「団長さん。少しよろしいでしょうか?」
その声に僕は思わず背筋を伸ばしてしまう。
夕飯を食べ終えた直後の事だった。
後ろを振り向くと、その声の主である、アルビオンの領主でありこの騎空団の団員の一人でもあるヴィーラがいた。
輝かんばかりの金髪と愛らしい顔立ちをしているが、その目つきはひとつの島を治める領主のそれに相応しい鋭さを備えていた。
「ヴィ、ヴィーラさん。何のようでしょうか」
「それは貴方自身がよく分かっているのではなくて?」
その通りだ。何故声をかけられたかよく分かっているからこんなにも恐怖を感じている。
一緒にいたルリアとビィはなんの事かと首を傾げている。その姿に何故か癒されつつも、いつも一緒の2人が知らないのなら自分も知らないという論法で誤魔化せないだろうかという算段が働く。
そして実際に実行しようとした時に、まるで瞬間移動したかのように傍に一瞬で接近してきた彼女は僕の耳元で囁くよう言った。
(約束、破りましたね?)
耳元で彼女の痺れるような甘い声が聴けたことと、絶望的な事実を告げられたことが同時に襲いかかってきて感情が誤作動を起こしかける。
何もかもが停止していた僕の手をヴィーラはサッと掴むと。
「二人とも、団長さんを少しお借りしますね?」
とだけ告げると。ヴィーラは二人の返事も待たずに僕を引っ張って何処かへと連れていく。
そして連れていかれたのはヴィーラの部屋だった。
そこにはあまり物が置いておらず、華やかな彼女のイメージに反して殺風景そのものであった。
勿論それには理由がある。
グランサイファーと言えど部屋数には限りがある。なので個々の事情で船を離れることの多い団員達には部屋を使い回して貰っている。
故に他の者が使うこともあるここに私物を置く者は殆どいないということだ。
それでも若干、香水や化粧品の香りがする辺りここは女性の部屋なのだなと意識はしてしまうが。
部屋に僕を放り込むとヴィーラはすぐさま部屋の鍵を閉めた。それはもう逃がさないという彼女の意思表示だ。
「それでは……一応弁明を聴きましょうか?」
ヴィーラは聞くだけで身体が凍てつきそうな冷たい声音でそう聴いてきた。
「あー、えーと、アレは仕方なく……うわっ!」
しどろもどろになりながらも何とか弁明しようとしていたら、身体を強く押されベットに座らされた。
「続けて」
これは中途半端なことを言ったら許さないという警告のつもりなのだろうか。だとしたらとても効果覿面だと思う。
「その……アレはカレンから話そうと誘われまして」
そう、あれは数日前。カレンと共に依頼を終えた後、彼女が団の事とか依頼での事とか色々二人で話そうと誘われたのだ。
彼女は普段から自らが団長になると言っているので、多分その辺りの話をしたいのだろうなとその時は考えていた。
ただ二人っきりで話すということと、話す場所が僕の部屋だということから何となく疑問というか期待はあった。
まぁ結果として話している内に盛り上がり、気づいた時にはベットの上で交わっていた。最終的には中出しまで決めてしまった。
恐らくは入る時、もしくは出ていくところを他の誰かに見られていたのだと思う。そしてそれがヴィーラの耳へと届いてしまったのだろう。
「ただ、その、今回に限っては合意の上だったことだけは信じて欲しい」
「……」
そう言った経緯を必死に説明しても、彼女は無反応でただただ僕を見下ろすだけだった。その状態が暫く続いた
最早言葉では納得して貰えないのではないか。他の手段に打って出るべきでは。
長い沈黙の中で、そんな考えが浮かび始めた頃。
「ウ゛ッ……」
ヴィーラが足で僕の股間を押さえ付けてきた。幸いなことに、いつの間に脱いだのか素足であったので痛みはあまり無かった。
普段履いているハイヒールでやられていたら、不能待った無しになる所だった。
と、若干余裕のある考えをしている間にこれまたいつの間にか、器用に足の指を使ってズボンのチャックと下着をズラして僕のイチモツを引きずり出していた。
「バレていないとでも? 情けなく言い訳している間もずっとおっ勃てていましたよね?」
図星だった。何なら部屋に入った時から血が集まっていくのを感じていた。
「カレンさんとの性行為を思い出してですか? それともまさか私の部屋に入れたからですか?」
それは多分両方正解。
カレンの珍しい女の子らしい表情を思い出して興奮したし、ヴィーラへの期待から興奮もしていた。
「どちらにせよその程度でここまで興奮するなんて、とんだ変態です、ね!」
「うくっ!?」
話している間ずっとチンコに這わしていた足の指先に力を込められ、思いっきり亀頭を握りしめられる。
