※この作品はR-18です。

ハイスクールD×G~駒王町の規格外品   作:Tokaz

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それではご覧下さい。


第14話 三大勢力会議☆(朱乃)

 

 

「ハア、ハア、朱乃・・・・・」

 

「ハア、ハア、一輝、ん・・・・・❤」

 

 全部射精()し切った一輝()は朱乃に軽くキスをすると、柔らかな身体に崩れ落ちた。そのまま彼女の首筋に顔を埋め、汗ばんだ白い肌に指を這わせる。

 朱乃は俺の身体を跳ね退けもせず、されるがままになっていた。

 

「さて、抜くぞ朱乃」

 

 暫くして呼吸が落ち着くと、膣内の肉棒をゆっくりと抜き始めた。

 朱乃の膣内から腰を引くと、淫蜜と破瓜の血にまみれた肉棒が出て来て、

 

 ヂュポッ!

 

 という派手な音を立てて抜け落ちた。

 膣口からはゴポリという音と共に大量の白濁液が溢れ出し、朱乃の初めての証と混ざってシーツの上でマーブル模様を描いた。

 

「うわあ~、我ながら凄い量が出たな」

 

「んん! もう、射精()しすぎよ・・・・・」  

 

 我が事ながら呆れる俺に、朱乃は気怠げに呟いた。

 

 

 

 

 それから俺は枕元にあったタオルやウエットティッシュで自分と朱乃の身体を拭いて、出来る限り後始末をした。

 

「・・・・・ごめんなさい、一輝」

 

「いいさ、まだ身体が動かないんだろ。あれだけ激しくしたんだから無理も無い。もう少し休んでろよ」

 

「うん、ありがとう・・・・」

 

 後始末を終え、未だ布団から起き上がれずにいる朱乃の隣に腰を下ろし、彼女の黒髪を撫でる。

 しかし、祐美の時といい今回といい、どうやら俺は興奮するとやり過ぎる傾向があるみたい。

 祐美や朱乃のような極上の美少女が相手とは言え、足腰立たない位に激しくするってどれだけ鬼畜なのか。猛省せねば。

 

「ねえ、一輝」

 

 そんな風に考えていると、朱乃が声を掛けて来た。

 

「ん?」

 

「一輝はその・・・・・き、気持ち良かった?」

 

 朱乃はタオルケットを口元まで上げて、恥ずかしそうに訊ねる。

 

「ああ。最高に気持ち良かったよ」

 

「そう・・・・・良かった」

 

 そう言って微笑む朱乃は、あれだけの恥態を見せた娘とは思えない位可愛らしかった。

 

「朱乃はどうだった?」

 

「え?」

 

 そんな朱乃の態度についイタズラ心が湧いて、思わず訊ねてしまった。

 

「うぅ・・・・その、き、気持ち良かった・・・・また、したいわ」

 

 そう言うと朱乃はタオルケットを頭まで被って身悶える。

 そんな朱乃に先程の猛省もどこ吹く風、と落ち着いた筈の肉棒が再び屹立した。

 

「朱乃・・・・・」

 

「うん、もう大丈夫。・・・・だから来て、一輝」

 

 タオルケットを剥ぎ取り、朱乃の裸身を顕にする。男を知ったその肉体は匂い立つような色香を発していた。

 俺はゴクリと喉を鳴らし、彼女に覆い被さろうとしたその時、

 

 カッ!!

 

 突如畳の上に魔方陣が走った。

 その魔方陣の紋様はいつも見ているグレモリー家のもの。そして中からは紅髪の美少女、リアスが姿を現した。

 

「・・・・何をしてるのかしら? 一輝、朱乃」

 

 俺達の体勢と室内に満ちた濃密な性臭にナニをしていたのか言わずとも分かるだろう。それでも訊いて来るのは認めたくないという気持ちの表れだろうか。

 取り敢えず姿勢を正(正座)してリアスに応じようとしたが、俺より先に朱乃が答えた。

 

「え~とリアス「あら、この状態を見て分からないのかしら。たった今、私の初めてを一輝に捧げた所よ、リアス」・・・・・」

 

 ちょっ、何でそういう言い方をするかな!? そりゃあ確かに事実ではあるけど、もっと言い方があるだろ!?

