「えへへ、おにいさんとお風呂~」
ご機嫌なあかりちゃんに次いでお風呂へ入るとさほど広くも無い浴室にはお風呂から上がった湯気が充満していて、それがあかりちゃんの裸体をベールのように包み込んでいた。
既に何度かあかりちゃんの裸は見ているのだが……柔らかそうな太腿に滑らかな曲線を描く腰、そしてなにより指を埋めたいという衝動に駆られそうな胸。
それらが薄もやの中で朧月のように隠されて、何時もより艶めかしく見える。
「どうかしましたか?」
「ああ、いや……その、改めてきれいだなって思って」
まさか正直に『なんといやらしいド助平ボディなのじゃ! ぐへへへ』という訳にもいかないのでそう誤魔化すと、あかりちゃんは「えっ⁉」とびっくりしてから上気した肌を一層赤らめて
「……そう言って貰えると嬉しいです」
と少し恥ずかしそうに、だが嬉しそうにはにかんだ。
……そんな純粋そうにされると少しだけ罪悪感を覚えてしまう。
「あー……、じゃあ先にシャンプーするから」
そういう事は後でもできる、あくまで今はあかりちゃんの希望を叶えて一緒にお風呂に入るだけだと自分に言い聞かせ、彼女の肢体から顔をそそくさと背けてシャワーヘッドを手に取った。
と、その手をあかりちゃんにがしりと捕まえられる。
「もう! 私が背中を流すって言ったじゃないですか」
「いやいやシャンプーは背中じゃなくて頭じゃんか」
「背中を流すっていったら慣用的に全身洗うに決まってるじゃないですか。ほら! おにいさんは座ってください!」
ご立腹ですといわんばかりに頬をハムスターのように膨らませたあかりちゃんはたちどころにシャワーを取り上げると、俺をぐいぐいと風呂場椅子に座らせる。
「それじゃあ始めますねー、目を瞑ってくださーい」
駄々っ子に言い聞かせるような口調に抵抗する間もなく、頭上から降って来る水音に慌てて目を閉じると、頭の上に添えられた彼女の手がゆっくりと頭皮を揉んでいく。
「シャンプーはつけないのか?」
「後でつけますよ。最初に予洗いした方が、奇麗に汚れも落ちますから……あ! 別におにいさんが汚いとかそういう事では無いですからね!!」
「いやいや、普通に生活してれば汗もかくし汚れはたまっていくから。あかりちゃんだって汗臭いのは嫌だろ?」
「いえ、おにいさんの匂いは心地いいというか安心できるというか……とにかく、いい匂いですよ?」
「そ、そうか」
いい匂いだと言われるのは何だかくすぐられているように気恥ずかしい。
何と会話を続ければいいのかも分からず暫く押し黙っている間に、いつの間にか頭にはシャンプーがシャクシャクと小気味良い音をたてながら泡立っていた。
「かゆい所は御座いませんかー?」
あかりちゃんは楽しそうに、こう言うシチュエーションではお決まりのセリフを口にする。
「ん、大丈夫。むしろ凄く気持ちいいよ」
実際あかりちゃんの手並みはとても上手で、何時もの自分の適当な洗い方とは比べ物にならない。
まるで頭を洗ってもらっているというより、専門店でマッサージを受けているような心地よさだ。
「それなら良かったです。それじゃあそろそろ流しますよー」
嘘でもかゆいと言っておけば良かったかな、と頭から離れる手に名残惜しさを感じながらシャンプーを落として貰う。
うん、やっぱり洗った後もいつもよりさっぱりしている感じだ。
「どうですか?」
「うん、凄く良かった。毎日でも洗ってほしいくらいだよ」
「本当ですか? それならこれから毎日洗いますね!!」
比喩として言ったつもりだったのだがどうやらあかりちゃんは本気にしてしまったらしく、既にむふーと鼻息を荒くしてやる気に満ち溢れていた。
今更否定してはがっかりしてしまうだろうし、それに否定する理由も無い。
「それじゃあ、明日からもお願いしようかな」
「はい!!」
鏡越しに満面の笑みを浮かべるあかりちゃんを見ていると、知らず知らずのうちに自分の頬も緩んでいた。
「じゃあ、次は背中を洗いますね」
「おう、頼む」
背後から聞こえるクシュクシュとボディソープを泡立てる音も何だか上機嫌そうだ。
(それにしても……)
背後に全裸の女の子がいるというのに先ほどのような疚しい気持ちは湧いてこず、むしろ何だか春の日差しの中にいるようなゆったりとした安らぎを感じる。