ヴィーラのその女性らしい細い足先とその滑らかな肌触りが痛みと共に鮮明に感じられた。
「言いましたよね? もう少し節度を持って頂きたいと。 貴方がお姉さまを襲わないという証明をして頂きたいと」
「はい」
僕はそれにだまって頷くしかなかった。
そもそも何故彼女とこんな関係になっているかと言うと。
あれは暑い季節だった。その時は最早毎年恒例となったアウギュステの避暑地でバカンスをしており。そして我が団は基本的に金欠なためこれまた恒例となった海の家でのバイトをしていた。
そしてその時は、たまたまヴィーラも手伝っていた。
ある日幸運にも、バイトとしてはある意味不幸にも、お客様が多く来て売上が盛況な日があった。
そもそもがバイトを必要としていた店だ。人手なんて足りているわけもなく、かなりギリギリの状況で接客をする羽目になった。
そしてそんな状況でも全てを完璧にこなそうとしてしまったヴィーラが無理をしてしまい。結果、閉店の時間になった途端にヴィーラが倒れてしまった。
軽い過労ではあったが中々目を覚まさなかったため、仕方なく僕がヴィーラを宿に運ぶことになった、
そして無事ヴィーラを宿まで連れていった時だった。
水着のままのヴィーラが無防備にベットで横になっている。
普段の鋭い目つきは何処へやら。そこには静かに寝息を立てている可愛らしい一人の女性がいた。
理性はあっさり弾け飛び、その体を味わおうと寝ているヴィーラに向かって手を伸ばした。
するとその手を掴まれ、そして引っ張られベットに引きずり込まれた。
いつの間にか起きたヴィーラが仰向けにさせられた僕の上に覆いかぶさっていた。
さっきまで寝息を立てて寝ていたはずではないのか。何が起きているのか。
そんな混乱する僕に向かってヴィーラは口を開こうとする。
嗚呼終わった、どんな罵倒が飛んできてそして首を切られ……。
「お姉さま……♡」
……ん?
「ああ……お姉さま♡ ようやく私と一緒になってくださるのですね♡」
ヴィーラの言っていることが平常運転……いや支離滅裂だった。
よくよく見れば彼女の目はどうもこちらを見ていないようだ。焦点がちゃんと定まっているのかも怪しい。
先程まで完全に寝ていたはずなので、これは恐らく寝ぼけているのではなかろうか。それも夢を見ている状態に近い形で。
だからその夢の中にいるカタリナと自分を変に重ね合わせてしまっているのではなかろうか。
何にせよこれは逃げるチャンスだ。そう思った僕はヴィーラの下から抜けようとして……。
「んっ……♡」
「ッッッッ!?」
キスされた。そのまま舌を入れられディープに。
あの時の感情は一言では言い表せない。強いて例えるなら絶対的な死の恐怖と、天にも登る心地良さが同居した矛盾した感情だった。
興奮してか、或いは若干風邪気味だったのか。紅潮したヴィーラの綺麗な顔が満足したのか僕の顔から離れていった。
そして躊躇うことなく僕の上で水着を脱ぎ捨て、その芸術的とも言える肢体を晒した。
生涯どう足掻いても拝むことは出来ないだろうと思っていたヴィーラの裸体が目の前にあった。
大きすぎす、さりとて小さすぎず。丁度いいとはこのサイズなのだろうと思わせる形の良い胸。戦士としての引き締まった筋肉と、女性らしい柔らかさが同居するその体つき。
完璧すぎると逆に現実味が無くなるのだと、その時僕は知った。
「さぁ、お姉さまも早く脱いでください……♡」
そしてヴィーラに水着を脱がされそうになった事で一気に現実に引き戻される。
それは不味い。不味すぎる。
いくら夢見心地で正気を失っているヴィーラでも、男のモノをみてしまったら正気を一瞬で取り戻すだろう。
そうなればやはり殺される。絶対死ぬ。
どうにかそれだけは防がないと。そう思って抵抗するもヴィーラの力は異様に強く抵抗らしい抵抗も出来ずにあっさりとそれを出されてしまう。
当然、それは準備万端であった。
嗚呼、終わった……。
そう思った僕は目をつぶり静かに死刑宣告を待つことにした。
しかし待てども待てどもヴィーラは言葉を発さなかった。
そんなにショックだったのだろうか。それとも無言で殺そうとしているのだろうか。
流石に長かったので、薄らと目を開けると。
「……んっ♥」
ヴィーラが屹立したイチモツの先端を割れ目に宛てがうと、躊躇いなく腰を落とした。
訳が分からず呆然としていると、ヴィーラはそのまま腰を振り始めた。
「んっ♥ はぁ……はぁ……あっ♥」
ヴィーラと性行為をしている。それもヴィーラが自ら動いて。
まさか、まだヴィーラは僕をカタリナと間違えているのか。男のモノを見てもなお。
一体どんな夢を見ているというのだろうか。まさかカタリナに生えている夢なのか。それは彼女的にアリなのか。というか激しッ!
