「……でも、ここはこんなことになってるのに、ですか?」
そう言って布団の下で、あかりちゃんが触って来たのは先ほどからの興奮冷めやらぬ剛直だった。
今さっきまで押し当てられていた身長に対して大きすぎるおっぱいの柔らかさだとか、理性を麻痺させるような甘さを持つ彼女の体臭だとか、つい触りたくなる程度に肉付きのいいお腹の触感だとか……そして何より、最後に手の平で感じた彼女の秘所の熱さだとかで、かつてないほどに固くなったそれは、ジャージを力強く押し上げ立派な幕屋を張っていた。
彼女はそこに優しく小さな手を乗せると、いつくしむように、すりすりと撫でてくる。
「ちょ、あかりちゃんそんな所触ったらだめだって……ッ⁉」
「でも、この子は私にもっと触ってほしいよーって頭を擦り付けてきてますよ?」
彼女の言う通りトランクス、そしてジャージ越しという酷くもどかしく、切ない刺激に一物がビクンビクンと跳ね、どうにかして彼女の手に直接触れられないかともがいていた。
「やっぱり……直接、触って欲しいですよね」
「それ、は……」
そうだ、とは言えない。
だが今ですら気持ちがいいのに、もしそうなったらどれほどなのだろう。想像して思わず喉を鳴らしてしまう。
と、そこであかりちゃんが上目遣いにこちらを見ていることに気が付いた。
分かってますよと言った感じでにこりとほほ笑むあかりちゃんに「何を――」と言いかけた所で、彼女の手が一物から離れて――
次の瞬間、あかりちゃんの磁器みたいに滑らかな手が、するんとジャージどころかトランクスの中まで一気に滑り込んでくる。
そして今全身で一番敏感になっているだろう熱杭へ直接、小指から握りこむように指を絡ませた。
「うあっ……」
知らず知らずのうちに発された声に、我ながら情けなさを覚える。
だが反応しないことなど出来る訳がなかった。
自らの愚息を他人に初めて直に触られて、しかもその相手はボイスロイドとはいえ、裸にワイシャツだけといった格好をした中学生くらいの美少女なのだから。
彼女は橙の薄暗い常夜灯の下、青い瞳でじっとこちらを見つめながら、やわやわと握っている五指に力を入れる。
パンパンに張り詰めた海綿体を圧迫する、自分と違う体温の指がもたらすのは、射精を促すものとは違う安心感を伴った快感だった。
ずっと触っていて欲しいような、だがもっと気持ちよくなりたいような。
彼女を止めることなど、もうとっくに選択肢には残っていなかった。
「これだけでも気持ちいいんですね。でも、もっと気持ち良くしてもいいんですよ?」
あかりちゃんは可愛らしく首を傾けて誘ってくる。
だが止めるという選択肢はなくなっていても、大学生の自分が中学生然とした彼女に性的なおねだりをするなど――。
気持ちよくなりたいという本能と、常識を盾にした理性が激しい争いを繰り広げる。
「遠慮しないでください、おにいさん。これは、私を拾ってくれた『お礼』みたいなものですから」
年下な少女の言葉に、そして優しそうな、どんな我儘でも受け入れてくれそうな笑顔に、理性はあっという間に蕩け、本能がいよいよ燃え盛った。
「だから、してほしいことがあったら遠慮なく言ってください」
女の子にここまで言わせておいて、我慢できる男がいるのだろうか。
「……あかりちゃん。もっと、激しく擦ってほしい」
口からあふれ出た情欲に少しも嫌な顔をすることなく、こくんと彼女は頷く。
「それじゃあ、ズボンとパンツを下ろすので、腰を浮かせてもらってもいいですか?」
素直に彼女の言葉に従うと、あかりちゃんは一度トランクスの中から手を抜き、それから再び腰の両側に指を入れ、するりと太ももの辺りまで脱がせてしまった。
それと同時に布という枷から解放された一物が、あかりちゃんを求めてぶるんと揺れる。
「じゃあ、触りますね」
あかりちゃんは少しの間、布団の中で手を彷徨わせて一物を探していたが、セミダブルというサイズでは発見までそう時間はかからなかった。
彼女の中指だろうか、が竿の中ほどに触れて声が出そうになり、歯を食いしばって耐える。
その間に、くすぐっているかのような優しい手つきであかりちゃんの残りの指と、もう片方の手もが添えられた。
まだ握られただけだというのに、彼女の手を竿まで垂れていた文字通りの先走りが汚し、刺激を一刻も早くとせがむように、剛直がびくびくと跳ねる。