一緒にお風呂と聞いたときはもっとエロエロな展開を想像してたし、そんな事に誘ってくるなんてあかりちゃんはなんてえっちな娘なんだ! と思っていたのがちょっと申し訳ない。
と、漸く泡立てが終わったのか柔らかいものが背中にあてがわれ、ゆっくりと上下に泡を塗り広げていく。
比較的体が硬いせいで、いつも背中を洗うのはさっぱりするというより一運動という感じなのだが、こうやって洗ってもらうとゆったりできていいものだ。
にしても家にこんな大きいスポンジなんてあったろうか? かと言って素手で洗っているにしてはあかりちゃんの手と言えど柔らかすぎる気がするのだが……。
そんな疑問を浮かべていると、あかりちゃんが妙に艶っぽい声で加減を尋ねてきた。
「んっ……。どうですか? 気持ちいいですか?」
「っ! うん。あー、でももう少し強くてもいいかな」
セックス中の彼女を思い出させる声に少しドキリとしながらもそう答えると、背中に押し当てられた柔らかな感触はそのままに、あかりちゃんは『両手』をお腹へと回してきた。
その光景に、今更ながら自分の背中に押し当てられていたものの正体を理解する。
「んしょ……」
そのままずりずりとあかりちゃんの双丘が背中の表面を上下する。
一度気づいてしまうと柔らかな中のちょっと固い先端の感触や、耳元で吐かれる熱っぽい吐息やらを意識してしまい、たちどころに眠っていた獣欲が目を覚まして下半身へ血液が送られていく。
「ちょ⁉ あかりちゃん! 普通に洗ってくれればいいから!!」
「え? でもこうするのが正しい洗い方だし男の人は喜んでくれるって、常識データベースにはありますけど……もしかして気持ちよくなかったですか?」
「いや、うん。すごく気持ちいい。すごく気持ちいいけど――」
「じゃあ続けますね」
……うん。あかりちゃんの常識データベースとやらを作った人は絶対変態野郎に違いない。
とそんな事を考えて理性を維持しようとしても、背中に押し付けられているふわふわでむにゅむにゅの感覚は消えたりしない。
正直もうあかりちゃんとは彼女彼氏になったのだから別に我慢する必要無いんじゃないか? とも思うのだが、あまりがっつきすぎるのも良くないとかどこかで見た気もする。
振り向いて手を出してしまうかそれともこれ位はクールに流すか板挟みで動きが取れないでいる間に、あかりちゃんの手は離れて背中に密着していた重みも失われてしまう。
「はい、終わりましたよ」
「あっ……あーそうか、ありがとう」
幸福な時間は早く過ぎると言われているが、どうやら至福の時間は一瞬らしい。
「じゃあ、次は前を洗いますからこっち向いてください」
――訂正、至福の時間はもう少しだけ続きそうだ。
あかりちゃんの方へ向き直ると、そこには想像よりもはるかに煽情的な姿であかりちゃんが座っていた。
単体でも暴力的な存在感を誇るおっぱいの上にデコレートされた白い泡が、その谷間を通ってみぞおち、臍を清水のように流れ、終着点である太ももとお股のデルタ地帯に小さな池を作っている。
「うわ……えっろ」
気づけば口からも心の声が漏れてしまっていて、それを聞いたあかりちゃんは恥ずかしそうに口元をむにむにと歪ませた。
「ごめんそんなことは無い――訳では無いけど、つい思ったことが口から出ちゃって」
「いえ、謝らなくていいんです。確かに面と向かって言われると少し恥ずかしいですけど、おにいさんにそう思ってもらえるのは嬉しいですし……」
とあかりちゃんはそこで少し言い淀んで、顔の前で合わせた指を所在なさげにくねらせてから
「おにいさんが望むなら、ひゅ、羞恥プレイも大歓迎ですから!!」
「いや別にそんな趣味は微塵も無いからね⁉」
思いっ切り噛みながら全力でそんなこと告白しなくていいから。
というかそれを言い出したらあかりちゃん的には、さっきのソープまがいの行為は羞恥プレイ扱いではないのだろうか。
いやあかりちゃんの事だから本当に情報としてある通り、男の人が喜ぶとあったから純粋にそうしたのかもしれない。
「っくしゅっ!!」
改めてあかりちゃんに変な常識を教え込んだ奴に対する怒りとも感謝とも分からぬ複雑な感情を抱えていると、あかりちゃんが可愛らしいくしゃみをした。
