久し振りなのでこっそり投稿します。
今回から北欧編のクライマックス、ラグナロクに入ります。
「う~ん、いい天気♪」
外は雲ひとつない快晴。澄み切った青空が私達の前途を祝福してるみたい、何て言ったら言い過ぎかしら。
エイルの治療が間に合ってオーディン様はもう心配いらない。更に不破一輝がトールに勝ったお陰で中立派のほとんどが
これで
「それにしてもヴァイセったらどこ行ったのかしら」
ブリュンヒルデ姉様に言われて呼びに行ったのに、ロスヴァイセは部屋に居なかった。もしかして不破一輝の所かなと思い、私は彼の部屋へと向かっている所だ。
部屋の扉を三回ノックしたけど返事がない。まだ寝てるのかな、と思ったけど時刻はもう午前七時を過ぎている。思い切って扉を押すとあっさり扉が開いた。鍵を掛け忘れたのかしら?
「不破一輝? まだ寝てるの・・・・・?」
男の部屋に無断で入るなんてはしたないかな、と思いつつ足を踏み入れ、私は言葉を失った。
散乱した女物の衣服や色とりどりのランジェリー類と室内に充満した濃密な精臭。汗や潮、果ては尿なんかが混ざり合った臭いは嗅いでるだけでクラクラして、変な気分になりそう。
ベッドを見ると部屋の主である不破一輝は確かにまだ寝ていた。でも寝ていたのは彼だけじゃない。
私は大きく溜息を吐くと窓に近づき、一気に窓を押し開けた。清涼な風と眩しい光が室内の澱みを拭い去っていく。
「さっさと起きなさい! この色ボケ共!!」
私の絶叫にベッドで寝ていた連中がモゾモゾと動き出した。
グリムゲルデに叩き起こされた
そのグリムゲルデだが、さっきからずっと俺を睨んでいる。
彼女は俺達がシャワーを浴びている間に魔術で部屋の換気をして、簡単な掃除までをしてくれたお人好しで、声がリアスに似ているので好感を抱いていたのだが、何か嫌われるような事をしただろうか?
ロスヴァイセによると九姉妹の八女グリムゲルデは変身魔術を得意とする凄腕の魔術師で、敵地への潜入やスパイ活動を主任務としているらしい。そんな彼女だが、
「あ、ゲルデ前!」
「えっ? へぶっ!!」
ゴツンッとグリムゲルデが柱に激突した音が響く。俺をずっと睨んでいた彼女の前方不注意だが、こうも見事に激突するか?
「・・・・・グリムゲルデは任務では優秀なんですが、プライベートではドジっ娘というか所謂ポンコツで・・・・・」
ロスヴァイセが蹲るグリムゲルデに寄り添いながら零す。何気に酷いと思ったが、確かにこれでスパイが務まるのかと他人事ながら少し心配になった。
案内された部屋に入ると、テーブルには様々な料理が並べられ、先に席に着いていたブリュンヒルデ達が食事を進めていた。
「遅かったな。先に始めてるぞ」
俺達の向かいに座るのは三人。ブリュンヒルデは優雅に、オルトリンデは無表情のまま黙々と、ヘルムヴィーゲは愛想良くにこやかに食事を続け、その隣にグリムゲルデが顔を赤くしながら席に着いた。
「腹が減っているだろう。まずは食べてくれ、話はそれからにしよう」
確かに一晩中運動してたから腹ペコだ。お言葉に甘えて食事を優先させて貰おう。
次々と追加される料理を黙々と平らげていると、気づけば俺とアルトリア以外はフォークを置いていた。
「さて、まずは感謝を。不破一輝、アルトリア・ペンドラゴン、君らの活躍で中立派の取り込みに成功した。改めて感謝する」
そう言ってブリュンヒルデが目礼する。
「礼ならいいわ。こちらにも責任の一端は有るし、目論見あっての事だもの。それで例の件は?」
「承知してる。我ら『北欧神話』は『聖書勢力』との和平を実現させる事を約束しよう」
ブリュンヒルデの確約に俺は安堵の溜息を洩らす。正式な調印はオーディン様が回復してからになるそうだが、良かった、北欧まで来た甲斐があった。後は、
