「ほんでな、その時ウチなー」
私たちは団の食糧やらを買いに街へ買い物に出掛けた。
買い物はつつがなく終わり、今はその帰り道だ。
横にいるユエルちゃんとても楽しそうに話している。
それに対してウチは所々で相槌をうちながらも、静かに聴いている。
中身は他愛のないものばかり。それでもウチの心はとても暖かくなる。
ああ、この時間がずっと続けばええのに。
そんなことをついつい考えてしまう。
「でな、その時グランがな……って、どないしたん?」
「えっ……いや、何でもないよ!」
思わず声が大きくなる。アカン、こんな事でも動揺してたらユエルちゃんを悲しませてまう。
でも、心の底から這い出てくる暗い感情が嫌でも顔に出てしまう。
その名前を聴くだけで、脳裏にあの時のことが……。
「どうしたの……?」
「ヒッ……」
突然後ろから声を掛けられる。それは丁度今、恐れを抱いていた相手。
な、なんで、なんでここにも?
「ヒッ、って本当に大丈夫?」
「そやでソシエ。団長にそんな驚くなんて失礼やで?」
言葉が出てこず、ただその人の顔だけを見てしまう。
身体が急に重くなる、全身から冷や汗が止まらない。
嫌や、ウチはもう嫌や。
「で、なんでグランも来てんの? 買い出し当番はウチらやで?」
「いや、買い出しとは別に欲しいものがあってさ」
視線を横にいるユエルちゃんに向けようとする。ユエルちゃんならきっと助けてくれる。
そうだよ。ユエルちゃんに今話せばもう苦しまなくて……。
「体調が悪いなら手伝おうか?」
手を掴まれる。団長が手を掴んできた。
さほどその手に力は込められていない。その筈なのに、分かっているのに、私は全身が麻痺したかのように錯覚してしまうほどに身体が固くなる。
団長と視線が絡む。その視線がツーと横へと誘うように動く。その先には人目の付かない路地があった。
その意図を察し、断りの意味を込めて視線を外そうとするも今度はしっかりと痛みを伴うように手に力が込められた。
それだけで私の反抗心は心の底へと隠れてしまう。
「顔が青いし少し休んで行った方がいいかもね」
「ホンマやん! 本当に大丈夫なんかソシエ?」
その言葉に大丈夫と答えなければいけないのに、口から言葉が出てこなくてただ黙りこくることしか出来なかった。
「しゃーないわ、荷物はウチが先に船に届けとくから、グランとソシエは後からゆーっくり帰ってきーや」
ユエルちゃんが親切心からとんでもないことを言っている気がした。けどもう私は団長の手に込められた力に身も心も拘束されていて全く動けなかった。
そしてユエルちゃんが私の分の荷物も持って先に船へと向かっていった。
団長と二人っきりになってしまった。
「……い、いつから」
「いや本当に偶然。まぁ信じて貰えないだろうけどさ」
そう言って団長は私を暗がりへと連れ込んだ。
「ヒッ……アッ……イヤっ……♥」
そして人目から離れた瞬間に団長は私の下着の中へスルリと手を入れて、そのまま股をまさぐり始めた。
「そんなこと言って、もう濡れ始めてるじゃないか」
「そ、それは……アッ……♥」
身体が言うことをきいてくれへん。寧ろ団長の指に従順に従うように敏感に反応してしまう。
身体の奥底の芯から染み渡ってくる熱はあっという間に全身へと行き渡る。
視界が涙で滲み、喉がつっかえるように感じられる。
団長を誹る言葉を吐きたいと思えど上手く出ず、逆に媚びるような嬌声がどんどんと漏れ出てしまう。
何でなんや……何で……。
理不尽や。こんな簡単にも弄ばれるなんて理不尽や。
嘆きの言葉が何度も頭の中を駆け巡る。しかしだからと言って状況は好転しない。
「イッ……アッ……クゥゥ~~~♥」
そして呆気なく私はイカされた。
足を情けなくガタガタ震わせながら、下着を溢れ出た愛液でびしょびしょに濡らしてしまう。
頭が高まった熱でボーっとする。
荒く息をつき、足に力が入らない私は団長の腕にしがみつくしかなかった。
「その姿勢、誘っているようにしか見えないよ」
団長がふと、しがみつく私を見下ろしながらそんな事を言ってきた。
確かに今の私は団長の腕に寄りかかり、胸を押し付けて誘っているようにしか見えない。
なんなら、今ので服が乱れてはだけてしまい胸元が大胆に見えてしまっていた。上から見ている団長にはもしかしたら見えてはいけない所まで見えてしまっているかもしれない。
「そ、そんなんやな……んムッ♡」
その事に気づいた私は反射的に否定し身体を離そうとした。しかし団長はそれをさせまいと逆に身体を引き寄せると、私の口を自らの口で塞いできた。
そしてそのまま服の中に手を入れ、私の乳房を揉み始める。
