※この作品はR-18です。

ゆずソフト短編   作:つまさき立ち

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サノバウィッチより、仮屋和奏と綾地寧々の短編です。
秘密を握ったちょっと病んでる和奏ちゃんと、秘密を握られた寧々のお話になります。
特にシナリオのネタバレは無いはずですが、R-18描写がありますので、読んで頂く際はご注意下さい。


契約(サノバウィッチ 仮屋和奏×綾地寧々)(R-18)

「ほ……本当に、こんな事をするんですか?」

「? こんな事も何も……何でもするって言ったのは、綾地さんだよね?」

「それ、は……その通りです、でも……」

 

 目の前のクラスメイトは、普段通りの表情であっけらかんと口にします。

 でも、今の私にとってその雰囲気は……逆に不安と、少しの恐怖を感じさせてしまいます。

 

「それとも……止める? アタシは別にそれでも構わないよ?」

「っ……それ、は……」

 

 そう言いながら、目の前の仮屋さんは自分のスマホを取り出して、ちょっとワザとらしく画面をこちらに向けて来ます。

 映し出されているのは……火照った表情で、自分の秘所をローターで慰めている私の姿。

 以前、契約の代償で発情した時……必死だった私は、気付かなければならない視線に気付けなかった上に、こうして証拠まで握られてしまって。

 

「……本当に、言う事を聞いたら、その写真は消して頂けるんですね?」

「うん、ちゃんと約束する。これが終わったら必ず消去するし、バックアップを残したりもしない」

「わかりました、でしたら……言う事を聞きます」

 

 仮屋さんが何故、こんな事をするのかは解らないです。

 でも、今目の前に居る彼女は、教室に居る時と変わらない表情で、私の体を拘束していきます。

 まるで、普段からこういった事に慣れているような、これ位は普通とでも言う様な雰囲気で――

 

「よっし、とりあえず完成かな」

 

 最後に私に目隠しをした仮屋さんがそう言うと同時に、私の体から自由が奪われてしまいます。

 座った姿勢のまま視界を塞がれ、手は後ろ手に、足も逃げられない様にロープで繋がれてしまって。

 

「じゃあ、このまま今日の放課後はココで過ごしてね、そしたらデータは消したげるから」

「このままって……そんな、だってココはっ」

「うん、特別棟の男子トイレの個室だけど、それがどうかした?」

「そ、そんな……」

「ダイジョーブだよ、わざわざ離れたこっちまで来る人なんて、滅多にはいないから」

 

 確かに、特別棟は普段から人の出入りが少ない上に、距離の離れたココまで来る人はあまりいません。

 ですが……誰も来ない保証も当然、何処にもありません。

 もし、こんな姿を誰かに見られたら――

 

「さて、と。それじゃあ最後の仕上げをやっちゃいますか♪」

「えっ……?」

 

 仮屋さんの楽しそうな声と、鞄から何かを取り出すような物音。

 

 ”カチッ”

 

 そしてその後に聞こえたのは、聞き慣れたスイッチ音と振動音。

 そうです、これが何の音か、私は知って……

 

「ま、待って下さい仮屋さん、そんな……ひぅっ!」

 

 手早く開かれたボタンの隙間から、私の胸の先端にローターが押し当てられて……思わず、恥ずかしい声が漏れてしまって。

 

「大丈夫だよ、安心して綾地さん」

 

 そんな私の耳元に聞こえる、仮屋さんの囁くような言葉。

 それは普段の仮屋さんからは想像できないような……子供の様に無邪気で、楽しそうで――

 

「これだけで足りる訳、ないもんね?」

 

 そして、今まで聞いた事の無い様な……冷たい声。

 

 

 

 

「んっ……ふぅー、ふぅー……」

 

 どれ位、時間が経ったのでしょうか。

 両方の乳首と秘所に固定されたローターは、達するには少しだけ物足りない刺激を常に私に送り込んで来て……

 気を紛らわそうとしても、身動きも視界も封じられた私の頭に入って来るのは、モーターの震える音とこの快感だけ。

 

(それに、もし……)

 

 私の耳に残っている仮屋さんの言葉が、反響するように頭の中に響きます。

 それは、ローターの振動音に怯えて、辞めて欲しいと懇願する私の言葉を無視しながら……彼女が放った一言。

 

『大丈夫! ちゃんと鍵はかけないでおくから、いざとなったら大きな声を出せば、誰か助けに来てくれると思うよ♪』

 

 それはつまり、大きな声を出したら、誰か来てしまうかもしれないと言う事。

 拘束され、ローターに弄ばれて感じている私の姿を、見られてしまうと言う事――

 

(それ、だけは……うぅっ)

 

