第39話を投稿します。
今回はロスヴァイセの姉妹達が登場します。
其々他作品のヒロインをモデルにしているので、誰が出るかは観てのお楽しみに。
それではご覧下さい。
ピシッ!
空に亀裂が入る。
ピシピシピシッ!!
亀裂は段々大きくなり、そして───
ガシャアアァァァンンッ!!
空間が割れて、『サナギ』が飛び出した。
「ここが北欧か・・・・」
次元移動は上手く行った。ロキの結界を抜け、俺達は北欧へ到着していた。
【北欧神話】は
上層は神々の住む世界アースガルド、中層は人間や亜人の住む世界ミズガルズ、そして下層は死者の世界ニブルヘイム。
俺は思念波を送り、『サナギ』をアースガルドに着地させた。
『サナギ』から降り、殖装を解くと、固まった身体を解すように肩を回す。
「それでロスヴァイセ、どこに行けばいいのです?」
「まずはブリュンヒルデ姉様に会いに行きます。私達ヴァルキリーの本拠地、ヴァルハラの『神の舘』へ行きましょう」
ロスヴァイセがアルトリアの質問に答える。
ロスヴァイセ達ヴァルキリーは、戦場で死した勇者の魂を導くという役目を持つが、普段はオーディン様の親衛隊として、ヴァルハラの『神の舘』に居を構えているという。
「飛んで行けば速いんだけど・・・・」
セラ姉さんがチラリとロスヴァイセに視線を向けると、俺は「ああ・・・・」と納得した。俺とセラ姉さん、アルトリアの三人は悪魔だから空を飛べるが、ヴァルキリーのロスヴァイセは空を飛べない。こうなったら・・・・
「俺が抱えて行くか?」
「「それはダメ」」
俺の提案はアルトリアとセラ姉さんに揃って却下された。何故だ。
「あの、私なら大丈夫ですよ」
申し訳なさそうにロスヴァイセは言うと、
ピイイィィィーーーーッ!!
と指笛を吹いた。甲高い音が空に吸い込まれ、暫くすると物凄いスピードで何かがこちらに向かって翔んで来た。
ヒヒイィィィンッ!!
高くいななきながら現れたのは、一対の翼を持った純白の駿馬だった。それは───
「
そう、神話にある翼を持つ天馬──ペガサスだった。
「スカーレット、良く来ましたね。紹介します皆さん。私の愛馬、スカーレットです。」
ロスヴァイセが天馬を撫でながら紹介する。スカーレットは純白の毛色にライトブラウンの鬣をした牝馬で、名前の由来なのか、
ヴァルキリーは天馬に乗って戦場を翔る
「じゃあ出発しよう。ロスヴァイセ、案内を頼む」
俺達はヴァルハラ目指して出発した。
俺達は一路、ヴァルハラを目指して北欧の空を行く。
アルトリアも悪魔に転生して一ヶ月、最近飛ぶ事にも慣れ、スピードも出せるようになって来たのか、遅れずに付いて来ている。
「皆さん、このまま行けば後十分程でヴァルハラに到着出来そうです」
ロスヴァイセに言われ、もうすぐかと気が緩みかけたその時、俺達の行く手を阻むように空間の歪みがいくつも現れる。これは!?
「一輝!?」
「ああ、分かってる。皆気を付けろ!」
俺とアルトリアはウイザードタイプのセラ姉さんとロスヴァイセを守るように、二人の前に出る。やがて空間の歪みから現れたのは、
「そんな・・・・ファーヴニルにフレースヴェルグがこんなに・・・・それにニーズヘッグまで」
飛竜ファーヴニル、大鷲フレースヴェルグ、そして一際巨大な邪龍ニーズヘッグ。他にもキラービーやジャイアントバット、ガーゴイルなどもいて、ざっと百以上の魔物が俺達の前方に現れた。これは・・・・ちょっと、いや、かなりキツいな。
「セラ姉さん、悪いけど・・・・」
「分かってるわ。私も戦うから背中は任せて」
魔王であるセラ姉さんを戦わせるのは心苦しいが、この状況では止むを得ない。
「セラ姉さんとロスヴァイセは援護を頼む。行くぞアルトリア」
「承知!」
俺とアルトリアが魔物の群れに斬り込もうとしたその時、
ズガアァァァンッ!!