ヴィーラの中は凄まじかった。僕のモノをぴっちり咥え込みながらも中は別の生き物のように蠢き、的確に刺激を与えてくる。
ヴィーラも感じて始めてきたのかその動きはどんどん激しくなっていく。
僕の上で腰を大きくグラインドさせて自らの敏感な所を擦ろうとする。その度に僕のモノも強引に引っ張られ過剰な刺激が加わる。
そう長くは持ちそうに無い。というか限界だ。
流石に中に出したら不味い。出したくて出したくて仕方ないけど、命には変えられない。
そもそもこの状況になった時点でダメな気もするが、まだ何とかなる。少なくともここで起こった事実にはまだ情状酌量の余地があるはずだ。
そう思った僕はヴィーラの中から引き抜こうとその華奢な腰に手を伸ばそうとした。
が、その手はまたもや届くことは無くベットへと押し付けられた。
「……んっ♥」
しかもそのまままたヴィーラにキスされた。舌への絡み方は先程のより激しく艶めかしかった。
あっと思う間もなく、僕はヴィーラの中に吐精してしまう。
「~~~ッ♥」
密着したヴィーラの身体が微かに震えているのが分かった。
そしてそのままヴィーラは僕の上に倒れ込んできた。
完全に力が抜けたのか、全体重余すことなく乗せられて、その衝撃に思わず呻く。
「ハァ……ハァ……すいません重かったですか?」
「そんな事は無いよ。ところで……いつから正気に?」
「……失礼ですね。私はいつも正気ですよ」
ヴィーラにはぐらかされ、何が起こったのかよく分からなくなった僕は。これは夢を見ているのは自分なのではないだろうかとまで考えた。
が、ヴィーラの中から自分の身体へと伝って落ちてくるドロっとしたモノを腿の辺りに感じたことでやはり現実なのだと確信した。
その後、特にそれぞれ何も言わず黙って僕は自分の部屋へと帰ることが出来た。
そして後日。改めてヴィーラに呼ばれた僕は事の詳細を洗いざらい吐かされる事となった。
ヴィーラにベットへ引っ張られたということを殊更強調して説明したのだが、魔が差して彼女の体に手を伸ばしたことまで吐かされたためその努力はあっさりと水泡に帰した。
とは言え最終的に自分にも責任の一端はあるとヴィーラ自身が認めてくれたので、ギリギリ無罪放免ということで落ち着いた。
ただその時。同じようなことをカタリナにさせる訳にはいかないということで、ある約束を交わすことなった。
それは女性との性交渉の禁止だった。正確には同じような状況になった時にも自制できるように一定期間性行為を我慢して理性を鍛えると言うものだった。
そんな無茶な。反射的に僕はそう返していた。
団長として生活の殆どを、このグランサイファーという限られた空間で過ごすことが多い以上。嫌でも魅力的に過ぎる女性たちと接触せざる負えないというのに。我慢何か出来るものか。
そう答えるとヴィーラには心底軽蔑した目をして、そのまま無言で傍に置いてあった剣の柄に手を置かれた。
何故か股間がヒヤリとする。
「……分かりました。でしたらこうしましょう」
ヴィーラはそう言うと……。
「~~~ッ! 凄い、激しすぎッ!」
「んむっ、んっぁ♥ フフ、まだまだ我慢して下さいね♥」
今とこの状況と同じように僕のモノを口に咥え込んだのだ。
キスの時も思ったが。彼女の舌はそれ単体が何か別の生き物のように激しく、艶めかしく這い回ってくる。
今も、怒張し充血している亀頭を好き放題に蹂躙して涎まみれにしている。
とても背徳的な状況だ。あのヴィーラが僕のものを咥えてくれている。