嫌や、私の恥ずかしいところを触られるのは嫌や。
けど私の身体はその想いとは真逆に、全く動かず成すがまま。
悔しさが涙となって滲み出すが、体は相変わらず素直なままだった。
どうしてこないなことになったんやろうか。
団長の舌が強引に口の中に入ってきて私の舌を絡め取って来る。
情緒も甘さも何もない獣のそれに最早なんの感慨も抱くなってきた自分を何処か遠くのことのように感じながら、私はあの時のことを思い出していた。
それは本当に突然のことやった。
なんの前触れもなく、団長が私を部屋に入ってきて夜這いしにきた。
突然のことに驚いた私は抵抗しようとしたんやけど、団長の力はとても強く、私はあっさりとベットの上に組み伏された。
そしてそのまま私は処女を奪われてしまった。
あまりにも突然に、あまりにも呆気なく。私は大切なものを団長に奪われた。
その時同じ部屋にはユエルちゃんがいた。とても穏やかな寝顔だったことをよく覚えている。
私が団長に無理やり服を脱がされて全身を好き放題に弄ばれ、与えられる初めての感覚に戸惑いながらベットのシーツを握りしめ嬌声を上げている中。ユエルちゃんはぐっすりと眠っていた。
事が終わった後、団長は何も言わずに部屋を出て行った。
そしてその場に残されたのは、脱ぎ散らかされた私の寝間着。噴出した分泌液で出来たシーツのシミ。とろりと零れ落ちる団長の精液。そして裸で蹲ったまま、ただただ泣くことしか出来ない情けない女だけやった。
その後、団長の行為はますますエスカレートしていき。隙をみては手を出してくるようになった。
「フウッ……アゥ……アッ……♥」
「相変わらずよく締まる。気持ちいいよソシエの中」
壁に手をつかされ、おしりを突き出した状態にさせられた私は団長に後ろから突き犯されている。
団長が荒々しくソレを出し入れする。それに合わせて私のおしりが波打ちヂュパヂュパと水物の音がする。
膣口の肉が団長が腰を引くのに合わせて引っ張られるのを感じる。そして一気に中へと差し込まれると、体の奥底まで響くような衝撃が伝わる。それに耐えようと私は全身に力を込めてしまう。
俯き、ただ喘ぐことしか出来ない私の視線の先には路地裏の暗い地面と、揺れる視界の下部を出たり入ったりする胸元から零れる私の胸だけしかなかった。
情けなさで思考が閉じてしまいそうなる。けど団長はそれを許してくれない。
少しでも反応が緩くなると、団長は私のお尻から生えている尻尾の根本の辺りを手でキツく握ってくる。
その度に全身に走る稲妻のような感覚に私は無理やり覚醒させられ再び獣のような声をあげさせられる。
王家の証。一族の誇りたる大きな尾は今では私を縛る鎖のような役割を果たしていた。
ある時団長がこの尻尾についてこんな事を呟いていた。
「案外王家ってのも、身体で手に入れた称号なのかもしれないね」
それは許されない嘲りだった。
その時ばかりは私も本気で怒ろうとした。しかしそのすぐあと、根元を強く握られただけで私はあっさりと屈してしまい、それが事実なのではないかと体に教えられてしまった。
「そろそろ出すぞ」
「ハッ……ハッ……ハッ……♥♥♥」
団長の動きが一層激しくなる。膣壁に擦れるペースが早くなり、否が応でも高まっていく。
外に出して。そう懇願するべきだと頭の中では分かっていた。
しかし団長は外に出す気は無い。こちらの事もお構い無しに中に出す。これ迄もそうだったし今もそのつもりだろう。
また何時ものように子宮に熱いものが注がれてしまう。全身が痺れるような感覚に包まれてしまう。情けない雌にさせられてしまう。
ああ、でもどうしようも無い。
「ウッ………クッ……!」
「~~~~ッッッ♥ ~~ッッッ♥♥♥」
勢いよくそれが中に注がれたのが分かった。
団長の中から私の中へと出てこれたのが嬉しい。そう言わんばかりに膣内で飛び跳ね蹂躙する。
全身を刺し貫く快感に私は歯をかみ締めて耐えるしかなかった。
そして出し切った団長は私の中からソレを抜く。それと同時に私は力尽き、壁に寄りかかるようにズルズルとその場に座り込む。
服を捲り上げられ、下着を剥がされて外気に晒された陰部からはドロっとしたモノが溢れ出るのを感じた。
これで何回目だっただろうか。このままじゃ私……。
最早涙すら流れず、私は暫くその場で呆然として座り込んでいた。
すると団長がそんな私に声をかけてきた。
「ところで気づいてるの、ソシエ」
「……何を?」
「最後自分から腰を振ってたこと」
……えっ。
声にならなかった。
そんな事ありえへん。団長はんが嘘ついてるだけや!