「
「それは何故?」
「元々戦力比は開国派一、鎖国派二、中立派七だった。だが今や開国派は中立派を取り込み、八対二になっている。いくらロキとはいえ、この戦力差をひっくり返す事は出来まい」
「・・・・ロキがどこか別の神話勢力に助力を求める可能性は?」
「無い。あれはプライドだけは世界樹より高い。他の神話勢力に助力を求めるなんて死んでもしないだろう」
ブリュンヒルデの言にセラ姉さんは納得したように頷く。確かにやたらプライドが高そうな奴だった。だからこそオーディン様が開国し、俺達と交流しようとするのが許せなかったんだろう。
その時、ノックの音がして一人のヴァルキリーが入室した。
「ブリュンヒルデ様。ホーガン様がおいでです」
「構わん。通せ」
ヴァルキリーは一礼して外に出ると、入れ替わりに総髪の男が入室した。「ウォリアーズ・スリー」の一人、強面のホーガンだ。
「邪魔するぞ・・・・・何だよお前らだけいいもん食いやがって。俺は昨日からあちこち駆けずり回って飯食う暇も無えんだぞ」
「知るか。さっさと報告しろ」
ホーガンのぼやきをブリュンヒルデが一蹴する。
「ヘいヘい。バルドルの了解は取れたよ。中立派は開国派を支持するってな。これがその書類だ」
ホーガンに手渡された書類にざっと目を通し、ブリュンヒルデは頷いた。
「よかろう。それでトールの容体は?」
「怪我自体は心配無えとよ。後はいつ起きるかだが、こればっかりは何とも・・・・因みにヴォルスタッグとファンドラルは今日中に目を覚ますそうだ」
ホーガンがやれやれとばかりに首を振りつつ向けた視線を、俺とアルトリアは明後日の方向を向いて誤魔化した。
もう戦闘は起きないというのがブリュンヒルデの見解だから、トール等が寝ていても問題無いだろう。だがその時───
「「「「「!!?」」」」」
突然悪寒が走った。
何だ、この悪意に満ちた波動は!?
「皆、外を見て!!」
グリムゲルデの切迫した声に外を見て、皆が言葉を失った。
俺達の目の前で天候が急変する。
ぶ厚い黒雲が青空を覆って行き、太陽が隠される。
暖かな陽射しが閉ざされ、凍えるような冷たい風が吹きすさぶ。
「何アレ・・・・? 一体何が起こってるの!?」
誰もが戸惑いを隠せぬ中、ブリュンヒルデが曇天を見上げ、ワナワナと震えている。
そして一言、ポツリと呟いた。
「ラグナロク・・・・・・・・」
と。
その言葉は、この場にいる全員を震撼させた。
ラグナロク。
それは北欧神話における最終戦争。
悪神ロキの軍勢と神々の戦いによる世界の終焉。
神々の黄昏とも呼ばれる終末論。
───すなわち、世界の滅亡。
あまりに有名なこの神話の出来事が今、起ころうとしているというか?
その時灰色の空を
『ンフフフフ、ご機嫌よう北欧の諸君。そして
「ロキ・・・・・・・!」
忌々しげにブリュンヒルデが呟く。
魔術で映し出されたロキは黒い戦闘服と深緑のマントを纏う以外に、二本の角の生えた黄金の兜と宝玉の付いた黄金の杖を持ち、先日とは違い完全武装している。
護衛なのか
『昨日の闘いは視ていたよ。まさかガイバーがトールを倒すとはね・・・・・・ガイバーが凄いのか、それともトールが衰えたのか・・・・・・お陰で色々と予定が狂った。オーディンは生き長らえ、中立派はこぞって開国派に付いてしまった。ここから逆転する方法はひとつしか無い。・・・・・・だから起こそう、黄昏を』
この場に居た全員に戦慄が走る。本当に起こすというのか、
『見るがいい! 我が軍勢の勇姿を!!』
ロキがマントを翻すとマントがスクリーンになり、別の映像を映し出した。
それは絶望的な光景だった。
海を渡り進撃する巨人。
地の底から這い上がる亡者。