最初の時は、知識はあれど経験が殆ど無かったのか初々しく奉仕してくれた。咥えるまでにかなりの葛藤があったり、咥えても何をすればいいか分からなかったり、時折歯が当たったりと色々あった。
しかし今では熟れたもので、澱みなく僕のモノを扱いてくれている。最早若干単純作業をしているようにすら見える程に。
ただ時折する、前に懸かって邪魔になったその艶やかな金髪を煩わしそうに片手で払い除ける仕草何かは最高だった。それだけ彼女が熱心にやってくれているということなのだから。
そんな風に勝手に悦に入っていると、ヴィーラが突然奉仕を止めた。
「……今日はこれくらいで終わりましょうか」
「えっ……! いや、そんな……!?」
それは流石に酷い。丹念に責められた僕の息子は、いつ中から張り裂けるか分からないくらいに膨張してしまっている。
この状態で止められたらもう人を辞めてしまいそうになりそうだ。
「お忘れですか? これは約束を破った貴方への罰なのですよ? トラブルを起こさないよう私が相手をしておりますが、貴方が勝手に満足してしまっては訓練の意味すら無くなってしまうではありませんか」
「うっ! ……くぅ……そ、それはそうだけど」
辛い。本当に辛い。ヴィーラは根元を強く握りしめて暴発させることすら許してくれなかった。
完全にヴィーラに性欲を管理されてしまっている。
「ど、どうしたら出させてくれる」
「そうですね……」
ヴィーラがわざとらしく顎に人差し指を当てて考える仕草をする。
くぅ……辛い。加虐趣味はあれど被虐趣味は無いので早々に限界を迎えて狂ってしまいそうだ。
情けないことに若干涙を滲ませてしまいながらも懇願するように彼女を見つめる。
するとヴィーラはスっとその綺麗な顔を触れてしまいそうな程の近距離まで近づけてきた。
「……フフ♥」
その時浮かべた笑みは、いつもの作ったものでは無く。心の底から浮かび上がってきた笑みのように見えた。
そのまま、激しくキスされた。
多分ヴィーラはディープキスが好きなのだろう。じゃなきゃこんなにもしては来ないはずだ。
ただ激しすぎてまともに息が出来なかったので若干気絶しかかったけども。
気づいたら足の上に座られて、両手を背中に回されガッチリ抱きついた状態で何度も何度も涎を交換し合っていた。
当然拘束から解かれた僕のモノは暴発した。我慢させられていた分、何度も。
ようやくヴィーラが満足して離れた時には、彼女の服のお腹の部分にはおびただしい量の精液がこびりついているのが見えた。
「この量こそが貴方の性欲の強さの証だと思うと、流石に恐ろしく感じますね」
「えっ……と。その……ごめん」
それは確実に高いものであろう服を汚してしまったことと、怯えさせてしまう程の性欲を持っていることへの謝罪だった。
「……初めからそう謝って頂ければ、ここまでのことをせずに済んだのですけどね」
「はい……」
出し切って冷静になったからか。心の中には謝罪の2文字しか湧いてこなかった。
しかしこのままではダメだと内から呼びかけるものも感じる。
何れは反逆して彼女を手篭めにするべきだと。泣いて許しを請わせるべきだと。
その為には何をするべきか。気づいたらそんな悪事の算段が頭の中に繰り広げられようとしていた。
そんな時。
「……所で相談なのですが」
「……えっ、何でしょう」
そう言うとヴィーラはスカートをたくし上げ、高級そうな刺繍の入ったショーツを見せてきた。
それには明らかに染みが浮き出ており。更によくよく見れば、彼女の内腿にも汗とは明らかに違うものによるテカリが存在するのが見えた
「……この昂り、鎮めていただけますか♥」
その後、夜が開けるまで僕達は部屋の中にいた。