この団に来てからそれなりに時間が経った。
最初は何処か畏敬のようなものをこの団に感じていた。
私たち秩序の騎空団とはまた違った形で人々を助けているその姿は、とても眩しく。まるで物語の主人公そのもののように見えた。
羨ましくもあり、悔しくもあり、嬉しくもあった。
追いつきたい。この輝きに少しでも近づきたい。そう純粋に思えた。
しかし今ではそうは思えなくなっていた。
ある日この団に……いや団長さんに問題がある事が分かったからだ。
「……ッ!? 何をしているんですか……団長さん……ッ!」
最初それを見た時言葉を失った。
偶々団長の部屋の扉が半開きになっているのを見つけた私は中を覗いてしまった。
そこでは団長が幼い少女を犯していた。
見覚えのある少女だ。確かこの団に所属しているヤイアというドラフの子だったはずだ。正確なところは分からないがその見た目からは彼女は二桁にも満たないように見えた。
一瞬目眩がした。目の前の男はそんな無垢な少女に乱暴な獣性を躊躇うことなくぶつけているのだから。
衣服は前がはだけさせられており、その齢には似つかわしくない豊満な胸が動きに合わせてプルプルと震えているのが見える。
涙や鼻水でグチャグチャになりながら少女は泣き叫んでいる。しかし男はそんなことに意を介さずにひたすらに己の欲望を満たすことに専心していた。
その姿に私は隙だらけだと思った。そしてそう思った時には既に手が剣の柄に伸びていた。
躊躇は一切無かった。こんな男の首は切り落とすべきだと確信していたから。
しかしそれは出来なかった。踏み込んだ瞬間に後ろから何かが襲いかかってきて床に押さえつけてきたからだ。
「油断し過ぎじゃないか、お前?」
後ろから別の少女の声がした。
押さえつけられながら後方を見ると、そこにはかの悪名高い錬金術師カリオストロがいた。
そして今私を押さえつけているのが大きな蛇だということも分かった。
カリオストロは私の方に一瞥もくれずに団長の方に声をかける。するも団長は動きを止めないままに、首だけ動かしてカリオストロの方を、それと、私の方を見た。
「あれ? 何でリーシャがここに?」
「お前が扉を閉めることすら忘れて楽しんでるからだ、バカ」
「ああ、そういう……こと……っ!」
団長はそう言って腰をヤイアちゃんに押し付けた。暫くしてから腰を離すとおぞましい量の白い液体がヤイアちゃんの性器から溢れだしてきた。
血の気が引いた。この男はなんの躊躇いもなく年端も行かない少女の中に精子を出したのだ。
ヤイアちゃんは何をされたのかは分かっていないだろうが恐ろしいことをされた事だけは理解しているのか、ただただ泣きじゃくることしか出来ずにいた。
「お前たち一体何をしているのか分かっているのかッ!」
湧き上がってくる義憤のままに私は叫んだ。目の前で行われた暴力に私は耐えきれなかった。
「何って……実験だよ」
後ろにいるカリオストロがそう言うと、私の見えるところに何か液体が入った瓶をぶら下げてきた。
「いやな、エルーンやドラフに発情期があるならば、他のヒューマンやハーヴィンには似たようなものが無いのかって思いたってな。それでヒューマン用に調整したコイツを作って試しに飲ませてみたら、思った以上に効果が出ちまってな。いやはや、団のガキに手出したら面倒だろうに。いや、今更か」
カリオストロの言葉が上手く頭に入って来なかった。言っていることが意味不明なのもそうだし、説明中にも関わらず目の前で陵辱が再開していることも私の思考を掻き乱してきた。
私は怒りと憎悪のままに力を込めて拘束から逃れようとする。しかし単純に物理的なもの以外にも、魔術的な拘束もされてしまっているのか想像以上に逃れようがなかった。
そしてそうやって私が情けなく床に張り付けにされている間にも、ヤイアちゃんは激しく犯されていた。
幼い少女の叫びが耳に木霊する。怒りと情けなさで涙が溢れだしてきた。
するとカリオストロが私の顔を覗き込んできた。
「ところでよ。せっかくだからお前も楽しんでいかないか?」
