凉音さんと昂晴くんのお仕置き拘束焦らし責め調教えっちのお話になります。
特にシナリオのネタバレはありませんが、R-18描写がありますので、読んでいただく際はご注意下さい。
また、続き物になりますので前の話から読んでいただけたら嬉しいです。
今が何時なのか、私にはわからない。
何故なら今の私には、それを知る権利が無いから。
目隠しされた両目は時計を見ることはおろか、部屋の電気が付いているのかどうかすらわからない程に、視界は完璧な闇に支配されていた。
今が真夜中なのか明け方なのかも、私にはわからない。
部屋に戻ってシャワーを浴びるのもそこそこに、すぐベッドに押し倒されて。
それから今まで、どれくらいの時間が経ったのか……そんな事を考えられる余裕はとっくの昔に消え去ってしまった。
コレがいつまで続くのかも、私にはわからない。
確かなのは、コレがお仕置きだということ。言いつけを守れず、粗相を犯した私が十分に反省したと判断されるまで、永遠に終わることはない。
そして当然、抵抗する権利も私には無い。元々力ではかないっこない上、後ろ手に縛られたこの状態で私にできることは、もうたった一つだけ。
そう。たった一つだけ、今の私に権利があるとすれば。
逃げ出したい程に辛くて、泣きたい位に恥ずかしくて。
絶望的に甘い快楽に身を委ねて、溺れる事だけ。
「ひぐっ! ふぁ、あぅ…んぁ!」
「涼音さんのここ、凄いことになってますよ」
火傷しそうな位に熱くなった秘所は、汗と愛液が混ざり合ってもう訳が分からない状態で……体の内側に渦巻いている衝動が、行き場を見失って私の中で暴れ回ってる事だけはわかる。
永遠に続くこのもどかしさから少しでも開放されたくて、私は仰向けの姿勢のまま恥ずかしげもなく大股を開く。誘惑するみたいに……なんて余裕のあるものじゃない、ただただ許しが欲しい、それだけの為に晒した、私の体で一番恥ずかしい箇所。
触れる冷たい空気すら少し気持ちいい。だけどその小さな刺激は、逆に私の苦しさを増大させるばかりで。
奥をかき混ぜて欲しい、滅茶苦茶にして欲しい。
そんな欲求に悶え苦しむ私の姿を、彼はどんな目で見つめているんだろう。
「そんなに物欲しそうにしても駄目です、これはお仕置きですからね」
帰り道、言いつけを我慢できずにイってしまった私へのお仕置きは単純なものだった。
我慢できなかったのだから、我慢できるようになるまで訓練するだけ。
だからあの時一度ローターでイかせて貰ってから、彼は一度も私の秘所を責めてくれない。
唇、耳、首筋、指先、胸、脇、おへそ、太もも。
私の体のありとあらゆる弱点を知り尽くしている彼は、たっぷり時間をかけて私の体のありとあらゆる箇所を責め立てる。
だけど私が一番に求めている所だけは、決して慰めてくれない。
それが、私に与えられた罰だから。
時々、まるで可愛らしいものを愛でるように……溢れ出た愛液をそっとすくい取るように指でなぞって、充血しきったクリトリスに軽く触れて弄んで。
けれど、それだけ。
ほんの指の先だけでも、決してその内側は責めてくれない。
我慢の限界は、もうとっくに通り越していた。
あられもない言葉でおねだりすれば許してくれると言われたら、きっとすぐ白旗を上げていたに違いない。
だけど今の私には、そんな権利も存在しない。
「ほら、あんまり喘ぐと落ちちゃいますよ」
その言葉と共に、再び口の奥に押し込まれる異物。
私の小さな口では持て余すサイズのそれは、以前のお仕置きの時、私の秘所を散々に虐め倒して滅茶苦茶にイかせ続けた玩具。
手が使えない私は、まるで犬みたいにそれを必死に咥え続ける。
もし口からこぼした時は罰として、一晩中生殺しのまま一度もイかせてもらえない。
だけどちゃんと最後まで言いつけを守りきった、その時は……
「ご褒美に、この玩具で好きなだけイかせてあげますから」
意識が蕩けそうになる程に、甘く優しく囁かれて。
これ以上おかしくなることはないと思っていた頭の中が、乱暴にかき回されてしまう。
