拙い文章かもしれませんが、読んでいただければ幸いです。
「ここのライブハウスね。入りましょう紗夜。」
「ええ。湊さん、気になっているバンドが出るんでしたっけ?」
ある日の事。ガールズバンド「Roselia」のメンバーである
大通りから外れて裏道を少し歩いた場所にある古びた小さなライブハウス「バックストリート」
しかし、中へと足を踏み入れると外観からは想像出来ない程の熱気に満ちていた。鳴り響く熱いサウンドに観客の歓声が入り混じりライブは大いに盛り上がっていた。
「湊さんの目当てのバンドの出番は?」
「今、演奏しているバンドの次の筈よ。タイミングが良かったわね。」
周囲の音が大き過ぎて普通に会話しようものなら声が掻き消されてしまうため、2人は耳打ちのような形で会話をする。
ジャ〜〜〜〜〜〜ン!!ジャジャン!!
「「ワアアアアアアアアアアアアア!!!」」
ヒュー!ヒュー!
「
進行役のような男が観客に向かって拍手を要求する。
「終わったみたいですね。ところで、湊さんはそのバンドのどういったところが気になっているのですか?」
「熱意よ。音楽に対する熱意。他のバンドからも感じられるのだけれど、このバンドは特にその熱意が他と比べ物にならないくらい伝わってくるの。音楽から。」
「熱意…ですか。湊さんがそこまで言うのなら相当なものなのでしょう。」
「ええ。だからそんな彼らの音楽を聴く事で私達Roseliaも良い刺激を受ける事が出来れば、更なる高みへと登ることが出来るんじゃないかと思ったの。…残念ながら他の3人は予定が合わなかったけれど。」
本来ならRoseliaのメンバー全員で来るつもりだったが、友希那と紗夜以外のメンバーは個々の用事で来ることが出来なかった。
「仕方ありません。全員で来るのはまたの機会に…あ、始まるみたいですよ。」
会話を続けていた友希那と紗夜はステージに向き直ると口を閉ざして演奏を聴くために集中する。
「さぁ!!続いて登場するは、今人気上昇中のこのバンド!!
進行役の男がステージ中央に立って大袈裟な身振り手振りで次のバンドを迎え入れる。
「「ワアアアアアアアアアアアアア!!!」」
バンドメンバーがステージに入場するや否や歓声が沸き起こる。
紗夜はステージに立つメンバー達をまじまじと見つめていた。
「私達とあまり年齢は変わらない方達ですね?」
「ええ。全員高校生の筈よ。」
「そうなんですね。…あら?」
「紗夜?どうかした?」
突然言葉を止めてステージを凝視する紗夜に友希那が不思議そうに問いかける。
「あのボーカルの人…何処かで…」
紗夜がそこまで言いかけた瞬間、近くにいた女子のグループの会話が2人の耳に入ってきた。
「ねぇねぇ!知ってる!?このバンドのボーカルの男の子!!あの白鷺千聖の弟らしいよ!!」
「ウッソ!?マジ!?」
「あ!言われてみれば確かに!!顔立ちとかそっくりかも!!」
その話を聞いた紗夜は納得したように「あぁ」と呟いた。
紗夜は改めてステージ上の彼に目を向ける。顔立ちは本当にそっくり。白鷺千聖と比べて目が若干吊り気味だろうか。中性的な容姿の美少年といった感じだ。
「白鷺さんの弟さんだったんですね。」
「ええ。私も話には聞いていたわ。私は白鷺さんの事はよく知らないけれど…紗夜は同じ学校だったわよね?」
「はい。ですが、私も彼女とはあまり話した事は無いので。日菜からよく話は聞くのですが…」
ギュイイイイイイィィィィィン!!!
ギター担当の少年が音を鳴らすと、それまでざわついていた観客が静まり返り、一斉にステージに注目した。友希那と紗夜もそれに倣ってステージへと目を向ける。
演奏前の挨拶だろうか。白鷺千聖の弟は自身の前にマイクを構えて深く息を吸い込んだ。
「お前らッ!!今日は来てくれて!!センキュウウウウウウウウウウゥゥゥゥ!!!」
「「ワアアアアアアアアアアアアア!!!」」
「「!?」」
それを聞いた瞬間、友希那と紗夜はズルリと体から力が抜けてよろめいてしまった。
「オレ達と一緒に熱くなって行こうぜッ!!最後までヨロシクゥウ!!!」
「「ワアアアアアアアアアアアアア!!!」」
高らかと右腕を天に掲げて彼は観客に呼びかけ、観客もそれに応えるように大歓声を浴びせる。
一方の友希那と紗夜はまだ力が抜けたままだった。
「…なんだか、白鷺さんのイメージと全然違っていて…驚きました。」
「え、えぇ。私も驚いたわ。で、でも彼らの演奏は間違いないわ。聴かせて貰いましょう。」
「そ、そうですね。」
「それじゃあ行くぜッ!!先ずは1曲目!!聴いてくれ!!」
いよいよ始まる彼らのステージ。視線を戻した友希那と紗夜は改めて演奏を聴くために集中するのだった。
如何でしたか?
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