Fate/stay night : 2.5i+3.10i+BERSERK = The Future Remember 作:形のない者
私の名前は、ソニア・ド・ヴァンディミオン。
我らヴァンディミオンの一族は、中世暗黒時代末期に成り立ちを有し、それから代々と受け継がれてきた研究者チームである。
我らは一体、何を求めて、何を研究しているのか。その理由と研究対象は“空白の時代”というものにある。中世暗黒期に突如として観測された神代回帰現象。この謎を追い求め、真相を究明するのが我らの悲願。根源の到達などハナから志していない我々は、その点で言えば、魔術師なんていう輩とはまったく思想を違えていた。
言うなれば研究者。大昔の歴史の謎を追い求める、知的好奇心に溢れる歴史家でしかない。ただ、その歴史を解明する手段として魔術を用いているだけ。つまり我々は魔術使いだと言える。
さて、それでは神代回帰現象とは何か。
それは文字通りの意味で、中世期の時代に存在した大気のマナの質量純度諸々が、一瞬だけ神代のマナに変質したのだ。五世紀の人間が神代のマナに触れたら五体を爆発四散させるように、これは世界の危機。否、全人類の滅亡という事実にほかならなかった。だが、人類は今もこうして平穏無事に生きている。二回の大戦を経てもなお、人類は滅びていない。
要は、抑止力が働いたのだ。誰も解決できない異常事態。それが人知れず解決された。さらに、
それが判明した理由は説明するまでもない。
何故ならば、
さらに突如として
全ては未知のまま、途方に暮れる魔術協会。だが、途方に暮れたいのはこちらの方だ。
どこから現れたのか分からない謎の研究者集団。まるで異なる世界から紛れ込んだ宇宙人のような扱いをされるも、こっちは自分たちのルーツがないのだ。
当時のヴァンディミオン一族は、まさに赤児のような始末だったという。突如として世界に放り出されて、知らないうちに世界の真実を書き記した魔術刻印を持たされていて、自分がいつの間にか世界に生を受けていたことになっていた。
あまりにも。あまりにも横暴すぎる。
無論、この話を信じている魔術師は存在しない。私たち一族の中でも信じている者は誰ひとりとしていない。だが、そうでなければ説明不可能なのだ。まるで狐ならぬ神につままれた断腸の思いで、当時の一族は志したという。
自分たちが何者であるかを知りたければ、それはやはり世界の真実を探求するほかない――と。
それから数百年余りが経ち、ヴァンディミオン家の魔術刻印は、当代の私に受け継がれた。
その魔術刻印とは、
中世暗黒時代の神代回帰現象に関する情報を書き記した記録媒体。それだけでなく、あらゆる空白の時代関連の情報も記録されている。
これこそ知識の蒐集を目的とするヴァンディミオン一族の共有財産。
……さて、ここまで話しても。
きっとこれから説明する空白の時代については、私自身にしても理解しきれていないだろう。
空白の時代とは、文字通り空白の時代である。それは無理矢理な抑止力発動の爪痕とも云えた。神代回帰現象により人類が滅ぼうとしていた瞬間、アラヤは仕事をせず、ガイアが代わりに人類を助けた。その際に世界の位相をズラすことによって、要は世界を分岐させたのだ。
『世界が神代回帰現象に侵された世界』と『世界が神代回帰現象に侵されなかった世界』を。
これは並行世界を強制的に創造したも同然。そして
だが、どうにもこの世界の分岐。位相をズラすという行為は、抑止力をもってしても難しかったらしい。
――粗が目立ったのだ。
先に言った世界の変革。辻褄合わせのために、きっと数多くのバグをそのままにして、ガイアは権能を行使したのだろう。
その結果、ズラせた位相は世界などという一個の概念では到底成り立たなかった。
せめて固有結界に近い概念に置き換わったのだろう。
つまり世界は分岐したのではなく、おそらく『神代回帰現象に侵された世界の固有結界』として独立させたのだ。
そしてガイアは今も、その固有結界を独立させ続けている。
その果てには支払いきれない負債が溜まり、やがて地球はパンクすると分かっていても、ガイアは生存のため来たる死を後回しにし続けている。
――話が逸れた。
要するにGという人物がいて、その人物は神代回帰現象を生み出す固有結界を展開していたとする。ガイアはその固有結界の展開を未来永劫維持し続ける契約を交わして、神代回帰現象という世界の害を別の位相に張り付けたのだ。
それでも世界の変革が確認されている以上、恐らくその固有結界は徐々に現実世界へ侵食を始めているということは、安易に予想できることだった。
……これはすべて、数百年に渡る調査で立てられた仮説である。
この仮説が正しいという自信はあるが、どこにも根拠は存在しない。
ただ強いて言うなら――――
その根拠とは、アラヤにある。人類の集合的無意識。
もし、それが悪意のみに染まっていたとしたら? 中世暗黒時代とは、まさにそのような時代だったのではないか?