突然魔物の群れの後方で爆発が起こった。
「何だ!?」
出鼻を挫かれ、思わず声が洩れる。突然の爆発の後、五つの流星が包囲網に穴を空けるように魔物の群れに襲いかかった。
「あれって、
「はい! 私の姉妹達です!!」
セラ姉さんの声に、珍しく喜色を露にするロスヴァイセ。そのロスヴァイセにいきなり影が差した。見ると頭上には襲って来た奴より一際大きな赤い鱗の
「ゲルヒルデ姉様!!」
いつの間に接近したのかと一瞬緊張したが、ロスヴァイセが歓声を聞いて味方と知り、ホッと胸を撫で下ろす。その声に応えるように飛竜が高度を落とすと、その背中には一人の美女が乗っていた。
「
アルトリアが感嘆の声を洩らす。髪も瞳も、纏う鎧も手にした槍も赤いその
「良く戻った、ロスヴァイセ。詳しい話を聞きたい所だが、今はこの魔物共を殲滅するのが先決。聖書勢力の方々もよろしいか?」
「勿論だ。協力感謝する」
俺がそう答えると、その赤い竜騎士はフッと微笑んだ。
「結構。ロスヴァイセ、ヘルムヴィーゲをよこす。存分に働いて貰うぞ」
「ヴィーゲを!? 分かりました!」
そう言うとゲルヒルデと呼ばれた飛竜騎兵は、手にした槍を構え、魔物の群れに突撃する。それと入れ替わりに一騎の天馬騎兵がこちらへやって来た。
「ヴィーゲ!!」
「ヴァイセ、お帰り~!」
やって来たのは黒髪ショートの、戦場に似つかわしくない朗らかな笑顔をした可愛らしい少女だった。馬上でロスヴァイセと手を繋いで、再会を喜び合っている。
「紹介します。私の姉の一人──」
「ヘルムヴィーゲでーす! よろしく!」
紹介されて驚いた。彼女──ヘルムヴィーゲはどう見てもロスヴァイセより年上には見えない。
「姉!? 妹じゃなくて?」
「ああ・・・・ええと、その辺の事情は後程。今は──」
「ああ、そうだな。行くぞアルトリア!」
「はいっ!!」
気持ちを切り替えて、俺とアルトリアは魔物の群れに飛び込んだ。
「ガイバーーーーー!!」
迫り来る魔物をガイバーに殖装して弾き飛ばす。即座に重力制御を発動して、襲って来る大鷲を【
数が多い。【
「さて、他の連中は・・・・?」
俺は迫る飛竜を【
ロスヴァイセは固定砲台と化して、迫る魔物を次々と撃ち落としていく。本来こんな乱戦で足を止めて魔術を撃つなんて出来ないものだが、それを可能にする存在が彼女の側にはいた。
「よい、しょっと!」
襲い来る魔物を真正面から受け止め、ビクともしない最硬の盾──ヘルムヴィーゲだ。
彼女の何倍も大きな魔物の突撃を大盾で受け止め、その隙にロスヴァイセが魔術で撃ち落とす。攻防を完全に分けたフォーメーションは、二人がこの戦い方に慣れている事を物語っていた。
セラ姉さんも二人の安定した戦法に安心したのか、得意の氷の魔術で寄って来る魔物を次々と凍らせていった。
戦場に澄んだ歌声が響く。
薄紅色の長い髪を靡かせ、槍を振るって戦う
物凄い速さで戦場を天馬が翔る。
片刃の直刀──あれは刀か?を振るう長い金髪の
紫色の長い髪の
正に一撃必殺。手にした剣を一閃するだけで、次々と魔物が落下していく。何という剣の腕前だろう、俺が見て来た中でもトップクラスの剣士だ。
魔物が物凄い勢いで吹っ飛んでいく。
長い黒髪の
アルトリアは不馴れな空中戦でも存分に力を発揮していた。
襲って来た百以上の魔物も粗方片付いた。残るは邪龍ニーズヘッグ。漆黒の鱗に覆われたフェンリル並みの巨体が俺達に襲いかかる。
鋭い爪や長大な尻尾を振り回し、アルトリアや金髪、紫髪の
龍っていうのは敵に回すと本当に厄介だ。俺達が攻めあぐねていると、ニーズヘッグが鎌首をもたげた。
「! 散れ! 毒の
ゲルヒルデの声に全員が一斉に散ると、一瞬後にニーズヘッグの
俺は強殖装甲が毒素を遮断してくれるのか、何ともない。どうやら戦えそうなのは俺だけみたいだ。ならば───!