 絶対に、それだけは避けなくちゃいけません。

 でも……いつ終わるとも知れない生殺しの時間は、少しずつ、だけど確実に、私の理性を蝕んで行きます。

 そして段々と、私の頭の中を一つの言葉が埋め尽くし始めて……

 

(イき、たい……)

 

 もっと強い刺激が欲しい。もっと激しく感じたい。

 でも、後ろ手に縛られた私の手では、どうすることもできない。

 

 それなら、もういっそ――

 

「っっ!」

 

 近づいてくる誰かの足音。

 溶け始めていた私の理性が、急激に現実へ引き戻されます。

 そうすると、我慢していたローターの刺激が、より敏感に感じられてしまって……

 

(ダメ、です……今は、声を、出しちゃ……)

 

 おそらく二人組の……男子生徒が談笑する声。

 唇を噛み、必死に音を殺している私には、まだ気付いていません。

 

(お願いです、このまま……)

 

 このまま気付かず、ここから去って行って欲しい。

 そうすれば……

 

(この、まま……)

 

 そう、このまま何も変わりません。

 いつまで続くかも解らない生殺しの刺激に、イくこともできずに苦しむ時間が……また、始まってしまいます。

 

(それ、は……でも、でもぉ……)

 

 私の頭の中で、理性と欲望がぐるぐると渦巻いて、せめぎ合って。

 快感に溶かされた私の頭は、次第にぐちゃぐちゃになって……

 

(……だめ、です、それだけ、は……)

 

 でも最後にほんの少しだけ、理性が勝ってくれました。

 遠くへ離れていく二つの足音にほっとため息を付いて……だけど、そのため息が安堵の気持ちなのか、残念に思う気持ちなのかは、もう私にはわかりません。

 それ位、もう我慢は限界で。

 

(一体、あとどの位……)

 

 

 その時でした。

 目の前のドアが、静かに開く音が聞こえたのは。

 

「えっ……」

 

 静かに、だけど確かに聞こえた音。

 さっきの人たちが戻って来た?でも足音なんて、何も……

 いや、そんな事よりも、見られてしまった?

 でも、どうして何も言ってこないの?

 

 混乱と恐怖が頭の中を支配して、何も考えられなくなって……

 

「…あ、あれ?」

 

 でも結局、何も起きません。

 もしかして、気のせい――

 

 

“カチカチッ”

 

「ひぁっ!?」

 

 そう思っていた所に突然、強くなるローターの刺激。

 

「ひぐっ!……だ、だれ、です……あ、んっ!」

 

 目の前の誰かは、何も言ってくれません。

 代わりに、ローターの強弱を操作しながら、私の体を弄んできます。

 

「い、いぁ……らめ、やめて、くださ……んぁっ!」

 

 誰なのかすら解らない人に、体を弄ばれる事に恐怖を感じながら。

 感じながらも……ずっと待ち望んでいた快感は、否応なしに私の体を刺激してきて。

 せめぎ合っていた理性は一瞬で殆ど溶けてしまって、私の頭に残っているのは……気持ち良くなりたいと言う、獣の様な欲求だけ。

 

「だ、だめ、だめだめらめ、みらいでくださ……っ!」

 

 最後に残った理性が、涙目になりながら訴える言葉とは裏腹に。

 待ち望んでいた絶頂に、私は――

 

「……ぁ、あれ……?」

 

 唐突に、全ての振動が止まってしまいます。

 押し寄せて来た絶頂も、限界ギリギリの所で止まってしまって……

 

(そ、そんな……)

 

 また、生殺しが続くのでしょうか。

 それとも、このまま放置?

 そんなの、もう……

 

“カチカチッ”

 

「ひぐっ!?」

 

 そして、再び動き出すローターと、弄ばれる私。

 イきそうになると、ギリギリの所で再び寸止めをされて……

 少しだけ落ち着いた所に、また無機質なローターからの刺激。

 その、繰り返し。

 

 でも、それも長くは続きませんでした。

 スイッチが一度ONになる度に、私の中の何かが一つずつ壊れて行って……

 最後に、ほんの少しだけ残っていた理性が全部壊れてしまうまで、そんなに時間はかからなかったから。

 

「お、お願い、します……」

 

 何度目かの寸止めの後、ついに私は自ら口を開いて……誰とも解らない相手に向かって懇願してしまいました。

 頬を伝う涙は、これからの責めを喜ぶ涙なのか……それとも、快楽に負けてしまった事への悔しさの涙なのでしょうか。

 解りません、解りませんが、今はそんな事はどうだっていいと思えてしまいます。

 

「お願いです……イかせて下さい、もう、限界なんです……」

 

 スカートの中を見せつける様に股を開き、見えない誰かに向かっておねだりをする私。

 それを恥ずかしいと思う理性は……もう、とっくに無くしてしまいました。

 

「ふーん、そんなにイきたいんだ?」

「えっ……か、仮屋……さん?」

 

 そんな私の耳に届いたのは、いつもと変わらない調子の、クラスメイト……の、声。

 じゃあ、今まで私を責めてたのは……仮屋さん?