――あぁ。色んな話をした。いや、色んな自己問答をした。
相談する相手はいなく、世界の真実を知っているのは自分だけ、ただ独り。
こうして時々夢の中で、自分は一体何者なのかと。自分は一体何を探し求めているのかと。
定期的に懊悩して意地でも納得しない限り、私はいつか狂ってしまう。
私は魔術師じゃないんだ。根源なんていつ辿り着けるかも分からない奇蹟を追い求めて、何代も何代も無意味な研究を重ねて死んでいく、そんな狂ったやつらと一緒にしないでくれ。
私は、普通の人間だ。どこにでもいる、普通の女の子になりたかった。
ただの少女が世界の命運を握っているなんて、なんて酷い試練を神は与えるのか。
いっそ本当に私が根源接続者であったのなら、かなり楽な仕事だったんだけどなぁ。
夢の中でも逃れられない、私の魔術。
ただただ未来を思い出す。
まるで根源接続者の気分だなぁ。と、ため息をつきながら、急激な睡魔に意識を落とす。
だが、時とは残酷なもので、朝が来てしまった。
今日より家から出てはならない。
それでも――――あと、一度だけなら……。
◇
朝。
僕は弓道部の朝練のため、登校を早めていた。主将たる僕がいなけりゃ弓道場が締まらない。
そうして昇降口から道場へ向かおうとしたら、女の子の話し声が聞こえてきた。
「……あれは、遠坂と美綴」
こんな朝早くに遠坂凛をお目にかかれるとは僥倖だ。そのまま遠坂は美綴に連れられて弓道場へと向かった。
「ひとつ声でも掛けてやるとするか」
しばらく柱に背を預けて、用を終えて昇降口を通り過ぎる遠坂を待ち構える。
コツコツと足音が。目の前を赤いコートを着た学校一の美少女が通り過ぎる。
……僕に気付かないで、通り過ぎる。
「やぁ遠坂。おはよう」
少しばかりの不機嫌さを抑えて、顔に笑顔を貼り付ける。
――――だが、このあと遠坂の口から、あんなことを言われるなんて思いもよらなかった。
それは、僕という存在の否定である。
「あなたに興味はないって言っているのよ、間桐慎二くん。それは今までもそうだったし、きっとこれからも目に入らないわ」
……なっ、なんだって! そんなことがあっていいはずがない!
僕は間桐家の長男なんだぞ! 遠坂と並ぶ名家のはずなのに、その言い草はなんだ!
それから遠坂凛は、スタスタと校舎に消えていった。
くそっ。僕に魔術が使えないからって見下しているのか! 確かに僕は魔術師としては落第点さ。魔術回路ってやつがないんだからな! それでも僕には魔道の知識がある。五百年積み上げてきた知識の研鑽がある。
「くっそう。遠坂のやつめ……」
今にも癇癪を起こしたいくらいの気分だった。この雪辱、どう果たしてやろうか。
……ふん。だが今に見ていろよ、遠坂。僕はマスターとやらになったんだ。
お前はそれに気が付いていないようだが、僕はライダーというサーヴァントを従えて、僕は魔術師と同列に成り上がった! 魔術が使えなくても、その知識によって得たこの魔道書さえあれば、僕は魔術師に成り得るんだ!
それでも相手は冬木の管理人・遠坂凛だ。魔術合戦で勝てるわけがないことは業腹だが承知している。だからサーヴァントの勝負で決着をつけるしかない。
そこで気になるのは、遠坂と僕のサーヴァント。強いのはどちらなのか、という点。もちろん僕が引いたサーヴァントが最強なのは当然のことだが、サーヴァントとサーヴァントの勝負で、僕が遠坂に狙われたらアウトだ。
そのためには遠坂とそのサーヴァントを、ライダーに同時に相手取って貰わなければならない。だが、サーヴァントという存在は魔力によって動いている。つまり魔力が多ければ多いほど強くなるのだ。
しかし、僕は魔術師じゃない。ライダーに魔力を送ってやることはできない。だったら僕がライダーにしてやれることは、ただ一つ。
――魂喰い。
人間の魂・精神力・生命力とやらをサーヴァントに食べさせることにより、霊体で構成された使い魔を強化する方法。
「やるんなら今夜からか……」
そろそろ聖杯戦争は幕を開ける。
事前に準備をしておくのに越したことはないし、なにより僕が命じなくても単独行動ができるライダーは勝手に人間を襲っている。だが、マスターとしては相手を選びたい。これでも神秘の秘匿とやらは了解しているつもりだ。とにかくバレずに済ませれば良いわけだし、バレたら殺しちゃえばいいんだ。
「フッ。くくく……ふはっはひっふへっ」
笑いが止まらない。魂を喰らって最強になったライダーが遠坂凛をめちゃめちゃにするのを想像したら……。よし、遠坂がそのつもりなら、僕にも考えがある。今夜のところは魂喰いに留まって、明日にでも学校にアレを仕掛けるとしようか――――
