同意だろうと、そもそもここは勝手に入ったら行けない建物なの!しかも入るだけでなく、え、ええエッチまでするなんて!」
「まぁまぁ、落ち着いてくださいよ」
青年はそう言って、枕元に手を伸ばした。思わず身構え、ロズレイドに指示を出そうとするナタネ。
「服着るだけです。このまま裸でもいいんですか?」
「変なことしたらその瞬間にズバリ!貴方の顔に棘が飛んでいくから!」
「ポケモントレーナーさんなんですね。お強いんですか?」
カチャカチャとズボンを履き、ベルトを締めながら青年が聞いてくる。
「な……知らないの!?あたし、ハクタイシティのジムリーダーしてるんだけど!」
「すみません、最近この地方に来たもので」
目の前の、しかも先ほどまで不法侵入した屋敷のベッドでセックスをしていた相手が自分のことを知らず、プライドが傷つけられるナタネ。青年は全く気にすることなく、ワイシャツのボタンを留めながら思いついたように口を開いた。
「あ、ならポケモンバトルで勝負します?強いんでしょ?」
「……へぇ、君の方から挑んでくるなんて。あたしとしては願ったり叶ったりだけどね、君が負けたらどうするの?」
「うーん、考えてなかったな。どうして欲しいですか?」
青年の、「負けることなんて全く考えていない」とも取れる発言に、ナタネの頭にますます血が昇る。
「へぇ……じゃあそこで寝てる女の子達を解放して、君は大人しく警察についてくるっていうのはどう?」
「別にいいですけど。お姉さんが負けたらどうするんですか?」
「あたし?あははっ、あたしが負けたらなんだってしてあげるよ!」
ジムリーダーとして、何度も強敵と戦い、厳しい戦いに勝利を収めてきたナタネ。こんな青年に負けるはずがないと、オレンジと黒の二段重ねになった前髪の奥の瞳に炎が灯る。
「じゃあ一匹同士で先に戦闘不能になった方の負けということで」
「分かった、あたしはこのロズレイドを使う!貴方は好きなポケモンを使いなさい」
「分かりました。じゃあ……」
ようやく服を着終わった青年は、ベルトに付けられたモンスターボールに手を伸ばした。
「いけ、ナエトル!」
「へぇ、草ポケモンか!今まで草ポケモンを持っているトレーナーに悪い人はいないって思ってたけど、今日でその認識を改めないとねっ!」
そう言いながら、ナタネは内心ほくそ笑んだ。こちらが草タイプを出すとわかった上で同じ草タイプを出てきた。しかも相手はロズレイドに素早さで劣るナエトル。自らもナエトルを育てているナタネは、ナエトルの強みも弱みも存分に理解していた。
それらを総合的に考えても、万に一つも彼女が負けることはありえない。そう思いながら、勢いよくロズレイドに指示を飛ばす。
「いくよっ、ロズレイド!くさむすび!」
「ナエトル!まもる!」
ロズレイドの伸ばしたツルが床下を抜けて、ナエトルの足元で突っかかりを作る。だが、ナエトルはじっと甲羅を盾にして動かず、ダメージはない。
「ロズレイド!どくばり!」
「ナエトル!まもる!」
ロズレイドの両腕の花弁から鋭い針がナエトル目掛けて飛ばされる。だが、ナエトルはじっと甲羅を盾にしている。
「ずっと守ってばっかりじゃ、勝てないよ!」
動きの速いロズレイドに回り込まれれば、ナエトルにそれを回避できるだけの素早さはない。敵であろうと失策を指摘してしまうのは、ジムリーダーとしてのナタネの癖であった。
「ナエトル!まもる!」
「ほら!ロズレイド!回り込んでマジカルリ─────っ!?」
ロズレイドに指示を与えようとした所で、青年がこちらに向けて何かを投げるのが見えた。動体視力のいいナタネの目はそれがモンスターボールであることを即座に見抜く。
まさか、対戦してるときに相手のポケモンにモンスターボールを投げるなんて!今まで戦ってきた相手にはそんな失礼な人は一人も居なかった。ナタネは相手の無礼に腹が立ち、ロズレイドの前に立ち塞がってボールを叩き落とそうと構える。
「相手のポケモンにボールを投げるなんて、なんて最て──────」
叩き落とそうとボールに触れたところで、ボールがボンと開いた。運悪く真ん中のボタンを触ってしまったのかもしれない。自らを包む眩しさに、目を覆いつつナタネは青年の方を睨みつけようとして──────────ポンとボールの中に閉じ込められた。
コロコロと室内にボールが転がり、訳の分からないままのナタネをよそに一回、二回と横に揺れる。そして……カチッと捕獲完了の音が室内に響いた。
(えっ!?えぇぇっ!?)
ようやく自分がボールの中に閉じ込められた状況を理解したナタネが、驚きの悲鳴を上げるが、既に外には聞こえない。
(このっ!このっ!ロズレイド!助けて!)
内側から、ボールを抜け出そうと透明な壁のようなものを叩きつつロズレイドに指示を出そうとするナタネ。しかし、驚いたことにロズレイドはしばらくその場に立ちすくんだあと、ナエトルや青年に激しく威嚇して部屋を出ていってしまった。
(何あれ……まるで野生に戻ったみたいに……)
「ありゃ、また野生に戻っちゃいましたか」
呆然とした様子のナタネを代弁するかのように、青年が口を開いた。
「なんかモンスターボールで捕獲すると、持ち物は一番近くに持っていたもの以外は所有権が無くなっちゃうみたいなんですよね。だからなのかな、服も全裸になっちゃうし」
そう言いながら青年は、ナタネの立っていた場所に落ちていた彼女の服を拾い上げる。服の中から下着を漁り、クロッチの部分にたっぷりと透明な液体がついていたのを確認した青年はニヤリと笑う。
そして、ナタネの入ったボールを拾い上げるとボタンを押した。
ボン、という音と共に全裸のナタネが室内に現れた。自分が服を来ていないことに気づき、慌てて両手でおっぱいと秘部を隠しながらキッと青年を睨む。
「あ、貴方一体何したの!?それと私のロズレイド!!」
「あなたを捕獲しました。今日からは僕があなたのトレーナーですので、よろしくお願いしますね、ナタネさん?」
同じ言葉を話しているとは思えないほどの噛み合わなさに、ナタネは戸惑う。青年は構わず、にっこりと笑った。
「さて、ナタネさんのもの『だった』ロズレイドですが、逃げ出してしまいました。これは『戦闘不能』と同じですよね?」
「っく、そ、それはあなたが……!」
「負けたら何しても良いって言ってましたね」
バトル前と何も変わらない青年の笑顔に、ナタネは言い様のない恐怖を覚える。しゃがみこみ、カチカチと知らずのうちに歯が震えるナタネを、青年はゆっくりと見下ろした。
「何してもらいましょうか、ナタネさん」