秘密を握ったちょっと病んでる和奏ちゃんと、秘密を握られた寧々のお話になります。
特にシナリオのネタバレは無いはずですが、R-18描写がありますので、読んで頂く際はご注意下さい。
「ほ……本当に、こんな事をするんですか?」
「? こんな事も何も……何でもするって言ったのは、綾地さんだよね?」
「それ、は……その通りです、でも……」
目の前のクラスメイトは、普段通りの表情であっけらかんと口にします。
でも、今の私にとってその雰囲気は……逆に不安と、少しの恐怖を感じさせてしまいます。
「それとも……止める? アタシは別にそれでも構わないよ?」
「っ……それ、は……」
そう言いながら、目の前の仮屋さんは自分のスマホを取り出して、ちょっとワザとらしく画面をこちらに向けて来ます。
映し出されているのは……火照った表情で、自分の秘所をローターで慰めている私の姿。
以前、契約の代償で発情した時……必死だった私は、気付かなければならない視線に気付けなかった上に、こうして証拠まで握られてしまって。
「……本当に、言う事を聞いたら、その写真は消して頂けるんですね?」
「うん、ちゃんと約束する。これが終わったら必ず消去するし、バックアップを残したりもしない」
「わかりました、でしたら……言う事を聞きます」
仮屋さんが何故、こんな事をするのかは解らないです。
でも、今目の前に居る彼女は、教室に居る時と変わらない表情で、私の体を拘束していきます。
まるで、普段からこういった事に慣れているような、これ位は普通とでも言う様な雰囲気で――
「よっし、とりあえず完成かな」
最後に私に目隠しをした仮屋さんがそう言うと同時に、私の体から自由が奪われてしまいます。
座った姿勢のまま視界を塞がれ、手は後ろ手に、足も逃げられない様にロープで繋がれてしまって。
「じゃあ、このまま今日の放課後はココで過ごしてね、そしたらデータは消したげるから」
「このままって……そんな、だってココはっ」
「うん、特別棟の男子トイレの個室だけど、それがどうかした?」
「そ、そんな……」
「ダイジョーブだよ、わざわざ離れたこっちまで来る人なんて、滅多にはいないから」
確かに、特別棟は普段から人の出入りが少ない上に、距離の離れたココまで来る人はあまりいません。
ですが……誰も来ない保証も当然、何処にもありません。
もし、こんな姿を誰かに見られたら――
「さて、と。それじゃあ最後の仕上げをやっちゃいますか♪」
「えっ……?」
仮屋さんの楽しそうな声と、鞄から何かを取り出すような物音。
”カチッ”
そしてその後に聞こえたのは、聞き慣れたスイッチ音と振動音。
そうです、これが何の音か、私は知って……
「ま、待って下さい仮屋さん、そんな……ひぅっ!」
手早く開かれたボタンの隙間から、私の胸の先端にローターが押し当てられて……思わず、恥ずかしい声が漏れてしまって。
「大丈夫だよ、安心して綾地さん」
そんな私の耳元に聞こえる、仮屋さんの囁くような言葉。
それは普段の仮屋さんからは想像できないような……子供の様に無邪気で、楽しそうで――
「これだけで足りる訳、ないもんね?」
そして、今まで聞いた事の無い様な……冷たい声。
「んっ……ふぅー、ふぅー……」
どれ位、時間が経ったのでしょうか。
両方の乳首と秘所に固定されたローターは、達するには少しだけ物足りない刺激を常に私に送り込んで来て……
気を紛らわそうとしても、身動きも視界も封じられた私の頭に入って来るのは、モーターの震える音とこの快感だけ。
(それに、もし……)
私の耳に残っている仮屋さんの言葉が、反響するように頭の中に響きます。
それは、ローターの振動音に怯えて、辞めて欲しいと懇願する私の言葉を無視しながら……彼女が放った一言。
『大丈夫! ちゃんと鍵はかけないでおくから、いざとなったら大きな声を出せば、誰か助けに来てくれると思うよ♪』
それはつまり、大きな声を出したら、誰か来てしまうかもしれないと言う事。
拘束され、ローターに弄ばれて感じている私の姿を、見られてしまうと言う事――
(それ、だけは……うぅっ)
絶対に、それだけは避けなくちゃいけません。
でも……いつ終わるとも知れない生殺しの時間は、少しずつ、だけど確実に、私の理性を蝕んで行きます。