「あぁ、早く始まらないかな、聖杯戦争!」
◇
同時刻。
「はぁ……」
私は、迷っていた。今日は学校に行くのか否かと。
本来なら昨日が最後であると決心したはずだが、それでも私は迷っていた。
居間のソファに腰を下ろして、ただ溜息を吐く。
「……おい、なんかあったのかよ?」
ぶっきらぼうに訊いてきたのは、壁に背を預けているバーサーカー。
いや、この際、黒い剣士とでも呼んでおこうか。
いつも黒衣を身に纏っているし、その下の鎧も漆黒で塗りたくっているし……。
「今日は学校に行こうかなって、迷っているのよ」
「なんだよ、学び舎を嫌がるガキじゃあるまいし。……あぁでも、そういえば確か、今日から行動に縛りを入れるとか言っていたか」
「えぇそう。なるべく計算に不確定要素を招きたくないのよ。虚数という名の暗黒をね?」
「はっ。それならオレの時点で既にそうだろうが。未だにオレの名前を覚えられねぇくせに」
「覚えられないんじゃなくて、知らないのよ。だって私はまだ、貴方の口から名前すら教えてもらっていないのに、覚えるもなにもないじゃない」
「…………」
「そんなことより、私の目の前に現れたってことは、報告の一つでもあるってことでしょ?」
「いや別に? 茶でも飲みにふらついただけだが」
……この黒い剣士は、暢気に散歩でもしていたのだろうか?
まぁ、まだ聖杯戦争は始まっていないから、好きに遊び呆けても全然構わないのだけれど……。
「それじゃあバーサーカー。おさらいするわ。聖杯戦争で召喚されるサーヴァントは全部で六騎。クラスはセイバー、ランサー、ライダー、キャスター、アサシン、バーサーカー。貴方はバーサーカーのクラスだけど、今回のバーサーカーではない。貴方は第四次聖杯戦争の折、間桐のマスターに召喚されたサーヴァント。……これで良くて?」
「…………そうだな」
「そして、今回の私の目的は、聖杯戦争を無事に終わらせること。具体的な行動方針はその時々に指示するとして、貴方は指示以外の単独行動では好きにすること。できることなら、ほかのサーヴァントを全員倒して来て欲しんだけどね?」
「難しいな。まぁ期待には応えるとするが、とりあえずは“死なない”の前提だよな?」
「もちろん。ということで決心が付いたわ。やっぱり学校に行く。少しでも情報が欲しいもの」
ソファから起き上がり、黒い剣士を放っておいて玄関に赴く。
実は行くかどうか散々迷ってはいたが、いつもの癖で制服等の登校準備は万全だったのだ。
……おっと、時計を確認すれば遅刻ギリギリの時間帯。私は足早に学校へと向かった。
ホームルーム直前。
「とうちゃーく!」
教室の戸をまたいで一息つく。
少し坂を小走りしてきたから、息が上がってしまった。
「おっはよーう!」
すれ違うクラスメイトに声を掛ける。だが、おかしい。いつもいの一番に挨拶をしてくる男が、今日はいなかったからだ。
いや、教室にいるにはいた。不機嫌そうな顔で頬杖をつき、仕切りにどこかを気にかけている。
その目線の先を追うと、そこには士郎がいた。というか、彼が気にかける男なんて、士郎以外にいないのだから。
「ややっ。ソニアお嬢さん。今日は遅めの登校ですな、珍しい」
「あら、生徒会長。おはようございます」
挨拶してきたのは柳洞一成。いつも礼儀正しく古風な語りかけで気を使ってくれる好青年。
訊けば何でも教えてくれる質問箱なので、困った時はいつも頼っているお人だ。
「ねぇ生徒会長。あそこにいる彼は、なんで士郎を睨めつけているのかしら?」
「はっ、くだらぬ茶番ですよ。お気になさらず」
「そうだぞソニア。別におまえが気にすることじゃない」
ふと、一成のあとに横から声をかけてきたのは士郎だった。
「また仲裁とかしなくても良いんだからな。別に俺と慎二は喧嘩したわけじゃないんだから」
――それは違う。どんくさい士郎は、そこんところが朴念仁だ。
そこで、ホームルーム開始のチャイムが鳴った。私たちはそれぞれの席について毎日の活動を始める。
それからのこと。
昼は慎二と一緒に昼食を食べて、放課後も一緒に帰路に就いた。
そこでの彼はいつも通りで、今朝の不機嫌さは皆無であった。
――慎二と士郎の仲。
私が人生において、初めて抱いた不安の種。
私は一年ほど前にそれをなんとかしようとして、禁呪を用いた。
でも、それがキッカケで、今の私はこの地に留まり続けている。
「それじゃあソニア、僕こっちだから」
また明日、と慎二は間桐邸に帰宅する。
それでも胸中に渦巻く未来への不安は、留まるところを知らなかった。
◇
夕方。
「しめしめ……」