空を、海を、大地を数多の魔物が覆い尽くす。
その数、ざっと見積って数万。いや、下手すれば数10万にも及ぶかもしれない。その数は脅威の一言だ。
特に目を惹くのが100mにも及ぶ鎌首をもたげ、アスガルドを睥睨する超巨大な黒蛇と、大勢の亡者に曳かれた豪奢な輿に乗った長い黒髪の美女だった。
悪夢のような光景に誰もが言葉を失う。
『あと二時間程で我が軍勢は集結する。それまで最後の時を楽しむがいい。ンフフフ、フハハハハーーーーッ!!』
哄笑を残してロキの映像が消える。後には重苦しい沈黙が残された。
「何て数・・・・・・」
「嘘でしょ?・・・・・・あんなのどうすればいいのよ・・・・・」
絶望的な状況にへたり込むヘルムヴィーゲに俺は何も言えない。
「ロキめ・・・・・ミドガルズオルムにヘルまで引っ張り出すとは・・・・・本気でラグナロクを起こす気か!!」
忌々しげにブリュンヒルデが叫ぶ。
ミドガルズオルムは
冥界の女王ヘルは北欧の冥界ニブルヘイムの女王。どちらもフェンリルと同じく悪神ロキの子として有名だ。
悪神の子が勢揃いとはロキは本気で
「ブリュンヒルデ、ホーガン、こちらの戦力は?」
「・・・・・ヴァルハラに待機している
「各地に散らばってる
セラ姉さんに訊かれた二人が答える。
「総勢2000か・・・・・・数的には圧倒的不利だけど、それでもやるしかないわね」
そう、やるしかない。負ければ滅ぶ、これはそういう生存を懸けた戦いだ。
俺達も最早逃げる事は出来ない。ならば先頭に立って戦う方が性に合ってる。
セラ姉さんがブリュンヒルデ達と話し合うのを横目に、俺は静かに闘志を燃やした。
一時間後、
こちらの戦力は
ブリュンヒルデ姉さんがアルヴヘイムの妖精に応援を要請したけど断られたらしい。
向こうでも
もしかして、これもロキが裏で糸を引いてるのかも・・・・・?
防衛線から海と荒野を眺めていると、黒いシミのようなものがジワジワと広がっていく。
悪神《ロキ》軍は鶴翼の陣を敷いて私達を包囲殲滅しようと刻一刻と近付いて来る。
中央の軍は空の魔物と海の魔物。
海を渡り来る魔物は
右翼が悪神軍の主力の地上の魔物。
ゴブリンやオーク、コボルトやオーガ、ミノタウロスやリザードマンといった人型をしたものから
数も種類も最も多く、これらだけで10万はいるだろう。
そして左翼に陣取るのがニヴルヘイムの女王ヘルが率いる亡者の軍団。
ヘルは防衛線から1km程離れた位置に布陣すると、味方の到着を待ってか進軍を停止し、待機している。
これだけでも大変なのにその後ろにはミドガルズオルムや
しかし改めて見ると物凄い数・・・・・この軍勢を相手に私達は勝てるのだろうか。
(いけない、弱気になっちゃ駄目! ファイトよ私!)
頬をペシペシと叩いて気合を入れ直す。その時、一柱の神が嬉々として城壁に登って来て、
「どれ程・・・・どれ程待ち侘びたか・・・・・こいつを思いっ切り吹ける日を!!」
と感無量の様子で手にした角笛を思いっ切り吹いた。
(いよいよ始まる・・・・・・恋人が出来たばっかりで死んでたまるもんですかっ!!)
魂の叫びを発して気合を入れ直すと、私は正面を向いた。
初撃は私達魔術師。強力な魔術を放ち、少しでも魔物の数を減らさなくては。
前線に立つ仲間達の無事を祈りつつ、私はいつでも魔術を放てるよう、魔力を練り始めた。
開戦の合図となるギャラルホルンが鳴り響くと同時に、
バルドルは宰相の地位にある文官のトップ(因みに軍司令官のトールが武官のトップ)で、オーディン様が散々遊び歩いてるのに北欧の政治が破綻しないのは偏に彼の働きに寄る所が大きい。
バルドルの結界は破邪の結界。邪悪な魔物の侵入は防ぐが、
「魔術師隊、攻撃用意!