カリオストロは邪悪な笑みを浮かべながらそう言うと、その手に持つ瓶の蓋を開けた。
その行為の意味が何なのかは考えるまでも無かった。
団長をあんな状態にしてしまうヒューマン用の薬を、今度は私に飲ませようとしている。
抵抗はした。けど意味なんて無かった。
口を無理やり開かさせると、そこに薬を流し込まれた。
怒りで興奮しきっていた私には味はよく分からなかったが、その効果は直ぐに分かった。
急激に身体が熱くなる。血液の全身を駆け巡る速度が尋常ではなくなる。鼓動が痛かった。
しかしそれらの変化すら置き去りにして、私の意識は自らの下半身に集中していた。
熱い。灼熱で炙られてるかのように下半身が熱い。
それに異様に痒い。特に股のところ、秘所の中が掻きむしりたい程にむずむずして仕方ない。
歯を噛み締め、拳を握り締める。全身に力を込めて必死に理性を保ち、耐えようとした。しかし長くは持たないという予感をひしひしと感じていた。
「一応女の場合も試しておきたかったから来てくれて助かったぜ。グランの野郎の様子を見るに相当キツイと思うがせいぜい頑張ってくれよ?」
そう言いながらカリオストロは私から蛇を退けた。背中の圧力が無くなり息がしやすくなる。
客観的に見れば状況を打開するチャンスだ。今すぐに目の前の手放してしまった剣を握り直し、立ち上がればこの悪党たちを切り捨てられる。
しかしわざわざカリオストロが解放したということは、それはもう拘束する意味が無いということでもあった。
そして長い長い地獄が始まった。
涙と鼻水で顔を汚してしまっているのが恥ずかしく感じる。
ヤイアちゃんは叫び声をあげなくなり、変わらず突いてくる団長の動きに合わせて口から空気が漏れるだけになっている。殆ど意識は無いのだろう。
団長が際限なく出した精液がヤイアちゃんの全身にべっとりついていて、部屋中に生っぽい嫌な臭いを散布していた。
そうなるくらいの時間は既に経っていた。しかしその間私は何も出来なかった。
いや寧ろ私はその光景に浸っていたと言ってもいい。
私は幼い少女が犯されるのを見ながら、荒ぶる下半身の熱を鎮めるために両手で下半身の秘所の中を掻き混ぜていた。
床に這いつくばり、お尻を高く突き上げたあまりにも情けない姿で私は己の身体を慰めていた。
下着は既にグチャグチャに濡れてしまった為に脱いでいる。しかし中途半端に脱いでしまったのでそれは今でも片足に引っかかって丸まっている。
愛液が次から次へと溢れてきて止まらなかった。内腿が愛液でベトベトだし、幾つもの水滴が床に垂れて汚していた。
そして程なく視界が明滅し、私は何度目かの絶頂を迎える。腰がガクガクと震えて仕方ない。
どうしようもなく気持ちよかった。口をだらしなく開けて、言葉にならない声を出しながら私は快楽に浸ってしまう。
嫌悪、憎悪、恥辱、焦燥。
様々な感情が私の中で渦巻き弾ける。結果思考は止まり、本能だけが機能する。
殆ど無意識で自慰行為を再開する。掻きむしり過ぎた秘所が痛みを訴え始めていたが、構わず刺激する。
そして頭の中に目の前にあるモノを妄想する。
あの禍々しく凶暴で、熱くて硬そうでとても大きな男性器をもし私の中に入れたらどうなるだろうか。
まずそもそも入るのだろうか。私自身の指で丁度いい大きさだから、もしかしたら引き裂かれるかもしれない。
そしてそのまま奥まで侵入されて子宮まで叩かれるかもしれない。
痛そうだ。けどそうやって無理矢理押し広げられたらとても気持ちよさそうだ。
指でそれを再現しようと強く中を押してみた。すると鋭い刺激が喉元を駆け上がってきて思わず声が漏れた。
指でこれだけ気持ちいいなんて。でも指は身体の火照りと比べるととても冷たい。そう考えるとアレが実際に触れたらどうなるのだろうか。
もう一度押す時、今度は熱も妄想に加えてみる。
すると何となくだがそれはダメな気がした。実際にやられたらもう壊れる気がした。
でもそれはとても気持ちいいだろう。絶対にそうなのだろう。
少女の小さい体の中を出たり入ったりするソレを凝視する。