今なら城から抜け出せる。
セラもリズも夕飯の支度で、わたしから目を離した。だけど、いま森から抜け出したら、帰る頃には夜になっちゃう。
夜は戦いの時間。まだ聖杯戦争は始まっていないけど、用心としてバーサーカーを連れて行こう。
ささっとニンジャみたいに壁から壁へ背中をつけて移動する。
足音を気にする必要はない。絨毯のもふもふで加減されるから。
そして廊下に辿り着いた。
「バーサーカー、そこに誰かいない?」
声を押し殺してバーサーカーに訊く。
「――――――――」
どうやら廊下には誰もいないらしい。このまま入口まで下りて、堂々と外に出てしまおう。
「ふふっ」
なんだか悪戯をしているみたいで、あとで驚いて怒った顔をするセラを想像してしまったら、少しの笑いが出てしまう。
「――誰です?」
やばっ。セラの声だ。
(バーサーカー。こうなったらわたしを抱いて城の外に飛び出して)
――実体化する巌のような大男。ちょっと怖いけど、わたしを守ってくれる存在だから、一緒にいると安心できる。
そのまま庭園に飛び出て大ジャンプをしたバーサーカーは、わたしを抱えながら森を疾走する。
「――――――――」
「え? 誰に会うつもりなのかって?」
わたしはバーサーカーの問いに答える。
「そんなの決まっているでしょ。弟に会いに行くのよ。既にサーヴァントを召喚していたら容赦なく殺してあげるんだから」
「――――」
森を駆けること小一時間。バーサーカーの脚の速さならすぐに森を抜けられた。
そのまま目的の人物を探しているうちに日は暮れてしまい、仕方がないから反則として、探し人の家の前で待ち伏せをする。反則も何も自分から会おうとしている時点で反則だけど、今回だけはどうしてものことなのだった。
……しばらく待ち構えていると、交差点から坂を上がってくる少年を見つける。
――――あれだ。
サーヴァントを連れていないってことは、まだ召喚していないんだ……。
そのままわたしは坂を下りて、少年とすれ違いざまに声を掛けた。
「はやくしないと死んじゃうよ、お兄ちゃん」
バーサーカーに抱えられて夜の街を跳ぶ。
――思うところはある。言いたかったことは、ほかにもある。それでも……。
また、明日来よう。
今は早く城に帰らなくちゃ、セラに怒られるし、リズを心配させちゃうから――――
◇
深夜。
二ヶ月後、ボクは小学二年生に進級する。
お姉ちゃんは高校生になるみたいで、このところ忙しそうだった。
……眠れない。
本来ならもうぐっすりと寝て、明日の学校を楽しみにしながら夢を見るはずだったのに、今日はなんだか寝付けなかった。
ベッドから下りて、トイレに向かう。
自室を出て廊下を渡り、お姉ちゃんの部屋の扉を横切れば、一階に降りる階段がある。
……ふと、足を一歩踏み出すと、床が軋んだ。お姉ちゃんを起こさないように、忍び足で廊下を渡る。
そこで、お姉ちゃんの部屋の扉が開けっ放しになっているのを見つけた。
閉めてあげようと思って、把手に触ろうとしたら――――
――――お姉ちゃんの部屋に、幽霊がいた。
窓から差し込む月の光に、幽霊が黒く光っているように見えた。
長い髪がお姉ちゃんの体に巻き付いている。それを目にして気が付いた。
あれは幽霊じゃない。吸血鬼だ。だってその吸血鬼は、お姉ちゃんの首に――――
「――た、すけて、は、やと――」
――――噛み付いていたのだから。
「う、うわぁああああああ!」
吸血鬼に隠れて見えなかったお姉ちゃんの顔が一瞬だけ見えた。いやだ。違う。だって、あれはお姉ちゃんじゃない。何故だか分からないけど骨人形みたいに見えた。そこに顔がなかったように見えた。吸血鬼が驚いたように振り返ってボクを見る。ボクを睨みつける。それに絶対の恐怖を感じた。
――殺される。
そう思った瞬間に吸血鬼は消えていた。それでも確かに殺されると感じたボクは、床に転がった骨格模型を見捨てて階段を駆け降りる。
「どうしたの隼人!」
「何があった!」
暗闇の中、お母さんとお父さんの声が聞こえた。
「お母さん! おと――――」
闇の中で振り返ったら、そこにはお母さんとお父さんはいなかった。
……あったのは、壁に串刺しにされた何かと、床に倒れたお父さんだったものだった。
――――何も見ていない。何も理解していない。何も知らない。それならまだ、足だけは動く。
鍵を開けて扉を開、開かないロックを開けたり外したりバカな行動を繰り返してようやく扉が開いた、そのまま外に駆け出す、後ろから風を切って何かが追って来る、女の声じゃなくて男の声がしたけど、とにかく逃げる逃げたい死にたくない生きたい!