 リアスは無表情、対する朱乃は余裕そうな微笑みを浮かべて見つめ合っている。俺は二人の間で息を潜めて正座していた。

 

「そう・・・・結局貴女にまで先を越された訳ね」

 

「ええ。最高に幸せな時間だったわ」

 

 ほうっと色っぽい溜め息を吐いて、朱乃は頬に手を当てる。その態度にリアスはギリギリと歯噛みする。

 

「くっ、よくも抜け抜けと・・・・!」

 

「あら? 私や一輝に当たるのはお門違いよ、リアス。祐美ちゃんという前例もいるのだし、一輝がハーレムを作るのは貴女自身認めていた筈でしょう? そこに私が加わった、それだけの話よ」

 

「・・・・・・」

 

「貴女にはグレモリー家次期当主という立場があるからジオティクス様の言い付けを守らなきゃいけないんでしょうけど、私や祐美ちゃんまでそれに付き合う必要は無いわ。そうでしょう?」

 

「むうう~、一輝!!」

 

「は、はい!!」

 

 朱乃の言ってる事は完全に正論であり、言い返せないリアスは悔しさをぶつけるように俺を呼ぶ。

 

「聖剣は!?」

 

「貰いました!」

 

「ミカエルは!?」

 

「帰りました!」

 

「なら、ここにはもう用は無いわね!? 帰るわよ!!」

 

 リアスはそう言って、俺の腕を掴んで部屋を飛び出そうとするが、

 

「貴女が羨ましいわリアス。どれだけ抱かれても、結局一輝の一番は貴女なんですもの・・・・・」

 

 朱乃の一言に足を止めた。 

 俺は今の内にと慌てて衣服を着ける。

 

「何が一番なもんですか・・・・・」

 

 そう悲しげに呟くと、リアスは今度こそ俺の手を引いて部屋を出て行った。

 

 

 

 

 

「リアス、ちょっと待ってくれ!」

 

 一輝の声にリアス()は石段の途中で足を止めた。

 先を越された悔しさに無理矢理引っ張って来たからか、一輝は辛うじて衣服を引っ掛けている状態だった。私が足を止めると、一輝はホッとして服装を直した。

 

「リアス、その・・・・お前の許しも得ず朱乃を抱いたのは俺が悪かった。でも朱乃を責めないでくれないか?」

 

「・・・・・・随分と朱乃の肩を持つのね。抱いて情が移ったの?」

 

「そういう言い方をするなよ。実は───」

 

 朱乃を庇う一輝に拗ねた態度を取る私に、一輝は事のあらましを説明した。

 

 

 

「そう、そういう訳・・・・・」

 

 一輝の話を聞き終えて私は納得していた。

 思えば朱乃の一輝に対する距離感は最初からかなり近かった。朱乃は対外的にはいつもニコニコしているけど、実は男嫌いの気がある。そんな朱乃が眷属とは言え一輝には自分から近付き接しているのを不思議に思っていたけど、幼馴染みというなら納得出来る。

 私が朱乃と出会ったのは十歳の時、最愛の母を亡くし、母を救えなかった父と決別し、実家からの追手と戦いつつ放浪していた頃だった。その頃の朱乃は今のあの娘からは想像が出来ない位傷付き薄汚れて、他人を信じない昏い瞳をしていた。私はそんなあの娘に興味を持った。

 そして私は将来の為に領地運営を学ぶ場として【日本神話】からこの駒王町を借り受ける際、姫島家とも交渉し、彼女の身柄を引き取る事に成功した。

 最初は疑い、信用しなかった朱乃も時が経つにつれて変わり、中学に上がる頃に私の最初の眷属『女王(クイーン)』になってくれた。

 それからの朱乃は公的には女王として私の補佐を、私的には親友兼ライバルとして常に側にいてくれた。そして小猫や祐美が眷属になる頃には『雷の巫女』の二つ名で呼ばれる自慢の女王になっていた。

 そんな朱乃を私は女王として信頼していたけど、同時に親友として心配もしていた。

 あの娘は母を救えなかった堕天使の父を、そしてその血を引く自分すらも嫌悪していた。その事から自分を卑下し、軽んじる嫌いがあり、そんなあの娘がどうすれば幸せになれるのか悩んでもいた。

 そんな朱乃にとって、幼馴染みである一輝との再会は良い切っ掛けになったのだろう。朱乃にとって一輝は幸せだった母との思い出を共有出来る唯一の存在で、多分一輝と話をするのを怖れながらも待ち望んでいたのだと思う。そしてその望みが叶った事で感情が抑え切れず事に及んだ、と。

 確かに私は朱乃を心配していたし、朱乃が一輝と結ばれ精神的に安定したのは喜ばしい。喜ばしいんだ・け・ど!