そして段々と、私の頭の中を一つの言葉が埋め尽くし始めて……
(イき、たい……)
もっと強い刺激が欲しい。もっと激しく感じたい。
でも、後ろ手に縛られた私の手では、どうすることもできない。
それなら、もういっそ――
「っっ!」
近づいてくる誰かの足音。
溶け始めていた私の理性が、急激に現実へ引き戻されます。
そうすると、我慢していたローターの刺激が、より敏感に感じられてしまって……
(ダメ、です……今は、声を、出しちゃ……)
おそらく二人組の……男子生徒が談笑する声。
唇を噛み、必死に音を殺している私には、まだ気付いていません。
(お願いです、このまま……)
このまま気付かず、ここから去って行って欲しい。
そうすれば……
(この、まま……)
そう、このまま何も変わりません。
いつまで続くかも解らない生殺しの刺激に、イくこともできずに苦しむ時間が……また、始まってしまいます。
(それ、は……でも、でもぉ……)
私の頭の中で、理性と欲望がぐるぐると渦巻いて、せめぎ合って。
快感に溶かされた私の頭は、次第にぐちゃぐちゃになって……
(……だめ、です、それだけ、は……)
でも最後にほんの少しだけ、理性が勝ってくれました。
遠くへ離れていく二つの足音にほっとため息を付いて……だけど、そのため息が安堵の気持ちなのか、残念に思う気持ちなのかは、もう私にはわかりません。
それ位、もう我慢は限界で。
(一体、あとどの位……)
その時でした。
目の前のドアが、静かに開く音が聞こえたのは。
「えっ……」
静かに、だけど確かに聞こえた音。
さっきの人たちが戻って来た?でも足音なんて、何も……
いや、そんな事よりも、見られてしまった?
でも、どうして何も言ってこないの?
混乱と恐怖が頭の中を支配して、何も考えられなくなって……
「…あ、あれ?」
でも結局、何も起きません。
もしかして、気のせい――
“カチカチッ”
「ひぁっ!?」
そう思っていた所に突然、強くなるローターの刺激。
「ひぐっ!……だ、だれ、です……あ、んっ!」
目の前の誰かは、何も言ってくれません。
代わりに、ローターの強弱を操作しながら、私の体を弄んできます。
「い、いぁ……らめ、やめて、くださ……んぁっ!」
誰なのかすら解らない人に、体を弄ばれる事に恐怖を感じながら。
感じながらも……ずっと待ち望んでいた快感は、否応なしに私の体を刺激してきて。
せめぎ合っていた理性は一瞬で殆ど溶けてしまって、私の頭に残っているのは……気持ち良くなりたいと言う、獣の様な欲求だけ。
「だ、だめ、だめだめらめ、みらいでくださ……っ!」
最後に残った理性が、涙目になりながら訴える言葉とは裏腹に。
待ち望んでいた絶頂に、私は――
「……ぁ、あれ……?」
唐突に、全ての振動が止まってしまいます。
押し寄せて来た絶頂も、限界ギリギリの所で止まってしまって……
(そ、そんな……)
また、生殺しが続くのでしょうか。
それとも、このまま放置?
そんなの、もう……
“カチカチッ”
「ひぐっ!?」
そして、再び動き出すローターと、弄ばれる私。
イきそうになると、ギリギリの所で再び寸止めをされて……
少しだけ落ち着いた所に、また無機質なローターからの刺激。
その、繰り返し。
でも、それも長くは続きませんでした。
スイッチが一度ONになる度に、私の中の何かが一つずつ壊れて行って……
最後に、ほんの少しだけ残っていた理性が全部壊れてしまうまで、そんなに時間はかからなかったから。
「お、お願い、します……」
何度目かの寸止めの後、ついに私は自ら口を開いて……誰とも解らない相手に向かって懇願してしまいました。
頬を伝う涙は、これからの責めを喜ぶ涙なのか……それとも、快楽に負けてしまった事への悔しさの涙なのでしょうか。
解りません、解りませんが、今はそんな事はどうだっていいと思えてしまいます。
「お願いです……イかせて下さい、もう、限界なんです……」
スカートの中を見せつける様に股を開き、見えない誰かに向かっておねだりをする私。
それを恥ずかしいと思う理性は……もう、とっくに無くしてしまいました。
「ふーん、そんなにイきたいんだ?」
「えっ……か、仮屋……さん?」
そんな私の耳に届いたのは、いつもと変わらない調子の、クラスメイト……の、声。
じゃあ、今まで私を責めてたのは……仮屋さん?
