パンパンと肉と肉がぶつかり合う音がする。
熱っぽい声と、荒い息。それらに交じる僅かな水音。
ベットの軋みは当人達には聴こえておらず、恥ずかしげもなく部屋の外にまで響き渡っている。
程なくしてその音は止まった。行為の目的が果たされたからだ。
目的を果たした人物、グランは下半身から何かを取りベットの上に投げ棄てる。そしてベットから降りると服を着た。
着終わったらそのまま何も言わず部屋から出ていった。
残されたのは脱ぎ散らかされた衣服と、散乱した精液が詰まったコンドームと、うつ伏せの状態で放心している女性、シルヴァだけだった。
その後正気を取り戻した彼女は、下着は履かないままで衣服を着ると、他の団員の目から逃れつつシャワーを浴びに行った。
頭から心地よい温水を浴びながら、シルヴァはどうしてこうなってしまったのかをずっと考えていた。
最初は依頼を終えた後の打ち上げでのことだった。
その日は幾つかのトラブルが発生したが上手く対処する事が出来て、更に報酬も良かったため団の皆はとても上機嫌だった。
そして私もその例に漏れず、とても上機嫌に酒を呷っていた。
酒は弱い訳では無かったが、さりとて特別強くもなかった。それはある意味では一番酒に注意しなければいけないという事だったのだが、それを身をもって知った時にはもう手遅れだった。
酒に酔いつぶれた私が窓から差し込む朝日で目を覚ますと、目の前には団長の寝顔があった。
訳が分からない私は団長の体温が直に感じられることに気づいた。
眠気が消し飛ぶのを感じる。布団の下にある私の体は下着の一つも身にまとっていないことが分かる。それはつまり裸だということ。
足元のシーツが湿っていた。股の辺りが妙に痛い。周りには白いものの詰まったゴム袋が散らばっていて、それから発せられているのか、何か生っぽいもの臭いがする。
次々に分かる事実がどうしようも無い現実を突きつけてくる。
私は酒に酔った勢いで団長と身体を重ねてしまった。
その事実に気づくのと同時に、団長は穏やかな眠りから目を覚まして私に普段通りの朝の挨拶をくれた。
その日から私は団長との肉体関係が始まった。
日をほとんど置かずに団長はまた私を部屋に誘ってきた。そしてそれの意味を知りながらも、断りきれなかった私は部屋の中に入っていった。
酔っ払っていて覚えていなかったので、二回目で初めて団長という男の性欲を知ることとなった。
目が覚めた時に視界に入ったコンドームの数で気づくべきだった。団長の性欲は底なしで、私が気絶してしまってもお構いなく貪ってきた。
性経験が無かった訳では無い。この団に来る前、独りだけで活動していた時に行きずりの騎空士と肌を重ねたことが何回かあった。
殆ど性欲処理の為だけの作業的な行為ではあったが、それでも男というものを経験していた。
だからこそ団長の相手をしながらどうにか辞めさせる方向に持っていけないだろうか。そう最初は思っていた。
けど団長は桁外れだった。
一回り以上も年下の少年に私は翻弄された。的確に弱点を責められ、尚且つ己の欲求に従って荒々しく身体を打ち付ける。
道具のように乱暴に扱われているのに、襲いかかってくる快感が尋常ではなく忌避感が全く湧かない。逆にその暴力的なソレを心の内では求めてしまっていた。
最初の想定とは真逆の展開になってしまっていた。頭の中でどうにかしなければと何度も何度も焦燥感が湧き上がっていた。
しかし一晩中団長に貪られた私の身体は、心は完全に屈してしまっていた。
その後もことある事に団長は求めてきた。街中で、森の中で、洞窟で。
仲間が近くにいようとお構いなしに団長は求めてきた。そして私はその尽くに応じて身体を許してしまう。
一回経るごとに理性が欠けていく実感があった。
要求が過激になっても抵抗の一つも考えられなくなっていた。
嵌っている。底なし沼のような致命的なモノに嵌っている。
シャワーを浴びながら、私は自らの秘部へと手を伸ばす。
そこは温水を浴びながらでも尚分かるほどに熱くて、そして粘ついていた。
次の日。工房での仕事の関係で船を離れていたククルが戻ってきた。
久しぶりに会ったククルは変わらず元気なようでとても嬉しかった。
ただ、ククルには何も問題は無かったが団長がククルを見る目に嫌なものを感じた。
団長の性欲が留まるところを知らない事はよく分かっている。だからこそククルにまで手を出してしまう気なのかと考えてしまう。
それだけは流石に止めないといけない。そう思った私はその日の夜団長の部屋へと向かった。
「ククルの胸って見た目以上に大きそうだよね?」
団長が頭上でそう問いかけてくる。しかし私は頭を両手でしっかりと掴まれて、下半身に押し付けられているので答えることは出来ない。
息が苦しく、涙が滲む。嗅覚も味覚も団長の肉棒に蹂躙されている。
頭がおかしくなりそうだ。いやもうおかしくなっているのかもしれない。
私は団長を諫めに来た筈なのに、気づいたら団長のモノを咥えさせらていた。
強引にでは無い。そうであったら寧ろ抵抗出来ただろう。
団長に身体をまさぐられただけで身体が、頭が性欲に塗りつぶさてしまった。