    

(たった今私の初めてを一輝に捧げた所よ)

 

(ええ。最高に幸せな時間だったわ) 

 

(あら? 私や一輝に当たるのはお門違いよ)

 

(私や祐美ちゃんまでそれに付き合う必要は無いわ。そうでしょう?)

 

 何というか、言葉の端々から優越感が感じられて物凄くムカつく!

 ムウ~~、私だって一輝とシタいのに、精一杯我慢してるのに、あの娘はもお~~~!!

 

 そんな風にモヤモヤしてる私の肩に一輝が手を置いて、そっと自分に引き寄せた。

 

「なあリアス。もしお前が望むなら、俺が正式に婚約者と認められてお前と結ばれるまで、他の娘達との関係を断とうか?」

 

「えっ?」

 

 私は一輝の言葉に思わず振り返った。

 

「お前がそんなに辛いなら、祐美も朱乃もお前と結ばれるまで抱かないようにする。どうする?」

 

「・・・・・・」

 

 一輝の思わぬ提案に言葉を失う。

 正直感情に従って「イエス」と言いたい。でもそんな事をしたらあの娘達から確実に怨まれるわ。下手すれば女王と騎士が眷属から離反、何て事になったら一大事よ!

 

(って、しっかりしなさいリアス! 要は私が一輝の正妻としてあの娘達を管理すればいいのよ!!)

 

 そう、夫の奥の管理は正妻の役目。今からオロオロしていてはやっていけないわ。

 一輝の温もりを背中に感じつつ、ようやく頭の冷えた私は首を横に振った。

 

「ううん。いいわ、私がしっかりすればいいんだもの。貴方はこれからも祐美や朱乃に優しくしてあげて」

 

「・・・・分かった」

 

 さっきまで感情的だった私の雰囲気が変わったのを察したのか、一輝はそれ以上何も言わなかった。

 

「ねえ一輝」

 

「ん?」

 

「貴方にとって私は何?」

 

 そんな一輝に私は訊いてみる。彼は何て言ってくれるだろう?

 

「そうだなあ・・・・俺にとってリアスは主とか婚約者である前に、これからもずっと共に在ると誓った唯一人の女性(ヒト)だよ」

 

「あっ・・・・・・」

 

(覚えててくれたんだ・・・・・)

 

 以前二人で交わした約束。それを持ち出されて私はクスリと笑みを漏らす。

 

(ズルいんだから、もう!)

 

 さっきまでの苛立ちや焦燥が無くなった訳じゃないけど、私にだって一輝と二人だけの思い出はあるんだから! いくら朱乃が幼馴染みだったからって負けるもんですか!!

 

「さ、帰るわよ一輝」 

 

 私は一輝の左側──いつもの位置に着くと彼と腕を絡め、そして、

 

「ち・な・み・に・今夜は寝かせてあげないから、覚悟しなさい❤」

 

 そう耳元で囁いた。

 

 

 

 次の日、私達は二人揃って朝寝坊した。

 

 

 

 

 

 翌日。いよいよ「三大勢力会議」がここ駒王学園で開催される。

 会議の開始は二十二時。会場のセッティングは終わっているとはいえ、何が起こるか分からないので、俺達グレモリー眷属と会長のシトリー眷属は早目に会場入りする手筈になっている。

 集合時間ギリギリに到着した一輝()とリアスは会長に注意されつつも、其々仕事を始めた。

 俺の仕事は見回り。駒王学園には昨夜から人避けの結界が張られ、関係者以外立入り出来なくしているが、念の為異常は無いか確認するのだ。

 そんな風に見回りをしている時、俺は唐突に重要な事(原作)を思い出した。 

 

(あれ? そう言えばギャスパーがいねえ!?)

