熱い。
薄暗い部屋で、荒く熱っぽい吐息だけが聴こえる。
私の中に容赦なく入ってくる熱くて硬い、凶暴なソレ。
私の小柄な体を隠すように覆いかぶさる、その逞しい体。
そして絶え間なく私の熱っぽい所を嫌らしく弄ってくる、大きくとも何処か繊細さを感じるその指先。
一度、その指が私の繊細な所を嗅ぎつけてしまうと延々と弄んでくる。それに私はも情けなく体を跳ねさせて、媚びるような声を上げてしまう。
けど本当は苦しいから、どうにか身を捩ってそれから逃れようとする。
すると今度は背後からの責め立てが激しくなる。お仕置きだと言わんばかりに荒々しく体を打ち付けてくる。それに私は一際甲高く声を上げ、反射的にごめんなさいと謝ってしまう。
そうすると彼は少し勢いを緩め、耳元で愛を囁いてくれる。
そうなったらもうどうしようもない。彼の心地いい愛の声を聴きながらただ快楽に溺れることしかできない。
そして快楽に喘いでいる内に彼は達し、精を発散する事でこの行為は終わる。
その時にはもう私は、腰を震わせて快楽を何度も何度も反芻し続けるだけの情けない雌になっている。
彼、団長さんと私がこんな関係になったのは何てことのない普通の日の事だった。
以前から団長さんが複数の女性団員と関係を持っているというのは聞いた事があった。それも団長さんの方から無理矢理迫ったという話だった。
その話を聞いた時、団長さんの事を少し怖く感じた。自分の信じていた団長さんは嘘だったのだと失望したりもした。
けど、心の奥底では団長さんに求められている彼女たちが羨ましかった。
私にも迫ってくれないか。私を求めてはくれないだろうか。
そんな風に考えることもしばしばあった。なんなら、そんな状況を妄想して自らを慰めたこともあった。
そんなやや屈折した想いを抱きながら日々を過ごしていたら。ある日、理由も分からず団長に部屋に呼ばれそのままベットに押し倒されていた。
その時の団長さんの目は明らかに普段のそれとはかけ離れていて。私の事を都合の良い性処理の道具としか思っていない獣のそれだった。
けどそれこそ私が毎夜、自らを慰めていた時に夢想していた団長のそれで。
心は目の前の恐ろしい獣に恐怖しながらも、団長さんに貪ってもらえる喜びに満ちていた。
そして忘れようのない一夜が過ぎた。
ファーストキスはよだれ塗れで不快だった。処女は乱暴に引き裂かれた。気持ち良さより無理矢理押し広げられる痛みが辛かった。
初めてのそれはとても良いものとは言えなかった。けれども抵抗する度に力で無理矢理ベットに押し付けられて乱暴にされ。
心というより頭が、抵抗しない方がいいと合理的に判断し始めて。最後は為すがままにされていた。
最後は朦朧とした意識のままに、団長さんの出して汚れたそれを、舐めて拭き取っていた。
苦くて、臭くて、とても吐き気を催すものだったけど。それが団長さんの子種だと思うと愛しいもののように感じられて、積極的に行えるようになった。
その日から団長さんは無遠慮に私の体を使うようになった。
事あるごとに団長さんは、私を人気のない所へと連れ込んできて。犯してきた。
私はお尻を向けろと言われれば向け。下着を脱げと言われれば目の前で脱いだ。
そして私が苦しむのもお構いなしに乱暴に犯してくる団長に、私自身よく分からない優越感を感じていた。
普通ではない。明らかに異常だ。
私は周りの皆に現状を伝えるべきだし。団長にドロドロの憎悪を抱くのが普通の筈だ。
けどそんな事をしようとは全く思わない。寧ろこの関係に満足してすらいる。
本来私のような陰キャは、団長さんのような魅力的な人と関わりを持つことすら出来ないのだ。
そんな私が更に深く、異性として団長さんと関係を持っている事はとんでもなく幸運な事なのだ。
だから誰にも言わない。だから隠す。
この関係が崩れてしまうことが怖いから。団長さんとの関係が無くなってしまったら絶対に耐えられ無いから。
今私が、心の底から怖いと思うのは。ある日突然、団長さんに捨てられる事だけだ。
「ビカラちゃん。最近綺麗になったよね」
「ふぇ!?」
団長さんとの関係を続けて幾許かの月日が経った頃。私は騎空団の皆でアウギュステのビーチに遊びに来ていた。
そしてクビラさんと一緒にドリンクを飲んでいたら、いきなりそんな事を言われた。
「わ、私が綺麗だなんて、そ、そそんな事っ!?」
「いやいや、絶対に綺麗になってるよ。何かあったのかな……例えば恋とか?」
「こ、恋……っ!?」
当然思い浮かぶのは、とても口には出せないような団長さんとの淫らな記憶。
なんならクビラさんと合流する直前まで、団長さんに岩陰で犯されていた。
水着のフリルで隠れているが、その下には団長さんの出した精液がたっぷり詰まったコンドームが水着に挟まれている。団長さんが1日そうしているようにと言ったからだ。
少しでも大きく動いて、フリルが浮くとバレるんじゃないかとヒヤヒヤしてしまう。動く度に感じる重みでそれが落ちないかという恐怖もある。
どうしようもないのが、これらのスリルにどうしようもなく興奮している自分がいる事だ。
「ビカラってかなりのマゾだよね」
以前そんな事を団長さんに言われた事がある。そんな変態じゃないと思いたいのだが。最近確実に団長に虐められる事に興奮している自分がいるのも事実だった。
現に、団長さんとの行為からそこそこ時間が経ってるにも関わらず、未だに私のアソコはビショビショに濡れていた。
「あっその感じ! まさか本当にいるの! 誰誰?」
「えっ……あっ……そんなんじゃ……」
顔が熱い。恥ずかしさから? それとも興奮してるから?
