※この作品はR-18です。

Fate/stay night : 2.5i+3.10i+BERSERK = The Future Remember   作:形のない者

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イリヤと一緒に寝る(全年齢対象版)

 俺は――――

 

「判った。イリヤと一緒に寝る」

 

「わーい! やったー! 実はね、シロウ。わたし、家族と川の字になって寝るのが夢だったんだー!」

 

 ……そうか。それは良かった。

 

 

 

 それからお付きのメイド二人は、電気を消したあと寝室を出て行った。

 ちなみに今のイリヤは下着姿になっている。

 いきなり目の前で服を脱ぎだされた時はびっくりして、本当に心臓に悪かった。

 

 いや、イリヤって案外、大胆なんだなって意味で……。

 

 そんなイリヤは、肌が少し透ける白いブラウスを一枚だけ着ている。

 寒くないのだろうかとは思ったけど、ベッドに触れてみたら結構暖かかったので大丈夫だと判断した。

 

 ……俺とイリヤは、一緒のベッドに入る。

 

「ねーシロウー。腕まくらして?」

 

「はいよ」

 

 右腕を差し出して、イリヤの小さな頭がそこにのっかる。

 ……近い。丸くうずくまったイリヤの頭が、だいたい俺の顎らへんに来ている。

 つまり俺の胸に、イリヤの吐息が掛かる形になる。

 

「……おやすみ、シロウ」

 

「あぁ、おやすみ」

 

 ――はぁ。今日もまたいろいろあって疲れた。

 というかこの頃、毎日がいろいろあったという状況の連続ではないか?

 

「……ふう……」

 

 とにかく全身の気怠い感覚を拭うため、さっさと眠ることに集中する。

 

「…………」

 

 ――すると集中するあまり、なるべく感じないように気をつけていた事が、逆に感じやすくなってしまった。

 それはと言うと、なんとイリヤの寝息が、自分の胸に掛かっているのだ。

 恥ずかしながら、それだけで俺の鼓動は早まっていく――――

 

 ――――はたして、そのままの状態がどれくらい続いただろうか。

 まだ五分? もう十分?

 

「……シロウ。すごいドキドキしてるね」

 

 起きていたのか、イリヤが小さな声で話しかけてきた。

 それからずいっと身を乗り出して、イリヤは自分の体を俺の体に密着させた。

 

 それは抱きついてきたと言ったほうが良い。

 横向きの抱っことでも言おうか。コアラみたいに抱きつく姿は、本当に妹のように愛らしかった。

 

「……ねぇ、シロウ」

 

「……なんだ?」

 

「シロウは、わたしのこと、好き?」

 

「そりゃあ――――」

 

 好き、だけど。……それは、そのまま好きと口にしていいものか判らなかった。

 こういうのは一瞬でも迷ってしまうと、なかなか答えられないものだ。

 そうやって俺が迷うさまを見て、イリヤはくすくすと笑っている。

 

「好きなの?」

 

 ここで嫌いなの? と続かないあたり、イリヤは判って訊いている。

 まったく卑怯だと思うんだが、そういうの……。

 ……だが、ここは兄貴としての甲斐性を見せてやらなければなるまい。

 

「――――あぁ、好きだぞ。俺はイリヤの事が好きだ」

 

「……んっ」

 

 それきりイリヤは黙り込んだ。

 どう受け止めたのかは判らない。判らない以上、俺の勝手な判断で、何かをしてしまうわけにはいかなかった。

 

 ――あくびをして、目を瞑る。

 

 

 

 ……。

 これで、次の日に目を覚ましたら、イリヤと一緒に家に帰るんだ。

 

 

 

 …………。

 

 

 

 …………――――、

 

 

 

 ――――ふいに、ほっぺにこそばゆい感触を覚えた。

 それがなんであるかに、すぐに気がついた俺は――――

 

「――って、うぇえええい?!」

 

 ガバッと顔だけ起き上がってみる。

 すると枕の上には、身を震わせて笑いをこらえているイリヤの姿があった。

 

「……い、イリヤ……お前、いま――――俺にキスしただろ?」

 

「くっ……ふふふっ……」

 

「まったく。驚かせやがって、この!」

 

「あ! あははは! や、やめてシロウ! ごめんなさーい!」

 

「悪さをするいたずら娘には、こちょこちょの刑だ!」

 

 しばらくじゃれあって、互いの息が切れた頃には、もう俺たちは眠たくて仕方がなくなっていた。

 

「……んぅ。こんどこそ、おやすみなさぁい……」

 

「あぁ、おやすみ」

 

 そこで俺は最後の仕返しとして、イリヤのおでこにキスをしてから、何事もなかったかのように狸寝入りに入る。

 

「――――――――」

 

 ……ふっ。目を瞑っていても判るぞ。

 今のイリヤは、おそらく赤面しているに違いない。

 そう思うと、本当にイリヤが赤面しているのかが気になったので、ほんの少しだけ目を開き、今のイリヤの様子を確認してみると――――

 

「…………、」

 

 赤ら顔で口を閉じ、瞳孔は見開いていた。

 それは、極度の羞恥を表している。

 

「――――ぁ」

 

 さらに心なしかイリヤの体が熱くなっている気がして、トクットクッと、小さな鼓動も聞こえているような気がした。

 ……そんなイリヤの体を、優しく抱き寄せる。

 

「ぁ――シロウ……」

 

 これで思う存分、お互いに恥ずかしがった。もう遠慮する事は何もない。だって家族なんだから。

 あとは、本当の家族のように。兄妹姉弟、仲良く眠りに就いて、一緒に朝日を拝むだけだ――――

 

 

 

   /了

 

 

 




 甘い。
 いえいえ、健全なじゃれあいです。他人に見せられないようなじゃれあいでも、全く以て健全です。
 というか、兄妹や姉弟のプロレスって、大体こんな感じでしょう?(兄妹喧嘩をしたことがない人感)


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