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皆さんご愛読ありがとうございます。
それでは第5話をご覧下さい。
───私は
室内にピチャピチャという湿った音が響く。
「ん、んむ、んぼ、ちゅ、ん❤あむ、んむっ❤」
「はあ、はあ、あ、朱乃、もう───」
「んむ? イキそう? いいのよ。そのまま出して?」
「朱乃、くっ!」
旧校舎のとある空き教室で朱乃は一輝の肉棒を咥えていた。
あの日、一輝の部屋で初めてしてからほぼ毎日、彼女は一輝の性欲処理を行っていた。いや、寧ろ朱乃が誘惑して、一輝が流されて行為に至るのが最近の流れであった。
それ程に朱乃は一輝との行為にハマっていた。
「ん、ああ、いいわ、ちゅ、出して❤ いっぱい、一輝の濃いの朱乃に飲ませてっ!!❤」
「あ、朱乃っ、出るぞ!!」
「んむ~~~~~~っっ!!❤」
朱乃の口腔内に大量の白濁液が流れ込む。朱乃はさも美味しそうに喉を鳴らして飲み干していく。全部飲み干すと、朱乃は一滴も零さんとばかりにチュウチュウと音を立てて、肉棒内の残った精液をすすった。
「───ズズ、んむ、ちゅぽ、んああ、美味しい❤」
「はあ、はあ、朱乃・・・・」
「ん❤」
一輝は無意識なのか朱乃の頭をそっと撫でる。頭を撫でられた朱乃は主人に甘えるペットのように一輝の肉棒に頬を擦り寄せた。自分の頬が残った精液で汚れるのも構わずに。
「───ぷはぁ。今綺麗にしますわね」
そう言って朱乃は一輝の肉棒を根元まで咥え込む。
「───ん、ちゅっ、んむ、れろ」
「ん、ああ、朱乃・・・・」
ほぼ毎日一輝の肉棒を咥えているせいか、朱乃は一輝の感じる所が分かるようで、巧みな舌技の前に、一輝のモノはあっという間に元の硬さを取り戻し、雄々しく屹立していた。
「───ちゅぽっ。はあ❤ うふふ、またこんなに硬くなって・・・・それで、どうします?」
朱乃は悪戯っぽく艶然と微笑んだ。
「・・・・続けてくれ」
「はい❤」
空き教室内に再び湿った水音が響き出した。
「なあ朱乃」
「はい? どうかしましたか一輝君?」
あの後一発を朱乃の顔に、もう一発を口に発射してようやく衝動が治まると、魔力を使って室内の後始末をしていた朱乃に
「最近おかしくないか?」
「おかしい、とは?」
「とぼけるなよ。祐美の事だ」
「・・・・・・」
最近祐美の様子がおかしい。普段はポーッとしている事が多いのに、訓練の時には今までにない殺気を込めて剣を振るっている。その様子にイッセーや小猫ちゃんも戸惑いを隠せない。
俺達が気付いている位なんだから、
思い返すと皆が俺の部屋に来たあの日、俺の家族が写った写真を見てから祐美はおかしくなった。あの写真には俺の両親ともう一組の父子が写っていた。
亡き母は敬虔なクリスチャンで、日曜日には毎週教会のミサに通っていた。俺も毎週付き合わされ教会に通う内に、その教会を管理する牧師さんの娘と仲良くなった。俺にとっては所謂幼馴染みであり、問題の写真は全員が集まった時に撮った物だった。
その時牧師さんが携えていた剣、祐美が言うにはあの剣は聖剣だという。だが祐美と聖剣にどんな関係があるのか。前世の記憶によると、「木場祐斗」は人工聖剣使いの実験体だった筈。原作とは違い女性化しているが、祐美もまた同様の過去を背負っているのだろうか。
「・・・・その事については、近い内にリアスから説明があると思います」
「近い内か・・・・分かってるだろうが、何かあってからじゃ遅いぞ?」
「ええ、分かってますわ・・・・」
朱乃はそう言って、窓の外を見た。外はいつの間にか雨が降っていた。
どしゃ降りの雨の中、
───怒らせてしまった、部長を。
最近の私はどうかしていると叱責を受けた。
違う。今までの私の方がどうかしていたんだ。
部長には新たな力を、生活を、名前を与えて貰った。頼りになる仲間も増えて、少し気が抜けていたようだ。
あの日、一輝先輩の部屋で見た一枚の写真。あの写真に写っていた聖剣を見て、自分のすべき事をはっきりと思い出した。
今、目の前に一人の神父が倒れている。私がやったんじゃない。勿論憎き神の名を語る者など一刀の元に切り捨てるのも吝かではないけど、今はこの周囲に満ちた異様な気配の方が問題だった。
「!!」
突然背後から殺気を感じ、咄嗟に【
ギイィィンッッ!!