そして……そんな私を追い詰める、さらなる追撃。
「それにほら、ココはお預けですけど……別にイっちゃいけないとは言ってませんよ?」
秘所を弄んでいた指先が、ゆっくりと位置を変える。
恥ずかしい所をなぞるように、そのまま私のもう一つの穴へと動いて……私の愛液で十二分に濡れた指先が、体の中に潜り込んで来た。
「ひっ……ふぁ……っ!」
「こっちも、気持ちいいですもんね」
ずぷり、と根本まで挿し込まれた指を、私のもう一つの穴は比較的すんなりと受け入れる。
そして私は、その背徳感にしっかりと興奮を感じながら……それを堪能していた。
「おひりっ、ふぁれ……!」
「駄目なんですか? こんなに感じてるのに」
体の内側を指で嬲られる感覚。最初は違和感があったけれど……少しずつ彼に開発された結果、今じゃもうしっかりと快楽を感じられる位までその味を教え込まれてしまった私の体。
けれどまだ開発されて間もないソコは、いくら責められても絶頂を得られる程の刺激は得られない。
それを誰よりも知っているからこそ、彼はこうして蹂躙するような責めを繰り返し続ける。
「足りないですか? それじゃあ……こっちも」
そう言って、彼のもう一つの手が私の胸の先端。固くなった部分に触れる。
痛いくらいにツンと尖った乳首を、カリカリと爪の先で舐られて……決して乱暴じゃないけど、容赦の無い責め。
それでも私にできることは、玩具を咥え込んだ口で必死に息をするだけ。
「ひっ、ぁ! ふぉれ、だめっ…!」
お尻と乳首からの刺激が、際限なく私を追い詰める。
まるで狂ったメトロノームの針みたいに、体の中で暴れる欲望。だけどそれは限界近くまで昇り詰める事はあっても、決して限界を越える事はない。
天国なのか地獄なのか、あるいはその両方なのか……もう私には、その判断を下すだけの理性は欠片も残っていなかった。
「ふぁぐっ、ふぁっ、ひぅっぁ!」
崖っぷちギリギリまで追い詰めてくるくせに、もういっそ堕ちてしまいたいって位ギリギリまで私を責め立てるくせに、だけど最後の一歩だけは永遠に手が届かない。
いつまでも、いつまでも……溶けた時間の上をふわふわと浮かびながら、永遠に続く焦らし責め。
それは私の頭の中を真っ白に溶かしていく。不安も、ストレスも彼方へ追いやって、ただ一つの欲求だけが私を支配して……きっとすごく贅沢で、幸せな時間へと私を誘う。
今すぐに終わって欲しい。
だけどずっと続いて欲しい。
苦しい、辛い、気持ちいい、欲しい、欲しい、欲しい欲しい欲しい欲しい………
――――――
――――
――
「頑張りましたね」
光が、溺れかけた私の意識を現実に引き戻す。
目隠しを外され、拘束も解かれて、何も咥えていない口に昂晴が優しくキスをしてくれる。
軽く唇が触れるような優しいキス、だけどそんなものじゃ満足できなくて、抱きついた私は唇を乱暴に押し付ける。
「んっ……れるっ、じゅる……」
深い深い息継ぎみたいに、安心感を胸いっぱいに吸い込んで。
後はもう、ご褒美の味を楽しむだけだと思ったから。
「お願い……もう、無理だか、ら……」
上目遣いのおねだり視線で、さっきまで必死に咥えこんでいたソレを昂晴の手に押し付ける。
だけど……そんな私の蕩けた顔を見つめる昂晴の目は、吸い込まれそうになる程に黒い瞳のまま。
お仕置きの時の目のままだった。
「そうですね、約束しましたから」
そう言って、だけど昂晴は手に持ったソレを再び私の手に返す。
「えっ……?」
「ちゃんと守れたご褒美です。約束通り、ソレで好きなだけイっていいですよ」
再び私の手の中に戻ってきた玩具は、さっきまで必死に咥えていた私の唾液で既にびっしょりと濡れていて。
もう散々に焦らされた私の体は、きっと入れただけですぐイっちゃうと思う。
それが……彼の手の中じゃなくて、私の手の中にある。
彼の許しも出ている、もう拘束もされてない。
問題があるとすれば……それは私の気持ち、一つだけ。
本当、に?