「行くぞ! 重力制御出力全開!!」
俺はガイバーの重力制御能力を全開にした【グラビティ・キック】を放つ。ニーズヘッグも俺を迎撃しようと巨大な尻尾を振り回した。空中で俺とニーズヘッグが激突する。
「グアオォォン!!」
勝ったのは俺だった。尻尾を蹴り飛ばし、態勢を崩した隙を突いて、俺はニーズヘッグの背中に取り付いた。ニーズヘッグは爪や尻尾を振り回すが、その巨体故ここに取り付いてしまえば届くまい!
「其は聖なる刃、万物を断ち斬る龍殺しの
聖句を唱え、アスカロンを喚ぶと所構わず滅多刺しにする。龍殺しの魔力のせいか、あの硬かったニーズヘッグの鱗にも簡単に剣が突き刺さる。
「はああーーーーっ!!」
気合を込めてアスカロンを一閃、首の付け根を斬り裂くと大量の血飛沫が宙に舞った。
「ギュアアァァァンッッ!!」
かなり効いたのか、ニーズヘッグが悲鳴を上げ、俺を振り落とそうと巨体を捩る。
(今だ───!)
暴れるニーズヘッグから放り出された俺は、空中で態勢を整えると、胸部装甲を引き剥がして胸に宿る太陽を解放した。
「喰らえ!
光の奔流がニーズヘッグを呑み込んでいく。光が消えた後、ニーズヘッグの巨体は消滅していた。
「凄い・・・・」
邪龍ニーズヘッグは私達『九姉妹』総出でようやく討伐出来るという怪物。それをたった一人で倒してしまうなんて・・・・何故でしょう、さっきから心臓が早鐘を打ち、一輝さんから目が離せません。
オーディン様の言う通り、彼は“勇者の資格”を持つ
『俺はリアスが許可を出して、彼女も望むなら構いませんよ。ただ俺には既に恋人が七人いますから、それでも良ければ、ですが』
不意に彼の台詞が脳裏に甦った。彼にはリアスさんという許嫁がいる上に、恋人が七人もいる。でも彼程の勇者がこの先現れるだろうか? そんな風に私が躊躇していると、
「お見事です、一輝!」
「凄いよカズ君! お姉ちゃんチューしてあげる!」
アルトリアさんとセラフォルー様が殖装を解いた一輝さんに抱き着く。更に、
「凄いね、彼・・・・」
「ああ、まさかニーズヘッグを単独で討伐するとはな・・・・」
「本当に驚いたわ・・・・やるわね、貴方」
「凄いねキミ! ねえ、ボクの
「あ、ズルいライテ!」
「そうよ! 契約のチャンスは平等でなくっちゃ!」
「いや、契約って何のだ?」
オルトリンデが、ゲルヒルデ姉様が、ヴァルトラウテ姉様が、シュヴェルトライテが、ヘルムヴィーゲが、ジークルーネが一輝さんの武勇を誉め称える。特にライテ以降は契約しようと目論んでる!? ちょっとそれは───!