 

 

 

 

 それからリアスは勿論朱乃や祐美、小猫ちゃんにもそれとなく聞いてみたが、リアスの眷属はここにいる七人のみで、原作にいたもう一人の『僧侶(ビショップ)』、ギャスパーはやっぱりいなかった。

 考えてみれば原作では以前からもう一人僧侶がいる事を匂わせる会話があったけど、今まで聞いた事無かったもんなあ・・・・・迂闊だった。

 この世界は俺という異物が混入し、既に原作から乖離している。ギャスパーには悪いとは思うが縁があったらいつかめぐり会えるだろう。

 

(さて、そうなるとこの先ってどうなるんだ?)

 

 確かギャスパーの神器を利用され、襲撃されるんだったような・・・・・でもギャスパーいないしどうなるんだ?

 俺の原作知識もかなり朧気だ。もうこれに頼るのも危ないかもしれない。とそんな事を考えていると、

 

「───さて、行くわよ」

 

 リアスの声がして皆が立ち上がった。時刻は間も無く二十二時、いよいよ「三大勢力会議」が始まる。リアスを先頭に俺達は部室を出る。 

 会議場は駒王学園新校舎の職員会議室。今日の事は各勢力でも機密とされ、其々小数の護衛しか連れて来ていない。その護衛達も互いに睨み合いを続けていた。

 会議場の重厚な扉の前に立つと、リアスは深呼吸を二度繰り返す。そして扉をノックした。

 

「失礼します」

 

 扉を開けた室内には本来置かれていた物とは比べ物にならない位豪華絢爛なテーブルとイスがコの字に並び、各辺に二名ずつ、各勢力の代表が座っていた。

 

「皆様こちらへ」

 

 給仕係をしていたグレイフィアさんが俺達を席に案内してくれる。案内された席にはソーナ会長が座っていて、その隣にリアス、そして朱乃が座り、俺達も適当に腰を下ろした。

 

「これで揃ったな。ではこれより『三大勢力会議』を開催する。尚、この会議に参加する者は全員が最重要禁則事項『神の不在』を認知している事を前提に話を進める」

 

 俺達が席に着いたのを確認し、サーゼクス様が高らかに宣言した。

 

 

 

 

 

 会議は腹の探り合いから始まった。

 雑談のような会話から各勢力の状況を知ろうと話を振る者、情報を小出しにする者やとぼける者、ニコニコ笑ってかわす者など流石は悠久の時を生き、各勢力のトップに君臨する強者達というべきか、とても真似出来そうにない。

 悪魔側代表は魔王サーゼクス・ルシファーと同じく魔王セラフォルー・レヴィアタン。天使側代表は天使長ミカエルと四大熾天使(セラフ)の一人ガブリエル。そして堕天使側は『神の子を見張る者(グリゴリ)』総督アザゼルと白龍皇ヴァーリ。いずれも錚々たるメンバーだ。

 とはいえヴァーリ以外はお互いの性格ややり口を知り尽くした者同士。ある種同窓会のような空気の中、それでも緊張感を孕んで会議は進んで行った。

 

 

「さて、次の議題に行く前に改めて紹介しよう。リアス、ソーナ君、立ちたまえ」

 

「「はい、ルシファー様」」

 

 サーゼクス様に促され、リアスとソーナ会長の二人が立ち上がる。

 

「私の妹のリアスとセラフォルーの妹のソーナ君だ。二人とその眷属は先日の襲撃事件を解決した功労者だ。実際に何が起きたのかを今から説明して貰おう。では二人共よろしく頼む」

 

「はい。ではまず私から───」

 

 

 先にソーナ会長が説明を始める。

 まず駒王町で起きていた神父の連続殺害事件からゼノヴィアとイリナの来訪までを話し、リアスと交代する。リアスはその後のコカビエル戦を一部始終語り、説明を終えた。

 

 

「───以上で私達とその眷属が関与した事件の報告を終わります」 

 

「ご苦労、座ってくれ」

 

 サーゼクス様に言われて二人が着席する。二人共かなり緊張していた様で席に着いた途端、大きく息を吐いていた。

 

「お疲れ様リアス、会長」

 

 リアスの後ろの席から役目を果たした二人に小声で労いの言葉を掛ける。二人はチラリと視線を向けると微かに笑みを浮かべた。

 貴族家の次期当主と言えど二人はまだ十七歳。こんな各勢力のトップが集う会議の場で報告するのは相当緊張しただろう。それを堂々とやり遂げた二人はまた『王』として成長した。眷属として誇らしい限りだ。