咄嗟の判断が私の命を救った。背後から襲いかかった銀光を弾き飛ばして襲撃者を見やる。そこにいたのは倒れている男と同じ格好の神父───非常に不本意だけど顔見知りだった。
「やっほ、おひさ~~」
嫌らしい笑みを浮かべる白髪の少年神父───フリード・セルゼン。私達にとって因縁浅からぬ敵だ。
「まだこの町に潜伏していたのね。何の用? 自殺志願なら今すぐその首を斬り落としてあげるわよ」
「ヒャヒャヒャッ!! いや~~可愛い顔して相変わらずおっかないね~~! 俺っちの方は君と再会出来て、感謝感激雨あられでございますよ~~、ヒヒッ!」
相変わらず癇に障る口調。本当にムカつく。とっとと斬り捨てて終わりにしようと魔剣を構えると、奴の長剣が聖なるオーラを発した。
「!?」
この光、このオーラ、この輝き、誰が忘れるものか、憎き聖剣を!【 エクスカリバー】を!!
「ちょうど良かったぜえ~~。神父狩りも飽き飽きしていた所でよ~、お前さんの魔剣と俺様の
「聖剣計画?」
イッセーの言葉にリアスは頷いた。
「そう。祐美はその計画の生き残りなの」
部活動を終えて帰る間際、リアスは
そして聞かされたのは祐美の過去だった。
数年前、キリスト教内で聖剣エクスカリバーを扱える人間を人為的に生み出そうとする計画が存在した。
聖剣は対悪魔武器としては最高の物であるが、困った事に使い手を選ぶ。真に使いこなせる人間は数十年に一人出るかどうか。そんな人間が現れるのを待ち、折角の聖剣を遊ばせて置くのが無駄だと考える者がいた。
そして素質があると見込まれた子供達に「聖剣使いとしての因子」を人為的に植え込み、聖剣に適合する人間を生み出そうとしたのが「聖剣計画」。
だが結果は失敗。被験者の子供達は全員聖剣に適合出来ず、「不良品」と見なされ処分された──筈だった。
祐美はその被験者の唯一の生き残りなのだという。
仲間達が処分される中、彼らの手で辛くも逃げのびた祐美は、瀕死の重傷を負って倒れていた所をリアスに保護された。
リアスは祐美を救う為に悪魔に転生させ、眷属とした。それは戦力を欲したという事ではなく、聖剣によって人生を狂わされた祐美に悪魔として新たな生を送って欲しいというリアスの優しさだったのだろう。
転生したばかりの祐美は聖剣や教会関係者に対して強い憎しみを抱いていたが、リアスに見守られ成長する内にその憎しみに蓋をして、笑顔を見せるようになった。
だがその蓋は今開かれてしまった。祐美は再び聖剣への復讐心に囚われ暴走している。切っ掛けとなったのは間違いなくあの写真。自分のせいだとは思わないが、何とも居たたまれない気分だ。
話が終わった。各々祐美の様子に気を配るという事でイッセーとアーシアは先に帰らせた。
「すまないリアス。祐美の暴走の切っ掛けは間違いなくあの写真だ」
「貴方が悪い訳じゃないわ・・・・でも一輝、貴方の身内に教会関係者がいるの?」
「いや、母は敬虔なクリスチャンだったが、もう亡くなっている。あの写真は幼馴染みとその父親である牧師さんと写した写真で、その人達も今はどこにいるか分からない」
「そう・・・・ごめんなさい、変な事を訊いて」
俺はリアスの肩にそっと手を置いた。
「いいさ・・・・心配だな」
リアスは肩に置いた俺の手に自分の手を重ね、そっと頬を寄せる。
「そうね・・・・」
二人で窓の外を眺める。雨はまだ止まなかった。
翌日、事態は急変した。
放課後、ソーナ会長に呼び出されたリアスは、俺と朱乃を連れて生徒会室を訪問した。
そこで聞かされたのは教会から派遣された二人の聖剣使いがこの駒王町を統括する悪魔、リアス・グレモリーと交渉したいと申し出ているという話だった。