そして団長がその雄々しい槍を見せつけてくる。それを目にした瞬間私の脳裏には今まで注ぎ込まれた快楽の記憶が一気に浮かび上がってくる。
視線が釘付けにされ疼きが高まる。理性が白紙にされる。
知れず口内に溜まった唾を飲み込んだ時、もう思考は口の中を満たすその熱い肉棒に染まっていた。
私は団長に促されるでもなく自らの意思でその場に跪き、ソレに口付けをして、そのまま口の中へと咥えこんだ。
今までは団長に求められた事に応じていただけだった。しかし今回は私から歩みを進めてしまった。この差異はとても大きなもののようで思った以上の屈服感があった。
もう私は団長に逆らうことが出来ない、そう思ってしまう程に。
団長は私の口の中に一回吐き出してから、間髪入れずに私をベットに押し倒し足を押し広げて犯してきた。
勢いでコンドームを嵌めていない事には直ぐに気がついた。
しかし直接肌で感じる団長の槍の熱は想像以上で、それによって頭を駆け巡る痺れるような快感は、その事を指摘することもままならなくさせてしまった。
「ねぇ、今度ククルを俺の部屋に呼んでくれないかな? 信頼してるシルヴァに言われたら、ククルは何も疑わずに来ると思うんだ」
横に寝ながら後背位で責め立てくる団長が耳元でそう言ってきた。
案の定団長はククルにも手を出すつもりだったのだ
断らなければいけない。それを止めるために来たのだから。
しかし断ろうとする度に団長は私の敏感な所を執拗に責めてきて無理やり言葉を遮ってきた。しかも団長は完全に達する1歩手前でいつも責めを止める。
限界まで高められた疼きが、発散されることなく内に残るのは想像以上に辛かった。息も絶え絶えに、意識を保つので精一杯なほどだ。
そしてそんな疲れきった私に改めてやってくれるよう団長は頼んでくる。
脅迫だった。ククルを差し出さないと苦しむだけだぞという。
頭の中で理性と本能がせめぎ合う。
血は繋がっていないとはいえ妹同然の存在であるククルを、この獣のような団長に捧げてはいけないという思い。
全身を掻きむしりたくなるような酷い疼きに苛まれる続けることから、一秒でも早く解放されたいという思い。
そのどちらかを私は選ばなければならない。選ばなければならなかった。
だから私は……。
夜の帳が降り、手元の灯り以外は暗闇に沈んだ船の廊下を私は一人歩いている。
何処を見るでもなく淡々と前へと進み、目的地に辿り着く。
そこは扉の隙間から光が漏れている部屋だ。
そしてその光と共に音も漏れ出ていた。
肉と肉がぶつかる音。ベットの軋む音。僅かな水音。
そして非難しながらも静止を促す女の声。
私はその扉をノックもせずに開けた。
部屋の中ではベットの上で団長が荒々しく腰を振っていた。
そして団長にバックから犯され、切ない声をあげるククルの姿。
止めて。何で。嫌。痛い。許して。
そんな言葉の羅列をククルはうわ言のように繰り返す。情に訴えかけるような切ない声だが、今の団長にはそれは逆効果だろう。
ククルの若く瑞々しい肌の内腿に一筋の黒い線のような物が這っているのが、団長の動きの隙間から見えた。
あれは破瓜の血だろう。つまりは処女を失った証だ。
そして床を見渡すと中が詰まったコンドームが散らばっていた。それなりの数があったので既にかなりの時間続けているのだろう。
初めてでコレはかなりキツイ筈だ。実際、灯りを持って入ってきた私に気づいていない様子だ。意識も朦朧としてきているのだろう。
団長の動きが激しくなりククルが息をするだけで精一杯になる。
そして腰をククルの柔らかそうなお尻に強く押し付けるとその状態で静止した。ククルは声にならない悲鳴をあげながらその華奢な身体を震わせていた。
団長が離れると、ククルの膣口から尻尾のようにコンドームの口の部分が垂れ下がっているのが分かった。抜く時に外れてしまったようだ。
そしてククルは少しの間何かに耐えるように四つん這いの姿勢を保っていたが、長くは持たずそのままベットに崩れ落ちた。
ククルは気絶してしまったようだった。
「最後の締め付け凄かったよククルお姉ちゃん。コンドーム取られちゃうくらいだもん」
団長はそう言いながら、ククルの膣口からはみ出ているコンドームを手で抜いた。
中は並々と注がれた精液で一杯だった。それを見ていると昨日の事が思い起こされて下腹部が締まる感じがした。
結局私はククルを裏切った。快楽に負けたのだ。
団長は傍にあった飲み物に口を付けてから私に近づいてきた。
出したばかりのはずの団長の肉棒は未だ悠然と勃っていた。
そして団長は私に壁に手をつかせ後ろを向かせると躊躇いなく挿入した。
そして変わらず激しく奥の奥を突いてくる。
昨日と同じように子宮をこじ開けようとしてくる。
そして私も昨日と同じように、それに答えるように子宮を差し出してしまう。
それが齎す意味を知っていながらも抗えない快楽の荒波に飲まれていく。
私はこんなに愚かな女だったのだろうか。
こんな無責任で淫乱な女だったのだろうか。
分からない。いやどうでもいい。
今はただ、この心地よい熱と痺れを楽しんでいたい。
そして私は団長の精を何度も中で受け入れた。