「ダメぇーーーーッ!! 一輝さんは私の
気付けば私は皆の目の前で、一輝さんに抱き着いていた。
「ダメぇーーーーッ!! 一輝さんは私の
「「「「「・・・・・・・・き、きゃああああーーーーーッッ!!!❤」」」」」
ニーズヘッグを倒したと思ったら、いきなり
「聞いた? 今の!?」
「ええ、しかと聞いたわ。あのロスヴァイセがねえ~」
「めでたい?」
「ええ、めでたい事だ。あの『失敗ヴァルキリー』とか『万年
「ああ、ゲルヒルデ姉さん、泣かないで・・・・」
「おめでとうヴァイセ! お幸せに~!」
などとヴァルキリー達が姦しく騒ぎ立てる。
「ち・・・・・・・・」
話を聞こうにも肝心のロスヴァイセが顔を真っ赤にして固まっているので、どうするも出来ない。
「ち、違うんですーーーーーッッ!!!」
何が違うというのか、ロスヴァイセはスカーレットに飛び乗ると、猛スピードでこの場から飛び去って行った。
「えー、と・・・・?」
「まぁ、あの娘はほっときましょ。頭が冷えたら戻って来るわ。それより・・・・ようこそ北欧へ。ここからは私達が案内するわ」
薄紅色の髪のヴァルキリーが微笑んだ。
それから俺達は彼女──ヴァルトラウテからヴァルハラへ向かいつつ、説明を受けた。
彼女達は『九姉妹』。神話の時代からその名を継承して来た所謂ヴァルキリーの将なのだそうだ。『九姉妹』の名前には其々意味があり、空席が出来ると、その名前に相応しい者がヴァルキリーの中から選ばれ、襲名する事で新たな『九姉妹』になるという。その為年下なのに姉となる事もあるそうだ。
長女ブリュンヒルデを頂点として、次女ゲルヒルデ、三女オルトリンデ、四女ヴァルトラウテ、五女シュヴェルトライテ、六女ヘルムヴィーゲ、七女ジークルーネ、八女グリムゲルデ、九女ロスヴァイセの九人で構成されている。
次女ゲルヒルデは赤髪赤瞳の槍使いで、ヴァルキリー唯一の
さっきの契約云々というのは、彼女達ヴァルキリーの役目のひとつに戦場で見付けた勇者と契約して、その勇者の死後、魂をヴァルハラに招いて『
彼女達ヴァルキリーはオーディン様の親衛隊である故『開国派』に属してはいるが、俺達聖書勢力の事を決して良くは思っていないという。特にこれから会う九姉妹の長女ブリュンヒルデは俺達──特に堕天使を嫌っているらしい。協力を取り付けなきゃならないというのに前途多難だ。
「ブリュンヒルデ姉さんは堅物よ。口説くのは大変だろうけど頑張りなさい───さぁ着いたわ」
ヴァルトラウテがそう締めくくり、俺達はヴァルハラの『神の舘』へ到着した。
『神の館』と呼ばれるオーディン様の居城に到着すると、城門の前に座り込んで頭を抱えているヴァルキリーいた。言うまでもない、ロスヴァイセだ。
「あっ、ヴァイセいた〜!」
「シーッ! 駄目よヴィーゲ。見ないであげなさい」
「トラウテ姉さん、その方が酷いと思うわ」
無邪気にヘルムヴィーゲが声をかけようとするが、ヴァルトラウテの静止とジークルーネのツッコミにロスヴァイセがビクビクと肩を震わせる。ロスヴァイセはもう耳まで真っ赤だ。
「ハイハイ、面白いのは分かるがそこまでだ。ヴァイセ、お前が迂闊なのはいつもの事なんだから、いつまでも落ち込んでるんじゃない!」
パンパンと手を叩いてゲルヒルデが言うが、それじゃあ逆効果だ。
「一番酷いのはゲルヒルデ姉さん」
「あはは、だね〜」
オルトリンデとシュヴェルトライテも苦笑を浮かべている。こういうやり取りを見ていると、ロスヴァイセが姉妹のイジられ役だというのが良く分かる。ともあれこれじゃあいつまで経っても話が進まないな。
「ロスヴァイセ」
俺がロスヴァイセの前に跪き、目線を合わせ話しかけると、彼女の肩がビクンと震え、おずおずと顔を上げた。
「君と俺の関係については一先ず置いておこう。今はオーディン様を救うのが先決だ。そうだろう?」
「一輝さん・・・・」
「焦る事はないさ。だから良く考えて答えを出してくれ。俺はちゃんと待ってるから」
「一輝さん・・・・はい。分かりました、ありがとうございます・・・・」
ロスヴァイセはそう言って深々と頭を下げた。よし、これでロスヴァイセは大丈夫だろう。
「では行こうか。ブリュンヒルデ姉上が待っている」
ゲルヒルデに促され、俺達はようやく『神の館』に足を踏み入れた。