二人の聖剣使いは明日の夜、オカ研部室に訪問する事、その際、一切の攻撃をこちらに加えない事を約束して帰ったそうだ。
ともあれ、交渉したい理由などは一切話さなかったそうで、リアスとしてはこの交渉に臨まない訳にはいかなくなった。交渉には眷属全員が立ち合う事にして皆に連絡をしたが、事態は更に厄介な事になっていた。
学園から帰宅したイッセーの自宅に例の聖剣使いが訪問していたのだ。
何でも聖剣使いの一人がイッセーの幼馴染みであり、この町に来たついでに挨拶に来たらしい。裏の事情を何も知らないイッセーのお母さんが懐かしさに彼女を招き入れ、談笑していた所にイッセー達が帰宅したそうだ。
当然双方共お互いが何者か分かっていたが、その場では何も起きなかった。教会側としてはリアスとの交渉前に揉め事を起こす気はなかったようだし、イッセーは絶対に勝てないと踏んだからだが、ナイス判断だ。
彼女らはイッセーのお母さんと三十分程談笑して帰ったそうだが、その間イッセーは生きた心地がしなかったそうだ。
その事を聞いたリアスが慌てて転移魔方陣でイッセーの部屋に跳んで様子を見に行ったが、幸い二人には異常はなく、ホッとした。
とにかく、イッセーの幼馴染みが聖剣使いになっているとは厄介な事だ。だが後日、その厄介事が自分にも降りかかるなんて、俺は夢にも思わなかった。
次の日の夜、俺達グレモリー眷属は全員部室に集合していた。応接用のソファーにはリアスと朱乃が座り、例の二人が来るのを待っていた。室内にはピリピリとした緊張感が漂っている。
悪魔にとって聖剣使いは最悪の敵だ。使い手によっては一撃で消滅させられかねない。そんな相手が来る事による緊張感もあるが、この緊張感の最大の原因は祐美だった。
祐美はずっと扉を凝視している。まるで聖剣使い達が現れたらすぐにでも斬りかかろうとしているかのようだ。いざとなったら俺達が止めなければならない。俺はイッセーと小猫ちゃんとアイコンタクトをして頷き合った。
やがて扉をノックする音がした。
リアスが「どうぞ」と返答すると、扉を開けてソーナ会長が入って来た。
「リアス、お客様をお連れしたわ」
「ありがとうソーナ。中へ入って貰って」
リアスにそう言われてソーナ会長が例の二人に入室を促す。入って来たのは俺達と同年代の二人の少女だった。
一人は青髪のショートヘアに前髪の一房だけ緑のメッシュが入った、ややキツい目付きの少女。
もう一人は栗色の長髪をツインテールにした人懐っこい笑顔を浮かべる少女。
二人共この部屋にいる少女達と遜色ない位の美少女だ。イッセーの幼馴染みというのはおそらく栗色ツインテールの方だろう。だがこの少女、何故か見覚えのある気がする。どこで見たのか思い出そうとしている内に栗色ツインテールが口を開いた。
「本日は私共の申し出を受けて頂き感謝致します。私は紫藤イリナ。こちらは相棒のゼノヴィア。二人共教会に所属する戦士です」
そう名乗った彼女の顔を凝視する。すっかり女の子っぽくなっているが、良く見ると小さい頃の面影がある。
「イリナ?」
だからつい、声が出てしまった。
皆の視線が俺に集中する。栗色ツインテールは突然名前を呼ばれて訝しげに俺を見ているし、隣の青髪ショートなんか相棒を呼び捨てにされて不快そうに俺を睨みつけている。
「一輝、どうかしたの?」
「ああ、いや、その・・・・」
俺がどう説明すべきか頭を悩ませていると、
「一輝?・・・・え? ひょっとして、
イリナが声を上げた。その声に顔を上げると俺とイリナの視線が交錯する。間違いない。彼女はやっぱり───
「やっぱりイリナか!」
「え? 嘘! 本当に一兄なの!?」
気が付けばイリナが駆け寄って、
「会いたかったよ、一兄!!」