私の号令で後衛の魔術師隊が詠唱を開始する。そして魔物を充分引き付け、
「撃てーーーーッ!!」
一斉砲撃を命じた。
魔術師達が放つ火の玉や風の刃、氷の矢や岩の礫が近付いた魔物達に降り注ぐ。
断末魔の叫びを上げて多数の魔物が吹き飛び、後続の魔物の足が僅かに鈍る。いい調子だ。
だが、それでも魔術を掻い潜り、こちらに迫る魔物もいる。これを迎え撃つのは私達の役目だ。
「
私の号令で
「地上部隊も出るぞ!! 一匹たりとも結界に近づけるな!!」
地上でもホーガンの号令で
激突する二つの軍勢。数的には圧倒的に不利な我々だが、個々の戦闘力は上だ。最初の魔術砲撃が効いたのか、今の所戦いは我々の有利に進んでいた。
空と地上で激しい戦いが続く。
空の戦いで先陣を切るのは自慢の妹達。
私達九姉妹はオーディン様から伝説級の武具のレプリカを与えられている。レプリカと侮る事なかれ。ドワーフの名匠が作ったいずれも『
真紅の
「槍の乙女」の意味を持つ彼女の固有魔術は
ゲルヒルデの武具は竜槍オートクレール。竜殺しの魔力を宿し、固い鱗すら貫く剛槍で、北欧随一の槍使いである彼女が持てばまさに一騎当千。今も襲い来る
風を纏った天馬が魔物の間を突き進む。攻防一体の風を纏った斬撃は着実に魔物を斬り裂き、魔物の攻撃を弾き返す。九姉妹の三女・オルトリンデだ。
「刃の乙女」の意味を持つ彼女の固有魔術は風。剣姫と称される剣の腕から神剣バルムンクを与えられた彼女は、立ちはだかる敵を悉く葬り去る最速の
血生臭い戦場に似つかわしく無い澄んだ歌声が響く。九姉妹の四女・ヴァルトラウテだ。
「勇気の乙女」の意味を持つ彼女の固有魔術は歌。ヴァルトラウテの歌は恐怖を克服し、戦意を高揚させる勇気の歌。烈槍ガングニールを手に戦場を翔ける彼女の歌声に勇気付けられ、圧倒的戦力差にあっても多くの戦士が士気を維持しつつ、奮戦している。この状況下において頼もしい存在だ。
彼女に近付く魔物が一刀のもと斬り裂かれる。九姉妹の五女・シュヴェルトライテだ。
「剣の乙女」の意味を持つ彼女の固有魔術は切断。絶対無敵の剣──絶剣と呼ばれる北欧最強の剣士で、剣の腕なら私やオルトリンデすら凌ぐ天才剣士だ。手にした聖剣ティルフィングが煌めく度、確実に魔物の数が減っていく。
魔物の攻撃を時には受け止め、時には弾き返す頼もしい存在が戦線を維持している。九姉妹の六女・ヘルムヴィーゲだ。
「兜の乙女」の意味を持つ彼女は鉄壁の防御力を誇るスヴェルの楯を持つ最硬の
「
翳した短剣から毒々しい紫色のオーラが放出され、九つの首の竜を形作る。ヘルムヴィーゲの固有魔術は毒。彼女はかつて
強力な毒に覆われ、巨大な魔物が異臭を放ち溶けていく。相変わらず可愛らしい容姿に似合わぬグロい魔術だ。
長い黒髪を靡かせ、一人の
「勝利の乙女」の意味を持つ彼女の固有魔術は破撃。衝撃を自在に操り、それを攻撃や防御、飛行などに用いている。
ジークルーネが着けている黒いロンググローブが彼女の武具・神装ヤールングレイプル。装着者の能力を数倍に高めるその武具は彼女の力をより強化し、その名の通り数々の戦いで勝利をもたらして来た、頼りになる存在だ。
突如天空から降り注いだ光の白刃が魔物の群れを薙ぎ払った。九姉妹のハ女・グリムゲルデの魔術だ。
「仮面の乙女」の意味を持つ彼女の固有魔術は変身。その魔術を使った諜報活動や破壊工作などを主任務とする彼女は他の姉妹と違い単独行動する事が多く、それ故に魔術だけじゃなく体術にも秀で、単体での戦闘力は高い。
光杖ブリオネイクを用いれば今のような戦略級の魔術すら放つ優れた魔術師でもある。
後方から放たれた
「白馬の乙女」の意味を持つ彼女は優れた
得意技は八属性の魔術を一斉に放つフルバースト。魔力を高める魔杖ミストルティンを用いて放つその魔術はたった一人で一軍にも匹敵する。
地上の戦いで目立つのはホーガン、そして
ホーガンはヴァン神族出身の客将であったが、ヴォルスタッグやファンドラルには無い堅実さと広い見識がトールに気に入られ、今では参謀を務める男だ。
今も
魔物の群れに切り込み、着実に数を減らしていく集団がある。我々戦乙女の契約者、