 

「さてアザゼル。今の報告を聞いて堕天使総督としての君の意見を聞きたい」

 

 サーゼクス様の問いに全員の視線が一ヶ所に集中する。堕天使の総督は頭をポリポリ掻きつつ、面倒臭そうに話し始めた。

 

「ん~、つってもなあ・・・・その件に関しては先日報告書にまとめて送った通り、コカビエルの野郎が俺や他の幹部に黙って単独で起こしたものだ。

奴はそこの【ガイバー】に倒された後、白龍皇が俺の前に引っ張って来て、直ちに軍法会議の元、刑に処された。『地獄の最下層(コキュートス)』での永久冷凍刑だ。もう出ちゃ来れねーよ」

 

「ハア、説明としては最低の部類ですが、貴方が我々と事を起こしたく無いというのは事実でしょうから本当なのでしょうね」

 

「ああ、俺はもう戦争なんて興味はねえよ」

 

 ミカエル様が嘆息しながら言うと、アザゼル総督はきっぱりと言い切った。

 

「アザゼル、ひとつ訊きたいのだが、近年神器所有者をかき集めているのは何故だ?」

 

「別に戦争に利用する気なんざねーよ。あくまで研究の為さ。何なら研究資料の一部をお前らに提供しようか?・・・・・何だよその不審そうな目は? ったく俺の信用は三大勢力の中でも最低かよ」

 

「それはそうだ」

「そうですね」

「その通りね☆」

「そうよねぇ」

「プッ、ククク───」

 

 サーゼクス様の問いに苦笑しつつ答えるアザゼル総督だったが、余程信用がないのかサーゼクス様、ミカエル様、セラ姉さん、ガブリエル様から不審がられ、あろう事か味方であるヴァーリからも笑われていた。ある意味当然だと思うが・・・・

 

「チッ、まあこそこそ研究するのもいい加減面倒だしな・・・・・あー分かったよ。──ならとっとと和平を結ぼうぜ。元々お前らだってそのつもりだったんだろ?」

 

 アザゼル総督の一言に一同が驚きに包まれる。「まさかこいつから提案するとは」という空気の中、ミカエル様が微笑んだ。

 

「まさか貴方から言い出すとは・・・・ですが我々天使は賛成です。これ以上三すくみの関係を続けても世界の害になるだけです」

 

「我々悪魔も同じだ。次に戦争が起こればどの勢力も滅びが待っているだろう」

 

「そう。次に戦争が起これば俺達全員共倒れの上、人間界にも多大な影響を及ぼし世界は終わる。俺達はもう戦争は起こせない」

 

 ミカエル様に続きサーゼクス様も和平に賛同する。するとアザゼル総督がさっきまでのふざけた調子から一転し、真剣な表情をする。

 

「神のいない世界は間違いだと思うか? 答えはノーだ。世界は衰退どころか発展してるし、俺達も元気に生きている。───神がいなくたって世界は回るのさ」

 

 アザゼル総督が両腕を広げて言った。

 アザゼル総督は非常に胡散臭い人物だが、今の言葉は俺の胸にスッと入って来て、やけに印象に残った。

 

 

 その後も会議は続いたが、先程より緊張感が和らいだ気がする。やはり会議の最大の焦点である和平が成立すると分かったからだろうか。 

 

「───と、こんな所だろうか?」

 

 会議が始まって二時間弱、粗方の議題は片付いたようだ。

 サーゼクス様やセラ姉さんもホッと息を吐いてグレイフィアさんの淹れた紅茶で喉を潤している。

 リアスや会長も安堵して室内の雰囲気が柔くなっていた。

 

「それではこの後、和平協定の調印に入りたいと思う。異論はあるかね?」

 

 サーゼクス様の宣言にミカエル様とアザゼル総督が答えようとしたその時、

 

 

 ズガアアァァァンンッッ!!