 

「あれ、返事が無いね……ねぇ綾地さん、そんなにイきたいの?」

「……は、はぃ……イきたい、です」

「そっか」

 

 恥ずかしさと動揺で慌てる私とは反対に、そっけない態度の仮屋さん。

 だけど……もう、その態度をいつも通りとは感じられなくなってしまっていました。

 だって、こんなに暗くて、冷たい仮屋さんの声は、今日まで聞いたことが無かったから。

 

「ちなみに……アタシとしては、これで今回の”お願い”は終わりのつもりだったんだけど」

「えっ?」

「だから、これで終わり。拘束を解いて、写真のデータも消して、全部終わりのつもり、だったんだけど……」

「そ、それ、は……」

「ねぇ、綾地さん」

 

 ……あれは確か、保科君に魔女の契約について話した時、でしょうか。

 急に、その時の七緒の言葉が頭に浮かびました。

 

 『“魔女”というのは、悪魔に身を売った者という意味だからね』

 

 どうして、急にこんな事を思い出したのでしょうか。

 それはきっと、目の前の元気で、明るくて、人当たりの良いクラスメイトが……悪魔に見えてしまったから、だったんだと思います。

 

「綾地さんに選ばせてあげるね、どうして欲しい?」

 

 だとすれば、悪魔と契約してしまった私も……本物の魔女、と言う事になるのかも……しれません。

 

「……この、まま……私の体を、仮屋さんの好きにして、下さい」

 

 

 

 

 そうして、私が悪魔と契約した事を後悔するまでに、そう時間はかかりませんでした。

 

「あぐっ……うぅ、ひぁっ、だ、やめ……」

「あららちょっと苦しそう……大丈夫? まだスイッチ入れてないのに」

 

 依然として縛られて、目隠しをされたまま……私の秘所から抜き出したローターの代わりに、新しく挿入される別の玩具。

 

「このバイブ、ちょっと太すぎたかな……まいっか、んで、代わりに抜いたこのローターを……えいっ」

「ひぅっっ!?」

「おっ、流石にクリトリスは敏感だね……こっちもまだスイッチ入れてないのに」

 

 乳首とクリトリスにローターを固定され、アソコには大きなバイブを深く挿し込まれて……

 

「か、仮屋さん……こんなの無理です、止めて下さぃ」

「でも、好きにしていいって言ったのは、綾地さんだよね?」

「そ、それは……で、でもっ」

「別にあのままイかせて欲しいなんて一言も言ってなかったし……そ・れ・に」

 

 本当に楽しそうな、仮屋さんの声。

 それはつまり、私にとっては……絶望の合図と言う事。

 

「何回イかせて欲しいかも、言ってなかったよね?」

「え、あ、あの、仮屋さっ」

「えいっ♪」

 

“カチカチカチカチッ”

 

「ひっ……あっ、あぐ、あぁ……んっ、ぁあ!」

「じゃあ、綾地さんが満足して大人しくなったら迎えに来るから、それまで好きなだけイってていいからね?」

「やっ、やだ、やだやぁ……とめっ、っぁ!!」

「あ、そうだそうだ、言う事聞いてくれたから、約束通りデータは消しておかなきゃね……と言っても、もっと凄い画像が今手に入ったから、こっちはもう要らないんだけどね」

 

“カシャッ”

 

「これでよし、と。それじゃ振動は全部最大にしておくから、思う存分味わってね? ごゆっくりー♪」

「まっ、てくださ……あっ、かりやさっ、っあ!」

 

 そうして最後に聞こえたのは、ドアの閉まる無慈悲な音と、遠ざかる足音。

 私に残された自由はもう、ただ快楽に喘ぐことだけ……

 

 これが、悪魔と契約した代償なのかもしれません。

 私の心が、甘くて黒い絶望と快楽の底に堕ちていくのを感じながら……最後に頭に浮かんだのは、そんな言葉でした。




ここまで読んで頂き、ありがとうございました。
えっち全振りのお話なので、和奏ちゃん何で病んでるの?といった細かい設定は気にせずに楽しんで頂けたらと思います。
今回、放置プレイが主だった事もあり、あんまり和奏×寧々感無かったので、次があるとしたらその辺意識して書きたいなぁ、と思いますが……その辺の予定は未定です。
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