何にせよその日はクビラさんの追求を躱すのに苦労する羽目になった。終始ニヤニヤして見てくるのがとても辛かった。
そしてその日の夜。私は一人宿の廊下を歩いていた。
目的地は団長さんが寝泊まりしている部屋。1日が終わろうとしているので、この付けているものを外してもらう為だ。
勝手に外して捨てればいいのかもしれないが、私はもう団長さんの命令無しに判断することも出来なくなっていた。
それにずっと濡れている。アソコは団長さんと別れてからもずっと熱く濡れそぼっている。一人で慰めようもないくらいに。
私は息を荒くして団長さんの部屋へと向かう。すると団長さんの部屋の近くまで来ると声が聞こえてきた。
喘ぎ声だ。それも妙に聞き覚えのある声の。
背筋をヒヤリとした感覚が通り過ぎた。
嫌な感じがする。これ以上進むと私はきっと後悔する。
けれど私は熱に浮かされるようにフラフラと団長さんの部屋へと近づいてしまった。
そしてドアノブに手をかけ、そっと開けた。
するとドアの向こうには。
「アッ♥ アッ♥ アッ♥ だ、団長さん♥ スゴい♥ 激しい♥ も、もっと♥ もっと激しくシてぇ♥♥♥」
ベットの上で四つん這いなっているクビラさんが、団長に後ろから激しく突かれていた。
生々しい水音を立てながら、団長さんは嬉嬉として腰を振る。それに合わせてクビラさんの豊満な部分が扇情的に揺れ動く。
クビラさんは普段の落ち着いた真面目な感じとはかけ離れた。涎を垂れさせた緩みきった口許と焦点の合ってない目をした情けない顔をしていた。
しかしそこには苦しみからの反発はなく。寧ろ喜悦に満ち満ちていた。
それがどういうことかは、既に体験しているビカラにとって分かりきった事であった。
思慕の情無くしてあんな顔にはならない。きっとクビラさんも団長さんの事が好きなのだ。そしてそんな団長さんに無茶苦茶にされるのが堪らなく嬉しいのだ。
私は団長さんの方を見た。団長は、やや余裕の無さげな鋭い目付きをしながらも、何処か嬉しそうだった。
何故か私はその表情を見たことが無い。行為の最中にあんな顔を浮かべる団長さんを見たことが無い。
アレ?