そう叫ぶべきだった。
けど、何故か私はその言葉に何も言い返せなかった。
その後、私は団長と2人で船へと帰った。
心配してユエルちゃんが何度も大丈夫かと聞いてきてくれたけど、私は何もそれに答えられなかった。
その夜、私はシャワーを浴びながらオナニーをした。
初めてじゃない。いつ頃からか団長に求められた日は決まってするようになっていた。
片手は胸を遮二無二揉みしだき、もう片方は団長のモノを思い出しながら必死に切ない所を掻きむしった。
まだ膣内に残っていた団長の子種を私は指で掬い、口へと運んで舐めた。シャワーの水に混じってほのかに苦味があった。
時間も忘れて私は自慰に耽った。
そして終わった後で、私は団長のあの言葉を思い出す。
自分から腰を振っていた。
……あの時私は否定出来なかった。なぜなら心のどこかでは気づいていたから。
私も楽しんでいたことに。
そしてその事に気づいたことで数珠繋ぎのように今までの自分が繋がっていってしまった。
ああ、そうなんや。嫌なのも事実やけどそれと同じかそれ以上に団長を求めてしまっている自分がいたんよ。
そう……ウチは団長はんが好きなんや。
襲われる前からウチは団長に恋してた。けど、叶わないとも思っていた
だってユエルちゃんもそうやから。
団長はんのこと話す時のユエルちゃん。とても楽しそうやったもん。
だからウチは諦めた。諦めようと思った。
そしたら団長が私を襲ってきてしもうた。
嬉しかった。ユエルちゃんがいたのにウチを犯してくれた事が。ウチのほうが求められている、そう思えて。
ユエルちゃんはウチに無いものぎょーさん持ってる。それがずっと羨ましかった。
けど、団長はんだけは。私の好きになった人だけは譲れないんや。
ふと。近くにあった洗面台の鏡が視界に入った。
そこには、酷く歪んだ顔で笑みを浮かべる一人の女がいた。
それは紛れもなく私。色欲に溺れ、友人を陰で笑う醜い私。
それを見て私は静かに笑みを深くした。
それから数日後。
「んっ!♥ んァ……ハァ……ハァ……団長はん♥」
「いいよ……すごくエロいよソシエ」
私は団長はんの身体の上に跨って淫らに腰を振っていた。その身には何も纏わず、ありのままの姿で団長はんのモノに奉仕していた。
下を見れば、ウチの愛液にまみれた団長のモノが湿った淫猥な音を立てながらウチの中を出たり入ったりしている。
その光景がウチを更に駆り立てて、腰の動きを激しくさせる。
もうまともに頭は働いていなかった。ただ団長はんのモノをむしゃぶりたくて堪らない。その本能だけを頼りに動き続けていた。
「団長はんもう無理や、イきそうや♥ 出して……ウチの中に熱いの出してぇ♥」
「くぅ……出る!」
そして団長はんが達してウチの中に子種を注ぐ。
熱い、熱いものがウチの中に注がれる。
「ヘッ……ヘッ……グランのザーメン♥ グランの子供♥」
気持ちよすぎておかしくなったんやろうか。口が閉じれなくてヨダレを垂らてしまう。
団長の体にもたれかかると尻尾が止まらなくなる。
「何か犬みたいだねソシエ」
犬……?
そうかもしれん、ウチは団長の雌犬何かもしれん。
それでもいい。それでも嬉しいわ、ウチ。
そう思いながら私は心地よい眠りについた。
ソシエが嫌な女になってしまった。