――――初めてこんな遅い時間に外に出た。
坂を駆け降りればもっと速く走れるのに、バカなボクは坂を駆け上がっていた。
「ハァ……ハァ……ハァ……」
息切れになるまで走る。
ボクはあまり駆けっこが得意じゃないんだ。
「ハァ……ハァ……、――――あ」
坂の上に、誰かいる。でも、あの吸血鬼じゃないみたいだ。
暗くてよく見えないけれど、それは簡単にボクなんか殺しちゃうんだろうなって、そう諦めちゃうくらい――――とってもこわいひとだった。
◇
――時はほんの少しだけ遡る――
「あーあー。まったく嫌な仕事をさせてくれるぜ」
夜も更けて日を跨いだ住宅街にて、一番屋根が高い場所に腰を下ろし、街を見下ろすこと数時間。
何故ランサーのサーヴァントであるこのオレが、こんな斥候みてぇな真似をしなけりゃならねぇのか。まぁそれは仕事だとして割り切るし、サーヴァントなら当然の義務だ。だが、それもこれも命令が悪い。命令のタチが悪い。
「サーヴァントの魂喰いによって被害を受けた“目撃者”を始末しろ。だとは、本当に善の欠片もねぇマスターだこと……」
仮にキャスターみてぇな遠くから魔力を吸い上げるタイプは、まず目撃者には入らない。犠牲者は何が起こったのか分からず気絶するだけだからだ。
だが、直接人間を襲って血液を吸い上げるようなタイプは犠牲者を生かす以上、目撃者として扱われる。
「要は他所のサーヴァントが食い散らかした、その喰い残しを片付けろってことだろ? ……たくっ。魂喰いを止めさせろ。ではなく、魂喰いに遭った目撃者を始末しろってぇのは……へぇへぇ。従ってやりますがね。
――どうにも気分が乗らねぇなぁ。こいつばっかしはよぉ……」
舌打ちをしながら、今ライダーが交差点の一角にある一軒家に侵入したのを見逃した。
サーヴァントの耳だったら、視覚に頼らず聴覚で何が起こっているのか手に取るように分かる。
まず、ライダーは寝静まっている人間を値踏みしているらしかった。
そして、好みの餌でも見つけたのか、吸い上げ始める。だが、どうやらその現場を誰かに見られたらしい。悲鳴が上がった。女みてぇなガキの声だった。それから両親が飛び起きて、広い居間に走ってくる。それをライダーが一瞬にして始末した。虫の息の餌から少しでも吸血しているようだ。
「……チッ。逃げ出したな。運が良いんだか悪いんだか」
ガキだ。ガキが外に逃げ出した。
ならば、オレが殺さなきゃならねぇのは――――
◇
「待て、ライダー」
僕は自分のサーヴァントを止めに掛かった。
「……シンジ。今、外に子供が逃げ出しました。目撃者は殺す手筈では?」
「その必要はない。そんなことより魔力は充分に溜まったのか?」
「はい。充分です。これなら明日には学校に結界を仕掛けられるかと。……ですが」
「あぁもう愚図だな! 逃げ出した子供は追わなくても良いって言ってるだろ! 誰もガキの言うことなんて信じないさ! 無駄な行動をして魔力を消費するのが頭の悪い行動だって分からないのか? 僕がせっかくおまえに良さそうな餌を見つけてやったってのに、あのガキなんざを殺すためにそれを浪費したいって言うのか?」
「…………」
「そうだ。分かれば良い」
マスターとして、きつくライダーに言い含める。
この殺人はおそらく、明日にはニュースで強盗殺人として扱われるだろう。
「今日のところはもう帰ろうぜ。ほかのサーヴァントと遭遇するのは避けたい」
そのままライダーを連れ立って間桐家に帰還する。
今から学校に行って結界を仕掛けても良いが、道中での戦闘の可能性を避けたかったからだ。
ならば明日、放課後のあとに学校に居残って結界を仕掛ければ良い。
「くくっ。順調、順調……早く召喚しないと、僕を倒せなくなるぜ? 遠坂凛……」
◇
深夜の深山町は静まり返っている。あまりに静か過ぎて気味が悪いくらいには。
「…………」
一応、オレのマスターである
朝の提示報告以外は好きにしろ――――だ。しかし、こいつはオレを信用してのことじゃない。あの小娘は最初から最後まで、この聖杯戦争を自分の身ひとつで勝ち抜こうとしている。だから、オレというサーヴァントを戦力には数えていない。
……要するに報告だけすれば良いってことは、オレを斥候扱いしているってことだ。だが、それに不満はねぇ。逆に好きに戦わせてくれるってのは、条件の良すぎる申し出だ。十年前の聖杯戦争でも、まぁそこそこなマスターには巡りあったものだが……また特殊なマスターもいたもんだ。