俺に抱き着いていた。
子供の頃とは違う甘く、爽やかな香り。戦士として鍛えられながら決して女性らしさを失わない柔らかな身体。すっかり美しく成長した妹のように思っていた幼馴染みとの再会に俺も彼女をそっと抱き締めた。
「久しぶりだなイリナ。俺も会いたかったよ」
「え? 一兄駒王町に帰ってたの? 引っ越したって聞いてたのに!」
「ああ。お前がイギリスへ引っ越した後、父さんの転勤に合わせて引っ越したんだけど、高校進学を機に帰って来たんだ」
「もう! それなら早く教えてよ!」
「無茶言うな。こっちはお前がどこにいるか知らないんだぞ?」
「むう、それもそうか・・・・じゃあ、おじさまとおばさまは? 元気?」
「・・・・イリナ。父さんと母さんは八年前に交通事故で亡くなったんだ。報せるのが遅くなって、ごめん」
「そんな!?・・・・じゃあ一兄はその後どうしてたの?」
「唯一の肉親の祖父に引き取られてね、そこで暮らしてた。で、さっきも言ったが高校進学を機にこの町に戻って来たんだ」
「そっか・・・ごめんね。私何にも知らなくて・・・・」
「謝る必要はないよ。それにもう八年も経ってるしな・・・・」
「嘘。何年経ったって辛いものは辛い筈だよ・・・・おじさまもおばさまも私の事本当の娘みたいに接してくれて、優しくて大好きだった・・・・」
「イリナ・・・・父さんと母さんの為に泣いてくれるのか?」
「うん・・・・それに一兄の為にもね。一兄泣いたらおばさま達が心配するからって、泣いてないでしょ?」
「! そっか・・・・ありがとうイリナ」
「うん・・・・・・」
「「「「ウオッッホンッ!!」」」」
突然の咳払いに俺とイリナがそちらの方を向くと、皆がこちらをジト目で見つめていた(アーシアだけは顔を真っ赤にしていたが)。リアスがトゲのある声で詰問する。
「・・・・それで? いい加減説明して欲しいのだけど?」
「ああ、えーとイリナは・・・・」
「その前にいつまでくっついてるのよ、貴方達は!?」
「「・・・・・・あっ!」
言われて気付いたが、俺達は最初にイリナに抱き着かれたまま、ずっと抱き合って話をしていたのだ。こ、これは恥ずかしい・・・・
「す、すまんイリナ」
「う、ううん。こっちこそごめんね、一兄」
そう言って頬を染めるイリナは子供の頃のギャップと相俟って、物凄く可愛かった。
「一輝!!」
「は、はい!!」
またも見つめ合う俺達にリアスの叱責が飛ぶ。
「お前もだイリナ。いつまでやっている」
「ご、ごめんゼノヴィア、つい・・・・」
イリナも相棒に怒られていた。
「全く、いくら懐かしいからといって、そいつはもう悪魔なんだぞ? 分かってるだろう!?」
「!!?・・・・一兄、悪魔になっちゃったの?」
相棒の言葉にショックを受けたイリナは愕然とした表情で俺を見つめる。
「あ、ああ」
「そんな、どうして!?」
イリナはそう言って俺にすがりつく。
「イリナ、俺は堕天使に襲われて死ぬ所だった。そこをリアスが悪魔に転生させて救ってくれたんだ。俺は彼女に感謝してるし、悪魔に転生した事を後悔していないよ」
「そう・・・・なんだ」
そう言ってイリナはその場に崩れ落ちた。
「何て事。イッセー君だけじゃなく一兄まで悪魔に堕ちてるなんて───」
「しっかりしろイリナ! お前があの男とどういう関係か知らないが神の戦士としての責務を思い出せ!」
「そ、そうね。私には神への信仰があるわ!」
「そうだ! 神は常に私達を見守っている!さあ、共に祈ろう、イリナ!」
「そうね、ゼノヴィア!」
「「ああ、主よ・・・・!」」
何だか良く分からないが、ゼノヴィアの励ましでイリナは復活したようだ。あんな極端な娘だったかな・・・・?