「大丈夫? 体冷えてないか? 何だったら先にお風呂入ろうか」
「いえ、大丈夫です。ちょっと鼻がむずむずしただけですから」
「本当に?」
確かにあかりちゃんはボイスロイドだし体が冷えても問題ないのかもしれないが、それでも女の子の体を冷やすのは忍びない。
どうしたものかと考えていると、あかりちゃんが何かを思いついたように口を開いた。
「それなら私が洗ってる間、おにいさんが私を温めてくれればいいんですよ!」
言うが早いか、あかりちゃんはぴょこんとこちらの腿を挟み込むように座って思いっ切り密着してきた。
「えへへー、やっぱりおにいさんはあったかいです」
「お、おう。そうか、それは良かった」
なんて平静を保とうとしているが、現在自分の張り詰めた愚息にはあかりちゃんの泡塗れの秘所がむぎゅっと押し付けられてしまっており、これで興奮するなと言う方が無理な話だ。
そしてびくびくと自らの存在を主張する一物の存在にあかりちゃんが気づかないわけもなく
「……おっきくなってますね」
「……まあ、そりゃあんなことされたらな」
「さっきのだけで興奮しちゃいましたか?」
小悪魔的に舌をちろっと覗かせながら言うあかりちゃんに、一層情欲の炎が燃え上がった。
「なんだ、やっぱり分かっててやってたんじゃないか――この悪い娘めっ!」
軽く腰を引いてからあかりちゃんの割れ目の先端、クリトリス目掛けてぐりっと肉棒を押し付ける。
「んにゃぁっ!!」
発情期のネコみたいな悲鳴を上げて、あかりちゃんは体をビクッと震わせた。
「~~っ!! そうです、あかりは悪い子ですっ。おにいさんの彼女にしてもらえたのが嬉しくて、こんなことしちゃう悪い子ですっ! ですからおにいさんのおちんちんでお仕置きしてください!!」
そんな事を言いながらもあかりちゃんは腰を浮かして亀頭を熱々に熟した膣口に押し当てて、自分から挿入の準備をしている。
彼女への入り口からは泡と愛液の混じった粘性の液体が竿を伝って流れ落ちて来ており、少し腰を押し込むだけで至上の快楽が得られることだろうことは想像に難くない。
だが、ふと考えて見れば今までエッチな事に関してはいつもあかりちゃんにペースを握られっぱなしで、なんだか癪な気がしてきた。
よし、今日は意地悪してやろう。
ペニスをつき込むふりをして、わざと入り口をずらし小陰唇の中を軽く小突く。
あかりちゃんは小さくんっ、と喘ぎ声を漏らしたが、思っていた快感と違う不満の色が隠しきれていない。
「ごめんね、ちょっとずれちゃった」
口の端が吊り上がらないように気をつけながら、心にもない謝罪を口にしつつ、そのままあかりちゃんの小陰唇の中を探る様に先端でじっくりねっとりかき混ぜる。
「こっちかな? あれ、おかしいなー。ごめんねなかなか入らなくて」
「んっ、おにいさん、これわざとですよねっ? 意地悪はやめてくださいよぅっ!」
暫くは我慢していたあかりちゃんだったが、軽い刺激しかない切なさに耐えきれなくなったのか抗議の声を上げた。
「だってあんなに濡れてちゃあお仕置きにならないだろ?」
「うーっ、でも――ひゃあんっ!!」
そして、油断しているところで思いっ切り最奥の部屋へとノックをかます。
不意打ちの一撃で達してしまったのか、あかりちゃんはふるふると痙攣する手足を精いっぱいこちらに絡みつかせ、その非力さとは逆に肉壺は痛いほどに肉棒を締め上げた。
「~~っ!! ……酷いですよぅ、おにいさんのイジワル」
暫く快感にされるがまま身動きの取れなかったあかりちゃんは、口をへの字に曲げて文句を言ってくる。
だがその語調は蕩けきっており、目にはハートが浮かんでいるようだ。
「ごめんごめん、あかりちゃんが可愛いからつい、ね。でもあかりちゃんだって満更でもないんだろ?」
そう聞きながらも下半身は、子宮口と鈴口がディープキスしているかのように密着させる。
「あっ! んんっ!! そんな事、しながら聞くなんて、卑怯っ、ですよぅ」
あかりちゃんは困ったように眉根を寄せて
「おにいさんになら、何をされても嬉しいに決まってるじゃないですか」
「っ! あかりっ!!」
なんだかまたエッチの主導権を奪われた気がするが、そんな事を言われて我慢できるものか。
あかりちゃんの口へむしゃぶりつきながら彼女の腰に手を回し、上から下まで一分の隙間も無いほどに密着する。