――――冷たい風が吹く。それに少しの郷愁を覚えた。
第四次聖杯戦争。オレはマスターと共に聖杯戦争を勝ち抜いて、決勝まで生き残った。
……いや。マスターは途中で死んだが、まぁそれはどうでもいいことだ。
「――そういえば、あのガキどもは元気にやっているかな……」
……っと、このオレが柄にもねぇことを。いやこれはまいった。やっぱり気にしてたのか。
少なくとも片方はオレのことなんざ忘れているだろうし、もう片方からは恨まれているかも知れない。まぁそれも、オレにはどうでもいいことだ。
弱いやつは死に絶える。
強いやつが生き残る。
あいつらがどちらだろうと、別にオレは……。
「……なんだ、おまえ。こんな夜更けになにしてる?」
坂に差し掛かったところで、道の向こうに子供を見つけた。
ピンク色をしたうさぎ風の寝間着姿で、なにやら血に塗れている。
「……ッ」
首の烙印が反応した。近くに魔性の存在が潜んでいる……サーヴァントだ。
オレの保有スキルには、この冬木市全体に存在するサーヴァントや魔性の物をひとり残らず感知できるスキルがある。だが、それも近い遠い程度のもので細かくは分からない。しかし、少なくとも近くに一騎存在することは確かだ。
きっと、この尋常じゃねぇ状況に遭って青ざめているガキを見るに、サーヴァントの問題に巻き込まれたんだろう。
「おい、どうしたんだって聞いているんだよ。なんか答えろ。素通りするぞ」
「……!」
オレの言葉を何と取ったのか、次に子供はよく分からないことを訊いてきた。
「ぼ、ボクを……殺さないの?」
「あ? なんでテメェを殺さなきゃなんねぇんだ。理由がねぇ。怖い夢を見たんならとっとと家に帰んな」
「――か、帰れないよ……帰る場所なんて、ないよっ!」
あぁ、なんだ。いきなり癇癪をおっぱじめやがった。これだからガキは嫌なんだ……。
「だっ、だって、お姉ちゃんもお母さんもお父さんも……」
「――――ぜぇんぶ、悪い吸血女に殺されちまったんだからなぁ?」
「――――っ!」
大剣を構える。今の声はガキのものじゃない。
声は――――屋根の上から聞こえてきた。
「よぉ。テメェ、サーヴァントだろ? 実体化してふらついているたぁ挑発のつもりか?」
青装束の男。その手には朱い長槍を構えていた。
「……ランサーか。あぁそうだ。どうやらオレの初戦はお前になりそうだな。ついでに最初に脱落するのも、てめぇってことになりそうだ」
「ほう? 言ったな、バーサーカー。剣持って正気であるからって見抜けねぇとでも思ったか」
「思ってねぇ。サーヴァントってのは、大抵その霊基でどのクラスか解るもんだからな」
そのまま坂を下りて、間合いを計りながらランサーの眼下に足を運ぶ。その位置にはガキもいた。
「なぁバーサーカー。ひとつ相談があるんだが……」
ふと、ランサーは殺気を出さずに話を始めた。
まるで折り入って話がある、みたいな顔で言われたら、オレも一度は剣を下ろさなきゃならなかった。
「話が早くて助かるぜ、バーサーカー。……いや、バーサーカーに話がわかるってのも、またおかしな話だがな。
――さて、話ってのはほかでもねぇ。実はな、オレ……そのガキを殺しに来たんだわ」
「……ッ!」
ランサーの殺気を身に浴びて、怯えるガキが尻餅を搗く。
「……何故そんなことをする? てめぇ見たところ高潔な英霊らしいが、その実ただの殺人鬼か?」
「いや、それを言われると確かにそうだと言わざるを得ねぇわな。なんたっていつの世にも英雄という名ばかりの戦士は、殺すことしか脳にねぇんだから」
「同感だ」
「えっ」
オレの同意に身を竦ませるガキ。
そんな目で見ても助けてやらねぇぞオレは……。
「んで、話ってのはな。オレのマスターはこうオレに命令したんだ。
――目撃者は全て殺せ、ってな」
……その含みを持たせた言い方と笑みに、オレはなるほどと頷いた。
それからオレは、ガキに向けて声を掛ける。
「……おい、お前、冬木教会って知ってるか?」
「――え?」
「知っているのかって訊いてんだ」
「う、うん……しってる」
「だったら今すぐそこに逃げ込め。それからそこの神父さまにこう言うんだ。