「で? あの娘とはどういう関係なの、一輝?」
リアスがジト目で俺に詰め寄る。
「ああ、幼馴染みなんだ。あの例の写真に写っていた子供の方だよ」
「「「え!?」」」
それを聞いて皆が驚いていた。あの写真に写っているイリナは男の子にしか見えないし、今の美少女然としたイリナとは似ても似つかないから無理もない。
俺は彼女との馴れ初めを話すと皆もようやく納得してくれた。ただ、祐美の視線が益々険しくなったのは困り物だ。
取り敢えず双方共ようやく落ち着いて、本題に入る事になった。
「コホン、大変失礼しました。それでは本題に入らせて貰います」
復活したイリナがこの地を訪れた理由を話し始める。その内容は驚くべき事だった。
キリスト教の各教派カトリック、プロテスタント、正教会で管理、保管されていた聖剣エクスカリバーが奪われ、この駒王町に運び込まれたというのだ。
本物の聖剣エクスカリバーは大昔の戦争で折れた。その欠片を拾い集め、錬金術によって新たに再生させたエクスカリバーが七本存在するという。七本のエクスカリバーは一本は戦争中行方不明になり、各教派が二本ずつ管理していたが、その内の一本ずつが今回奪われたのだそうだ。
追手としてカトリックからはゼノヴィアが、プロテスタントからはイリナが各々聖剣を携えて派遣された。正教会は万一の場合に備えて最後の一本を死守するつもりらしい。
今回エクスカリバーを奪ったのは堕天使の組織『
話を聞いて、俺は彼女らの交渉内容はコカビエルの捜索に我々の力を借りたいのだと思ったが、それは違っていた。ゼノヴィアが言うにはこれから起こる教会と堕天使の戦いに一切手を出すなと言うのだ。
これは交渉なんかじゃなく、一方的な宣言でしかない。案の定リアスがキレていた。ゼノヴィアの言は「お前の土地でドンパチするけど黙って見てろ」と言ってるに等しい。リアスからすれば許容出来ないに決まっている。
どうやら教会側としてはリアスが堕天使と手を組む可能性も考慮しているらしく、牽制のつもりもあるようだ。リアスは自らの誇りに賭けて堕天使とは手を組まないと宣言し、ゼノヴィア達もその言質を取った事で良しとし、部室を辞そうとしたが、ここでもう一悶着あった。
ゼノヴィアが偶然見かけたアーシアを「魔女」と蔑んだのだ。案の定イッセーが大激怒。教会全てを敵に回す発言をし、更に爆発寸前だった祐美もイッセーの言に乗り、一触即発の空気となった。
リアスも対応に困った状況をまとめたのは当のゼノヴィアだった。上層部には知らせない私的な決闘としてイッセーと祐美の挑戦を受けてくれたのだ。
校庭に結界を張り、イッセー対イリナ。祐美対ゼノヴィアで決闘が始まった。
イッセー対イリナは正直酷かった。「
祐美対ゼノヴィアは【
決闘が終わり、イリナ達は去った。去り際にイリナが何か言いたそうにしていたが、結局何も言わず去って行った。
そして祐美もまた眷属から抜けると宣言し、リアスの元を去った。リアスが必死に止めるも聖剣への復讐心は消せないどころか先程の敗北で更に燃え上がったのか、リアスの静止も聞かず、この場から姿を消した。
「私は仲間達のおかげで逃げのびる事が出来ました。だからこそ、彼らの恨みを私は晴らさなくちゃいけないんです・・・・」
姿を消す前に言った祐美の言葉がやけに俺の心に引っ掛かった。
あの夜から数日後、俺はリアスからひとつの密命を受けた。その密命とはイッセーと小猫ちゃんが隠れて何をしているのかを探る事だった。