長い廊下を進んでいると、あちこちから視線を感じる。チラリと視線の方を見ると、こちらを見つめるヴァルキリー達がいた。興味有りげな視線や訝しそうな視線、種類は様々だが、どれもあまり良い感情は感じられない。ヴァルトラウテの言う通り、俺達聖書勢力は良く思われていないようだ。
(まぁ、自分達の主神が俺達のせいで瀕死の状態にあるんだから、無理もないか・・・・)
やがて俺達はとある部屋の前に到着した。ゲルヒルデが扉をノックすると「はい」と女の声がして扉が開かれる。扉を開けたのは、秘書らしい眼鏡を掛けた温和そうなヴァルキリーだった。彼女に案内され中に通されると、そこはグレモリー邸の談話室位の広さの執務室だった。
テーブルを挟んだ四人掛けのソファーが一対と秘書用らしき執務机、その奥には更に大きな執務机が置かれ、そこにはこの部屋の主である黒髪の美女が座っていた。
「来たか・・・・」
先程通信越しに見た通り、いや、それ以上の美女だ。
「ようこそ、というべきかな? 聖書勢力の方々。私が『九姉妹』の長女、ブリュンヒルデだ」
最強のヴァルキリーと云われる彼女の美貌と迫力に、俺は人知れず息を飲んだ。
四人掛けのソファーに俺、セラ姉さん、アルトリア、ロスヴァイセが座り、対面にはブリュンヒルデ、ゲルヒルデ、ヴァルトラウテ、ジークルーネが座り、オルトリンデ、シュヴェルトライテ、ヘルムヴィーゲが後ろに控える。
始めにゲルヒルデが魔物の群れに遭遇し、殲滅した事を報告した。その際、俺がニーズヘッグを単独で討伐したと聞くと、ブリュンヒルデは興味深そうな目で俺を見ていた。
その流れで俺達が自己紹介すると、四大魔王の一人であるセラ姉さんがいる事に流石に驚いていた。
「まずは我々の不手際でオーディン様に重傷を負わせてしまった事を、その場にいた者の一人として謝罪します」
俺がそう言って頭を下げると、ブリュンヒルデが俺に視線を向ける。
「いや、よくぞあのロキの結界を切り抜けて来られた。それでオーディン様はどこに?」
俺がロスヴァイセに合図すると、ロスヴァイセは虚空からオーディン様が納まった医療カプセルを取り出し、説明した。
「成程、その中にいる限り安全なのか」
「ええ。でも我々に出来るのはこれが精一杯です。ブリュンヒルデ、貴女にはオーディン様を治す当てがあると聞きましたが、それは・・・・?」
俺が訊ねると、ブリュンヒルデは眉根を寄せて天を仰いだ。
「うむ・・・・それなんだがマズい事になった」
ブリュンヒルデの言葉に俺達は顔を見合わせる。
「ブリュンヒルデ姉様、一体何が・・・?」
ロスヴァイセが恐る恐る訊ねると、ブリュンヒルデは苦虫を噛み潰したような顔で何があったか話し始めた。
「ヴァルキリーの一人にエイルという者がいる。彼女は薬草に精通し、死者すら甦らせるという北欧きっての名医で、彼女ならフェンリルの“呪”を解く方法も知っている筈。だが・・・・」
「だが何です?」
「・・・・エイルは『中立派』に属する神、トールに連れ去られた」
「「「「!!?」」」」
北欧最強の軍神、雷神トール。
突然の
読んでいただきありがとうございます。
今回は九姉妹の紹介回となりました。
誰がモデルか分かったでしょうか?
この場を借りて、解説したいと思います。
・次女ゲルヒルデ(槍の意味)
モデルは「ファイヤーエムブレム」のミネルバ。
天馬に乗った槍使いと聞いて最初に想像したのがペガサス三姉妹でした。誰を出すか迷った挙げ句、いっそミネルバでいいんじゃと思い、こうなりました。
・三女オルトリンデ(刃の意味)
モデルは「ダンまち」のアイズ。
彼女は眷属候補の一人だったので、こういう形で出て貰いました。
・四女ヴァルトラウテ(勇気の意味)
モデルは「シンフォギア」のマリア。
勇気づける→歌→シンフォギアと連想して、最もヴァルキリーの雰囲気に近いマリアがモデルになりました。
・五女シュヴェルトライテ(剣の意味)
モデルは「SAO」のユウキ。
名前が剣の意味を持つので最強の剣士を想像したら、ユウキになりました。
・六女ヘルムヴィーゲ(兜の意味)
モデルは「防振り」のメイプル。
兜→防御力→メイプルと連想して、こうなりました。
・七女ジークルーネ(勝利の意味)
モデルは「極黒のブリュンヒルデ」の寧子。
彼女も眷属候補の一人だったので、こういう形で出て貰いました。
いかがだったでしょう?
未登場の八女グリムゲルデは登場してから解説します。
次回はガイバーVSトールをお送りする予定です。