 

 

 爆音が轟き、新校舎が揺れた。

 

「何だ!?」

 

「襲撃?」

 

「チッ、やっぱり来やがったか」

 

 各勢力のトップが呟く中、俺達は状況を確認しようと窓際に駆け寄った。

 校庭には爆音と閃光が走り、魔法使いのような黒いローブを着込んだ連中が護衛達に襲い掛かっていた。

 

「ありゃあ所謂魔術師って連中だな。放たれてる魔術の威力からして全員中級悪魔クラスの魔力を持ってやがる。見てみろよ」

 

 アザゼル総督に言われそちらを見ると、校庭の各所で魔方陣が輝く度に魔術師が現れる。さっきからそれが繰り返され、魔術師()の数が次々と増えていく。 

 

「ここで籠城してれば痺れを切らした黒幕が出て来るとは思うんだが、それまで持ちそうにねえな・・・・ヴァーリ」

 

「なに? アザゼル」

 

「外に出て敵の目を引け。白龍皇が出れば連中も焦って動くかもしれない」

 

「・・・・了解」

 

 ヴァーリは嘆息しながら頷き、窓から外へ身を投げた。カッと白い光が輝くと白い全身鎧(プレートアーマー)を纏ったヴァーリが飛翔して行く。

 

「私達も行くわよ! 何者か知らないけど、これ以上好きにさせるものですか!!」

 

 リアスが気炎を発し、眷属(俺達)に命じる。だが、

 

「待ったリアス。全員で行ってはここが手薄になる。リアスともう一人か二人残した方がいい」

 

 俺はそう意見した。原作通りならここにも敵が現れる筈だ。

 

「そうね・・・・・なら一輝は私とここに残って。アーシアは怪我人の治療。イッセーはアーシアの護衛を。祐美、ゼノヴィア、小猫は迎撃。朱乃、指揮は任せるわ」

 

「「「「了解!!」」」」

 

 眷属(仲間)達が外へ飛び出して行く。それを見送ってから俺はアザゼル総督に訊ねる。

 

「アザゼル総督、貴方にお訊きしたい」

 

「何だ?」

 

「・・・・貴方はさっき「やっぱり来たか」と言いましたよね。襲撃者に心当たりがあるんですか?」

 

「・・・・まあ、三大勢力(俺達)の和平に反対する奴等はいくらでもいるだろうが、あれだけの魔術師を揃えられるのはひとつだろうな」

 

「それは一体・・・・・?」

 

「───禍の団(カオス・ブリゲート)

 

 アザゼル総督が神妙な顔でその名を呟いた。 

 

「カオス、ブリゲート・・・・・? 聞き覚え無いな。ミカエル、君はどうだ?」

 

「私も知りません。何者ですか?」

 

 サーゼクス様やミカエル様も知らないようで、アザゼル総督に説明を求める。

 

 

 ───禍の団(カオス・ブリゲート)

 

 三大勢力の和平を良しとせず、破壊と混乱を起こそうとするテロリスト集団。三大勢力からあぶれた危険分子が集い、中には『禁手(バランス・ブレイカー)』に至った【神器(セイクリッド・ギア)】所有者が何人も存在するという。

 『無限の龍神(ウロボロス・ドラゴン)』オーフィスを頂点に戴いているが一枚岩ではなく、旧魔王派、英雄派、魔術師派等の複数の派閥が其々の思惑で行動している。

 原作では白龍皇ヴァーリも自らのチームを率いて参加するのだが、果たして───

 

 

 アザゼル総督の説明を聞いたサーゼクス様達は『禍の団』の存在を知り顔を曇らせる。その時、

 

『フフフ、流石はアザゼル。───そう、貴方の言う通り、禍の団(私達)のトップはオーフィスです』

 

 聞いた事のない女の声が室内に響くと、会議室の床に知らない魔方陣が浮かび上がる。

 

「そうか・・・・今回の黒幕は───」

 

 その魔方陣を見たサーゼクス様は舌打ちし、セラ姉さんは顔を曇らせる。

 魔方陣から現れたのは眼鏡を掛けた褐色の肌の女性。イッセーが喜びそうな胸元が大きく開き、深いスリットの入った扇情的なドレスを纏っていた。

 

「ごきげんよう。()魔王サーゼクス殿」

 

 不敵に笑い、褐色の女性は慇懃無礼に挨拶する。

 

「───カテレア・レヴィアタン。旧魔王の血を引く君がどういうつもりだ?」

 