最近のイッセーは放課後になると小猫ちゃんと共にこそこそと何処かへ出掛けている。隠してるつもりなんだろうが俺らからすると何かやましい事をしているのがバレバレで、問題を起こす前に俺に何をしてるのか探って、場合によっては止めるように命じられたのだ。俺はイッセー達から200m程離れて魔力で視力と聴力を強化して様子を窺っていた。
イッセーと小猫ちゃんは校門でシトリー眷属の匙と合流すると、そのまま校外へ出て、近くの公園で祐美と合流した。あれから学園も欠席しており、リアスの電話にも出ないから心配していたが、思ったよりも元気そうで安心した。
それから四人で人気のない所をあちこちと歩き回っている。どうやら堕天使側の襲撃を誘っているようだ。
人気のない所を歩いているせいか、そういう所に屯する不良やチンピラなんかが祐美や小猫ちゃんを見てはイヤらしい顔をして寄って来たが、当然の如く一蹴され、男二人の出番は全くなかった。
夕方から夜に変わる頃になって捜索は終わった。町の治安に貢献した以外収穫はなく、何日も繰り返しているのか、皆の顔に疲労が見える。その時、事態は動いた。
突然白髪の少年神父が聖剣を手に襲って来た。祐美は憎悪のままに魔剣を創り出し相対する。一方、匙の神器から黒いラインが伸びて少年神父に巻き付いた。どうやら支援系の神器のようだ。イッセーも【
俺は懐からスマホを出すとリアスに電話を掛ける。コール三回でリアスが出た。
『一輝? 何かあったの?』
「ああ。イッセーと小猫ちゃん。祐美と何故か生徒会の匙の四人が聖剣を持った神父に襲われてる」
『! それで戦況は!?』
「今の所互角かな? 祐美が戦ってて匙が支援。イッセーと小猫ちゃんは聖剣相手だから迂闊に手が出せないみたいだ。──お?」
『何? どうしたの!?』
「どうやらイッセーが新しい能力に目覚めたぞ。倍加した力を相手に譲渡出来るみたいだ。戦術の幅が広がりそうだな」
力を譲渡された祐美が少年神父を追い詰める。だが嵐のような魔剣の攻撃をその少年神父はかわしきり、反撃に出る。
『そうね。それでどうなってるの?』
「凄いなあの神父。倍加した筈の魔剣の攻撃を凌ぎきったぞ・・・・イッセーがフリードって呼んでたが知ってるか?」
『! ええ。貴方が眷属になる前に戦った奴よ。教会のエクソシストでありながら堕天使に与する戦闘狂の背信者よ』
リアスが忌々しげに答える。成る程。因縁の相手だったのか。ともあれ祐美達は徐々にフリードを追い詰めていく。中でも光っているのは匙だった。匙の神器【
「おや。新しい敵が出て来たぞ・・・・バルパー・ガリレイっていうジジイの神父なんだけど、知ってるか?」
『・・・・いえ、知らないわ』
「───ちっ、リアス。あのバルパーってジジイが『聖剣計画』の子供達を処分させた張本人だそうだ。祐美が怒りまくってる」
『な、何ですって!?』
「また動きがあった。イリナとゼノヴィアが来たぞ」
フリードと刃を交えるゼノヴィア。流石に不利と見たのかバルパーに撤退を促すフリード。
「どうやらフリード達は撤退するようだ。俺は奴らを追う。イッセー達は任せていいか? 場所は駅前の───」
『───分かった。ソーナとすぐに転移するわ』
「会長も一緒なのか。お、撤退した。イリナとゼノヴィア、それに祐美が追ってる。切るぞ、後よろしく」