あかりちゃんはそれに答えんと、両手をゆっくりと動かし始めた。
片手が根元から先端へゆっくりと滑り、そしてカリ首に手が触れるか触れないかの所で、また根本へと戻っていく。
もう片方の手は、先走りを塗りたくるように、亀頭の先端を中心に円を描いていく。
「少しずつ早くしていきますけど、初めてなので痛かったりしたら言ってくださいね」
「ああ……」
宣言通り、あかりちゃんの手は少しずつ速度を上げていった。
次第に布団の中からくぐもったにちゅにちゅという音が響き始め、彼女の手の速度に合わせてだんだんその音は早くなっていく。
正直手コキなんてオナニーと何が違うのかとAVを見ているときは思っていたが、今やその認識は完膚なきまでに打ち砕かれていた。
竿を圧迫し擦られることによって生じる快感と、先端をくすぐるように触られることによって生じる切なさが互いに高めあい、腰をびりびりと震わせる。
だが何よりも、月を映す池のように広がる長く艶やかな銀髪に、長いまつげの額縁に飾られたくりくりとした青い瞳。そういった美しさと同時にどことなく幼さを残す、この目の前の美少女が自分に奉仕しているのだという事実が、人生で経験したことのないほどの快感を生み出していた。
「どうですか? ちゃんと気持ちよく出来てますか?」
こちらの反応が無いためか、少し不安そうにあかりちゃんが聞いてくる。
勿論そんな訳はない、むしろ逆に気持ちがよすぎて反応できなかったのだ。
「ああ……! 気持ちいいよ、あかりちゃん」
いや、気持ちいいなんて言葉一つで表現してしまう事があまりにももったいないほどの快楽。腰の奥が電気を流されたようにぴりぴりとしびれ、小刻みに痙攣している。今すぐにでも射精に上り詰めたいという欲求と、いつまでも彼女の手を感じていたいという願望が一進一退の攻防を繰り広げていた。
「良かった……」
はっきりとした反応を聞けて安心したのか、あかりちゃんは先端から根本までを両手で掴みなおすと、射精へと誘うように手の動きを速める。
瞬間、今までの気持ちよさが児戯のようなものだったと思い知らされた。
水音はぢゅっぢゅっという小刻みなものへと変わり、一本一本の指がカリ首へと引っかかって、ぞわぞわとした快感が竿から背中を駆け上って脳を揺らす。
「うぁ……」
カウパーでどろどろになった彼女の手は、まるで体内に突き入れてるのかと錯覚するほどに柔らかく、それぞれが意思を持った触手のようにペニスへと絡みついてくる。
「ちょっ……こんなのすぐ出ちゃうからっ!!」
あまりに早すぎるのは恥ずかしいと歯を食いしばって、射精前のように震える腰を抑え込もうとするが、あかりちゃんの言葉はその決意をあっさりと打ち砕いた。
「いいんですよ、おにいさんの気が済むまで何回でも付き合いますから」
甘やかされた愚息が悦びに打ち震え、先走りがごぷりとあふれ出す。
限界を迎えたのはそれから間もなくの事だった。
「っ……!!」
一物を焼くような快感に耐えかねて腰を前に突き出した瞬間、熱杭の先端が彼女の手を離れて適度な弾力を持つ彼女の腿に当
たり、そしてその勢いを保ってもっちりとした腿の間に突き刺さる。
薄暗い部屋が白く染まるかのような激しい快感が、背筋を一気に駆け上がった。
「っ、あかりちゃん!! 出すよっ!!」
まるで心臓が下半身に移動したかのようなどぐん、どぐん、という力強い脈動に合わせて白いマグマが何度も噴き出す。
一回、二回、三回、四回……。
長い長い射精が終わってようやく息をついた所で、あかりちゃんが満足そうに目元を緩めてこちらを見ているのに気がついた。
「すっごいたくさん出ましたね。おにいさんの精液で、私の太腿どろどろですよ」
こんな笑顔を向けてくれる美少女を自分の精で汚したのだという事実に、あかりちゃんの内腿から引き抜いたばかりの一物は、射精直後とは思えない固さを保っている。
「あかりちゃん……」
射精後の冷静さ故か、目の前の現実離れした現実がまるで画面の中だか、夢の中の遠い出来事のように感じられた。
だけど、今感じているあかりちゃんの吐息と体温はやっぱり現実のもので――
どうしてこんなことになっているんだっけと、今日の事を改めて思い返してみるのだった。
一区切りつくまで毎日更新していく予定ですので、よければお付き合いいただけると幸いです。