――怖いものを見た。そしてバーサーカーっていう男に、ここに行けと言われた――ってな」
「……そうすると、どうなるの?」
「さぁな。少なくとも、生き延びることだけはできるんじゃねぇか? ……そら、早く行けよ。あとはお前次第だ」
それでも迷っているガキは、どうやらオレを信じるべきかどうか悩んでいるようだった。まったく最近のガキは人を疑うことを覚え始めてきているらしい。だがまぁ、それは正解だ。その後の選択が命取りになるってんなら、不信を覚えねぇほうが馬鹿のすることだ。そう言うやつは早死する。
それに無理もねぇだろう。こいつに何があったのかは知らねぇが、きっとこいつは……ただそこに突っ立っているだけで、辛いはずだろうからな。
そしてランサーが、ガキに向かって最後の後押しをする。
「いいか、そこの嬢ちゃん。オレがこいつを倒したら、オレはお前を追う。だが、こいつがオレに勝ったら、お前は逃げ切れる。つまりは、そういうことだ」
遠まわしな言い方だ。
これもガキを殺せというマスターの命令を意地でも守ろうとしているのか。義理堅いんだかどうなんだか。
「――――!」
だが、子供の方もそこまで頭が悪いわけじゃあないようだった。そのまま振り返らずに坂を下っていく。
それでいい。戦場では利口なやつしか生き残れないからな……。
暫しの沈黙。
月に陰る雲が明けて、月光が辺りを照らし出した。
そこではっきりと、ランサーの姿をお目にかかる。
青い髪に赤い瞳。獣の如き風貌を備えた優男は、その身を一瞬にしてかき消した――――
◇
月光の下、鉄塊と朱槍が火花を散らす。
最初は鮭跳びの法で狂戦士の背後に回り、その頭を吹き飛ばすつもりでいた。しかし狂戦士は、その満足には動かせねぇだろう巨剣でオレの槍を払いやがった。
「どうりゃ!」
それから続けざまに神速に届く槍を畳み掛ける。
しかし狂戦士は、その悉くを弾き、いなしていた。
「その剣技、セイバークラスのものと見た! あとは反射神経のみで捌いてやがんな! 粗暴なのか筋が良いのか、どっちかにしやがれってんだぁよぉ!」
力押しでは敵わないと知りながら、槍を回して連撃をかます。
かなりの技量の持ち主だ。オレには令呪が掛かっているとはいえ、それなしでも勝負は分からねぇ。
さらにこいつ、オレを試してやがる……!
一息で二十七の槍撃を喰らわせた。
狂戦士は鉄塊を盾にするようにして身を守り、槍の攻撃の反動を利用して間合いを突き放す。
「どうやらテメェ。オレ好みのサーヴァントらしいな……アサシンとは大違いだ」
「気色悪いこと言うんじゃねぇよ……あと、アサシンと比べられるってのは、ちと無視できねぇな」
「いやいや、それがな、今回召喚されたアサシンは、たぶんありゃ、こと接近戦においては人類最強の剣士だぜ?」
――ぴくり、と。狂戦士の眉が反応する。
どうやらこいつは武芸者タイプだ。自分より強い奴と戦いてぇって奴のようだ。面白い。
「なるほど。覚えておく。そのアサシンはどこにいる?」
「柳洞寺だ」
軽い語らいを終えて、互いに武器を構え直す。そしてオレは、今度はそっちから来いよ、と手招く。
それに応えて狂戦士は、大剣を肩通しに構えて突進してきた。
サーヴァントであれば、それはあまりにも愚鈍な走り。
だが、その一挙一動には無駄がなく、そのBランク級の敏捷は、全てが反射神経に重きを置かれているようだった。
「ハァッ――!」
大ぶりの大剣を振り下ろしてくる。
無論、それを真正面から受けるほどオレはバカじゃねぇ。最速の英霊を舐めるなってんだ。
瞬時に狂戦士の背後に跳び回り、オレはその背中を――――
「そう来るってなぁッ!!」
――――狙わずに、槍をいなしに当てた。
卓越した斬り返しの剣技に舌を巻きながら、巨剣の連撃を真正面から受けて立つ。
「ほらよ」
されど、槍でも剣技の真似事はできる。
狂戦士が振り下ろした剣を、槍の切り落としで防ぎにかかった。
「――ッ!」
「終わりだ!」
そのまま鉄塊の上を滑らせるように槍を翻し、狂戦士の心臓を一突きにしようとする。
が――――
ガキィン――――と、突き出した槍が何かに弾かれた。
その金属音はどこから鳴ったのか。最初は鎧にぶち当たったのかと思ったが、どうも違う。
それは一目瞭然。オレとしたことが夜もあり、戦いに夢中で見逃していた。
……こいつ、左腕が義手じゃねぇか!