「んはっ……むちゅっ……」
口腔から頭蓋に淫靡で甘ったるい水音が反響して、脳が麻痺してしまいそうだ。
僅かに残った本能に任せてあかりちゃんの躰を揺すると、その度毎に膣が震えて精液を搾り取ろうとする。
「あかりちゃん……もしかして、いつもより感じてる?」
「らって、今日からはお礼じゃなくて、おにいさんの彼女としてエッチができるんですもん」
あかりちゃんの瞳が潤んでいるのは、興奮によるものだけでは無さそうだった。
心だけでなく体でもこんなに喜んでくれるのなら、もっと早くに告白しておけば良かっただろうか、とも思うがそれは今更だ。
それに後悔するなら今から何度でも言ってやればいい。
「俺も、あかりちゃんが彼女になってくれて凄く嬉しい。大好きだよ」
大好きだよ、という言葉に反応してあかりちゃんの躰がビクンと跳ね、そして接合部から愛液とは違うさらさらしたあったかい液体が勢いよくふきだした。
「あっ! やだっ!! やだっ!!」
あかりちゃんは慌てて太ももを締めて液体を止めようとするが、イったばかりで碌な抵抗も出来ないようで、液体はたちどころに二人の体の間に温い池を作っていく。
これが話に聞く潮を吹くという奴なのだろうかと感心していると、あかりちゃんが申し訳なさそうに。
「……ごめんなさい、おにいさんの事汚してしまって」
「いや、別に汚されたとは思ってないから平気だよ」
「でも……」
茹でだこのように真っ赤になって謝るあかりちゃんの頭を撫でてなだめる。
「というか、むしろあかりちゃんにマーキングされたみたいで興奮するし何も問題は無い」
「……それはちょっと変態っぽいですよ?」
「男はすべからく変態だからしゃーない。それに、あかりちゃんの弱点も分かったことだしね……。 大好きだよ」
「んっ⁉」
今度は潮を吹なかったものの、再びあかりちゃんの躰が震える。
「ひ、卑怯ですよっ?! それに、そんな軽々しく好きって言われても嬉しくありません!」
「別に軽々しくは言ってないよ。本気で言ってる、あかりちゃんの事好きだって」
「~~っ!!」
面白いくらい敏感にきゅんきゅん肉棒を締め付ける蜜壺の感触を愉しみながら、あかりちゃんの耳元で愛を囁く。
「も、もう! ほんとにっ! ダメだからっ!! イき過ぎて壊れちゃうよぉっ!!」
あかりちゃんは赤ん坊のように只々しがみつくので精いっぱいといった感じだったが、こちらも先ほどから間断なく何度もペニスを刺激されて、精液を吐き出したいと腰が震え始めている。
だが、射精するにはあと一押しの刺激がどうしても欲しかった。
「あかりちゃん、少し激しくしてもいいよね」
「? ひゃい?」
訊くというより言い聞かせるように、もはや前後不覚で自分が何を承認したのか分かっていないあかりちゃんの腰を掴んで勢いよく上下させる。
「んあおあぁっ?!」
普段のあかりちゃんからは想像できない獣じみた声と共に、背中に回された手の爪が皮膚に食い込んだ。
だが今は、その痛みすら快感だった。
あかりちゃんの尻肉が何度も腿に激しく激突し、その度毎に獣のような嬌声が浴室内に響きわたる。
「おにいひゃん! しゅき! らいひゅき!!」
「俺も大好きだぞあかりっ!!」
「うん! うん!! らっらら、あかりはおにいひゃんのものだってひるし付けて! おにいひゃんだけのものらっれ、いっぱいマーキングしれぇっ!!」
(くっそまともにろれつも回ってないくせにそんな可愛いこと言いやがって――っ!)
もう抱いている感情が愛情なのか肉欲なのか分からないほどドロドロに溶け切って、ただ残った本能だけで肉同士を打ち付ける。
「それなら出すぞっ!! あかりのお腹いっぱいにしてやるから、全部残さず飲み込めよっ!!」
「のむっ! おにーひゃんのせーえきじぇんぶのみまひゅぅっ!」
あかりちゃんが言い終わった刹那膣が一際大きく痙攣し、それを合図に鈴口が決壊した。
宣言通り一滴も残すまいとあかりちゃんの子宮口は亀頭を離さず、まるで全てを吸い上げられてしまうような快楽に、目の前が真っ白になっていく。
幸せな快感の海に放り投げられぼんやりと揺蕩う意識の中、最後に覚えているのは本心が口から溢れたことだけだった。
「あかりちゃん……大好きだよ」