『ええ。貴方も気を付けて』
俺は電話を切って、祐美達の後を追った。
近くの公園に場所を移して噴水の前で正座させる。何があったかは一輝から訊いてたので、何故こんな事をしたのかを問い詰める。
イッセーが言うには祐美の復讐心を満たす為、ゼノヴィア達と交渉してエクスカリバーの破壊を手伝わせて貰ったと言うのだ。ゼノヴィア達も二人だけでは戦力不足だと感じていたようで、正体がバレないようにするなら構わないと意外にも認めてくれたそうだ。私に対してあんなに頑なだったのは何だったのかと問い質したい位だわ。
とにかくゼノヴィア達の許可も取ったので祐美も呼んでエクスカリバー破壊の為の協同戦線を張る事になったそうだ。その時既に祐美はフリードと刃を交えていたそうで、黙っていた事については後できっちり叱っておかなくちゃ。
隣でペシペシと音がするのでそちらを見ると、ソーナが匙君のお尻を叩いていた。ふむ、いいわねアレ。おしおきにはちょうどいいかしら。
「あの、祐美がフリード達を追ってるんですが・・・・」
イッセーがおずおずと手を挙げるが、
「そっちは問題ないわ。一輝が追ってるから」
「一輝先輩が!?」
一輝が見張っていた事を伝えると、イッセーも小猫も驚いていた。流石に200mも離れた場所から見ていたら気付かないわよね。
「とにかく祐美の事は一輝に任せるわ。さて、貴方達は───」
私はそう言ってチラリとソーナ達を見た。相変わらずソーナが匙君のお尻を叩いている。それを見てイッセーと小猫は自分の運命を覚ったのか、顔を青くする。
「さあイッセー、小猫。お尻を出しなさい♪」
私はニッコリ笑った。
夜の町を
逃走するバルパーとフリードを追い、ゼノヴィアとイリナ、そして祐美が駆ける。その後を
しかし、フリードは携える聖剣【
祐美は『
祐美は先程のフリードとの戦闘や先日のゼノヴィアとの決闘でも聖剣への憎悪が先走り、実力を発揮し切れていなかった。彼女本来の実力ならあそこまで下手を打たなかった筈だ。
「!!」
そんな事を考えていると、突然上空に強大な魔力を感じた。その悪意ある魔力に敵だと判断した俺は身体強化の倍率を上げて加速する。クソ、間に合え!!
あっという間に追いついたイリナとゼノヴィアを左右に突き飛ばし、先行する祐美に追いつくのと上空から魔力が放たれたのはほぼ同時だった。
「───祐美!!」
「え!?きゃああああ!!」
祐美に抱き着いた直後、強大な魔力砲の衝撃に俺達は吹き飛ばされた。
魔力砲が着弾した衝撃で吹き飛ばされた俺は祐美を抱き締めたままゴロゴロと転がり、ガードレールに背中を強く打ち付けてようやく止まった。
「ぐっ! だ、大丈夫か、祐美」
「うう・・・一輝先輩? どうしてここに・・・・?」
「そんな事より上だ、警戒しろ!」
「!?」
空を見上げると、装飾を凝らした黒いローブに身を包んだ美丈夫が月をバックに浮かんでいた。その背には十枚もの黒い翼を広げている。
「ほう。俺の魔力砲撃をかわすとは、中々やるではないかリアス・グレモリーの下僕共よ」
その男は楽しげな笑みを浮かべつつ、ゆっくりと地上に降りて来た。名乗りはしないが間違いない。
『
聖書にも名前が載る大物が今、俺達の前にその姿を現した───
読んで頂きありがとうございます。
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