「しっかり見ててあげますね」
優しい言葉で、だけど子供に言い聞かせるようにじっかりと彼は言ってくれる。
その優しさに、やっぱり私は甘えてしまう。
だから……
「んっ……はぁ、ぅ……っ!」
玩具の先端が、私の秘所に触れる。
ようやくおあずけから開放された私の情けなく蕩けた顔も、生まれたままの姿も、一番恥ずかしい場所がどれだけはしたなく濡れているかも、その全てを彼の眼前にさらけ出しながら。
「イっても……いぃ……?」
「いいですよ、ご褒美です」
その言葉が、最後の引き金だった。
「んっ、んぅ……」
疲れ果てた体に、珈琲の香りが朝を教えてくれる。
寝ぼけたまぶたを開くと、時計の針はもう頂上を差そうかなんて頃合いだった。いくら休日といっても、もう朝と呼ぶにはちょっと恥ずかしい時間。
「あっ、おはようございます。涼音さん」
「ん、おはよ」
年下だけど優しくて頼れる彼氏は。もうキッチンで朝食とも昼食とも言えない準備を進めてくれていた。
手伝わないと、と起き上がって、だけどその前にテーブルに置かれたマグカップを手にとって、ゆっくりと口をつける。
あの後どれだけ自らの手で、彼の目の前でイったかは思い出せない。
だけどベッドの上に目をやると、そんな昨日の痕跡は綺麗さっぱり片付けられていた。
そして目覚めた後は二人どちらも昨夜のことは口にせず、朝には普通の恋人に戻る。
どちらから言い出した事でもないけれど、それが自然と約束事になっていた。
あの秘密の関係は、一晩の夢みたいなもので。
誰にも教えない。私達にすら内緒で、特別。
そんな、幻みたいな時間だから。
けれど眠りに落ちる寸前のぬくもりと、優しく抱きしめてくれた感触だけはちゃんと覚えてる。
それだけで、私には十分。
「ん~……今日はどうしよっか」
「そうですね……最近サボってましたから掃除と、買い出しと……あぁ、お酒のストックも切れそうでしたっけ」
「それ、一番重要な事じゃん……っとそうだ昂晴、こっちこっち」
そんな、他愛もない話をする日常に戻る。
その為の、最後の儀式。
「んっ」
唇を軽く合わせるだけのキス。
それが、甘い悪夢から醒める最後の合図。
「さて……と、今日も一日頑張りますか!」
「何からします?」
「んー……とりあえずご飯食べて、それから……お酒の買い出し?」
「まぁ……そう言うと思ってました」
そうして、夢の時間は終わりを告げて。
私達は二人一緒に、日常へと戻っていく。
秘密の胸の高鳴りを、胸の奥に大切にしまいながら。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
去年の年末に無事仕事を辞められたお陰でちょっと余裕ができたので、久しぶりに手と頭が動いてくれました。
前編書いたのがちょうど一年前って……
合意の上での愛あるあまあま拘束調教えっちが好きです。
好きだから自分で書くんだ……