 カテレア・レヴィアタンはその名の通り、先代魔王レヴィアタンの血族。先代魔王が神と相討ちになり滅び、新たな魔王にサーゼクス様やセラ姉さんらの力のある若手が選ばれた時、最後まで反対し、徹底抗戦を訴えた者達───旧魔王派と呼ばれる者の一人。

 旧魔王派はサーゼクス様達が樹立した新政権に対して戦いを挑むも敗北し、冥界の隅に追放されたそうだ。そのカテレアら旧魔王派は現政権への恨みから『禍の団』へ参加し、今や一大派閥を形成しているという。

 

「カテレアちゃん、どうして!?」

 

「黙れセラフォルー! 私から『レヴィアタン』の座を奪っておいて、よくもぬけぬけと!! ・・・・・正統なるレヴィアタンの血を引く私こそが魔王に相応しいのというのに!!」

 

「カテレアちゃん、私は・・・・・」

 

「何だ、要はただの嫉妬か。つまらん奴だな」

 

 さっきから自分に代わり魔王となったセラ姉さんに不満をぶつけているカテレアに向かい、俺はそう言い放つ。

 

「貴様、今何と言った・・・・!?」

 

 俺の放った言葉に驚く者や呆然とする者、興味深そうな顔をする者の中、カテレアは顔を引きつらせる。

 

「聞こえなかったのか? あんたはさっきから自分こそが魔王に相応しいと言ってるが、あんたの正統性は血筋だけだろ? 強さも美しさも人気も何もかもセラフォルー様に敵わないじゃないか。

あんたがしてるのはただの嫉妬だ。そもそもセラフォルー様が魔王になってどれだけ月日が経ってると思ってるんだ。そんな過去の話を今更蒸し返したって、何の意味がある?」

 

 俺がそう言うと我慢出来なかったのか、アザゼル総督が吹き出した。

 

「プッ、クククク・・・・・」

 

「・・・・何がおかしいのです、アザゼル」

 

 現れた時の不敵な顔は見る影もなく、カテレアは苛立ちに顔を歪めていた。

 

「いや、そいつの言う通りじゃねえか。御大層な名目を掲げてもお前のやってる事の根底にはセラフォルーに対する嫉妬が丸見えだ。浅いんだよお前は。まるで一番最初に死ぬ敵役みたいだぜ?」

 

「アザゼルッ! どこまで私を愚弄すれば気がすむのか!!」

 

 アザゼル総督の挑発に切れたカテレアが全身から魔力のオーラを漲らせた。

 アザゼル総督はニヤリと笑い、一歩踏み出そうとするが、その前に俺が進み出る。

 

「ダメですよ、アザゼル総督。人の獲物を盗らないで下さい」

 

 俺とアザゼルの視線が一瞬交錯すると、アザゼルは嘆息しつつ引き下がった。

 

「チッ、わーったよ。確かにお前が先約だ」

 

「どうも。サーゼクス様、セラフォルー様、構いませんね?」

 

 俺は視線を二人の魔王に向けた。

 

「カテレアちゃん、降るつもりは無いの?」

 

「ふざけるな! あの小僧の次はお前だセラフォルー! お前を殺して私こそが真の魔王だと世に知らしめてくれるわ!!」

 

 セラ姉さんの勧告にカテレアは従う様子を見せない。まあ当然だな。

 

「残念だよカテレア・・・・・・。一輝君、やりたまえ」

 

「了解」

 

 サーゼクス様の許可が下りた次の瞬間、俺は魔力を脚に集中させ、一気にカテレアに接近する。

 

「なに!? グフゥッ!!」

 

 最近おなじみとなって来た【虎砲】による開戦の一撃を食らい、カテレアは窓を突き破り外へと吹っ飛ぶ。

 

「行って来る」

 

「ええ、気をつけて」

 

 リアスと短く言葉を交わし、俺はカテレアを追って外へと飛び出した。

 

 

 

 

 

 




読んでいただきありがとうございます。
ご覧の通りギャスパーはリアスの眷属ではありません。
2人目の僧侶は別の人になります。
ギャスパーは後々出す予定なので、気長にお待ち下さい。
次回は全編バトル、エロなしになります。

イッセーのヒロインは誰がいい?

  • アーシア
  • 九重
  • ギャスパー(男の娘)
  • ギャスパー(TS化)
  • レイナーレ
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