プロローグ.幻想入りしました
「お先に失礼しまーす」
いつもの様に仕事場を出ると私は歩いて家へと向かう。
徒歩10分で行ける仕事場は中々無いし、仕事内容も比較的ホワイトだ。
もっとも、今の仕事場を職場と呼んで良いかは微妙だが……。
家に帰ると私は早速、寝転がってスマホを弄る。
家に帰ってからスマホやる位ならパソコンやタブレットを買った方が良いかも知れないが、私にそんな余裕はない。
それにスマホを持ち歩かないのは私もまた現代人特有のスマホ中毒者だからだ。
だから、外出の時位はスマホを手放しているのは一種の予防だ。
まあ、見られたくない画像や動画があるのも事実だが……。
私は今日も小説家になろうで小説を書こうとあれこれ考える。
最近はインスピレーションと趣味の事で書くから、面白いかどうかは兎も角、長続きしている。
読者も限られているが、趣味で書いているので、まあ、こんな物だろうとも思っているが……。
さて、今日は何を書こうかな?
そう悩んでいると一通のメッセージが入って来る。
差出人は八雲紫(やくも ゆかり)さん。
八雲紫とは東方projectのキャラクター名で境界を操る能力を持つ幻想郷屈指の大妖怪だ。
因みに幻想郷が解らない人の為に簡単に説明すると人間と妖怪の住まう楽園の様な場所らしい。
なんでも、昔は争っていたが、今は平和な日々を送っているんだとか……。
そんな八雲紫の名前を名乗ってるのは恐らく、イタズラかよっぽど八雲紫と言うキャラが好きかなにかで付けたんだろう。
だが、私はにわかとは言え、東方projectを知っているからそう言った話を出来る相手は嬉しい。
私はコンビニで買ったペットボトルの烏龍茶を飲みながら、紫さんのメッセージを読む。
『陰猫さん。
こんにちは。今、良いかしら?』
『紫さん。
こんにちは。今、帰ってきた所ですが大丈夫ですよ』
私がそう返信するとすぐに返事が帰ってきた。
陰猫(改)が本来のペンネームだが、親しい人からは陰猫さんと呼ばれる事が多い。
『実は紅魔館で短期のバイトがあるの。
陰猫さん、紅魔館の連中の話好きよね?
だから、陰猫さんさえ良ければ、バイト応募して見ない?』
『いやいや、紅魔館って幻想郷にあるって言う館でしょ?。
しかもバイトって、どんな事やるんですか?』
『大した事じゃないわよ。お皿洗ったり、洗濯物を干したりとかの雑用よ。
統合失調症が良くなって来ている陰猫さんでも無理なく働けるわ』
『そう言う冗談は止めて下さいーーと言うか、紫さんに統合失調症の事、話しましたっけ?』
『忘れたの、陰猫さん?私は幻想郷屈指の大妖怪よ?
私が知らない事なんて殆ど無いわ。それでもし、やれるならやってみたいと思わない?』
『確かにその話が本当ならやってみたいとは思いますが、あくまでも架空の話でしょ?
新しい小説の参考にでもされるんですか?』
『なら、決まりね?少し待ってて、今、迎えに行くから』
そうメッセージのやり取りをして私は首を捻る。
これは紫さんの新しいプレイなのだろうか?
ネタに行き詰まってイメージプレイで書いているのか、それとも単に私をからかって書いているのか?
どちらにしても紫さんとのやり取りは何か不快だった。
私はお気に入りユーザーから紫さんの名前を消そうとスマホを操作しようとする。
「こんにちは~」
次の瞬間、そんな声がして背後を振り返ると何もない空間に裂け目が生じて、その中から上半身だけを覗かせる紫のドレスを着た金髪ロングヘアーの女性が現れる。
私はパニックを起こし掛けたが、日頃から飲んでる安定剤のお陰で発狂せずに済んだ。それでも思考が追い付かない。
「あら?思ったより部屋が汚いのね?衣服とかグチャグチャじゃない?」
紫のドレスを着た女性はそう言って私の過ごす部屋を見渡すと私に視線を移し、その腕を掴む。
「さあ、陰猫さん。行きましょう?」
「ちょっーーちょっと待って!貴女は一体!?」
「見ての通り、八雲紫よ。貴方の数少ない読者の一人ね」
「え?本物の八雲紫……さん?
それじゃあ、本当に私、幻想郷へ行くんですか?」
「そうよ。まあ、陰猫さんは普通の人間だから短期バイトが終わったら、キチンと帰して上げるわね?」
紫さんはそう言うと女性とは思えない力で横になっていた私を立たせると八雲紫の特徴とも言うべき、目の様な何かが無数に存在するスキマの中へと私を引きずり込む。
こうして、陰猫(改)は幻想入りしました
あーれー(; ゚Д゚)
紅魔館、短期バイトでR部分をハーメルンだけでも強調するかどうするか悩んでます。私と美鈴さんのエチエチ見たい人っています?
-
見たい
-
見たくない