世界中から選ばれた勇者に相応しい男達。その戦闘力は伊達ではない。
青い髪の王子は光輝く剣を手に迫り来る飛竜を斬り裂き、白髪に紅い目の少年は二本のナイフを手にミノタウロスと斬り結ぶ。
赤いシャツを腕捲りした赤毛の中年男性は固く握り締めた拳で魔物を殴り倒し、黒ずくめの剣士は得意の二刀流で魔物を斬り裂いていく。
青い戦闘服を纏ったポニーテールの少年が魔物の攻撃を軽やかに回避、反撃の魔術を放てば、二丁の拳銃を持った男が右の拳銃で敵を撃つと跡形も無く消滅させ、左の拳銃で負傷した味方を撃つと何事も無かったかのように復活させる。
後方では軍師なのか亜麻色の髪の少年が周りに指示を飛ばし、戦線を維持している。
いずれも一騎当千の勇者達。彼らと契約したのは全て
「ブリュンヒルデ様!!」
戦況を眺めていた私に鋭い声が届く。振り向くと
「それでも突破して来る奴はいるものだな」
皆がこれだけ奮戦していてもやはり数の差は如何ともし難い。
私は焦る事無く抜刀し、すれ違い様その
私──九姉妹の長女・ブリュンヒルデの固有魔術は炎。あらゆる不浄を焼き尽くす浄化の炎だ。
本来なら私も皆と肩を並べ最前線で戦いたい所だが、戦いはまだ序盤、敵の本隊はこれから来るのだから、私が力を使い果たす訳にはいかない。
未だ動かないロキの本隊──ヨトゥンヘイムの霜の巨人や冥府の女王ヘルと亡者の軍団。そして世界蛇ミドガルズオルム。そいつらと戦うには私も全力を尽くさねばならない。くそっ! ロキの居場所が分かればそこを急襲して一気に戦いを終わらせるのに!!
激しさを増すを戦場に厳しい視線を向け、私は歯がゆさに唇を噛んだ。
「ふむ、思ったより抵抗が激しいな・・・・・それだけ連中も必死という事か。クク、無駄な事を・・・・」
左右にスコルとハティを従えた
私がこの日の為に用意していた魔物は15万以上。それにヘルが率いる亡者の軍団やヨトゥンヘイムの霜の巨人が加わり、総数20万もの軍勢がヴィーンゴールヴを目指し進軍している。
狙うはただひとつ、オーディンの首のみ。
確かに
ここ百年程北欧で大規模な戦いは起きていない。それ故にこの戦いが久々、もしくは初めての者も多い。そんな連中が際限無く襲われ続ければ肉体的にも精神的にも疲弊し、いずれ戦えなくなる。
北欧にはこれ以上戦力は無く、聖書勢力も私の結界に阻まれ援軍を送れない。時間が経てばこちらが有利になるだけだというのに、奴らは足掻くのをやめようとしない。そんな姿が滑稽であると同時に何故か腹立たしい。
「フン、早目に次の手を打つとしようか」
私が杖を振ると霜の巨人が雄叫びを上げて進撃を開始する。
今回参戦してる巨人は30体。ほとんどが10m前後の兵卒級だが、20m以上の隊長級が2体と30m位の将軍級が1体いる。
巨体を誇る霜の巨人は兵卒級1体だけで
「今の君らに巨人と戦える者が何人居るかな? ガイバーとその
私は盤上の
さて、これを止めらる者は現れるかな?
読んでいただきありがとうございます。
今回は北欧側の戦士達の紹介のようになりました。
九姉妹と彼女らのエインヘリアルが誰なのか分かったでしょうか。
今回一輝の眷属に対するアンケートを設けましたので、協力していただけると助かります。
次回は雷神復活をお送りします。
一輝の眷属にドラゴンを入れたいのですが、誰がいいでしょう?
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トール(小林さんちのメイドラゴン)
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タ二ア(追放されたビーストテイマー)
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ライカ(スライム倒して300年)
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ティオ(ありふれた職業で世界最強)
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巴(月が導く異世界道中)