「あれ、返事が無いね……ねぇ綾地さん、そんなにイきたいの?」
「……は、はぃ……イきたい、です」
「そっか」
恥ずかしさと動揺で慌てる私とは反対に、そっけない態度の仮屋さん。
だけど……もう、その態度をいつも通りとは感じられなくなってしまっていました。
だって、こんなに暗くて、冷たい仮屋さんの声は、今日まで聞いたことが無かったから。
「ちなみに……アタシとしては、これで今回の”お願い”は終わりのつもりだったんだけど」
「えっ?」
「だから、これで終わり。拘束を解いて、写真のデータも消して、全部終わりのつもり、だったんだけど……」
「そ、それ、は……」
「ねぇ、綾地さん」
……あれは確か、保科君に魔女の契約について話した時、でしょうか。
急に、その時の七緒の言葉が頭に浮かびました。
『“魔女”というのは、悪魔に身を売った者という意味だからね』
どうして、急にこんな事を思い出したのでしょうか。
それはきっと、目の前の元気で、明るくて、人当たりの良いクラスメイトが……悪魔に見えてしまったから、だったんだと思います。
「綾地さんに選ばせてあげるね、どうして欲しい?」
だとすれば、悪魔と契約してしまった私も……本物の魔女、と言う事になるのかも……しれません。
「……この、まま……私の体を、仮屋さんの好きにして、下さい」
そうして、私が悪魔と契約した事を後悔するまでに、そう時間はかかりませんでした。
「あぐっ……うぅ、ひぁっ、だ、やめ……」
「あららちょっと苦しそう……大丈夫? まだスイッチ入れてないのに」
依然として縛られて、目隠しをされたまま……私の秘所から抜き出したローターの代わりに、新しく挿入される別の玩具。
「このバイブ、ちょっと太すぎたかな……まいっか、んで、代わりに抜いたこのローターを……えいっ」
「ひぅっっ!?」
「おっ、流石にクリトリスは敏感だね……こっちもまだスイッチ入れてないのに」
乳首とクリトリスにローターを固定され、アソコには大きなバイブを深く挿し込まれて……
「か、仮屋さん……こんなの無理です、止めて下さぃ」
「でも、好きにしていいって言ったのは、綾地さんだよね?」
「そ、それは……で、でもっ」
「別にあのままイかせて欲しいなんて一言も言ってなかったし……そ・れ・に」
本当に楽しそうな、仮屋さんの声。
それはつまり、私にとっては……絶望の合図と言う事。
「何回イかせて欲しいかも、言ってなかったよね?」
「え、あ、あの、仮屋さっ」
「えいっ♪」
“カチカチカチカチッ”
「ひっ……あっ、あぐ、あぁ……んっ、ぁあ!」
「じゃあ、綾地さんが満足して大人しくなったら迎えに来るから、それまで好きなだけイってていいからね?」
「やっ、やだ、やだやぁ……とめっ、っぁ!!」
「あ、そうだそうだ、言う事聞いてくれたから、約束通りデータは消しておかなきゃね……と言っても、もっと凄い画像が今手に入ったから、こっちはもう要らないんだけどね」
“カシャッ”
「これでよし、と。それじゃ振動は全部最大にしておくから、思う存分味わってね? ごゆっくりー♪」
「まっ、てくださ……あっ、かりやさっ、っあ!」
そうして最後に聞こえたのは、ドアの閉まる無慈悲な音と、遠ざかる足音。
私に残された自由はもう、ただ快楽に喘ぐことだけ……
これが、悪魔と契約した代償なのかもしれません。
私の心が、甘くて黒い絶望と快楽の底に堕ちていくのを感じながら……最後に頭に浮かんだのは、そんな言葉でした。
ここまで読んで頂き、ありがとうございました。
えっち全振りのお話なので、和奏ちゃん何で病んでるの?といった細かい設定は気にせずに楽しんで頂けたらと思います。
今回、放置プレイが主だった事もあり、あんまり和奏×寧々感無かったので、次があるとしたらその辺意識して書きたいなぁ、と思いますが……その辺の予定は未定です。