「剣技一筋のみならず、仕込みもかなりの重武装! なんだテメェ、独りで戦争でもおっぱじめるつもりかよ! こりゃまいった! ……なぁ、ここらで分けってのはどうだい?」
心底笑いが堪えられないが、それでもオレは引き分けを提案した。
ここで殺すには惜しい好敵手だと思ったからだ。
「そりゃ無理な相談だ。理由は訊かねぇが、一度打ち合ったんなら最後までやりあいてぇ」
「そうかい。ならば仕方ねぇ。惜しいが――――ここで殺させてもらう」
ざっと後ろに退いて、朱槍を下向きに構える。周囲の魔力を暴飲暴食する魔の朱槍。
「――――っ!」
「わかったか? これがオレの宝具だ。手向けとして受け取れよ。オレの必殺の一撃を!」
狂戦士が防御の姿勢を取る。無意味だ。
オレは駆け出し、途中で力いっぱい踏ん張って、宝具の真名を叫ぶ。
「一刺一殺の呪いの槍。喰らうがいい!
「っ――これは――ッ!!」
因果逆転の呪いの槍。
これをもし躱したら認めてやるよ。……テメェは常識破りの存在だってな。
「ぐっ――う、うぉおおおおおおおおおおおお!!!」
朱き槍と鉄の塊が鍔迫り合う。
それから因果は逆転し、黒い剣士の心臓には、朱槍が必中したことになっていた――――
――――なっていた、はずだった。
こともあろうにその男。どうにも“死”からの生還に長けている英霊らしい。
それだけでなく“生存”にも長けた人間らしかった。
オレの思った通り、こいつぁ常識破りな英霊だ。
「…………いいぜ、聞こうじゃねぇか。テメェどこの英霊だよ?」
因果逆転の朱槍は、逆転しないままに、オレの手元に戻っていた。
最初は宝具の発動をキャンセルするスキルか宝具でも持っているのかと思ったが……単純な話、あいつのスキルに因るものなのか、Eランクの幸運がEX級に変化して、さらに直感に近いスキルを有していたために、オレの槍を躱しただけのことだった。
ゲイ・ボルクの呪いを弾くスキルと、オレの槍術を躱すスキルを同時に持つ英霊……。
「――――修羅の剣士」
黒い剣士の男は、そう答えた。
その称号が誰に与えられたものなのかは知らねぇが、オレも同感だ。まったく同じ称号を授けたい気持ちだった。
何故ならこいつの戦い方は、対人間のソレじゃねぇ。
いや、根幹にある剣技は人間を相手に練り上げられたものだが、こいつはさらにその先を行っていた。この剣技は、神代のものじゃなきゃ練り上げられねぇ技巧のものだ。対怪物用とでも言おうか。とにかく武装からして中世期の英霊だと踏んでいたんだが、その安易な予想は改めた方が良さそうだった。
「では修羅の剣士、バーサーカーよ。これよりオレは身を引くが、追ってくるなら決死の覚悟で掛かってこい。その時はすぐにでも、もう一つの宝具を出してやるからよ」
「…………」
剣を収める黒い剣士。
それを確認したオレは跳躍し、その場から撤退した。
「――ったく。オレの槍を完全回避とか、ふざけてんじゃねぇぞ。ありゃ神殺しの英霊だな」
どんな英霊でも、たとえどんなスキルや宝具を有していたとしても、このオレの槍を相手にしてかすり傷ひとつ付かないのは、
だがそれも、既に定められた死の上にある存在ならば、あるいは……。
「――――空白の時代の英霊、か。これは聖杯の知識だな。一体どういうことだ?」
正体不明の英霊、か。なんだかこりゃあ、面白くなってきやがったなぁ!
/了
ちなみに深山町の交差点で発生した殺人事件は、個人的に聖杯戦争とは全く関係のない、ただの強盗殺人だと思うんですよね。それか元アサシンのマスターが、サーヴァント召喚の生贄にしようとした所でキャスターに令呪を奪われたか。……真相は、原作者のみぞ知る。
ランサーの宝具は必中必殺。
回避する方法は、因果逆転の呪いを弾く高ランクの幸運と、ランサー自身の卓越した槍術・投擲術を回避する回避系スキルが必要。しかしそのどちらの判定に成功したとしても、それは“必殺”という概念を打ち消すことができるだけで、“必中”という概念までは覆せない。
つまり急所を外すことはできても、必ず“1ダメージ以上”は喰らうということ。さらに体内殲滅効果もある朱槍は、皮膚に掠っただけで敵の残りHPを上乗せした分のダメージを与える。よってHPが最大まである状態で宝具を喰らうと、防御系か回復系の能力を持っていない限り、掠っただけでHPが0以下にまで持っていかれる危険性がある。
しかも運が悪ければ、これに回復阻害の呪いがついてくる。
なにより最も悪辣な点は、ランサーは自前の魔力で、この宝具を六回程度は連発できるというところ。
以上が、刺し穿つ死棘の槍――――ゲイ・ボルクの真の恐ろしさ。
だが、それを喰らっておきながらダメージを『0』に抑えるとは、一体どういうことなのか。
――――修羅の剣士のステータス開示が待たれる。
(※上記は、この二次創作内での解釈です)