少女から溢れてきた愛液でテラテラに濡れたソレを凝視する。
そしてその行為を自覚して尚続けてしまった時。その時に私は壊れてしまったのだろう。
目的がすり替わった。耐えて抵抗するのではなく、解放されて満足する事が目的になってしまった。
ヤイアちゃんが気絶してしまい完全に反応が無くなった後、団長は私の方に来た。
そして後方に回り込むと、お尻を鷲掴みにした。
熱くて恐ろしくて欲しいモノが膣口に触れる感触がした。
私は何もせず、息を荒くしてその時を待った。
押し付けられる。入ってくる。押し広げられて、壊される。
そして私は処女を失った。
あれから数日が経った。
あの後のことはよく覚えていない。直ぐに意識を失ってしまったのだろう。ただ目が覚めたら全身が精液塗れになっていたから、多分それだけ激しくされたのだと思う。
中にも出されてしまった。ヒューマン同士だ、妊娠してしまうかもしれない。とても恐ろしい事だ。
けどもうそんな事は瑣末事のように思えてしまった。
ヤイアちゃんはあれ以来部屋から出てこなくなってしまった。
当然と言えば当然だ。あんな目にあったのだから。
しかし団の中では、病床に伏せていることになっている。そういう事に団長がしてしまった。
詳しいものがヤイアちゃんを診れば直ぐに分かる嘘だが。現在この船に乗っている専門家が、よりにもよってカリオストロしかいないためそれがまかり通ってしまっていた。
最初、団長もカリオストロの薬の被害者だと思っていた。しかし違った。
彼は既に幾人もの女性と関係を結んでいた。それも殆ど相手の意志を無視して。
そしてこうして事実をねじ曲げである以上、元々どうしようもない人物だったようだ。
しかし団員からの信頼は厚かった。何かが間違っているとしか思えないがそれは事実だった。
それでも私が真実を告白すれば団の人達に信じてもらえたかもしれない。秩序の騎空団として訴えれば分かってくれた筈だ。しかし私はしなかった。
出来なかったのでは無い、しなかったのだ。
何故ならば私にはもうそんな資格は無かったから。
深夜の船の廊下。団長さんの部屋の扉の前。
その扉の隙間からは中で行われている痴情が覗けた。
ヒューマンの男性とエルーンの女性が交わっている。
ヒューマンは当然団長だ。そしてエルーンの女性は確かソシエという名前だったはずだ。
彼女はエルーンの王家の末裔らしく、他のエルーンには見られないとても美しい毛並みをした尻尾を持つ女性だ。
そしてその尻尾を引きちぎらんばかりに引っ張られながら団長に犯されていた。
獣の交尾のように、四つん這いにさせられて後ろから激しく突かれている。その激しさに合わせるように彼女も脇目も振らずに喘いでいた。
艶かしい光景だ。
団長の筋肉質な身体。ソシエさんの美しい白い肌。それらが熱狂に包まれて一つになっている。
見ていると女としての本能が掻き立てられる。脳裏に幾度も羨ましいという想いが翳る。
それを無理やり理性で抑え込むも、身体の火照りはどうしようもなかった。
知らず、私の右手は下着の中に潜り込んでいた。
私は彼らの情事を覗いて自慰を始めた。食い入るように見つめながら、忙しなく指を動かした。
覚えていなくても身体には団長の大きさが刻み込まれていた。それを目の前の光景を通してより鮮明に思い出す。
声が出そうになり、私は咄嗟に俯き必死に抑えようとする。
そもそも指を止めればいい話だが、寧ろ指の動きは激しくしてしまっていた。
愛液が漏れだし、水の音がし始める。気づかれる危険性が高まる。
けど幸いにも彼らの行為は激しく、それどころでは無いようで気づかれる事は無さそうだ。
廊下から人が来る可能性にまではその時にはもう頭が回っていなかった。
そして彼らが絶頂に達するのと同時に、私も激しい快感に打ち震えていた。
下着の中から指を取り出す。扉の隙間から漏れる明かりで指を濡らす糸を引く愛液が照らされる。
熱い。それにとてもよく糸が伸びる。
私は身体を包み込む熱とそれに伴う解放感に浸りながら、下着を濡らしてしまった事を後悔していた。