何かが私の中で壊れそうな気がした。
「はぁ……はぁ……ん? あぁビカラか。 ごめん、もう少し待っててくれる?」
私が半開きのドアの間に立ち尽くしていると、団長さんが気づいてくれた。けれど、今の団長さんの最優先はクビラさんの体を楽しむことのようだった。
仕方の無い事だと思う。女の私から見てもクビラさんの体は豊満で扇情的だ。私の貧相な体と比べたら、当然選ぶのはクビラさんに決まっている。
私にあんな豊満な胸はない。自らの貧しい胸に手をやる。
私のお尻はあんなに肉付きは良くない。自らのお尻を触る。
私の中にあんなに深くは入らない。自らの割れ目に手をやる。
私には……。
気づけば私は、泣きながらその場に蹲り自慰を始めていた。目の前の鮮烈な性行為を眺めながら。己の体と重ね合わせて感じていた。
うぅ……吐きそうな気分なのに凄く気持ちいい。果てしなく辛い気分なのに指が止まらない。声が抑えられない。
「アッ♥ アッ♥ アッ♥ ……えっ? ビカラちゃん!? あぅ♥ アッ♥ な、何でここに♥ アッ♥ アッ♥ まっ、待って♥ 団長さん♥」
ここで漸くクビラさんがこちらに気づいた。明らかに動揺して、何かを私に言おうとしていたけれど、意地悪な団長さんが抽挿のペースを早めてそれを邪魔していた。
勝手にでる喘ぎ声に困惑しながらクビラさんはこちらに視線を向けていた。申し訳なさそうだった。後ろめたさがあった。
けれど私は、そんな事より、自分の内から湧き上がってくる仄暗い快楽を貪る事しか考えられなかった。
そして私とクビラさん。互いの高まる間隔が狭まってきた。襲いかかってくる快楽の波が限界に近づいていた。
程なくして私たちは達した。
私は足をピンと張って、お尻を天井に突き上げるような情けない姿勢で絶頂した。
クビラさんは獣のような野太い声を上げていた。彼女の接合部からは白濁液がドロリと垂れた。どうやら生で交わっていたらしい。
羨ましい。狡い。
異種族同士だからって遠慮なく生でやれてしまうのが妬ましい。
私は芋虫のように床を這いずりながらベットに近づいた。そしてクビラさんがシーツの上に零したソレを舌で舐めとった。
団長さんの精液。団長さんのザーメン。団長さんの子種。
味はどうでも良かった。ただ団長さんの体液を体のうちに取り込みたかった。
私が必死にそうしていると、側頭部に何かが当てられたのを感じた。
振り向くとそこには団長さんのモノがあった。直ぐに私は舌をソレに這わせて、ソコに付いているものを全部舐め取ろうとした。
口を限界まで開けてそれを咥え込み、口内でそれを必死に味わった。
味はどうでも良かったが、美味しいという言葉が何故か出てきた。
一心不乱にソレを上へ下へと舐め上げていると、今出したばかりにも関わらずまた硬さを取り戻してきた。
私は口を離すと、団長さんを見上げる。
団長さんはちゃんと意味を分かってくれた。
団長さんは私の体を持ち上げると、自らの体の前に座らせた。
当然そこには屹立したソレがあるので。
「~~~ッッッ♥♥♥!?!?」
自重のためにあっさりと中にソレは入ってしまった。ゴムは付けていなかった。
初めてのセックスという訳でも無いのにも関わらず、生の感触は格別で体が一瞬で言うことを聞かなくなってしまった。
私は倒れるように団長の体に抱きついた。そして何か言わないとと思ったのだが、突き抜けた快楽が口から漏れ出て声にならず。何も言えなかった。
「今日はもう一回してるのに随分感じてるね。ビカラのアソコ。スゴい吸い付いてくるよ」
「ほっ♥ ほへっ♥ へっへっへっ♥」
「不安になったのかな。 だったら安心して、ビカラを手放すことは絶対しないから」
「へっ……へっ……♥ ほ、本当……ですか?♥」
「うん。ただ代わりにビカラを無茶苦茶にしたいんだ。いいかな?」
「はい……もちろん♥ 無茶苦茶にしていいです♥」
悪魔の契約のようだった。致命的な一線を超えたような気がした。
けれどもこれでずっと団長さんとつながれる。そう思うとどうでもよかった。
その晩。私は初めての日と同じくらい無茶苦茶にされた。
何度も、何度も、団長さんは私の中に精液を注いだ。
今まで気にしていたのは何だったのかと言わんばかり、私を孕ませようとしてきた。
私はただ気持ちよかった。ただ喘ぎ、ただ奉仕し、ただ達し続けた。
そしてそれはクビラさんも同様だった。クビラさんも気づけば自らの団長さんに奉仕するようになり、自らへの中出しを請うようになっていった。
以前のお淑やかなクビラさんはどこへ行ったのだろう。
今私と一緒に団長のモノに舌を這わせているクビラさんは、私の知っているクビラさんなのだろうか。
結局クビラさんも雌だったと言う事なのだろう。団長さんを前にしたら全ての女性は雌でしかないのだ。
それでいいのだと思う。だって幸せだから。
私は必死に団長さんの上で腰を振りながら、その幸せを噛み締めた。
そして、何度目かも分からなくなった射精を受け止めながら私は果てた。
お腹の奥でおぞましい量の団長さんの精液が溜まっているのを感じる。
確実に孕まされたという実感がある。
多分この後いっぱい私は後悔するのだろう。けれど幸せ過ぎてどうでも良かった。
今後の投稿ペースは作者も分からないので気軽にお待ちいただけると嬉しいです。